◎今日のアフリカ 『台湾の声』 台湾馬総統の本性
◎今日のアフリカ
RDコンゴ
運び出される硬直した遺体、血だらけの室内、家財道具を頭に乗せて逃げていく住人。HRWによれば20人が惨殺されたようです。シーツをとって、銃弾に引き裂かれた若者の遺体をカメラに見せる人。CNDP(人民防衛国民会議)にやられたと言っています。火曜日キワンジャで、元ツチ族将校ローラン・ンクンダの反乱軍と政府より民兵マイマイとの激しい戦闘が繰り広げられました。貧しい小さな家々や、広大な野原(といったらいいのか、遠くには雄大な山が見える)の中を逃げていく人々の風景から一転して、RDコンゴのカビラ大統領、ルワンダのカガメ大統領、バンキムン国連事務総長らが、ケニヤのナイロビで7日即時停戦に同意し記念撮影をしているようです。カビラ大統領はルワンダが反乱軍を支持していると非難していますが、カガメ大統領は否定しています。土曜日、このあたり一帯に政府軍が強化されました。すでに様々な武装グループや外国軍が入り乱れていて、収拾する可能性はないように思われます。政府軍もローラン・ンクンダの武装グループも野原の中を歩いています。(ンクンダはいつも陽気な感じです)ケニヤの外務大臣は、国連軍(MONUC)は”キャスク・ブルー”をかぶってただ散歩をしているだけだと、戦闘を防ぐことも出来ない国連軍を非難しています。
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『台湾の声』
【論説】台湾馬総統の本性 (時局心話會代表 山本善心)
このところ、馬英九総統に対する内外の批判が厳しい。9月の下旬に台湾から4人の経営者がやってきたが、その中に、今年2月の総統選で馬氏を応援したK氏もいた。氏は、台湾経済が中国次第なので馬氏を応援したという。ところが「馬総統になってから、台湾経済は本当に駄目になった。まだ陳水扁前総統時代のほうがよかった」と失望している。2006年の実績として、K氏はこう述べている。「台湾は中国に対して年間40%近い輸出があり、台湾の貿易黒字は約500億ドル(5兆7000億円)もあった。また台湾企業の海外投資のうち、70%は中国だ。台湾は中国に経済を依存しているので、政治がもっと効率的で便利な政策と関係改善を優先してもらいたかった」馬氏は中国との関係改善を約束し、①中台直行便の定期化、②中国人観光客の受け入れ拡大、③人民元の流通緩和をうたった。しかし政治の無策と、その後起こった石油の高騰、不動産・株価の下落、米国発の金融危機、中国経済の人件費の高騰、物価の上昇、消費の停滞が重なった。台湾経済は壊滅的状況を呈しつつあり、馬政権は大ピンチに陥っている。
●馬氏の不人気
さらに10月下旬、馬総統と親しいという経営者が台湾からやってきた。彼も馬氏を支持した1人であるが、今台湾では、馬総統の名前を出すだけで拒絶反応を示す人が多いという。イケメン、スタイリスト、口先だけは立派であるが中身のない総統だ、とあきらめ顔だ。台湾経済界や台湾人は、馬政権の政策とリーダーシップが悪いから経済悪化を招いたと本気で思っている。毎日3000人を誘致すると公約していた観光客数も、今では1日100人前後だと聞く。支持率低下という最悪状況の中で、馬政権は経済悪化の矛先をどこかに向ける戦略と工作が必要であった。近いうちに何かが起こると考えた筆者は、定例会でもそれを強調した。
●尖閣を政治問題化
尖閣諸島は、日本が実効支配している固有の領土である。そこに台湾の領有権を主張する活動家を乗せた抗議船3隻が不法侵入する。6月10日、台湾の遊漁船「聯合号」と海上保安庁の巡視船が衝突事故を起こしたのだ。ところがこの漁船が沈没したので、台湾メディアが大騒ぎし、国民党の議員はその事件を政治問題化した。なかでも行政院長は「日本との戦争も辞さない」と議会で答弁。総統の不人気を尖閣問題とすり替える格好の戦術を用いた。このように馬総統の日本への強硬姿勢が、「反日」と指摘される要因の一つだ。親日派の李登輝元総統の、尖閣問題に対する意見はどうか。9月24日に沖縄を訪問した際、知事らとの昼食会の席上で、李元総統は「私に言わせれば、尖閣諸島は日本の領土である」「漁業権とは関係なく、政治的にやっているだけで、(日本は)神経質にならない方がいい」と発言した。
