メラミンを検査項目に加えていなかったのは、日本人がチュウゴク人を理解しきれなかったから
メラミン牛乳 中国産食品の検疫を厳格に(9月24日付・読売社説)
牛乳の中に有害な化学物質を混ぜるとは、にわかには信じがたい出来事だ。またしても中国の食品である。
中国では有害物質「メラミン」を含んだ粉ミルクが原因で乳児が死亡し、何万人もの子どもが健康被害を訴えている。
メラミンを混ぜると、
隣国だけの問題ではない。中国の牛乳や乳製品は日本にほとんど輸入されていないものの、牛乳を原料とする加工食品の形では、かなり入り込んでいる。
菓子などに使用していた丸大食品は自主的に公表し、商品の回収を始めた。
同社によれば、使用された牛乳は微量で、これまでのところ健康被害の報告はない。中国で懸念される状況が、そのまま日本で生じるわけではないだろう。
だが、問題のある牛乳がどのような商品に使われているのか、全く分からない状況では、消費者の不安は膨らむ。
関連する食品メーカーは、実態調査を急ぎ、すべてを迅速に公表することが重要だ。
検疫のあり方も見直しが必要である。現状は、残留農薬や細菌の有無を調べることが目的で、化学物質の混入を想定していない。
昨年、米国で中国製原料のペットフードを食べた犬や猫が多数死んだ問題は、やはりメラミンが原因だった。にもかかわらず、メラミンを検査項目に加えていなかった。化学物質は想定外、との甘い姿勢は改めねばなるまい。
今回の問題は北京五輪が閉幕してから顕在化した。健康被害の訴えはかなり以前からあったのに、五輪への影響を考えて公表を抑えていたのではないか、との疑念をぬぐえない。
世界保健機関(WHO)も「誰かが一定期間、情報を隠していたことは明白だ」との見解を示している。メラミン入り粉ミルクを販売した大手乳製品メーカーは、五輪のスポンサー企業だった。
冷凍ギョーザ事件も、真相はいまだに究明されていない。中国に対して日本政府は、もっと厳しく事態の改善を求め、迅速な情報開示を要求すべきである。
一方で、日本においても事故米が不正転用されるなど、食をめぐる不祥事が相次いでいる。中国に