頂門の一針
橋下知事の発信力
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花岡 信昭
橋下(はしもと)大阪府知事の発言がまたまた話題を呼んでいる。発信力のある人だ。東国原知事もそうだが、存在感と発信力がものをいう。
今度は「朝日新聞のような大人が増えれば日本はだめになる」というのだから、よくぞ言ったと大歓迎だ。
こういう刺激的な発言の応酬を、明るく、からっとやればいい。それこそが、言論・表現の自由というものだ。
アメリカ大統領選挙のテレビ討論では、相当、辛辣な発言が飛び交う。ものごとはきちんと発信すべきときは、徹底してやらないと、趣旨が通じない。
そこには、当然のことだが、「責任」が伴う。そこを前提とすれば、とことん、きつい表現を使うことで、論争の真実が見えてくる。
これが中途半端に終わると、誤解されて伝わることになる。
言論・表現の自由の許容度を上げていくこと。これが必要だ。
朝日側もどんどん言い返せばいい。このケンカ(というのもなんだが)徹底的に、行き着くところまでやってほしい。
ついでにもうひとこと。この世界で生きてきたから、朝日には友人・知人も多いが、おしなべて、きわめて優秀である。
だから、「何をどう書けば朝日にふさわしいか」ということを瞬時にして悟ることができる。文章力も高いから、きわめて巧みに書くことがで
きる。
これが朝日の総合力を形成している。それが、40年前から新聞の世界にいたものとしての実感だ。これは朝日の社論に賛成か反対かといったこととは次元の違う感想である。
以下、産経のネット配信記事。
<大阪府の橋下徹知事は19日、兵庫県伊丹市の陸上自衛隊伊丹駐屯地で開かれた陸上自衛隊中部方面隊創隊48周年記念行事に出席し、祝辞の中で「口ばっかりで、人の悪口ばっかり言っているような朝日新聞のような大人が増えれば、日本はだめになる」と述べた。
その後、視察先の大阪府島本町のウイスキー製造所で報道陣の取材に応じた橋下知事は、朝日新聞の今月3日付の「橋下TV発言 弁護士資格を返上しては」と題した社説への批判だったと説明。
「からかい半分や一線を越えた批判じゃないか。からかい半分の批判には徹底的に対抗する。怒りを感じる」と述べた。報道陣からは「大人げない」との指摘もあったが、橋下知事は「いいんじゃないですか。朝日新聞も大人げないというか、何様か知らないけれど、ああいうことを言ったわけですから」と意に介さなかった。
また全国学力テストの市町村別データ公表をめぐる報道で、新聞各紙の判断が分かれたことについて「混乱を招くとか、社会的に有害だからといって情報を出さなければ、権力者側にとっては最高の方便となる」と述べた。> 以上、引用。
★★花岡信昭メールマガジン★★635号[2008・10・20]から転載。
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日越国交35周年の今年
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渡邉 由喜
ハノイに住み始めて10年目になるが、その間ずっと日本の自宅はそのままにしている。電気もガスも水道に電話も。おまけにインターネットの契約もISDNだかの出発当時のままで、ずっとそのままの状態を続けている。
家具も備品も全て揃っていて、いつ帰っても、ただいまとドアを開けた瞬間から普通の生活が出来る。
数年前には全面リフォームまでやった。荷物を全て運び出しての本格的なリフォーム。これも帰任の予定があったわけではない。ただ海外赴任が始まって5年が過ぎた頃から、帰国のたびに自宅の不備が目立ち、掃除不足、整理不足による汚さに段々耐えられなくなったので、思い切ってリフォームをした。
遠隔操作のリフォームは思ったより大変だったが、幸運にもよい建築士と施工業者に恵まれ、ほとんど私の描いたとおりの形でリフォームは完成した。
しかし主家族は相変わらず、年に2回の一時帰国で、帰国のたびに実家への帰省もあるから、年間2週間程度しかそこでは過ごさない。
この話をすると、大抵の人は私を奇異の目で見つめる。そうなのだ。私は馬鹿なのだ。10年も留守にするのなら、家具は倉庫に預け誰かに貸すという選択肢が一番現実的であるのを理解してないわけではないが、人に貸すのは面倒だし、一時帰国の際にホテルで過ごすのも嫌だし、何よりいつでも帰ることが出来るという安心感は大きい。
そのうちこのスタイルが当たり前となり、留守宅は一時帰国のたびに新しい絵などの調度品が運び込まれ、食器も増え、どんどんバージョンアップしている。
一方、ハノイでの生活が辛いわけではない。他の人に比べて不平不満が多いわけでもない。むしろ、多分、楽しんでいる部類に入ると思う。
もちろん腹の立つことは常にあるが、これとて、敢えて言えば近親憎悪に近いもので、日本に居たら居たで、同じくらい腹を立てているのだ。逃げ場所が必要というわけではない。