●馬総統は反日政治家
弊誌38号でも述べたが、2001年3月、台北市で弊会主催の日台研究会が行われた。当時市長だった馬氏は、一行80名(国会議員25名を含む)を台北市庁広場に招待。「日本は侵略国家であり、靖国神社の参拝にも反対する」と強調した。馬市長は初めの挨拶で日本の戦争犯罪に触れ「日本は過去の歴史を鑑として深く反省すべきである。靖国神社参拝は(台湾人)被害者の心を深傷つけるものだ」と、えんえん30分以上にわたって日本批判を繰り広げた。これは中国とまるで同じ反日発言であり、「何と非常識で無礼な市長なのか」と参加者全員は不快な思いをする。日本の国会議員の前で日本の先人を侮辱し、かつての戦争を悪と断定するのは、招待側としてあまりにも非礼な態度といえよう。馬総統は月刊「世界」の11月号でも「私たちは日本が過去に戦争を発動し、東アジア、また東南アジアにおいて多くの植民(地支配)と侵略(戦争)を残したと理解しています」と述べた。
●「中国と台湾は中華民国領土」
このように日本に必要以上の憎しみを持つ馬総統であるが、それを批判されると「日本重視」と態度を豹変させ、まるでシチメンチョウのようだ。さらに日本人記者を集めて「日本と台湾は特殊なパートナー関係である」と言い訳会見を開く。筆者と交流のある大方の中国人は、馬総統の名が出るだけで不快な表情を見せた。それにはいくつかの理由がある。まず馬総統は事あるごとに中国の自由と民主化、人権問題に触れて「中国民主化の遅れは、今後の中台対話の障害になりうる」と発言。さらに「台湾の民主化が中国にも寄与する」との認識を表明し、中国政府の感情を逆撫でしている。先の月刊「世界」誌上でも「…中華民国は当然ながら独立した主権を有する国家ですし、中国大陸も私たち中華民国の領土です」「憲法の規定の関係上、大陸を一つの法理国家として承認することはできません」と明言している。筆者は昨年来、馬氏の本音をこのように指摘してきたが、本人が雑誌で主義主張を明確にしたことでそれを裏付けた。
●「台湾は一つの地域」
李元総統は中国との関係を「国と国の関係」としたが、陳前総統は「一辺一国」の概念を明確にしている。馬総統は「中華民国は台湾と中国大陸をそれぞれ一つの国家として認めない」と定義した。つまり台湾も大陸も中華民国の領土であり、もう一つの国家が存在することは承認できない。つまり、中華民国統治による一つの中国というわけだ。台湾が国でないとすれば何なのか。月刊「世界」で馬氏の答えは次の通りである。「台湾を単なる『地方の市場』にとどまらず、『地域の飛び板』と見なすようになりました。米国商会や欧州商会(台北駐在の各国商工会議所)などは、いずれもこのように考えています」、つまり欧米にとって、台湾は地域のオペレーションセンターだという。それは「台湾は憲法に定められた、中華民国の一つの地域だ」とする馬総統の考えと一致するものだ。さらに9月3日メキシコで、インド記者の質問に対して「台湾は一つの地域であるが国ではない」と明言した。これは台湾人にとって承服できない問題であり、非現実的で矛盾しているとの台湾世論が動きはじめた。
●裸の王様
つまり台湾でもなければ中国でもない、実態のない中華民国の総統が突然「中国と台湾は中華民国の領土だ」と言いだしたのだ。台湾の若者たちの間で「馬総統はおかしいのではないか、なぜ今さら中華民国なのだ」という声が広がりを見せている。若者たちから見れば、台湾はすでに法の下で、国家として民主的に運営・統治されている国なのだ。今までは中国がうるさいから「現状維持」と言っているだけで、立派な独立国家なのである。馬総統はお坊ちゃま育ちの正直者で、人間としてクリーンであり、本音を言う人だ。悪い人ではなく裏もないからぺらぺらしゃべりまくるので、見る人が見ると、心の底から馬鹿だと思われても仕方がない。しかし国家のリーダーとなれば軽率な発言は許されないことだ。賢い中国は馬総統の動静を見ているが、今のところ相手にもしていない。
