イスラエルからのニュース
2008年10月19日(日)
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*アッコーでは、引き続き千人体制で警察が厳重警備。ヨム・
キプール以来の騒乱はほぼ治まったが、警察はユダヤ人と
アラブ人の双方で、器物損壊や傷害などの容疑者の逮捕を
進めている。(P,H,Y)
*宗教政党のUTJが、リブニ氏の率いるカディマと連立交渉
中。政権参加の条件として、児童手当の補助金を要求して
いる。(P)
*エルサレムの虐殺記念館にある「教皇ピオ12世はナチス
のユダヤ人虐殺に抗議しなかった」との説明文を変更する
よう、バチカンが再度の要求。教皇は影で動いていたと
教皇庁は主張している。(P,H,Y)
*安保理の非常任理事国選挙で日本に惨敗したイランの
代表は「一部勢力のプロパガンダによる不公正な結果」と
落選の弁。安保理から制裁を受けて
いる国が理事国に立候補する
のは珍しい。(P,H,Y)
*ハマスがエジプトにテロ容疑で逮捕されている幹部の解放
を要求。解放されないならイスラエル兵士も
返さないと警告した。(P,Y)
*アッコーのアラブ系ズコール議員に対し、殺害計画が進ん
でいるとの情報が入ったため、国会が警備員を配備へ。
(P,Y)
*ヘブロンで、自治警察が150mの秘密トンネルを発見し、
国防軍に通報。内部には数百キロの
爆薬があった。(P)
*イランがロシアに対し、ブシェールの原子力発電所を早期に
完成させるよう要求。今秋に稼動するはずだったが工事が
遅れている。(Y)
*米国からドバイに向っていたホロコースト否定論者のフレデ
リック・トベンが今月1日にロンドンで逮捕され、ドイツへの
引渡しをめぐって法廷闘争中。ドイツの裁判所が逮捕状を
発行していた。(P)
2008年10月20日(月)
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*サウジアラビアが、パレスチナ紛争の解決に向けた新しい
和平案を提案。それに先立ち、バラク国防相は「イスラエル
の指導者はサウジアラビア和平案を真剣に検討している」
と語った。(P,H,Y)
*シャスの霊的指導者オバデヤ・ヨセフ師が、連立政権参加
交渉で児童手当の増額に関し、妥協を禁じる命令。リブニ
氏は、労働党との連立交渉をまとめたものの、宗教政党と
の交渉は難航している。(H,Y)
*国防省はヘブロンに続き、他の都市でも治安維持を段階的に
自治警察に引継ぐことを検討中。ジェニンなどでは成功して
いる。(P)
*アッコーの市長が、騒乱で被害を受けた人々への国家補
償を 政府に要求へ。すでにキリスト教系のIFCJから
15万ドル、 ユダヤ機関からは5万ドルの義捐金が届いて
いるという。(P,Y)
*ガザのケレム・シャロム検問所で、国防軍兵士の帰還を
求め、3千人が集会。ガザへの物資を運ぶトラックの通行
を実力で阻止した。デモの有効性については、賛否両論
が出ている。(P,H,7)
*虐殺記念館の教皇ピオ12世の説明
文で、ベネディクト16世のイスラエル訪問が遅れない
よう、ペレス大統領が教皇庁に要請。(Y)
*今月初旬からのオリーブ収穫期を迎え、西岸地区では
入植者との衝突事件が急増中。自治政府は国防軍の
警備体制を批判。「オリーブの枝は西岸地区では平和の
象徴ではない」との論評も。(P,H,Y)
2008年10月21日(火)シムハット・トーラー
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*4週間の法定期間内にリブニ氏の政権交渉がまとまら
なかったため、ペレス大統領がさらに2週間の猶予期間を
許可。この期間が切れると自動的に総選挙となり、来年
1月に投票が行なわれる。(P,H,Y)
*米、英、中、仏、ロシアなどがイランに対する新しい制裁に
ついて協議したが、合意に至らず。国際原子力機関(IAEA)
によると、イランは核兵器製造の段階には至っていない
