▼台湾丸の混沌(Andy Chang )AC通信 No.256 | 日本のお姉さん

▼台湾丸の混沌(Andy Chang )AC通信 No.256

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▼台湾丸の混沌(Andy Chang )AC通信 No.256
私が「台湾丸の沈没?」に関する記事を書き始めて9年になるが、台湾丸はまさに沈没寸前の混乱である。中国の高官が台湾を訪問して、台湾の民衆が反対のデモンストレーションを行ったが、警察の強引な鎮圧に遭い、数十人の怪我人が出た。その直後に陳水扁・元総統が起訴されたが、司法部は直ちに陳水扁を重罪犯人扱いにして拘留(留置)した。台湾人の総統を留置することで蒋系中国人は凱歌を上げたのである。これに続き検察は既に陳水扁の息子と嫁を喚問し、次いで起訴、留置する予定であるとメディアは報道した。正に中国人の得意とする「滅三親、誅九族」である。あまり知る人は多くないが、台湾の検察官は「嫌疑者」を
犯罪の理由を挙げることもなく、4ヶ月も拘留(留置)することが出来る。
しかも犯罪理由を公開しなくてもよい。恐るべき警察国家である
今回は陳水扁の弁護士に対し、公開した言論が「過激と見做せば留置される」と恐喝した検察官も居た。正義なき司法による人権蹂躙に対し、民衆の反応に一致が見られない。陳水扁の罪は裁判が決めると言うが、司法の横暴と裁判にも似たメディアの違法報道は台湾人の人権を無視した行為で、人民が一致反対しなければ馬英九政権独裁は止められなくなる。

●中国人の総体戦の威力
陳水扁の起訴状によると、マネーローンダリング(軽犯罪)、公金横領、収賄嫌疑の三つである。司法部の発表に拠れば、被告人を留置する条件は、
(1)逃亡の恐れがあることと、(2)関係者と口裏を合わせる可能性があるとである。しかし陳水扁は既にパスポートを取り上げられ、尾行がついているので逃亡の恐れはないし、関係者とされた7人は既に留置されているので口裏合せの可能性はない。
つまり明々白々たる司法検察の権力乱用、陳水扁の留置は台湾人政治家の粛清である。
中国の高官が台湾を訪問し、民衆デモで警察が暴力を行使した事件では警察の暴力行使については馬英九が「警察の乱暴な行為は行き過ぎだった、しかし警察署長は辞職する必要なはない」と発表し、逆にテレビに映った「証拠」を基にして被害者側の民衆を起訴した。中国の高官は台湾と経済合作の契約にサインしたが、この契約は立法院の認可がなく、違法であると立法院長・王金平が抗議したが、行政院長は抗議を無視している。
既に独裁国家と化した中華民国は台湾人民を奴隷化して憚るところがないのである。

●暴虐の最先端を行く司法検察
陳水扁は海外に違法送金したことは認めたが、公金横領は認めていない。
この二ヶ月以来メディアは彼の公金横領の《可能性》をあれこれ書きたて、これらの報道を合わせれば30億元ぐらいになるが証拠が挙がらず、最後に陳水扁の側近だった邱義仁を3億元の横領で留置した。しかもその理由がラスベガスのカジノで公金を個人の金に換えたという「憶測」である。土地開発案について収賄罪で関係者一人を留置し、陳水扁も関係があるとして告訴した。この土地開発案で陳水扁が関係した証拠はまだ挙がっていないが、メディアは既に陳水扁を有罪として報道している。メディア暴力に加えて司法暴力である。

●メディアに騙される民衆
留置されたのは陳水扁と七人の関係者だけではない。民進党員の雲林県長・蘇治雲と嘉義県長・陳明文もそれぞれ家宅捜査、続いて連行、尋問、起訴と同時に留置された。収賄罪もデッチ上げの証拠だけで重大犯罪人でもないのに留置とは恐ろしい司法権力の乱用である。この三人は既に潔白と無実の罪に陥れる司法横暴に抗議してハンガー・ストライキを始めた。だがメディアが収賄、汚職と報道すると民衆はメデイアの宣伝に影響されて一致した抗議が出来ない。彼らは独立運動のような反政府で拘留されたのではなく、金銭汚職と報道されると、どうも個人の名誉に傷がついたようになって同情が湧かない。馬英九政権はメディアを使って裁判に影響を与え、民衆を見くびって抗議に動じない。