●台湾人トップの資格
台湾国民は経済の発展と共に「主権維持」に過敏である。台湾人の大部分は本省人(約85%)の血筋だといわれている。台湾で民主的な手段で総統が選ばれ、民主的な統治がなされている限り、台湾人に都合の悪い政策は受け入れられない。馬総統が前近代的な発想や法理を持ち出しても、世界各国からも理解されまい。世界の目は「中華民国」ではなく「台湾」に向いている。日本国内にも中国の危機説をあおる論者が後を絶たないが、中国はすでに次なるステップに戦略転換している。日台に対する武力威嚇、反日デモ、台湾を威嚇で封じ込める戦略から、「融和路線」へと大きく舵を切った。これまでの戦略では嫌中感情を高める結果にしかならない。また今迄李元総統の訪日を「封鎖」したことも、反中感情をあおり国際的イメージを低下させるだけであった。台湾世論は、馬政権に大きな期待を寄せたものだ。しかしその政策と政治能力に思いつきやその場しのぎが目立つ。尖閣、歴史認識では反日姿勢を示し、「中国は中華民国の領土、台湾は一つの地域」との見解を表明するなど、今や台湾トップとしての資格と見識が問われていまいか。
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『台湾の声』
【呼びかけ】全国で台湾応援の運動をやろう!(永山英樹)
ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/
■中国恐怖症の処方箋は「台湾直視」
反日左翼史観が蔓延する中、日本の近代史は日本の台湾統治を受けた台湾の人々の声も聞かなくていいのだろうか。台湾は日本にとっては国防の要に位置するが、そのことを忘れていいのだろうか。台湾の人々は日本を深く理解し、親しみを抱いてくれているが、それを無視していていいのだろうか。日本人が台湾に対し、これほど無理解、無関心なのは、偏に中国ばかりに目が行き、それに配慮し、あるいはそれに脅えているからだ。つまり中国のために歴史観は制限され、国防意識も抑えられ、すぐ隣の国に友情の手を差し伸べることもできないと言う状況だから、まさに中国恐怖症にかかっているようなものだ。それであれば日本人の唯一の処方箋は「台湾を直視すること」となる。中国など恐れず堂々と台湾と関係を深めることができるようになれば、それだけで日本は「健康」を回復したことになるだろう。そこで台湾の重要性を訴えなければならなくなった。さらにそのためには台湾を研究しなければならない。そのような考えで我々は今から十二年前、台湾研究フォーラムを結成した。
■台湾との提携で日本人は自信を取り戻せる
以来、毎月都内で台湾や日台関係に関する定例講演会を開催するなど言論活動を展開している。また街頭に出ることも多い。李登輝氏へのビザ発給を拒んでいた外務省への抗議デモ、外国人登録証で台湾人に「中国」の国籍を押し付けている法務省入国管理局への抗議のデモを在日台湾同郷会と提携して行うなど、台湾建国を応援する実践行動にも乗り出すようになった。また在日台湾同郷会との提携は、李登輝氏の日台運命共同体理念を掲げる日本李登輝友の会と言う全国組織を生むきっかけともなった。かくして会員たちは台湾人と運動を共にすることで、台湾への理解を深め、その国をあたかも自国のことのように真剣に考えるようになった。私はそれを見て、やはり台湾には日本人を引き付けるような魅力があるのだなと感じた。それは何かと言うと、台湾の親日感情からのものか、中国と対峙する力強さからのものか…。いずれにしても日本人には、国民全般が中国にペコペコするなか、台湾と提携することで、自信を回復し、勇気を抱き、誇りを取り戻すような傾向があるみたいだ。それに何と言っても、日本人と気が合う外国国民(台湾人)と出会えば、嬉しくなるのは当然だ。