ついでにもっと話すと、ハノイの自宅アパートの金庫の中には、1年オープンの航空券が家族の人数分、常に用意してある。
予約だけすればいつでも使える航空券だ。会社配給ではない。個人で用意したものである。毎年期限が切れる前に払い戻し請求をして、また新たな1年オープンを買っている。
ここまで聞くと周りは「呆れた」を通り越して「すごい」と賞賛してくれる。もちろん、いろんな意味が含まれた賞賛ではあるのだが。
無駄だらけ、ほとんど無意味とも思えるこれらの理由を考えてみたが、結局答えは出ない。これだけ無駄遣いをしてまでも安心を得ようとするほど安全率の高い私が、対極のベトナムに適応できる道理はない。
しかし、それでもここでの生活は十分楽しい。日本ではまず出会えないような機会に恵まれる。もちろん日本ではあり得ないことにお目にもかかるが。
そんな複雑な思いで暮らすハノイは日一日と涼しくなり、ようやく一息ついた。再び寒さに備えのない人々には辛い寒い冬がやってくる。去年は多くの子供や老人が亡くなった。日越国交35周年の今年、私の滞在10周年、運営するギャラリーは2年目となった。(「ハノイ喜怒哀楽」=82)
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許すまじ汚い英米人
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平井 修一
20代の、というか、28歳でカミサンに拾われるまでの小生は、ちょっと悲惨だった。毎月、裁判があり、「明るい青春」とはとてもいえる情況ではなかった。
カミサンに「何で俺を?」と聞いたことがある。
「だってね、六畳間とか四畳半にね、180センチ、100キロの大男がいたら邪魔じゃない、アンタはコンパクトだからいいの」
いろいろな人がいるもので、そのお陰で小生は「生き甲斐」と「安定した生活」を得た。
今日はソファーに寝そべって恩田陸のミステリー小説を読んでいたら、カミサンがパンツ一枚で着替えを始めた。
下から眺めるおっぱいはなかなかであるが、小生を人間とか、男性とか、まあ、思っていないのだろうな。亭主も犬も一緒。
ご存知のように会田雄次「アーロン収容所」には、有色人種を人間と見ないアングロサクソンが描かれていることで知られている。
先日、堺憲一教授(東京経済大学)の「歴史と出会うとき」というのを読んだのだが、すごい話があった。多分、事実だろう。
日米繊維交渉で日本の田中角栄は、日本の繊維産業の機械を壊して見せた。ハンマーで織機を壊したのを、子どもの小生は覚えている。小学6年生頃か。アングロサクソンはかつて何をしたか。
<イギリス綿製品の最大の輸出先としてインド市場の重要性は高まり、比重は40%を超えた。市場を維持するために、インドの伝統的な手工業=綿工業をイギリスは暴力的に壊したのである。
「数多くの職人たちが、腕を切り落とされたり、両眼をくりぬかれたりした。その結果、キャラコの主産地であったダッカの人口は、40年間で8分の1の2万人に減少した」>
アングロサクソンはそういうことをする野蛮人。1929年に世界を未曾有の危機に陥れた。日本民族を抹殺しようとした。
大恐慌から80年、彼らは今同じことをしようとしている。アングロサクソンを殲滅する意味はあるのではないか。少なくとも「世界はお前らを許さない」という強烈なメッセージを送る必要はあるだろう。
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話 の 福 袋
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◎パウエル氏がオバマ氏支持 共和党の前国務長官
【ワシントン19日共同】パウエル前米国務長官は19日、米NBCテレビの番組で、大統領選の民主党候補オバマ上院議員について「米国を変えてくれる力を持つ」「素晴らしい大統領になれる」と述べ、支持する考えを表明した。
パウエル氏は第1期ブッシュ政権の主要閣僚だったほか、1980年代のレーガン政権以来、歴代共和党政権の安全保障政策の中枢を担ってきた同党穏健派の代表で、選挙戦最終盤の支持表明はオバマ氏に追い風となりそうだ。
パウエル氏はオバマ氏の「深い知識」と「安定した姿勢」を評価。今の米国の経済的、国際的な苦境を考えると、「ここ数年の政策の継続でなく、変化をもたらしてくれる大統領が必要だ」と表明。
同氏はマケイン上院議員が、「大統領になった時、今の経済危機をどう処理していくのか不安だ」と語り、経済政策への不満を示した。
