頂門の一針、「戦時下の時代情勢にそぐわない」と内務省検閲に引っかかり、同年に発売禁止処分を受けた | 日本のお姉さん

頂門の一針、「戦時下の時代情勢にそぐわない」と内務省検閲に引っかかり、同年に発売禁止処分を受けた

「発禁処分」を知らぬ団塊世代
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             渡部亮次郎
「夜のプラットホーム」は戦時中「厭戦歌」と見なされて内務省

から「発売禁止」処分。敗戦後も「検閲」は占領軍(マッカー

サー司令官)も続けたが、「厭戦歌」は占領目的に合致した

から大歓迎。

そこで敗戦2年後に再発売されて大ヒット。私のような戦中派は

悲しい思い出で回顧するが、NHK「ラジオ深夜便」のアナウン

サーは戦後生まれ団塊の世代。この歌の歴史を勉強してこな

いから、コメントに重厚さがなくなる。

(9月21日 榊 寿之アンカー)

<『夜のプラットホーム』(よるのプラットホーム)は、奥野

椰子夫作詞、服部良一作曲の歌謡曲。1947年(昭和22年)に

二葉あき子が歌って大ヒットし、彼女の代表的なヒット曲の1つ

に挙げられる歌であるが、もともとは戦時中、淡谷のり子が

吹き込んだものであった。>

榊アンカーも上記< >内は言ったが発売禁止処分の事は

一言も触れなかった。日本という国が体制維持のためには、

言論統制も余儀なくしたこと、共産主義体制、中国を笑えない

歴史のあることなど無関係だった。

「都」新聞(現「東京」)の記者だった奥野椰子夫(おくの 

やしお)は昭和13(1938)年の暮、東京・新橋駅で、支那戦線

出征兵士を送る「歓呼の声」に背を向け、柱の陰でひっそりと

別れを惜しむ若妻の姿に心を打たれた。もしかして「再び

逢えぬ死出の旅」と言えぬこともない。

それなのに「無責任な」「歓呼の声」はそんな若妻の悲痛も

知らぬげにただただ勇ましい。奥野はその悲しみを胸に刻んだ。

翌昭和14年、作詞家としてコロムビアに入社した奥野は、ため

らわず「夜のプラットホーム」を筆下ろしとした。当初は1939年

(昭和14年)公開の映画『東京の女性』(主演:原節子)の挿入

歌として淡谷のり子が吹き込んだ。

だが、やはり出征する人物を悲しげに見送る場面は「厭戦」を

連想させるとして、「戦時下の時代情勢にそぐわない」と内務

省検閲に引っかかり、同年に発売禁止処分を受けた。

大日本帝国憲法26条では、通信・信書の自由・秘密が保障さ

れていたが、日露戦争の後、内務省は逓信省に通牒し、極秘

の内に検閲を始めた。

検閲は手数料を要し、内務大臣が許可したものは3年間、地方

長官の許可したものは3ヶ月間有効であった。検閲官庁が

公安、風俗または保健上障害があると認めた部分は切除され、

検閲済の検印を押捺し検閲の有無が明らかにされた

(大正14年3月内務省令10号、大正11年7月警視庁令15号)。

レコードについてはは、製品は解説書2部を添え、規定された

様式に従って内務大臣に差し出して許可を要し、検閲上の

取締方針は出版物と同様であった(明治26年4月法律15号、

昭和9年7月内務省令17号)。

だが作曲の服部は諦めなかった。2年後の1941(昭和16)