■日台団結の訴えー「中国の嫌がること」をやれ
定例講演会などに集う仲間が何人いるのかはよくわからないが、年会費を支払って会員登録している人は約百人だ。これは多いのか少ないのか。よく「そんなに多いのか」と感心されるが、それほど台湾問題に関心のある人が一般には少ないと言うことだろう。私はもっと同志を増やさなければいけないと思っている。今台湾では在台中国人の馬英九政権が中国の「統一」の磁力に引き寄せられると言う危険な状況だ。これでは台湾だけでなく日本を含む東アジア全体が危ない。だからこれからも「中国の嫌がること」、つまり「台湾は台湾人の国」「台湾は日本の生命線」「台湾と日本は団結せよ」と訴える活動を展開したい。
■台湾を激励し中国を牽制する世論の形成を
そこで関東の方はぜひご参加のほど。その他にお住まいの方は日本李登輝友の会へご入会を。あるいは独自で同じような活動の展開を。こうした活動は無駄ではないと、これまでの経験からはっきりと言える。日本人はまだ台湾をよく知らないだけで、知らせてあげれば関心を抱く人は本当に多い。これも台湾が持つ、日本人を引き付ける力だろうか。そして日本の世論を台湾支持へと持って行けば、台湾不支持の世論形成をはかる中国の対日宣伝工作への大きな牽制となるのである。そして国際社会で孤立感を深める台湾人への大きな激励ともなるだろう。とにかく台湾を中国に呑み込ませてはならない。なお台湾研究フォーラムは十一月九日、下記の通り定例講演会を行う。講師は日本人ながら半世紀近くにもわたって台湾独立の建国運動に挺身してきた宗像隆幸氏。現在の台湾の危機的状況を語っていただくので、お近くの方は奮って参加を。
※台湾研究フォーラム taiwan_kenkyu_forum@yahoo.co.jp
※日本李登輝友の会 ritouki-japan@jeans.ocn.ne.jp http://www.ritouki.jp/
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RDコンゴ
運び出される硬直した遺体、血だらけの室内、家財道具を頭に乗せて逃げていく住人。HRWによれば20人が惨殺されたようです。シーツをとって、銃弾に引き裂かれた若者の遺体をカメラに見せる人。CNDP(人民防衛国民会議)にやられたと言っています。火曜日キワンジャで、元ツチ族将校ローラン・ンクンダの反乱軍と政府より民兵マイマイとの激しい戦闘が繰り広げられました。貧しい小さな家々や、広大な野原(といったらいいのか、遠くには雄大な山が見える)の中を逃げていく人々の風景から一転して、RDコンゴのカビラ大統領、ルワンダのカガメ大統領、バンキムン国連事務総長らが、ケニヤのナイロビで7日即時停戦に同意し記念撮影をしているようです。カビラ大統領はルワンダが反乱軍を支持していると非難していますが、カガメ大統領は否定しています。土曜日、このあたり一帯に政府軍が強化されました。すでに様々な武装グループや外国軍が入り乱れていて、収拾する可能性はないように思われます。政府軍もローラン・ンクンダの武装グループも野原の中を歩いています。(ンクンダはいつも陽気な感じです)ケニヤの外務大臣は、国連軍(MONUC)は”キャスク・ブルー”をかぶってただ散歩をしているだけだと、戦闘を防ぐことも出来ない国連軍を非難しています。
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『台湾の声』
【論説】台湾馬総統の本性 (時局心話會代表 山本善心)
