乱獲しているのは巻き網船をはじめとする外国船。
マグロ漁大規模減船?憶測広がる 日かつ漁協調査
遠洋マグロはえ縄漁の業界団体「日本かつお・まぐろ漁業協同組合」(日かつ漁協)が組合員に対し、減船に関する意向調査を実施している。国が大西洋クロマグロ(ホンマグロ)の総漁獲枠の大幅削減を受け入れる方針を固める中、全国有数のマグロ基地・宮城県気仙沼市では「大規模な減船になるのでは」との憶測が広がっている。
同漁協は10月22日付で「国際漁業再編対策事業(国際減船)に関するアンケート」と題する文書を送付。「船齢20年の379トン型で総額1億円程度」と補償金額の目安を示した上で、減船希望の有無や希望隻数などを聞いた。既に回収したが、集計結果については「コメントは一切できない」としている。 国は、大西洋のマグロ資源管理機関「大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)」が17日からモロッコで開く年次会合で、クロマグロ総漁獲枠の大幅削減を受け入れる方針。 12月には、日本近海を含む太平洋の資源管理機関「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」も韓国で年次会合を開催し、メバチマグロの漁獲規制の強化について話し合う予定だ。 国が許可するマグロはえ縄船は8月1日現在、日かつ漁協の漁協以外の所属船を含め遠洋が407隻、近海が349隻。水産庁は既に燃油高騰対策関連の補正予算を含めて、国際減船対策費として約80億円を確保している。 気仙沼市のある船主は「乱獲しているのは巻き網船をはじめとする外国船。日本のはえ縄船にしわ寄せがくるのは納得できない」と反発。一方、ほかの会社からは「船齢の古い船1隻の減船を希望した。補償金はやはり魅力」との声も聞こえる。今のところ減船の規模は不明だが、「全国で60隻から90隻」との見方が一般的だ。 1999年の国際協調減船(2割減船)では、日本の遠洋船661隻のうち132隻が対象になった。気仙沼港船籍と気仙沼を基地とする船が半数を占め、乗組員のリストラや水産会社の整理に伴う負債が発生するなど、地域経済に混乱が広がった。 11月13日6時12分配信 河北新報 |