年、「I'll BeWaiting」というタイトルのが発売された。「洋盤」の

検閲が緩かったところを突いた作戦である。

作曲と編曲はR.Hatter(R.ハッター)という人物が手がけ、

作詞を手がけたVic Maxwell(ヴィック・マックスウェル)が歌った

のだが、この曲は『夜のプラットホーム』の英訳版であった。

また、R.ハッターとは服部が苗字をもじって作った変名。

ヴィック・マックスウェルとは当時の日本コロムビアの社長秘書

をしていたドイツ系のハーフの男性の変名であった。この曲は

洋楽ファンの間でヒットして、当時を代表するアルゼンチン・タン

ゴの楽団ミゲル・カロ楽団によってレコーディングされた。

余談だが、このときB面に、発禁済みの「鈴蘭物語」を「夢去り

ぬ」(Love‘s Gone)という題名で吹き込みなおしていたため、

このタンゴを外国曲と誤解したままの人も多かった。

戦後の昭和22(1947)年、今度は検閲をしていた占領軍は、この

「厭戦歌」を占領の趣旨に合うとして大歓迎。二葉あき子が新た

に吹き込んだレコードが発売され、大ヒットになった。

二葉は広島原爆をたまたま列車がトンネルに入ったときだった

ため生き残った東京音楽学校出の歌手。それまでの歌手活動

の中、ヒットはあったものの大ヒット曲のなかった二葉にとっては

待ち望んでいた朗報であった。

たかが歌謡曲というなかれ。「日本流行歌史」を読めば、これだ

けの歴史があリ、ドラマを紹介できるのである。

団塊の世代は一面、幸せである。気がついた時から日本は

平和であり、言論は自由であった。政府が流行歌まで統制した

「検閲」や「発売禁止」を知らないできた。だが、そこに至る歴史

をないがしろにしてはならない事、全世代、共通の願いでは

なかろうか。2008・09・21
参考:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


話 の 福 袋
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◎検疫の盲点に驚き 厚労省 汚染牛乳問題

