「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 田母神前空幕長をまねいて講演会を開催! | 日本のお姉さん

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 田母神前空幕長をまねいて講演会を開催!

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成20年(2008年)11月12日(水曜日)
         通巻第2382号  
(緊急のおしらせ)
 田母神前空幕長をまねいて講演会を開催!
 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@

田母神論文を巡って揺れる日本の戦後史観について、一体真実は何処にあるのか、何が問題とされているのか、一連の問題収拾は適切であったのか、政府見解の「村山談話」に誤りはないのか。
この機会に考えるきっかけになればと、名古屋にて有志が集まりこの会を開催することとなりました。
 
 当日は、前半田母神氏にご講演戴き、後半は塚本氏・若狭氏を交えパネルディスカッションでこの問題に迫りたいと思います。
 年末の慌しい時期ではありますが、是非、足をお運びいただけますよう、お願いいたします。
        記
・演題 「日本は侵略国家であったのか」
・講師 田母神俊雄氏(前航空幕僚長)・塚本三郎氏(元民社党委員長)・若狭和朋氏(歴史研究家)
・日時 12月21日(日曜) 午後1時半受付 2時開会~4時半閉会
・会場 名古屋市「桜華会館」 松の間
・会費 1000円
・申込 氏名、住所、電話番号、同伴有無、懇親会参加希望の場合はその旨記入の上、
info.aichi@csc.jp までメール下さい
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  ♪
(読者の声1)はじめまして。宮崎先生の著書は何冊か読み、メールマガジンも毎日愛読しております。皆様方のご意見も拝読しております。
さて、TVや新聞の中立でない、反対意見を載せずに一方方向へ誘導するやり方への対処ですが、一時的に購読をやめることではないでしょうか。それで様子を見る。
拙宅では、新聞は一切取っておりません。TVもいつ捨ててもかまいません。PCもTV機能がないものを買っております。
ニュースは、ネットで読みます。購読をやめる理由は、困っていなくとも、家計が苦しいので、とか、明るいニュースが載らないからでも、田母神氏を批判する新聞はやめる、でも何でもよいのではないでしょうか? そして、本屋で政治経済の書籍を買います。
私は原田武夫氏のブログも視点が興味深いと思います。
フランスもサルコジ大統領になってから、メディア規制があります。大統領を批判した有名キャスターが、クビになっております。
私は下記のブログを参考にしております。フランスでも、ご老人が、TVを捨てて、テレビ税を払わないぞ、という話も聞きます。
ね式世界の読み方
http://neshiki.typepad.jp/nekoyanagi/
 ジョークで、日本の北朝鮮化、フランスの日本化というのもあります。
 豪州やフランスでは、新聞配達という制度がありません。毎朝、買いたい人だけが、ニューススタンドで買うのです。日本のような新聞配達がない国は沢山あると思います。買いたい日だけ、新聞を買う、ことが私にとっては普通のことです。如何でしょうか? 先生のご活躍とご健康を祈っております。
  (BB生)

(宮崎正弘のコメント)河内孝氏が書いた『新聞社 ビジネスモデルの破綻』(新潮新書)はおすすめです。
新聞がなぜ部数を減らしたのか。それは部数至上主義による競争で販売店への壮大かつ無駄な経費、押し紙の無駄、広告収入の激減。そして世論はネットで形成されている現代に、まったく新聞社の体質がついて行けない貧困をえぐっているからです。近く書評を書く予定です。
   ♪
(読者の声2)田母神氏を応援しようという熱い息吹を貴誌から感受しています。田母神氏を直接知る方々は同氏に一方ならないシンパシーを感じています。宮崎さんも純粋な方と誌上でコメントされています。
ただ一門外漢は、田母神事件には謀略が廻らされていたのだろうと眺めています。
田母神氏は論文の発表が自身にどのような事態を招き、防衛省組織の統率と自衛隊員の士気にどれほどの影響を及ぼし、マスコミをいかほど賑わせ、時の政権をどこまで揺さぶり、野党や国内左派勢力、中国・韓国・北朝鮮の近隣諸国をどれだけ利し、国内の政局をどこまで混迷させるかしっかり予見していたでしょう。
それでもやむにやまれぬ大和魂から行動したのでしょう。
防人、義士としての高邁な精神が田母神氏を律し行動を促したことを疑いません。