このところ、馬英九総統に対する内外の批判が厳しい。9月の下旬に台湾から4人の経営者がやってきたが、その中に、今年2月の総統選で馬氏を応援したK氏もいた。氏は、台湾経済が中国次第なので馬氏を応援したという。ところが「馬総統になってから、台湾経済は本当に駄目になった。まだ陳水扁前総統時代のほうがよかった」と失望している。2006年の実績として、K氏はこう述べている。「台湾は中国に対して年間40%近い輸出があり、台湾の貿易黒字は約500億ドル(5兆7000億円)もあった。また台湾企業の海外投資のうち、70%は中国だ。台湾は中国に経済を依存しているので、政治がもっと効率的で便利な政策と関係改善を優先してもらいたかった」馬氏は中国との関係改善を約束し、①中台直行便の定期化、②中国人観光客の受け入れ拡大、③人民元の流通緩和をうたった。しかし政治の無策と、その後起こった石油の高騰、不動産・株価の下落、米国発の金融危機、中国経済の人件費の高騰、物価の上昇、消費の停滞が重なった。台湾経済は壊滅的状況を呈しつつあり、馬政権は大ピンチに陥っている。
●馬氏の不人気
さらに10月下旬、馬総統と親しいという経営者が台湾からやってきた。彼も馬氏を支持した1人であるが、今台湾では、馬総統の名前を出すだけで拒絶反応を示す人が多いという。イケメン、スタイリスト、口先だけは立派であるが中身のない総統だ、とあきらめ顔だ。台湾経済界や台湾人は、馬政権の政策とリーダーシップが悪いから経済悪化を招いたと本気で思っている。毎日3000人を誘致すると公約していた観光客数も、今では1日100人前後だと聞く。支持率低下という最悪状況の中で、馬政権は経済悪化の矛先をどこかに向ける戦略と工作が必要であった。近いうちに何かが起こると考えた筆者は、定例会でもそれを強調した。
●尖閣を政治問題化
尖閣諸島は、日本が実効支配している固有の領土である。そこに台湾の領有権を主張する活動家を乗せた抗議船3隻が不法侵入する。6月10日、台湾の遊漁船「聯合号」と海上保安庁の巡視船が衝突事故を起こしたのだ。ところがこの漁船が沈没したので、台湾メディアが大騒ぎし、国民党の議員はその事件を政治問題化した。なかでも行政院長は「日本との戦争も辞さない」と議会で答弁。総統の不人気を尖閣問題とすり替える格好の戦術を用いた。このように馬総統の日本への強硬姿勢が、「反日」と指摘される要因の一つだ。親日派の李登輝元総統の、尖閣問題に対する意見はどうか。9月24日に沖縄を訪問した際、知事らとの昼食会の席上で、李元総統は「私に言わせれば、尖閣諸島は日本の領土である」「漁業権とは関係なく、政治的にやっているだけで、(日本は)神経質にならない方がいい」と発言した。
●馬総統は反日政治家
弊誌38号でも述べたが、2001年3月、台北市で弊会主催の日台研究会が行われた。当時市長だった馬氏は、一行80名(国会議員25名を含む)を台北市庁広場に招待。「日本は侵略国家であり、靖国神社の参拝にも反対する」と強調した。馬市長は初めの挨拶で日本の戦争犯罪に触れ「日本は過去の歴史を鑑として深く反省すべきである。靖国神社参拝は(台湾人)被害者の心を深傷つけるものだ」と、えんえん30分以上にわたって日本批判を繰り広げた。これは中国とまるで同じ反日発言であり、「何と非常識で無礼な市長なのか」と参加者全員は不快な思いをする。日本の国会議員の前で日本の先人を侮辱し、かつての戦争を悪と断定するのは、招待側としてあまりにも非礼な態度といえよう。馬総統は月刊「世界」の11月号でも「私たちは日本が過去に戦争を発動し、東アジア、また東南アジアにおいて多くの植民(地支配)と侵略(戦争)を残したと理解しています」と述べた。
●「中国と台湾は中華民国領土」
このように日本に必要以上の憎しみを持つ馬総統であるが、それを批判されると「日本重視」と態度を豹変させ、まるでシチメンチョウのようだ。さらに日本人記者を集めて「日本と台湾は特殊なパートナー関係である」と言い訳会見を開く。筆者と交流のある大方の中国人は、馬総統の名が出るだけで不快な表情を見せた。それにはいくつかの理由がある。まず馬総統は事あるごとに中国の自由と民主化、人権問題に触れて「中国民主化の遅れは、今後の中台対話の障害になりうる」と発言。さらに「台湾の民主化が中国にも寄与する」との認識を表明し、中国政府の感情を逆撫でしている。先の月刊「世界」誌上でも「…中華民国は当然ながら独立した主権を有する国家ですし、中国大陸も私たち中華民国の領土です」「憲法の規定の関係上、大陸を一つの法理国家として承認することはできません」と明言している。筆者は昨年来、馬氏の本音をこのように指摘してきたが、本人が雑誌で主義主張を明確にしたことでそれを裏付けた。
