▼オバマは米危機を救えるか?(中韓を知りすぎた男) | 日本のお姉さん

▼オバマは米危機を救えるか?(中韓を知りすぎた男)

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▼オバマは米危機を救えるか?(中韓を知りすぎた男)
今回の黒人大統領誕生までのアメリカ人の熱狂ぶりは凄かった。世界でもオバマ・フィーバーが起きています。先行きに不安を感じ出した人々が彼の発する「変革」「希望」に救いを求めた、富める人も貧しい人も闇夜の先に光りを感じようとしています。しかし熱狂は直ぐに冷めます。彼の主張している経済政策の矛盾はアメリカを迷走させます。大幅減税を断行しながら大型公共投資を進め、国民皆保険の実現の政策を掲げ、金融機関への公的資金投入、自動車産業の救済、このような大盤振る舞いを続ければ、財政赤字は天文学的に膨張します。

もちろんドルは基軸通貨です、印刷さえすれば資金不足に陥ることはありません。

しかしアメリカはすでに巨大な債務国に転落しています。アメリカは今までドルを好きなだけ印刷して超輸入大国(世界の輸入額の20%近く)になっています。その結果、世界経済は拡大して世界中の国々を浮上させました。しかしアメリカは輸入増加の結果経常赤字は05年に8000億ドルを超えました、ところがこの年市場は暴落しませんでした。
この自信がアメリカを油断させてしまった。アメリカ国民も平気でローンを増加させて、豊かな生活を営むことに慣れ、政府も膨大な国債を発行することに抵抗を感じなくなってしまっていたのです。ところがこの長く続いた油断によって財務長官のヘンリーポールソンは投資銀行のリーマン・ブラザーズを破産させても大丈夫だろうと考えてしまいました。しかしリーマンの破綻で投資家は苦境に陥り、金融市場は大混乱をもたらし、信用枠も収縮してしまった。アメリカ経済は昨年から危険信号を点滅させているのに米財務省は何も手を打たなかった。やっと危機を目の前にして7000億ドルの救済策を出したが、危機を感じていない下院は一回で可決しませんでした。アメリカ財務省の責任はアメリカだけの問題ではありません。ドルが暴落すれば、世界経済は深刻な混乱に落ち込みます。

ところがイギリスはこの危機から脱出すべく、驚くべき速さで英国銀行への資本注入の計画を公表しました、そして銀行間で貸し出されている負債に対して保証を行いました。このことによってヨーロッパ諸国の経済もイギリスの主導で脱出をはかろうとしています。ノーベル経済学受賞のクルーグマンは「このやらねばならない政策がワシントンでなくなぜロンドンからやってきたのか?」と米財務省長官のヘンリーポールソンを批判しています。アメリカ財務省の打つ手はこの間 後手後手に回っています。聡明な経済専門家がそろっているアメリカでなぜこのような迷走を続けるのか不思議でしかたありません。平常の時と危機の時の経済マインドは根底から変えなければいけません。金融システムの崩壊を避けるためには政府は一時的に国有化すべきです(ポール・クルーグマン)

アメリカの今日の発展を支えたのは市場原理主義と規制廃止主義です、だから金融デリバティブを監査、規制を全くしなかった。デリバティブこそが、リーマンを破綻に追い込み、金融市場を破綻の間際まで追い込んだのです。私は経済学素人ですからこの危機を脱する政策は分かりませんが、アメリカは猛省して金融市場の「カジノ」化を是正する必要があります。

さて話は変わりますが第二次大戦を契機としてアメリカを牛耳ってきた軍産複合体の動きが今回の大統領選挙で見えなくなっています。彼らはオバマを歓迎しているのか、排除したいのか、いずれにしても ペンタゴンは、オバマを教育すべく待ち構えていると思います。しかしここに至って見えてきたのは 彼らはグローバル経済学に無知だという事です。今までのように軍産複合体を中心にした利益だけを考えていればよかったが、今回のような想像すらしなかった経済危機に対して打つ手を持っていなかった。通貨の番人、神の手を持つと言われたグリースパンでさえ「100年に一度の大津波」と言っています。おそらく誰もこの危機を救う妙手を持っている人はいないと思います。ただ幸いなことにドルの代わりの受け手がなかった、ユーロも円も力不足です。お陰でドルの崩壊を避けることができたのです。オバマがアメリカ経済を理解せずに反軍事の平和主義に徹すれば、軍産複合体に排除される可能性があります。アメリカが「戦争経済」を維持していく必要性をオバマに説いても彼は理解できるか、もしオバマが軍需産業で今まで獲得している膨大な予算を削ればアメリカ経済の基盤そのものが根底からゆるがされてしまいます。もし拒否すれば10%の失業どころではないとんでもない状況に直面します。軍産複合体イコール・アメリカという現実を理解しないと、オバマの悲劇が待っています。話は飛びますがイスラエルがイラン核施設爆撃のゴーサインを待っています。オバマが了解するか、どうかによってアメリカの運命と世界の運命が決まります。それは吉か凶か、誰にも分かりません。

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▼土砂崩れ勝利ではなかったオバマの当選 (苺畑より)

