北、崩れる統制…情報漏れに悲鳴、当局が“電話狩り”
北、崩れる統制…情報漏れに悲鳴、当局が“電話狩り”
固定電話ほ回収、中国製携帯電話使用は即逮捕
北朝鮮で“電話狩り”が進行している。固定電話を回収し、市外通話を禁じたうえ、電波探知機や探知車を配備。中国製携帯電話を使えばスパイ罪で即逮捕という異常事態だ。ここまでの強硬手段に出るほど、金正日総書記の重病説が国内にまん延。北の情報統制は音を立てて崩れ始めている。
韓国の朝鮮日報が、中朝貿易関係者や脱北者の証言をもとに報じたところによると、北軍部から中朝貿易の功績が認められていた、北の指導員が携帯電話を使用。このため国家安全保衛部に逮捕され、消息が途絶えた。
また、国境地域には、携帯電波を感知する探知機が張りめぐらされ、探知機を搭載した四駆車まで動員。電波をキャッチすると即座に取締員が駆け付けるという。
中朝国境地域では、中国側の基地局を通して中国製携帯電話が使えるため、ヤミで出回っていることが背景にある。中朝事情に詳しい宮塚利雄山梨学院大教授は「中朝貿易にかかわる人間にとって携帯は必需品で、多くの人が中国側との通話で自国が置かれた状況を知る」と指摘。脱北の際の連絡や北から情報を持ち出す際にも使われ、最も保衛部を悩ませてきた。
携帯使用が見つかれば、携帯没収と一般住民10年分の収入を超す50万ウォンの罰金か、強制労働の厳罰が課せられていたが、今月からは地位にかかわらず、即スパイ罪で逮捕され、政治犯収容所に送られる強行策が打ち出された。しかも「3分も話せば、探知車が来る」(同紙)ほどの水も漏らさぬ取り締まりようだ。
金総書記の重病について北は対外的に平静を装っているが、「将軍様が半身不随で、起きることもできない」とのウワサも流れ、国民向けには「敵の謀略だ」と打ち消しに躍起になっているという。
個人宅の固定電話についても4月から地方で回収が始まり、市外通話は郵便局で身分証を示さなければかけられなくなった。9月以降は平壌でも電話が回収され、市外通話が禁止され始めた。同紙は「保衛部など住民を痛めつけている組織の人間は社会変動を不安に感じている。総書記が今後も姿を見せないと混乱はさらに深まる」との脱北した元高官の話を伝えている。
宮塚教授は「一度携帯の便利さを覚えると手放せなくなる。どんなに取り締まりを強めても、もはや情報の流入を止めようがない」と指摘している。
ZAKZAK 2008/10/09
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本当に重病なんだ~。
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金正日、サッカー観戦ウソ…米偵察衛星でバレた!?
動揺鎮静化狙う虚偽報道か
北朝鮮の金正日総書記=写真=のサッカー観戦報道はウソだった疑いが強まった。米当局が偵察衛星の映像を解析したが、サッカー試合さえ確認できなかったのだ。訪朝したヒル米国務次官補に対しても到底飲めない条件を突き付けたといい、金総書記の重病で、虚偽の演出や時間稼ぎ交渉でしのがざるを得ない北の窮状が透けてみえる。
日本の対北当局者によると、金総書記が金日成総合大創立62周年の学生サッカー試合を観戦したとの北の報道を受け、米情報当局が過去にさかのぼって偵察衛星の映像解析を試みた。
同大など、サッカーを開けるような複数の施設の映像を分析したが、金総書記の出席はおろか、試合の事実さえ確認できなかった。このため、日本のメディアも一斉に報道した、久しぶりに現れたという金総書記のサッカー観戦は、「重病による国内の動揺を抑えるための虚偽報道」との見方が強まっている。さらに、3日の党報告会で総書記席が空席だったうえ、8日の総書記就任記念日にも姿をみせていない。
李英和関西大教授は「はるかに重要な場に出ないで、学生のサッカーを観戦することはあり得ず、苦し紛れの演出だ」とみる。
半面、北は韓国との軍事協議やヒル次官補との核問題交渉など、矢継ぎ早に重要外交を進めており、米国では「金総書記は重要決定を出せるほど健康」との観測がなされている。
ただ、南北軍事協議は成果ゼロ。ヒル次官補との交渉では、米朝平和協定締結と韓国内でも同時核査察を行うというテロ支援国家指定解除の枠を超えた条件を突き付けてきたという。
李教授は「米韓側を呼びつけておいて無理難題を出して時間稼ぎをしている。強硬策は誰でも取れるが、柔軟策は金総書記しか出せないわけで、総書記の病状の深刻さを裏付けている」と指摘している。
ZAKZAK 2008/10/09