●「台湾は一つの地域」
李元総統は中国との関係を「国と国の関係」としたが、陳前総統は「一辺一国」の概念を明確にしている。馬総統は「中華民国は台湾と中国大陸をそれぞれ一つの国家として認めない」と定義した。つまり台湾も大陸も中華民国の領土であり、もう一つの国家が存在することは承認できない。つまり、中華民国統治による一つの中国というわけだ。台湾が国でないとすれば何なのか。月刊「世界」で馬氏の答えは次の通りである。「台湾を単なる『地方の市場』にとどまらず、『地域の飛び板』と見なすようになりました。米国商会や欧州商会(台北駐在の各国商工会議所)などは、いずれもこのように考えています」、つまり欧米にとって、台湾は地域のオペレーションセンターだという。それは「台湾は憲法に定められた、中華民国の一つの地域だ」とする馬総統の考えと一致するものだ。さらに9月3日メキシコで、インド記者の質問に対して「台湾は一つの地域であるが国ではない」と明言した。これは台湾人にとって承服できない問題であり、非現実的で矛盾しているとの台湾世論が動きはじめた。
●裸の王様
つまり台湾でもなければ中国でもない、実態のない中華民国の総統が突然「中国と台湾は中華民国の領土だ」と言いだしたのだ。台湾の若者たちの間で「馬総統はおかしいのではないか、なぜ今さら中華民国なのだ」という声が広がりを見せている。若者たちから見れば、台湾はすでに法の下で、国家として民主的に運営・統治されている国なのだ。今までは中国がうるさいから「現状維持」と言っているだけで、立派な独立国家なのである。馬総統はお坊ちゃま育ちの正直者で、人間としてクリーンであり、本音を言う人だ。悪い人ではなく裏もないからぺらぺらしゃべりまくるので、見る人が見ると、心の底から馬鹿だと思われても仕方がない。しかし国家のリーダーとなれば軽率な発言は許されないことだ。賢い中国は馬総統の動静を見ているが、今のところ相手にもしていない。
●台湾人トップの資格
台湾国民は経済の発展と共に「主権維持」に過敏である。台湾人の大部分は本省人(約85%)の血筋だといわれている。台湾で民主的な手段で総統が選ばれ、民主的な統治がなされている限り、台湾人に都合の悪い政策は受け入れられない。馬総統が前近代的な発想や法理を持ち出しても、世界各国からも理解されまい。世界の目は「中華民国」ではなく「台湾」に向いている。日本国内にも中国の危機説をあおる論者が後を絶たないが、中国はすでに次なるステップに戦略転換している。日台に対する武力威嚇、反日デモ、台湾を威嚇で封じ込める戦略から、「融和路線」へと大きく舵を切った。これまでの戦略では嫌中感情を高める結果にしかならない。また今迄李元総統の訪日を「封鎖」したことも、反中感情をあおり国際的イメージを低下させるだけであった。台湾世論は、馬政権に大きな期待を寄せたものだ。しかしその政策と政治能力に思いつきやその場しのぎが目立つ。尖閣、歴史認識では反日姿勢を示し、「中国は中華民国の領土、台湾は一つの地域」との見解を表明するなど、今や台湾トップとしての資格と見識が問われていまいか。
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『台湾の声』
【呼びかけ】全国で台湾応援の運動をやろう!(永山英樹)
ブログでは関連写真も↓
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■中国恐怖症の処方箋は「台湾直視」