もよう。(P,H,Y)
*来週の27日にアッバス議長とオルマート首相が会談へ。
リブニ氏の新政権が成立すれば、これが最後の会談になる
可能性も。(P,Y)
*エルサレム市長選に立候補中のバルカット氏が、当選したら
新住宅地の建設に力を入れると宣言。エルサレムから入植
地のマーレーアドミームに続く地域を市街化する考えを示した。
(P)
*米国ユダヤ人の世論調査で、
3分の2がオバマ氏支持と判明。
イスラエルにとってはオバマ氏
が良いと判断する人が
多かった。(P,H)
*エジプト政府がファタハとハマスに和解案を提示。和解案は、
PLO13派閥に提示されており、11月9日に話し合いが行な
われる。和解案は、挙国一致内閣を直ちに構築することを
求めている。(H,Y)
*外務省が、シリア・レバノンとの平和条約に先立ち、レバノン
と単独で、不可侵条約締結を検討中。リブニ外相も支持して
おり、リブニ政権が構築されれば本格交渉に入る可能性も
ある。(H)
*シムハット・トーラー(律法歓喜祭)は、トーラー(モーセ五書)
の年間朗読サイクルが終わったことを喜ぶ祭で、秋の祭りの
最後を飾る。
イスラエルでは離散地よりも1日早く祝われる。(解説)
2008年10月22日(水)
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*ペレス大統領が木曜日にエジプトを訪問へ。イスラエルの
大統 領がエジプトを訪問するのは数年ぶり。イスラエル
とアラブ諸国 との和平交渉について、エジプトのムバラク
大統領らと会談する。(H,P)
*年金党が、カディマとの連立参加交渉を再開。しかし、
年金受給者への福祉の増額などを要求する構え。(P,Y)
*シリアの駐米大使が、イスラエルとの和平が成立しない
なら、両国の将来の世代が代価を払うことになると警告。
(H,P)
*エジプトが、和平交渉のためヒズボラ指導者のナスララを
招いたとの報道。しかし、エジプト政府は否定した。(Y,P)
*アッコーでは騒乱勃発後2週間が経過し、ほぼ平静に。
警察は厳戒態勢を解除すると発表したが、当面は重点
警備を続ける。(Y)
*ガザからまたカッサム砲攻撃。
バラク国防相は、以前の砲撃の時と同様、ガザに通じる
検問所の閉鎖を命じた。(P,Y)
*アルカイダ系のウェブサイトが「マケイン氏の勝利ために
米国でテロを」と呼びかけ。「無能な」マケイン氏が勝てば
中東で戦争が続き、米兵を殺すことができるとの理由。
(H,Y)
*ファタハによる幹部暗殺を阻止したと、ハマスが発表。
ファタハが紛争を激化させようとしていると非難した。(P)
*ガザでは密輸トンネル経由でエジプト
からの家畜の密輸が 急増。イド・アルアダーの祭日に
食用にするのが目的。(H)
2008年10月23日(木)
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*空軍のパイロット訓練生と教官が墜落事故で死亡。超低空
飛行の訓練中だった。空軍が原因調査を進めている。
(H,P,Y)
*軍のラビ組織が戦闘部隊に対する教育プログラムを拡大中。
宗教的・政治的な洗脳教育ではないかと懸念の声が上がっ
ている。(H)
*リブニ氏率いるカディマは、年金党、メレツ、UTJの3党との
連立交渉を加速。しかし、シャスとも交渉を継続している。(P,Y)
*ムグニエ暗殺に対する報復として、ヒズボラに暗殺される
可能性のある人物の名簿を治安当局が作成。特別警戒の
対象にする。(H)
*ホロコーストに沈黙を守ったと非難されている当時の教皇
ピオ12世を列福(聖人の前段階)するバチカンの動きに、
イスラエル政府閣僚のヘルツォグ氏が反対意見を表明。
(H)
*ヒズボラ指導者のナスララがイスラエルにより毒を盛られた
が、イランの医師団により救命されたと、イラクの報道機関
が報道。しかし、ヒズボラは否定している。(H,P,Y)
*パレスチナ人のオリーブ収穫を警備していた国防軍兵士が