だーんだだだーだだだだだだだあ~。(葬奏行進曲を歌ってるつもり、、、)

かなり落ち込んでいるカカシの朝である。夕べオハイオがオバマ当選確実になったところですでに結果は見えていたが、本当に残念だ。うちにいてテレビニュースを観ているのも嫌だったので、コーヒーでも飲むかと外へでたら、あきらかなオバマファンたちがすでに町に繰り出してお祭り騒ぎ。スターバックスでは「投票した?投票した人はトールのコーヒーただですよ。」と興奮した顔の若い女が言った。「選挙の話はしたくないわ、でもただコーヒーはもらってく。」とスタバを出たカカシ。

ここ数週間、週末らしい休みを全然もらっていなかったのを口実に本日は休みを取って自宅休養をすることにした。

コメンターのziibra22さんがおっしゃるように、今回の選挙におけるメディアのオバマへの肩入れはリベラル寄りのメディアとはいえ、これまでになくすさまじいものがあった。オバマ一辺倒のプロパガンダ(情報操作)は、政治とは関係ないはずの主婦やファッションや芸能界情報の雑誌やテレビ番組に至るまで、オバマ、オバマで満載されていた。スーパーのレジの横に置いてある雑誌はなにからなにまでオバマやミッシェルの顔だらけ。サタデーナイトライブを始め深夜のコメディ番組やトークショーでおちょくられるのはマケインとペイリンのみ。オバマへの批判は一切なし。それに加えてオバマはアメリカ選挙の歴史始まって以来最高の広告料を使っての選挙運動。メディアが一つの情報しか報道しないことの恐ろしさを改めて感じさせられた。

私と同僚がワイキキのスポーツバーで体験したことや、ziibra22さんがご近所の井戸端会議で体験したようなことは、今後はもっとひどくなるだろう。リベラル連中は単に自分らが共和党バッシングをするだけでは飽き足らず、周りの人間も積極的に共和党バッシングをすることを強制する。それに乗ってこない人たちは村八分。学校、スポーツバー、近所の井戸端会議、職場の休憩室など、政治とは無関係の場所でも言論の自由を迫害しようとするのが最近のアメリカリベラル。反対意見は一切うけいれないのだ。

しかしだ、考えてみれば、これだけ激しい選挙運動をした割にはオバマの勝利はいわゆるランドスライド(土砂崩れ)と言われるような圧倒的な勝利というほどの大勝利ではなかった。ま、小差で勝とうが大差で勝とうが勝ったことに変わりはないのだから、なにを今更負け惜しみを、とお思いになるかもしれないが、大統領選も上下院議員のほうも、圧倒的に民主党が勝ったわけではないということには今後のアメリカ政策には多いに影響があるのである。Power Lineのジョンがその点について指摘している。

オバマは人気投票で52%を獲得し、マケインより5~6%の差で勝った。しかし土砂崩れ勝利と呼ぶにはほど遠い数字だ。例えばレーガンは1980年に10点、1984年には18点の差で勝っている。ニクソンの1972年の勝利はなんと23点の差だ。パパブッシュの1988年の時でさえ8点の差で勝っている。

マケインに比べてオバマがどれほど有利な立場にあったか考えただけでも気が遠くなる。公共選挙費用のみを使うという公約を破って献金を募ったオバマは大統領選の歴史始まって以来最高の献金を集めた。結果マケインの選挙費用の約二倍の金額をついやしたのである。先ほども述べたようにオバマは芸能界から圧倒的な支持を受け若い世代を魅了し、黒人票のほとんどを集めた。オバマは主流メディアからほぼ100%の支持を受けていた。そしてタイミングよく金融危機が訪れそれをすべて共和党のせいにすることに成功した。

このような信じられない方度の有利な立場に立ちながら、オバマの勝利はたったの5%差という結果だったのだ。

議会選挙にしてもそうである。民主党は共和党よりずっと多くの献金をつぎこんで選挙運動に挑んだ。オバマ人気のお裾分けを得て民主党議員候補らは共和党よりずっと優勢な立場にたっていた。にもかかわらず議会のほうも民主党の土砂崩れ勝利とまではいかなかった。

民主党は上院で5席、下院で20の増員。ま、かなり下院のほうは頑張ったが、これでも絶対多数の2/3には満たないので、民主党だけでなにもかも決めてしまうということは出来ない。

パワーラインのジョンはかなり楽観的な見方をしているが、私は下院の民主党議席20増員はちょっと問題だと思う。民主党はここ数年、選挙の度に議席を増やして来ており、その傾向は全く変わっていない。共和党は次の選挙の二年後までになんとか自分らの方が国をよくすることが出来るということを国民にアピールする必要がある。そうでないと民主党大統領と民主党の議会となってしまうとアメリカは完全にリベラル独裁国になってしまうからだ。

しかしオバマは選挙運動中圧倒的有利な立場に置かれていながら、国民の圧倒的支持を受けたとはいえない。ということはこの次に何か危機が起きた時、オバマに投票しなかった43%を超える国民はオバマの対応を冷静な目で見つめることだろう。今度はリベラルメディアもなにもかも共和党のせいには出来ないのだから。

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