【米金融危機】金融安定化法案、米上院可決 | 日本のお姉さん

【米金融危機】金融安定化法案、米上院可決

【米金融危機】金融安定化法案、米上院可決 (1/2ページ)

2008.10.2 10:36【ワシントン=渡辺浩生】米上院は1日夜(日本時間2日午前)、本会議を開き、最大7000億ドルの公的資金を投入して金融機関から不良資産を買い取る金融安定化法案の修正案を賛成多数で可決した。法案は先月29日に下院で否決されたが、預金保険が保護する預金の上限引き上げなど修正が加えられた。同修正案は下院に送付され、週内に採決される。米国発金融危機の拡大や、米景気の一段の悪化の阻止を目的とした法案成立の行方は、下院の動向にかかってきた。

 賛成は74、反対は25だった。共和党のマケイン上院議員、民主党のオバマ上院議員両大統領候補も賛成した。

 議会筋によると、下院は上院可決案に新たな修正は加えず、3日の本会議で採決する見通し。可決されればブッシュ大統領が署名し、成立する。

29日に多数の造反者が出た共和党下院の指導者は、修正案を歓迎する考えを表明している。ただし、個々の議員は選挙区の反応などをもとに賛否を判断するとみられ、なお予断を許さない情勢だ。

 修正案は、預金者保護のため、金融機関が破(は)綻(たん)した際に預金保険が保証する預金の上限額を、2009年末まで現行の10万ドル(約1060万円)から25万ドルに引き上げる暫定措置を盛り込んだ。財源は米連邦預金保険公社(FDIC)が財務省から無制限に借り受ける。

 今年の米金融機関破綻が13件を数える中、国民の不安を和らげ、金融システム安定につながると期待されている。個人や企業向け税制の優遇措置や代替エネルギー促進策も盛り込んだ。

 法案の柱である不良資産の買い取り制度に修正はない。公的資金を段階的に投入し、金融機関の経営者の報酬制限や、新株取得権の獲得など国民負担軽減策が盛り込まれている。

 法案に対して「ウォール街の救済」という世論の反発は根強いものの、下院の否決を契機に世界同時株安を招き、信用不安も深刻化した。このため、米国各地の中小企業や金融機関が法案の早期成立を働きかけるなど、世論の変化も指摘されている。

 両大統領候補も法案早期成立を叫んでおり、オバマ氏は「危機を回避するためただちに行動が必要な法案」と強調、マケイン氏は「もし失敗すれば、米経済の歯車が止まってしまう」と語った。http://sankei.jp.msn.com/world/america/081002/amr0810021040006-n1.htm