縄文塾通信9月15日 ◎食品衛生と危機管理 佐藤 守 | 日本のお姉さん

縄文塾通信9月15日 ◎食品衛生と危機管理 佐藤 守

縄文塾通信9月15日
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◎食品衛生と危機管理 佐藤 守 (二回目)
「三笠フーズ」による汚染米不正転売騒動は、今の日本の危機管理意識を良く表している。中国から輸入されたメタミドホス汚染ギョーザ事件が発覚して、国民は危機意識に目覚め(それも主婦が大半だが)、自己防衛を意識し始めたが、国の機関はそうでもなかったし、未に曖昧である。ギョーザ事件解明に対する首相の意欲は欠如していたし、関係機関も中国に対しては腰が引けていた。最も、高級官僚や、政治家、大臣が、町のスーパーで安い「冷凍ギョーザ」を買って食べる機会なんぞありえないのだから、身に迫る危険を感じなかったからだとしても不思議ではない。しかしそれでは安心して国民は彼らに命を預けられない!今度の「三笠フーズ(大阪市北区)」事件がそれを浮き彫りにしているように思う。 今朝の産経は一面トップで「給食や焼酎の原料」にも転用されていたとして「同社が販売した事故米の中国産もち米約700キロが、東京の給食大手『日清医療食品』から近畿2府4県の病院や高齢者福祉施設119箇所に納入され、多くが消費されていたことが11日、分かった。汚染の可能性がある米が食用に消費されたことが判明したのは始めて。一方、事故米が焼酎の原料に使われていたアサヒビールは同日、対象商品の販売を中止し、自主回収に乗り出した」と報じた。なぜかこの手のモラル欠如事件は近畿や九州地方で起きる!といった友人がいたが、今回もまさにそうで意味深長だが、“大阪商人”のモラル低下の原因は何だろう?何と無く「対馬事例」に共通するところがあるような気がするが、橋下知事には徹底的に調査して欲しいものである。産経はそれに並べて「7業者仲介米“洗浄”」と言うタイトルで、「三笠フーズから末端小売業者に至るまでに少なくとも7業者が仲介していた」ことを挙げ、「中には、ペーパー会社や伝票操作だけを行った業者も介在。複雑な流通システムを経ることで、事故米を正規米に転化させる“コメロンダリング(洗浄)”をしていたと見て、農林水産省などが調査を進めている」と書いたが、この手の“洗浄”手法は、北朝鮮や暴力団が偽札や麻薬などから得た不正資金を香港などで“洗浄”する手口にそっくりである。北朝鮮は米国の「テロ指定国家」から“解放”されない限り、資金締め付けで身動きが取れなくなっているから、日本中で何らかの資金獲得工作をしているのではないか?一説では、北京五輪に「美女軍団」を送れなかったのは資金難からだとか、今回の60周年記念パレードに正規軍が出なかったのは、油不足だからとか「金欠の噂」が絶えないが、確かにそれほどこの国は苦しいのであろう。徒歩部隊だけが行進する様は、いかにも油を絶たれた「人力作戦」の象徴だが、美女軍団の方は海外に出るたびに「自由な空気」に目覚めた美女達が、北朝鮮の“実情”に不満を感じるのを防ぐためだともいうから必ずしも金だけが原因ではないらしいが。三笠フーズの汚染米転売先の福岡や佐賀の業者達は「事故米とは知らなかった」と弁明しているが、“確信犯”以外はきっと騙されたのであろう。 産経抄子は1929年の「暗黒の木曜日」のニューヨーク株式市場大暴落時に、証券会社が数々の不正をしていたため、ルーズベルト大統領は後のケネディ大統領の父・ジョセフを証券取引委員会の委員長に任命した。彼自身もインサイダー取引で財を成した“前科者”だったからこの人事に反対が多かったのに対して、ルーズベルトが「狼を捕らえるために、オオカミを使う。彼なら取引のからくりを何でも知っている」と言い放ったことを例に挙げ、「……事故米混入の疑いが出て、焼酎、日本酒、せんべい、和菓子等、自社製品の撤去を余儀なくされた関係者の怒りは想像に余りある。