11日、田母神氏は国会の外交防衛委員会に参考人として招致され毅然と所信を開陳しました。
日本ほどシビリアン・コントロールの貫徹された国家はない、自分が部下に声を掛けていたら千人は応募したと意気軒昂の発言でした。しかし本事件には田母神氏の純粋無私の無垢な精神の裏側に、論文発表の場を提供した一営利企業の思惑が介在し、これとつながる永田町勢力の影が差していた観があります。
田母神事件で不可解なのは、その舞台が一不動産業者の論文募集だったことです。

この企業のオーナーは政治的オピニオンの著書をモノしていていますが、これは本業のホテル業で犯した耐震偽装と同じではないかとの噂もあります。論文の詮衡は社外の有職者が応募者名をブラインドにしてなされ受賞作が決定されたと云われています。

しかし詮衡委員に提示された論文は企業サイドがふるいにかけ絞り込んだものでした。これで詮衡の公平性が担保されたと云えるでしょうか。ただ詮衡プロセスは有職者の責任の範囲外です。
 このオーナーは自民党の領袖クラスや第一野党の大幹部夫妻、それぞれの有力議員たちとも甘露な葡萄酒宴会でつながりを取り結ぶ強かな面を持っていて、田母神氏とも交流がありました。田母神氏はそれもこれも承知して応募したのでしょう。田母神事件を引き起こした論文募集は福田政権下の今年5月に実施されました。
永田町の権力争い、勢力のせめぎ合いがこの論文募集を透明な薄帛のように包んでいたのです。 シナリオライター不明の謀略だったのではないでしょうか。
そこに覚悟を秘めた自衛隊の軍人トップが巻き込まれていったと絵解きできるのではないでしょうか? 
 田母神事件がアンチ被虐史観や侵略国家かどうかの観念的な歴史論争に留まらず、他国の侵略を許さない国家統合と鼓腹撃壌の民族結合=社稷の形成に結びつく「国体」論議へ向かうことを願います。
更に社稷、国体を明徴する「憲法改正」へと広範な世論を喚起してゆくことを念じます。
 (しなの六文銭)