また、マケイン氏の副大統領候補であるペイリン・アラスカ州知事について「大統領になる準備はできていない」と述べ、大統領が暗殺された時などに昇格する副大統領を務めるのにはふさわしくないと指摘した。2008/10/19 23:45 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008101901000467.html
◎中川財務相 早期解散に難色「逆効果だ」
中川昭一財務相兼金融担当相は19日、衆院解散・総選挙について「解散して選挙の最中に内外で何かが起これば、自民、民主両党の候補が『日本の経済をよくします』と訴えても『お前たちにいま何できるんだ』となり、逆効果だ」と述べ、11月30日投開票を想定した早期解散に否定的な考えを示した。都内で記者団に語った。
これに先立ち、中川氏は民放番組に出演し、「麻生太郎首相は景気回復が緊急かつ最大の課題だと言っている。その指示に従い、2次補正予算案を作って国会で成立させ、実行に移して景気がよくなる。これが最優先だ」と述べ、2次補正予算の成立後に解散すべきだとの考えを示した。
また、中川氏は追加経済対策にあたっての赤字国債発行について「完全に否定はしない」と述べ、含みを残した。産経ニュース 2008.10.19 22:52
◎「三浦元社長は他殺」弁護側の病理学者が結論
【ロサンゼルス=松尾理也】AP通信によると、米ロサンゼルス銃撃事件で逮捕され、サイパンからロスに移送された直後の今月10日に自殺した三浦和義元会社社長(61)=日本では無罪確定=について、ロスでの代理人を務めるマーク・ゲラゴス弁護士は19日、弁護側が独自に行った検視を担当した病理学者が、死因は自殺ではなく他殺とみられると結論付けたことを明らかにした。
ロス郡検視局はすでに検視を行い、暫定的に「自殺以外の死因を示唆する証拠はみあたらない」とする暫定的な報告書を法廷に提出している。ゲラゴス氏は「(当局の説明に)ごまかしや虚偽の疑いが濃厚だ」として、米連邦検事局に調査を要請する方針。
ゲラゴス氏は、(1)背中に殴打されてできたとみられる細胞組織の傷があった(2)首を絞められたことによってできた可能性のある血腫がのどに見つかった(3)首に残された跡が、シャツを使った首つり自殺とされる状況と一致しない-などの矛盾点を列挙。こうした“発見”をもとに検視局に検視のやり直しを求めたが、拒否されたという。他殺とすれば犯人はだれかとの問いには、同弁護士は「元社長を拘束し
たあらゆる人物に可能性がある」と述べた。ロス市警は元社長の死亡直後の11日の会見で、死因を自殺と発表している。これに対し、弁護側は当局の説明に納得せず、現地入りした遺族とも話し合った上、独自調査に乗り出していた。10月20日17時47分配信 産経新聞
◎中国GDP伸び率9・0%、成長の勢い鈍る
【北京=寺村暁人】中国国家統計局が20日に発表した2008年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値の実質伸び率は前年同期比9・0%で、05年の10~12月期以来の1けた成長となった。
1~9月期の伸び率は同9・9%となった。中国は03年以来、2けた成長を続けてきたが、6年ぶりに1けた成長に鈍化する可能性が出てきた。世界的な景気減速や北京五輪開催期間中の様々な規制が、輸出や工業生産の足を引っ張った形だ。
中国政府は「金融危機が国内経済に影響を与え始めている」(国務院常務会議)として減税や金融緩和、輸出促進策などの景気対策を早急に打ち出す方針だ。
GDPの約4割を占める個人消費は、指標となる「社会消費品小売総額」の1~9月期の伸び率が名目で前年同期比22・0%増、設備投資や不動産投資などを合算した「固定資産投資」の名目伸び率も前年同期比27・0%増と大幅増だった。
ただし、これらの数字は昨年後半から続く物価高騰で上積みされた分が含まれており、実質伸び率(未公表)は大きく圧縮されているとみられる。
一方、9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4・6%の上昇と、8月(4・9%)からさらに低下した。
ただ、1~9月のCPIは前年同期比7・0%の上昇となり、政府の今年の物価上昇率の目標(4・8%前後)を大きく上回っている。 10月20日11時41分配信 読売新聞
◎度胸満点 ウッズのめいに米ゴルフ界注目
タイガー・ウッズの姪、シャイアン・ウッズ=AP
http://www.asahi.com/sports/update/1020/TKY200810200085.html
◎有毒粉ミルク事件より悪質 小麦粉に滑石粉=中国山東省
【大紀元日本10月20日】中国食品科学技術ネットが17日に伝えたところ
によると、山東省平度市のある製粉工場が長期にわたり滑石粉(タルカ
ムパウダー)を小麦粉に混ぜ入れており、半月に10トンの滑石粉を使用
していたという。
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反 響