▼巨額の利ざやを稼いでいた業者の強欲には勿論だが、不正を見抜けなかった農水省のずさんな検査にもあきれてしまう。最初に不正が見つかった「三笠フーズ」への検査は、過去5年間で計96回にも及ぶ。といっても、抜き打ちではなく、事前通告だったから、偽装を手助けしたようなものだ。

▼「オオカミ」になれ、とは言わない。もともと、農水省にとっても、事故米は、保管にも、焼却にもコストがかかるやっかいもの。業者が喜んで引き取っていくのには、何か理由があるはずだ。こんな想像力が働いていれば、被害はもっと小さくて済んだのではないか」と結んだが全く同感である。ついでに付け加えるとすれば、官業界の癒着はなかったのか?その裏に、29面で大々的に取り上げれている三井住友銀行の「不正融資100億円焦げ付き事件」のような「裏」はなかったのか?とか、危機管理上のポイントがいくつか浮かぶが、それは今回は省略するとしても、少なくとも「フーズ」という看板を掲げた会社に「危険な事故米」を譲渡したところが私には理解できない。誰だって「フーズ」という看板を掲げている以上、「三笠」は食品業だと思い込む。だからそこからコメを仕入れる業者は当然安全な「食品」だと思うのは自然の成り行きだろう。工業製品に限定された「事故米」を、そんな「食品の看板」を掲げた会社にまる投げ?していた農水省の責任も問われなければなるまい。つまり、産経抄子が指摘したように「業者が喜んで引き取っていく裏」を調べなかった怠慢である。電化製品の回収だって、正規には回収代を払って破棄を依頼するのに、無料で持っていく「回収業者」が絶えないということ自体いかがわしいと思うのが庶民の感覚である。尤も、今ではフィルム会社が化粧品を生産することもあり、看板だけで判断するのは困難な時代だが、庶民とは違って役所は業務の実態を掴んでいる筈である。少なくとも「食」は安全第一、そんなところへ「危険な事故米」を引き受けさせる役所の感覚が疑われる。幸い?体調を崩した私は、このところ酒も焼酎も遠慮して過ごしたから“被害はなかった?”が、せんべいだけは大いに食した!入院中も流動食だったから安心?だったが、今後は大いに注意する必要があろう。といっても具体的な手段は何もないから役所と業者を信用する以外にない。
とまれ、悪徳業者は論外だとしても、政治家はじめ役人までもが緊張感を欠いているようだし、危機管理意識と国民に対する責任感も欠如しているとしか思えない。もう少し公僕たる責任感が充実してさえいれば、こんなズサンな事件は起きなかったであろう。事前通告検査で、うまく騙しおおせたから三笠フーズは「カサにかかって」利ざや稼ぎに奔走したのだろうが、その原点に“癒着”がなかったとすれば「監督官庁が完全に舐められて」いたとしか考えられない。のうのうとTVに出て「頭を下げた」社長は獄門・遠島・曝し首ものである!こんなモラル欠如の業者に一旦「舐められ」ると、彼らは嵩にかかって増殖し始めるから、何事もはじめが肝心、最初にガツンと目を覚まさせる必要があるし、それが役所の仕事でもあろう。対馬問題も東シナ海問題も今のうちに断乎排除して「既成事実」を作らせないようにしなければならないから、次期総裁にはそこを十分に意識した候補者が選ばれ、是非とも危機管理意識とその能力が高い「強い政府」をつくってもらいたいと思う。
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◎なぜ蒸留酒なのに事故米をさわぐのか──焼酎は蒸留酒    米島 勉