(宮崎正弘のコメント)為にする謀略論がタブロイド判夕刊紙と週刊誌で真っ盛りですが、あの謀略論は売らんかな商業主義ですね。

   ♪
(読者の声3)田母神空幕長の証人喚問を見た者達が、「流石に空幕長だけのことはある、立派だ」とか「他国に侵略して多くの人を殺害しておきながら、濡れ衣だなんてとんでもない奴だ、こんな戯けた奴が自衛隊のトップに居るから日本は軍国主義と言われるのだ」などと夫々の意見を述べていますが、今回の件で国民が国家の在り方を議論するのは大変結構な事だと想っています。
明治維新の時ほどに大いに盛り上がってもらいたいものです。
 「日本は侵略国家であった」とほざく連中に「じゃ、お前の親父も他国侵略に加担して多くの人を殺害して来たのか」と尋ねると、召集された方の子は、「とんでもない俺の親爺はそんな事はしていない」と返答する。
 召集されなかった方の子は「俺の親爺はそんな野蛮な兵隊等には行かなかった」と応える。
 戦争とは人の命を奪う生き死にの問題に成るから戦争が本気で好きな人間など何処にもいない、然しながら残虐非道な侵略国家は今も厳然と存在している。
 日本はそんな国と国運を賭けて、死力を尽くして国防の為に闘ったが武運拙く敗者と成ってしまった。
 だが負けたとは云え日本人精神力は強靭であったため、再興を恐れたアメリカは其の強靭な精神を破壊してアメリカの都合の良い民族に仕上る為に、飼いならしの、偽りの教育をして日本人に精神混乱を起させているだけだ、早く目を覚ませ、と諭しています。
 召集された方の家族は親爺の蛮行を否定するが、召集されなかった方の家族は国防軍を持つ意義も解らず自国を貶める意見を言う。
 日本が何故戦争をしたのか、せざるを得なかったのか良く調べてから議論してはどうだ、気持ちは判るが、悲惨な犠牲を先に論じていたのでは戦争をした意味が判らなくなってしまう。侵略国家の策謀に惑わされて国家を非難するは、相手の思う壺に嵌っている証拠だ、騙されるな。などと議論する機会が生じたことは大変結構な事だと思っています。
      (TK生、佐賀)
  ♪
(読者の声4)以前、トルコは第二次世界大戦末期に連合国から参戦するように強要されたが、断ったと書いたものを貴誌8月27日付け2298号に下記のとおり掲載していただきましたが、あれは、誤りであると判明いたしました。
昭和20年1月3日に対日断交して、2月23日に宣戦布したそうです。ただし、実際の戦闘には参加していません。
以前、どこかで、断って、そのため、連合国に嫌がらせをされた旨を読んだ記憶があり、確認のため調査しましたが、確認が取れず、未確認のまま書きました。
ここに訂正させていただきます。
 「(読者の声2)貴誌通巻第2297号に日本とトルコとの友好関係について書いておられますが、この点に関して一つあまり語られることがないが、忘れてはならない重要なことがあります。それは、第二次世界大戦末期枢軸国側の敗戦が濃厚となったとき連合国からの度重なる要請(実質的脅迫)にもかかわらず枢軸国に宣戦布告をせず中立を守ったことです。
 今、何気なく考えるとなんでもないことのように思えますが。これは大変なことです。戦争終結後連合国側からどんな嫌がらせをされるかわからない危険なことでした。
 当時のトルコの政府首脳にとって、まさに清水の舞台から跳び降りるほどの決断であったろうし、それを支持する国民の心があったのでしょう。
 パール博士の判決にも匹敵するあるいは凌駕する人類全体が名誉とすべきことでしょう。
 ニーチェ風に言うなら「この国民をみよ」です。日本の歴史教科書に大書特筆すべきことです。国体の大義という観点で第二次世界大戦で「正義」を貫いたのは日本だけでした。
しかし人類普遍の原理という観点から「正義」を貫いたのは、トルコでした。
 断じて太平洋戦線で日本兵、ヨーロッパ戦線でドイツ兵の降伏兵を大量虐殺し、ドレスデン、東京、大阪、名古屋、あまつさえ広島、長崎で民間人大虐殺を行なった米国ではありません」。
   (ST生、神奈川)

  ♪
(読者の声5)貴誌にでた(読者の声2)の<付け焼刃の帝国主義>について。「かつての日本は、やはり「侵略国家」だったのではないでしょうか。「侵略国家」というコトバの定義にもよりますが」(引用終わり)。

