≪アジアの街角から≫インド事報 | 日本のお姉さん

≪アジアの街角から≫インド事報

▼▽ インド事報 ▽▼
☆ 中国から脱出する韓国・台湾企業急増 ―――――――― はぐれ雲さん

北京オリンピック閉幕の翌日、胡錦濤主席が韓国を訪問した。訪問の主目的は不詳だが、急を要する案件があったのだろうか?ーーー最近、中国では反韓感情がかなり高まっているそうだ。

先日、来日中の台湾「対中国窓口機関」の理事長が東京で、日本との関係強化を訴えた。台湾の馬英九・新政権は、就任直後から中国傾斜政策を強烈に打ち出し「中・台湾経済交流促進」を重要課題とアピール、中国に取り入る為、意図的に反日感情を煽った節がある。

この2つの動き…何か変である。

北京オリンピック開催直前、中国の国家発展・改革委員会・中小企業司は2008年上半期(1~6月)に倒産・倒閉した一定規模の中小企業は6万7千社以上に達した、と発表した。

中国に何社の一定規模の中小企業があるか判らないし、6万7千社が何%に当り、中国経済にどの程度影響するのか判らないが、6万7千社の内、1万社以上は労働集約型企業の代表格である繊維関連企業との事。

原因は、中国政府の輸出抑制政策、輸出還付の削減、優遇税制度の廃止、労働法の改正等々様々な要因があるが、人件費の大幅上昇によるコストアップが主因のようである。

そこにアリメリカの景気後退、中国からの輸入減少が追い討ちをかけ、特に輸出志向型の中小の繊維企業などは大打撃を被っている。輸出志向型産業は外資系が圧倒的に多い。

昨年来よく耳にする噂だが、韓国企業が続々と中国から撤退しているらしい。
労賃が上昇した中国から別の国にシフトしているのだろう。本国の韓国自体、経済的に苦境にある。採算の悪化している中国から、労賃の安い他の国にシフトせざるを得なくなっているのだろう。

当然、撤退に関わる労働争議も発生していると推測する。そう考えれば、中国で反韓感情が高まっている背景も見えてくる。

今回胡錦濤主席の訪韓、多くの韓国企業が中国から撤退、会社清算に際しての労使問題が深刻化しているのではと推測する。中国人の反韓感情を悪化させない為のトップ外交、そして、韓国企業が中国から撤退しないように韓国政府に協力要請する心算だろう。

台湾、特に近場の広東省に進出した台湾企業が悲惨な状況にあり、相次いで中国本土から脱出しているらしい。移転先は主にベトナム。お陰で、ベトナムの労賃も上昇気味といわれている。

台湾企業は、ベトナムの次はアフリカ諸国と目標を設定しているようで、アフリカには、既に30万人以上の台湾人が‘転勤’しているそうだ。

8月27日の上海総合指数終値は2342ポイント、中々下げ止まらない。

経済変動に敏感に動く鋼材価格、中国鉄鋼大手である宝山鋼鉄は一部主要鋼材製品の国内向け価格の値下げを決めた。国内需要が落ち込み、在庫が増えたのが主因だろう。

原料価格が大幅上昇している時の値下げである。中小鉄鋼企業には大打撃だろう。中国経済の陰りが具体的に見え始めた。

このまま中国経済がこけると、数多くの韓国・台湾企業が‘中国難民’として発展途上国に逃避する事になる。他方、中国にとり、中国製品の輸出を牽引してきた外資系中小企業の中国からの脱出は大問題。中国製品の輸出の65%は外資系企業が占めているといわれている。

アジアの株価が急落する中で、比較的落ち着いている、若しくは上昇している国は、ベトナム、バングラデシュ、そしてインド。


韓国・台湾の‘中国難民’は、安い労賃を求めて移動する。最近はバングラデシュも狙い目になってきている。最終的に落ち着く先は、バングラデシュを含めた‘天竺’かも知れない。

しかし…、日本企業のアクションは遅い。ーーー大丈夫だろうか?
                        = この稿おわり =