ここのところ事故米と称する食用に適さない輸入米が食用に流通されたとして大騒ぎになっています。もちろん事故米というのは外国で船積みされて日本に向かう途中で海水で濡れて黒カビが生えたり、もともと日本では許可されていない農薬が残留していたりして日本で陸揚げされた後に「事故米」として分類されて食品用の流通を許可されなかった米ですから、メタミドフォスなどの残留農薬、黒カビ由来の高発がん性のアフラトキシンなどを含有しており、直接食品に使用されることは論外です。今回進行中の一連の事件では、食品用ではない事故米が焼酎用としてばかりでなくかき餅や赤飯などにまで使われたのですから大問題になるのはとうぜんで、テレビは主婦らに「怖いですね」を連発させています。しかしこの事件の結果として最初に事故米使用が疑われた関連商品の撤去を始めたのは焼酎業界でした。何故かは知りませんが、焼酎業界がもっとも慌てたようです。このニュースを見ておかしく感じたのは私だけでしょうか。商品撤去の対象が焼酎であることに疑問を感じのです。焼酎は蒸留酒です。原料は米、麦、さつまいも、そば、黒糖などいろいろとありますが、これらの炭水化物を麹菌などでアルコール発酵させた発酵液を蒸留器で蒸留して高純度のエチルアルコールを取り出し、これに水を混ぜて薄めたものです。蒸留法に連続蒸留法と単式蒸留法があり、前者によるものが焼酎甲類、後者によるものが焼酎乙類と酒税法で分類されています。蒸留法というのは、焼酎に限らず、蒸留水、石油製品、その他いろいろな製品の製造に用いられており、沸点の差を利用した古典的な分離法の一種です。焼酎の場合、取り出したいのはエチルアルコールで、エチルアルコールの沸点は大気圧下で概ね78℃です。したがって天辺にパイプをつけた容器に上記の発酵液を入れて約78℃に加熱すれば、パイプからエチルアルコールの蒸気が出てきますから、これを冷やせばエチルアルコールが得られるわけです。蒸留法の利点は、蒸発しない固体物質、たとえば砂糖が発酵液に混入していても蒸発せず、また沸点が78℃以上のものも蒸発してきません。(厳密には共沸混合物、昇華性物質などが混ざることは考えられますが、焼酎の製造においては原料由来の香り物質が微量混入する可能性が一番高い。純粋アルコールなのに原料によって特有の匂いがするのはこのためと考えられます。)最初に書いた事故米を使ってアルコール発酵させた場合、米由来のデンプンは酵母菌による糖化を経てエチルアルコールに転化しますが、メタミドフォスなどの農薬や黒カビ由来のアフラトキシンなどは沸点ないか、あってもエチルアルコールよりもはるかに高いはずですからアルコール蒸留温度では揮発しないでしょう。ですから、焼酎に農薬や発がん性物質が混入する可能性はほとんどないはずです。ここまでで「はずです」をたくさん並べたので、もしかすると混入するのではないか、と疑われるかも知れませんが、私自身が焼酎の精密分析を行ったわけではないので断定はできないだけです。しかるべき機関で精密分析すればすぐに分かることです。くりかえしますが、今回の事故米のヤミ転用事件に焼酎業界が振り回されているのは大部分イメージの問題、メーカーとしてのイメージ、商品としてのイメージを損なうから、ということが理由ではありませんか。もっと勘ぐれば、焼酎メーカーは焼酎が蒸留酒であるから事故米でも問題は起こるまい、と承知した上で安事故米を原料としていたのかも知れません。少なくとも売り主であった三笠フーズは蒸留酒である焼酎の原料として使われるのであれば問題ないと認識していたと思いますし、焼酎メーカーも同じ認識のもとに長年事故米のたぐいを使い続けていたものと思われます。焼酎メーカーは、自分たちは三笠フーズにだまされた被害者である、というポーズをとっているのではありませんか。ですから余計に慌てているのかも知れません。それが証拠に、蒸留を伴わない清酒業界では今のところ事故米転用の事実が明るみに出ていません。清酒では、農薬も発がん物質もそのまま製品に含まれてしまうからですし、第一味や匂いであからさまになってしまうでしょう。
消費者がここまで勘ぐらなければならないとは情けない国になったものです。
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◎民主党って変な政治家が多いね    依存症の独り言 
  