意見:定義しないで断定はありえません。日本が侵略なら米ソ英国支那みな侵略国家です。日本の戦争は自衛戦争でした。
「侵略」は左翼の反日宣伝用語に過ぎません。
   (MARU)
~~~~~~~~~~~~~~

 樋泉克夫のコラム

【知道中国 195回】                  
  ――それを望んだのは誰だったのだ
    『溥傑自伝 「満州国」皇弟を生きて』(愛新覚羅溥傑 河出書房新社 1995年)

最後の皇帝として清朝の幕引き役となり、満州国では初代にして最後の皇帝。突如として南下侵攻してきたソ連軍に逮捕され、ソ連と中国で戦犯として15年の収容所生活を送った後に共産党政権から特赦され中国人民に生まれ変わる。
その間、連合国側証人として極東国際軍事裁判の法廷に立ち「関東軍の操り人形」であったと言い張った溥儀に負けないほど、「皇弟」の溥傑も数奇な運命を生きた。

著者は日本の学習院から陸軍士官学校に進み、「日満親善」の象徴として嵯峨公爵家の令嬢と結婚。2人の間に長女として生まれ溥儀からも可愛がられた慧生は後に「恋に殉ずる」。伊豆の天城山中で死体となって発見されたのだ。
満州国崩壊後、瀋陽で捕虜となりチタ、ハバロフスクを経て兄と同じ撫順で戦犯生活。特赦された翌年の61年には周恩来の計らいで日本に戻っていた浩夫人を北京に呼び戻し家庭生活を再開。
文化大革命という「大災厄の日々」を周恩来の庇護で乗り切り、「思い出の日本を訪れ」る。

次女の福永嫮生によれば、著者は「とりわけ天皇・皇后両陛下のご訪中を喜」こび、「皇族の方々をはじめ、多くの知人、友人の皆様に大変大事にしていただき、いつも『まことにもったいない、ありがたいことだ』と感激に涙して」いたそうだ。日中関係の裏面史を物語る溥傑の波乱に満ちた生涯だが、なかでも清朝再興を巡る一族内の考え方の相違は興味深い。

1911年10月に辛亥革命が勃発し翌年2月に宣統帝である溥儀は退位を宣言し清朝が崩壊するが、中華民国政府から特権を与えられ、「私たちは依然として贅沢三昧な暮らしをしていた」。紫禁城内という制約はあったものの、皇帝時代と変わらない生活を維持する。だが清朝を倒した「辛亥革命や孫中山・袁世凱の話になるとがっくりし、また切歯扼腕」し「私たちはいつも清王室の皇祖はみな仁心が厚く、人心の願うところであり、このまま滅びることはない、将来またよくなる日もある、と思い、『不遇極まって福来る』日を待っていた」。
であればこそ「私たちはいつも」清朝の再興に思いを馳せたとしても不思議はない。

元「皇弟」たる「私には清室を振興するには外援が絶対必要であるという考えが強くなった。・・・将来どの国の援助に頼って帝制を回復するか、ということが私の頭から一時も離れなかった」。
一方、宣統帝として一度は清朝の玉座に坐った兄の溥儀は満州国の帝位に清朝皇帝を重ね合わせ、そこに「清室を振興する」道を求めた。
ところが兄弟の父親で、宣統帝の先代であり清朝11代目・光緒帝の異母弟に当たる醇親王は、大反対。「『満州国』の皇帝になることに父は反対を表明したが、溥儀が聞き入れなかったのが口惜しく、涙を流した」。この本に拠れば、弟が「絶対必要である」と考えた「外援」を日本と見定め、兄は泣いて反対する父親を押し切って「『満州国』の皇帝にな」ったということになる。

著者は本書の末尾に「旧社会は、罪悪の深淵である。一人の男が暗黒の社会で曲がりくねった道に入りこみ、しかも遠くまで歩んでしまった。
しかし共産党が彼を救いだし、彼までもが人民のため国家のために役立つ仕事ができるようにさせたのである」と自らを「彼」と綴り客観視し、共産党への感謝を表明する一方、「旧社会は、罪悪の深淵」と罵る。だが「最悪の深淵」で、なぜ「依然として贅沢三昧な暮らし」ができたのか。「共産党が彼を救いだし」た理由はなんだったのか――『溥傑自伝』が語ることはない。 
 《QED》

恒例「憂国忌」が近づきました
宮崎正弘の三島由紀夫論 三部作!
『三島由紀夫の現場』、『三島由紀夫“以後”』(ともに並木書房)
 『三島由紀夫はいかにして日本回帰したか』(清流出版)
宮崎正弘の最新刊
 『中国がたくらむ台湾沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
宮崎正弘のロングセラー
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ)
               (全332ページ、写真多数、定価1680円)
『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円) 
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』(KKベストセラーズ、1680円)
宮崎正弘のホームページ 
http://miyazaki.xii.jp/
 ◎小誌の購読(無料)登録は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
 
http://www.melma.com/backnumber_45206/
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2008 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。