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1)先日から、読売新聞にすっぱ抜かれた各都道府県での不正経理の実体、全国的な規模に亘るとも言われている。その中には、裏金や個人の着服など様々なものがあると思われる。
しかし、マスコミに登場して詫びるのはその首長だけで、一件落着に終わりそうな気配が濃厚である。まさに「赤信号みんなで渡れば怖くない」を地で行くような事例である。
そこには組織全体が腐敗している構造と前例主義で踏襲してきた役人気質がそうさせている。使途に問題があるのであれば、その方法を全体で改善すれば良いだけのことで、それができない。(なみお)
2)内需論の延長線上にあることだが、アメリカの経営では常に利益、すなわち結果を最重要視し、儲からない事業への追加投資や事業存続を真っ先に検討するものだった。
その基準がROA=Return on Assets、すなわち「総資産利 回り」とRONA=Return on Net Assets=「投下総資本利益率」で、経営者は自ら定めた率に到達するか否かであっさりと判断する。
一方、我が国でも当然利益は重要視されているが、それと同等ないしは時と場合によってはそれよりも重視されるのが「シェアー」=市場占有率である。私が知る限りでは多少の利益は犠牲にしてもシェアーを確保、維持しようとするのである。
我が国の製造業にもシェアーは重要であるが、流通部門では販売地盤の確保はメーカーからの信用を維持するためにも重要な要素である。そこに、内需の量が限定されていて生産設備が過剰であれば、利益を犠牲にしてもシェアーの維持は重要な課題である。これは売上高を維持しないと、資金が回転しなくなるからである。
なお、アメリカではシェアーを重視していないかと言えば決してそんなことはない。ただ単に利益の後に来るだけのこと。現に"Quartile"=「四分位」の概念は私の知る限りでは80年代から導入されており、最上位の四分位、すなわち"Top quartile"の シェアーを確保することは、つい先頃まで至上命令である感があった。
すなわち、市場の25%のシェアーを確保すれば、その製品の分野では"Leadership position"が取れるのであるから値上げ等を他社に先駆けて主導できるのである。
だが、アメリカでの最近のM&AやConsolidation=「業界再編成」の流れを見ていると、最大のシェアーを確保することの意義が薄れ、こと紙パルプ産業界では、そのシェアーを確保している事業部門を惜しげもなく売却する大手が登場している。
この原因にはその製品の将来性や原料等のコスト続騰から採算が好転する望みがない等の判断があるのだろうが、アメリカの経営者の判断の基準に変化が見えてきた。
私には彼らが内需の行く先に依然として不安があるのではと感じられるのだが。それもこれも皆金融界の破綻が原因ではないのだろうか?以上 前田正晶
3)偶々高校の同期生で銀行勤務だった者と語り合う機会がありました。彼も銀行員として「貸し渋り」と批判されるのは不当であると、個人的な不満を述べました。
そこで、私が見・聞きしてきたことから銀行論を述べます(近日)。なお、彼は「長いこと床柱を背負って接待されることが多く、借りて頂くと思いながらもつい貸してやるという態度になってくるものであった。
銀行は偉いのだと錯覚を起こしたことを私も他の銀行員は反省すべきだろう」とは言っていました。前田正晶
主宰者より:有難う御座います。「馬鹿に3種あり。1学校の先生 2医者 3銀行員。目下や困っている人しかのものしか相手にせず威張っているからいつの間にか馬鹿になる」と園田直は言い続けました。 「そういう人種は一般の人と会っても威張り、話題なしだから女にもてない。酒を呑んでも面白くない」とも。
「流石に園田直先生」と感心いたしました。実はこの秀才の誉れ高かった同級生に「何故君は銀行員になってそれほどの馬鹿になったのか」ともう一人の同級生と詰問したことがありました。その答えが「床柱を背負って~」でした。 前田正晶
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身 辺 雑 記
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「腰猫背」はカイロプラクティックでの治療を続けた結果、かなり回復した。ありがたいことだ。左ひざの痛みは不思議な事に今朝はなく、安眠できた。インスリン注射は19日から日に1回に変わったが、血糖値は大いに上がった。あす改善する。
東京湾岸は21日も朝から晴天。中東の人たちは太陽を嫌い、月を国旗に描いているが、温帯の日本では太陽がありがたい。だから日の丸が国旗である。このことは世界を旅すると良くわかる。青年よ、旅に出よ。