反日左翼史観が蔓延する中、日本の近代史は日本の台湾統治を受けた台湾の人々の声も聞かなくていいのだろうか。台湾は日本にとっては国防の要に位置するが、そのことを忘れていいのだろうか。台湾の人々は日本を深く理解し、親しみを抱いてくれているが、それを無視していていいのだろうか。日本人が台湾に対し、これほど無理解、無関心なのは、偏に中国ばかりに目が行き、それに配慮し、あるいはそれに脅えているからだ。つまり中国のために歴史観は制限され、国防意識も抑えられ、すぐ隣の国に友情の手を差し伸べることもできないと言う状況だから、まさに中国恐怖症にかかっているようなものだ。それであれば日本人の唯一の処方箋は「台湾を直視すること」となる。中国など恐れず堂々と台湾と関係を深めることができるようになれば、それだけで日本は「健康」を回復したことになるだろう。そこで台湾の重要性を訴えなければならなくなった。さらにそのためには台湾を研究しなければならない。そのような考えで我々は今から十二年前、台湾研究フォーラムを結成した。
■台湾との提携で日本人は自信を取り戻せる
以来、毎月都内で台湾や日台関係に関する定例講演会を開催するなど言論活動を展開している。また街頭に出ることも多い。李登輝氏へのビザ発給を拒んでいた外務省への抗議デモ、外国人登録証で台湾人に「中国」の国籍を押し付けている法務省入国管理局への抗議のデモを在日台湾同郷会と提携して行うなど、台湾建国を応援する実践行動にも乗り出すようになった。また在日台湾同郷会との提携は、李登輝氏の日台運命共同体理念を掲げる日本李登輝友の会と言う全国組織を生むきっかけともなった。かくして会員たちは台湾人と運動を共にすることで、台湾への理解を深め、その国をあたかも自国のことのように真剣に考えるようになった。私はそれを見て、やはり台湾には日本人を引き付けるような魅力があるのだなと感じた。それは何かと言うと、台湾の親日感情からのものか、中国と対峙する力強さからのものか…。いずれにしても日本人には、国民全般が中国にペコペコするなか、台湾と提携することで、自信を回復し、勇気を抱き、誇りを取り戻すような傾向があるみたいだ。それに何と言っても、日本人と気が合う外国国民(台湾人)と出会えば、嬉しくなるのは当然だ。
■日台団結の訴えー「中国の嫌がること」をやれ
定例講演会などに集う仲間が何人いるのかはよくわからないが、年会費を支払って会員登録している人は約百人だ。これは多いのか少ないのか。よく「そんなに多いのか」と感心されるが、それほど台湾問題に関心のある人が一般には少ないと言うことだろう。私はもっと同志を増やさなければいけないと思っている。今台湾では在台中国人の馬英九政権が中国の「統一」の磁力に引き寄せられると言う危険な状況だ。これでは台湾だけでなく日本を含む東アジア全体が危ない。だからこれからも「中国の嫌がること」、つまり「台湾は台湾人の国」「台湾は日本の生命線」「台湾と日本は団結せよ」と訴える活動を展開したい。
■台湾を激励し中国を牽制する世論の形成を
そこで関東の方はぜひご参加のほど。その他にお住まいの方は日本李登輝友の会へご入会を。あるいは独自で同じような活動の展開を。こうした活動は無駄ではないと、これまでの経験からはっきりと言える。日本人はまだ台湾をよく知らないだけで、知らせてあげれば関心を抱く人は本当に多い。これも台湾が持つ、日本人を引き付ける力だろうか。そして日本の世論を台湾支持へと持って行けば、台湾不支持の世論形成をはかる中国の対日宣伝工作への大きな牽制となるのである。そして国際社会で孤立感を深める台湾人への大きな激励ともなるだろう。とにかく台湾を中国に呑み込ませてはならない。なお台湾研究フォーラムは十一月九日、下記の通り定例講演会を行う。講師は日本人ながら半世紀近くにもわたって台湾独立の建国運動に挺身してきた宗像隆幸氏。現在の台湾の危機的状況を語っていただくので、お近くの方は奮って参加を。
※台湾研究フォーラム taiwan_kenkyu_forum@yahoo.co.jp
※日本李登輝友の会 ritouki-japan@jeans.ocn.ne.jp http://
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