入植者の暴行で負傷。一方、防護壁反対デモの警備を
行なっていた国境警備隊員3人が、左派勢力の暴行を受け
負傷した。(H,P)
*ヘブロンに5百人の自治警察官を追加配備することで、自治
警察と国防軍が合意。ハマスの活動を抑えるため。(P)
*8月にガザ封鎖を破ると称してキプロスから船でガザに入った
グループが、28日に再びガザに船を出すと発表。ブレア元
英首相の義理の姉妹は前回の航海後、ガザから出られず
残留している。(Y)
2008年10月24日(金)
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*リブニ氏が「日曜までに連立交渉がまとまらなければ総
選挙をする」と宣言。連立政権を作るために、理不尽な
要求には屈しないと語り、暗にシャスと年金党の補助金
要求を批判した。(H,P,Y)
*ペレス大統領がシナイ半島のシャルムエルシェイクでエジ
プトのムバラク大統領と会談。ペレス氏は、アラブ和平案
の精神は中東に平和の機会をもたらすものだと語った。
(H,P,Y)
*エルサレムでパレスチナ人が警官をナイフで刺傷、86歳
の男性を刺殺した。ハマスは犯行を支持するコメントを出し
た。(H,P,Y)
*エルサレムでの刺殺テロの関係者逮捕のため国防軍が
ベツレヘム近郊のテコアに入ったところ群集と衝突、双方
に負傷者が出た。(P,Y)
*木曜朝に、テルアビブ近郊で警官の一家4人が銃撃され
死亡。一家心中の可能性を含めて、警察が捜査を行なっ
ている。(H,P,Y)
*米国のセントルイスの小学校で、生徒が「ユダヤ人を叩く
日」を決め、ユダヤ人生徒を叩いていたことが判明。
「友人を抱きしめる日」から始まり、次第に内容が変わった
もよう。(H,Y)
*ベルギーの料理番組で、ヒトラーの愛した料理を特集する
ことが判明。ユダヤ人団体などから抗議が殺到している。(H)
*米国ユダヤ人に対する最新の世論調査で、74%がオバマ
候補を支持。マケイン候補を支持するのはわずか20%
だった。(Y,P)
*ドイツ政府がホロコースト時にドイツに住んでいた60万人
のユダヤ人の名簿を虐殺記念館に引渡し。(P)
[情報源略号表]
P=エルサレム・ポスト
米国のユダヤ人にとって、オバマ氏のどこがいいのか
たずねてみたい。アラブ人も「無能な」マケイン氏が大統領に
なった方がいいと言っている。
日本にとっては、どっちがいいかと聞かれたら、日本を重視する
という発言をしているマケイン氏がいいと思うのだが、
ユダヤ人がオバマ氏を支持するのなら、このままオバマ氏が
大統領になってしまうのだろうか。テレビでは、ちょっと
マケイン氏の表情が頼りない感じ。目がしょぼしょぼしている。
オバマ氏は、ケニアで生まれたかもしれない人で、
継父が一時期、インドネシア人で、名前は「バラク」で、
いかにもイスラムっぽい。オバマ氏とマケイン氏とでは、
どっちが大統領になっても、日本にとってはなんとなく
頼りない感じ、、、。
http://www.jpost.co.il/
H=ハアレツ http://www.haaretz.com/
7=アルツ7 http://www.israelnationalnews.com/
I=イスラエル・トゥデイ http://www.harvesttime.tv/israel_today/
Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/
( )内の記号が情報源。メディアにより掲載日が異なる場合もあり。
[転載・引用・再配布について]
教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。
発行:「シオンとの架け橋」 http://www.zion-jpn.or.jp/
編集:石井田直二 naoji@zion-jpn.or.jp
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