●馬英九の陰険さ
この数ヶ月間に馬英九の外交や経済問題などに対応する無能ぶりが民衆に伝わってきたが、最近は国民党の方でも利口になって馬英九を表に出さない政策を取っている。つまり、どのような暴虐でも馬英九は知らぬ、存ぜぬで「馬英九の無謬神話」を作り上げる魂胆である。汚職や収賄、違法送金などは馬英九を始めとする国民党高官も多数いるが、司法官、検察官は国民党員を起訴しない。馬英九の公金横領、宋楚瑜の違法送金などは証拠があったが、裁判でも有罪にならない。馬英九の公金横領と違法送金に対する最高裁の判決は、「証拠や事実は確かにあったが、馬英九には犯意がなかった」という世界に類を見ない、呆れたものだった。
国民党の司法制度は中国人には適用しない、台湾人はデッチ上げで重い判決を下すのである。この陰険なやり口で、中国の高官が台湾を訪問するので民衆が抗議すると、馬英九は行政院長のやったことだと答え、司法部の権力乱用は、司法のことは知らないと答え、警察の武力鎮圧も知らなかったと答えるなど、一切の責任を部下の所為にして平気でウソをつく。責任を分散させてしまえば民衆の憤懣の捌け口が分散されるのである。

●国家意識の混乱
どうして台湾人民の一致した抗議がないのか。理由はいくつか挙げることが出来る。
〔1〕、中華民国の意識: 台湾人は「台湾は既に独裁国家」であると理解しいるので、弾圧されても台湾人には遵法意識がある。李登輝や陳隆志などは「台湾は独立国家である」と主張しているが、その国家とは中華民国であり、アメリカを始めとする世界諸国が既に滅亡したと認めているにも拘らず、中華民国の国家制度で正名制憲を実現する夢を見ている。いま起きている弾圧は夢が実現不可能であることを如実に示しているのに、司法、行政、立法、軍警が「正義を維持している」と思っている。

〔2〕、台湾独立は「酸っぱい葡萄」: 台湾が独立するには中華民国を倒すのが先決であるのに、中華民国体制に甘んじて大衆運動をやらない。独立国家であるといえば独立はやらないでもよい。酸っぱい葡萄である。民衆運動をやらず、派閥が林立して各々の利権を守るだけである。

〔3〕、陳水扁の罪を鵜呑みして司法の人権蹂躙は直視しない: メディアの報道に誑かされて、陳水扁が「中華民国の独裁体制の司法制度で」有罪判決を受けるのを許容し、厳重な「人権蹂躙」、「台湾人の指導者が国民党の陰謀で叩きのめされた」事実を無視する。陳水扁が有罪判決を受けても当然と思う。現政権を打倒する気概がない。228事件では13万人が殺害され、指導者、有識者が一網打尽された。今回の司法裁判、警察の違法逮捕などは228事件と同じく指導者を逮捕し、奴隷化を推進する企みである。

〔4〕、中華民国を打倒せずに台湾国を作ることは出来ない: これは革命である。しかし革命に流血が伴うとは限らないが、革命とは流血、そして中国の介入であるとメディアに洗脳され、民衆運動が盛り上がらない。学生が主体となった「野イチゴ連合」の抗議運動に対し、独立運動家、民進党、民衆の参加がない。

●李登輝元総統に失望
李登輝批判は台湾人にとってタブーであった。李登輝氏は台湾人の希望であり、大きな影響力を持つ人物だが、最近は彼の発言に異論を唱え、失望を隠せない人が増えている。李登輝に失望して台聯党を離脱した人も居る。中華民国を維持すれば独立は不可能だから、李登輝の「台湾はすでに独立した国家と言う酸っぱい葡萄論」に反対する人は多い。しかしそれ以上に民衆を失望させたのは李登輝が暴政を「善し」と言ったからである。陳水扁が留置され、公衆の面前で侮辱されたことについてコメントを求められた李登輝は次のように答えた:「陳水扁は政治的迫害を受けたと言ってはならない。自分の過失で世界を非難してはならない。今回の司法(検察)はかなり真面目にやった。少なくとも検察官は多くの“やるべきこと”をやった」。李登輝は検察官が法を無視した人権蹂躙に言及せず、陳水扁を有罪と断じ、検察官はやるべきことをやったと褒めたのである。もう一つは、11月4日の「週刊朝日」で台湾の帰属に関して日本の責任に言及したことである。報道によると、李登輝は「サンフランシスコ条約の台湾の主権について、日本は『台湾澎湖の主権を放棄』したが、放棄しただけでどこに属するか書いておらず、日本が責任を持たなくてはならないことだった」と喝破したという。これはとんでもない間違いである。日本は無条件降伏したのであり、台湾澎湖の帰属について「意見をさしはさむ権利」はなかった。責任はアメリカを主体とした連合軍とSFPTに署名した48カ国にある。いくら李登輝が中華民国を肯定し、司法行政の横暴に迎合する言論を発表しても、やがて何らかの方法で罪に陥れられる可能性があると懸念する人は多い。この傾向は馬英九政権の中国接近が進むほど顕著になると思う。為政者の暴虐に対抗するには為政者を倒さねばならないが、革命に流血が伴うとは限らない。フィリッピンでもタイ国でも似たような事があった。それなのに台湾人は「三年半待てば政権(?)を取り戻せる」と自己欺瞞に陥っている。台湾人は早急に目覚めなければならない。
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★馬さんは 証拠があったが、無罪!!これは もう ただ 驚きのダブルスタンダードですね。
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日本のお姉さん。↓
台湾は、むちゃくちゃに
なっているんですね。