どうやら次期衆院選挙で政権が交代しそうですね。まあ、民主党が勝つとしても単独過半数は無理でしょうから、国民新党や社民党と連立―ということになるのでしょう。私が自民党が負けて下野せざるを得なくなると予想するのは、まず第一に福田康夫氏が首相だからです。こんな、その辺にゴロゴロいるサラリーマン管理職のような人物を派利派略に基づく談合で首相に担いだ自民党。負けても自業自得ですね。選挙の前に麻生太郎氏に首相を譲るという話も聞きますが、それでも自民党は負けると思います。ポスト安倍で麻生氏を首相に担いでいれば状況も変わったでしょうが、選挙目当てで泥縄式に麻生氏を看板に掲げても効果は知れています。それに今回は、共産党が小選挙区で130ほどしか候補者を擁立しません。前回2005年衆院選では、275選挙区候補者を擁立しましたから、140以上の選挙区で共産党支持票が宙に浮くわけです。この共産党支持票が民主党に流れる可能性が非常に高い。「共産党支持者は棄権する」という見方もありますが、彼らは政治に真面目ですから棄権するのはごく一部だと思います。それから、公明党が自民党離れを加速させています。これは、選挙前に、福田氏から麻生氏に首相を交代させるための圧力だとか、選挙での自民党敗北を見越しての動きだとか、あれこれ言われていますが、いずれにせよ前回までのような支援を創価学会に期待するのは無理だと思います。ということで自民党が敗北し、民主党中心の連立政権ができる可能性が高いのですが、私は仕方がないと思います。
理由?
ポスト安倍の総裁選で見せた、あの汚い手口、どうしようもない体質、もううんざりです。私は、麻生氏には選挙前に首相になってほしくないですね。下野してから自民党総裁になってもらいたい。民主党中心の政権は長続きしません。国家の根幹にかかわる安全保障だけではなく、郵政民営化の見直し、消費税、外国人参政権、人権擁護法、いずれも党内は完全に割れています。これに国民新党や社民党が連立与党としてくっつけば収拾がつかなくなると思います。加えて、選挙で有権者の前に示すであろうマニュフェストは、おそらく財源の裏付けのないバラマキ型の政策になると思われるので、公約も実現できない。で、支持率も一気に下がる。きっと小沢一郎氏は投げ出しますよ、政権を。これで政界再編、あるいは、また総選挙・・・となると面白いんですが。ところで、自民党が下野するのは仕方がないけれど、民主党に政権を任せたくないのは変な政治家が多すぎるからです。以下は、民主党の参院議員である藤末健三氏のブログ「護憲による集団的自衛権の否認は絶対ではない」からの抜粋です。まあ、読んでみてください。

◎護憲による集団的自衛権の否認の限界
共産党や社民党は、現行の憲法九条を堅持することにより、集団的安全保障を認めないとする「護憲論 」を唱え続けています。しかし、実はこの「憲法九条を堅持する」ことが、集団的自衛権を「完全に」否定することには繋がらないと考えています。実は、現在の憲法による集団的自衛権行使の否認は、
(1)内閣法制局の解釈によるものであり、その解釈は変更される可能性があること、
(2)国会議員が議員立法で集団的自衛権を認める法律を作ることができること、により非常に不安定なものであるといわざるを得ないと考えられます。

~中略~
◎集団的自衛権を完全に否定するため
このように現行憲法九条を護るだけでは、集団的自衛権を完全に否定することは出来ないことを意味すます。そのため、憲法九条の理念を護るために、「集団的自衛権を否定する」旨を憲法に明記する必要があると考えます。我々は、憲法九条に3項を追加し、「自衛隊の明記」、「領土外での武力行使の禁止」を明確にした改憲を提案するつもりです。
分かりましたか?
この方、要は、集団的自衛権をより完全に否定するために憲法を改正せよ!と主張しているんですね。「領土外での武力行使の禁止」って???相手が領土外からミサイルを撃ってきたらどうするんですか???いや、もうあきれて論評する気にもなりませんこれでも、元経済産業省のキャリアですからね、この方。ばからしいというか、何というか。一刻も早い政界再編を強く希望します。それにしても、北朝鮮の代弁人=近藤昭一氏、テレビで被害者の母親を眼前にして「加害少年の人権」を擁護した平岡秀夫氏、そしてこの藤末健三氏。民主党の「リベラルの会」って、ほんとうに常軌を逸した方が多いですね。
社民党といい勝負です。         
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