日本にも波及したメラミンの汚染牛乳問題。品質をごまかすた

めに工業用の物質を混ぜる「贋造(がんぞう)」と呼ばれる行為

に厚生労働省幹部は「何十年も前の話だと思っていた」と驚き

を隠せない。農薬や抗生物質、細菌の検出に重点を置く現在

の検疫体制で、工業用物質は盲点となっている実態が明らか

になった。

中国で被害が相次いだのを受け、厚労省は今月12日から

マーガリンの原料となる乳脂肪調整品の輸入を保留していた。

ただ、厚労省は「中国側からは『加工品に使った』という情報は

なかった」(監視安全課)として、原材料に乳製品を使った菓子、

加工食品の輸入は、19日まで続いた。

メラミンは工業用の樹脂として使用されるため、厚労省は

「食品に混入することはあり得ない。国際的にも食品の添加

物にはなり得ない」(同)として検査項目に入れていなかった。

しかし、中国では牛乳を水で薄めてもメラミンを混ぜ、タンパク

質量を高く見せかける「贋造」が横行していた。

現在の検査項目は大腸菌などの細菌、食品添加物、抗生

物質、残留農薬に重点が置かれている。「終戦直後の厚生省

(当時)は、酒にメチルアルコールが混入していないかなどさま

ざまな『贋造』を検疫で調べていた」(厚労省幹部)というが、

近年、品質を重視する消費者志向から「贋造品」を輸出して

くるケースは皆無だったという。

厚労省幹部は「工業用の化学物質は数万種類はある。次は

何が出てくるか分からない中で、検査をするのは費用に加え、

技術面でも不可能。日本の輸入業者が、中国の工場に衛生

管理者を常駐させて、原料から製品まで一括管理するしか手

がない」と検疫体制の限界を認めている。
9月21日8時1分配信 産経新聞

 ◎米政府、不良資産買い取りに公的資金75兆円投入を提案

[ワシントン 20日 ロイター] 米政府は20日、金融機関が

抱える住宅ローン関連の不良資産について、最大17000億ドル

(約75兆円)の公的資金で買い取る計画を議会に提案した。

大恐慌以来最悪の金融危機に対応するため。

上下両院は数日以内の法案化を目指しており、共和・民主両党

議員の補佐官らが週末にかけて同提案内容についての詳細な

検討を行う見通し。

計画では銀行など金融機関のバランスシートから回収困難な

住宅ローン関連負債を切り離し、政府の管理下に組み入れる

こととなっており、米財務省には異例の権限が与えられることに

もなる。

ロイターが入した財務省草案によると、不良資産買い取りに

関する財務長官の判断は裁判所の審査を一切受けない。

また、同計画に対応するため、連邦政府の債務上限は現行の

10兆6150億ドルから、11兆3150億ドルに引き上げられること

になる。9月21日10時37分配信 ロイター

 ◎北朝鮮で15年ぶりに人口一斉調査...国連の基金

【ソウル=浅野好春】ラヂオプレス(東京)によると、北朝鮮の

党機関紙「労働新聞」は21日、国連人口基金(UNFPA)が

10月1日から15日に北朝鮮全土で人口の一斉調査を行うと

報じた。
UNFPAによる調査は1993年以来、15年ぶり、2回目となる。

北朝鮮は2004年時点の総人口を2361万2000人と公表して

いるが、「90年代後半の餓死者数などを反映しておらず、

不正確」との見方もあり、今回の調査結果が注目される。

9月21日20時39分配信 読売新聞

◎自民党、22日に麻生総裁選出へ 新幹事長は細田氏、

古賀氏ら留任
福田康夫首相の後任を選ぶ自民党総裁選は22日、党本部で

開く両院議員総会で投開票を行い、第23代総裁を選出する。

国会議員票(386票)の6割を固めた麻生太郎幹事長(68)が、

47都道府県連の地方票(141票)でも9割に迫る勢いで、

1回目の投票で過半数を獲得し、新総裁に選出されることが

確実な情勢。麻生氏は新幹事長に細田博之幹事長代理を起
用する意向を固めた。

古賀誠選対委員長、保利耕輔政調会長、笹川堯総務会長、

大島理森国対委員長は留任の方針。幹事長代理は石原伸晃

元政調会長が有力視され、顧問に森喜朗元首相が就任する

見通し。幹事長の補佐役に複数の派閥領袖級を登用する案も

浮上している。早期解散・総選挙を見据え、党執行部人事を

最低限にとどめ挙党体制の構築を優先させた。

麻生氏は両院議員総会後に新執行部を発足。23日に麻生氏と

公明党の太田昭宏代表と会談し、連立継続を確認する。

臨時国会召集日の24日に衆参の首相指名選挙が行われ、

第92代首相が選出される。麻生氏は同日中に組閣する方針。

25日には訪米し、29日に所信表明演説、10月1~3日に衆参

本会議で代表質問を行う。

麻生氏は補正予算案をめぐる野党との折衝が不調に終われば

解散に踏み切る考えだ。早ければ10月3日に解散、10月14日

に次期衆院選公示、10月26日に投開票が行われる公算が

大きい。

総裁選は21日までに32道府県連(計96票)で党員・党友投票

の開票作業が行われ、麻生氏は28道府県で各3票、奈良、

島根、徳島で2票の計90票を獲得。国会議員票も230票以上を

固めたとみられる。
産経新聞2008.9.22 02:00

 ◎【福岡小1殺害】母親が犯行認める供述 逮捕へ

福岡市西区の小学1年、富石弘輝君(6)が首を絞められて

殺害された事件で、弘輝君の母親(35)が、福岡県警捜査本部

の調べに対し殺害を認める供述を始めたことが22日、分かった。

捜査本部は母親の逮捕状を取っており、容疑が固まり次第、

殺人容疑で逮捕する方針。産経新聞 2008.9.22 08:22

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反     響
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 1) 無責任なリーマン・ブラザーズの経済破綻の影響は、

まさに地球的規模の広がりを見せる一方、止まるところを知ら

ない中国食品の有害物質混入問題はとうとう日本に上陸して、

混沌とした末世状況を露呈しています。

このときこそ物事に真正面から取り組み、忌憚のない正論を

展開する「頂門の一針」 の役目大なるものがあります。

まさに時代は人を提供してくれます。主宰者を初め投稿 する

方々の健筆こそ、この時期のオピニオンリーダーとして頼もしく

思います。

ところで英語指導フォーラムのe-pros会員一人43,500円は、

むの字屋さまのご指摘のとおり誤植です、1人3,500円です。

若手教師を初め、これからの日本の英語教育を背負って立つ

方々を主たる対象に、年に8回開催する英語指導者フォーラム

です。

出来るだけ経済的負担も軽くしてあげたいと、大学生、

大学院生は無料で参加を受け付け、これは大いに喜ばれて

おります。趣旨に賛同していただき本メルマガ主宰者 渡部

亮次郎氏にも理事をお引受けいただいていますが、最近は

常時50名前後の方の参加を得て、若い英語指導者たちの

熱気を感じる研修会になってきました。ご指摘有り難うござい

ました。(NPO法人e-pros代表 大釜茂璋)

 2)「生きる心と人生 」(加瀬英明) 多くの示唆を含むこうした訴
えを心してみんなが目にすることを希望します。

おっしゃるように、若者、高齢者を限らず日本の現状は刹那的

享楽的な側面を追いかける風潮が蔓延しています。もっとも

悪質なメディアを中心とする亡国の手法がこうした流れに巻き

込まれているのが気にかかる昨今です。

すべては、戦後の過去の日本との決別を良しとする一部勢力の

手先が害毒を撒き散らし、内部から日本人の人心荒廃を排出

させる作用を為しています。この流れを排斥して、日本人の

精神的支柱を再構築するには一に教育、二に教育です。なみお

 3)アンディチャンです。いつも配信を楽しく読んでおります。
さて、蝉について:

 1.蝉の英語はLocust ではなく、Cicadaと言います。辞典に出

ています。
 2.アメリカには7年蝉など、ジーンジーンと情緒のある鳴き声の

蝉がいますが、17年蝉の鳴き声はグァングァングァングァンと、

ものすごい規則的な騒音で、まるで製造工場に入り込んだよう

な喧しさですから、とうてい詩的な気持ちになれません。

しかも夜になっても鳴いている。
 3.17年蝉はあまり飛べないし、17年ごとに地上に大量に出て

くるので、出たときは枝から飛び立つと地上に落ちて転がって

しまうのが多い。
味はかなりよいらしく、散歩に連れ出した犬が喜んで追いかけ

てはガリガリと食べてしまいます。Andy(在米台湾人科学者)
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