太田述正コラム#2402
ようちゃん、おすすめ記事。↓クリスチャンのわたし、「日本のお姉さん」は、<アブラハム系宗教の好戦性> の中の「アブラハム系宗教の世界においては、戦争やテロ等は、獲物を得たり防衛したりするためと言うよりは、人間、とりわけ青年を神の犠牲に供するためのものなのだ。」という文章は、「え~!?聖書をバカにしてんのか!?」と思う。アメリカのすることを全部、キリスト教のせいにしている。それは間違いだよね~。単にアメリカでは、キリスト教徒がほかの国より多いだけでしょう。アメリカは、キリスト教と言っても変な異端も結構多いし、どこの国でも昔から戦争ばっかりしているじゃないか。
聖書に書いてあるアブラハムがイサクをささげそうになった箇所についてですが、
当時の周辺の宗教が自分の子を犠牲にささげる習慣があったから、わざと神さまが異教の習慣をマネよと、無理難題をふっかけてアブラハムを試したのです。そんな理不尽な命令でもアブラハムは、従うのかどうか、神さまがアブラハムの信仰を試されたのです。アブラハムは、神さまがイサクの子孫が大きく増えて空の星のようになるという神さまの約束を信じていたので、たとえイサクを殺しても、神さまはまた生き返らせてくださると信じたのです。
結果としては、神さまはいけにえの羊は神さまが自ら用意するので、アブラハムは自分の子を犠牲にする必要はないし、子供を犠牲にするのは大変辛いことなのだと教えられたわけです。もちろん、子を犠牲として偶像にささげるのはイケナイことなのです。
神さまは、人間のために必要な犠牲の羊をご自分で用意すると言われた。
その山で、神さまのひとり子のイエス・キリストが十字架にかかって死なれ、三日目によみがえられたのですが、神さまは昔から「主の山には備えがある。」と救い主のことを預言してくださっていたのです。
人間の罪を赦すために罪の罰を身代りに受ける救い主は、神さまのそばにおられた神さまのひとり子でなければなりません。それで、神さまは、ご自分のひとり子を人間を罪と死後の罰から救うための救い主として、イエス・キリストを備えてくださったのです。
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以下の文章はクリスチャンとしては、まったく賛成できない。
こんな事は聖書に書いていないです。聖書からずれた考えは異端です。↓
「つまり、アブラハム系宗教の世界では、戦争やテロ等は、人間の生理、心理、政治、経済、地理、宗教的要因で起きるというより、神に青年の犠牲を捧げるという文化によって起きているということだ。」
太田述正さんは、最後に、正しく聖書を読めば青年の命をささげるという思想は間違いだと分かるはずだと書いているから、今の人間は聖書に従っていないと言いたいのでしょう。
しかし、人間は罪びとで、国家は罪びとの集団なので、エゴとエゴのぶつかり合いから戦争になるのは当たり前のことだと思います。人間の歴史は、戦争の連続で、地球も汚れ放題になっていて、動植物も
管理できていないで絶滅していっている。人間は神さまにまかせられた仕事を何一つ行えない罪びとなので、罪のない救い主が十字架にかかって罪の罰を受けて死んでくれたのは、自分の罪のためだと信じないと誰も死後に天国に行けません。地球も、このままだと、汚れ放題になるし、独裁者が出てきて
食糧を独占して、いろんな災害が起こって大変なことになるのは目に見えている。
太陽の黒点も増えて、今後皮膚がん患者が増えるのは間違いない。個々の人間は、どう備えるのか、生きている間に考えて対処しないといけないのです。
個々の人間は、生きている間に神さまを信じて罪を赦していただくことが肝心です。
エコロジーに気を使うことも大事ですが、日本人だけ頑張ってもチュウゴクが工場の汚染物質や生活用水を垂れ流しではどうしようもない。どこかの国が、地球のために動かないといけないのですが、軍隊もない日本は、垂れ流しの国に文句を言っても、どこの国も聞く耳持たずでしょう。
太陽の黒点が増え続ける問題はどうしようもないので、地下に町をつくることや食糧や水の確保を今から考えておかないとね。
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太田述正コラム#2402
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<アブラハム系宗教の好戦性>
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1 始めに
米国ニューヨーク州の名門リベラルアーツ大学であるバード大学(Bard College)の宗教学教授である米国人チルトン(Bruce Chilton)が'Abraham's Curse: The Roots of Violence in Judaism, Christianity and Islam'を上梓したので、そのエッセンスをお伝えしましょう。 バード大学はもともとは、ニューヨーク市の英国教会系の大学でしたし、チルトン自身、英国教会の牧師(rector)です。しかも、彼は英ケンブリッジ大学で博士号をとっているのですから、彼はイギリス人の視点で物事を見ていると考えてよいのではないでしょうか。
2 アブラハム系宗教の好戦性
20世紀は、人類史上最も多数の青年達が生け贄(犠牲)として神に捧げられた世紀だったと言えよう。アブラハム系宗教の世界においては、戦争やテロ等は、獲物を得たり防衛したりするためと言うよりは、人間、とりわけ青年を神の犠牲に供するためのものなのだ。それは21世紀の今日においても変わらない。キリスト教徒はイラクやアフガニスタンで戦い、ユダヤ教徒はレバントで戦い、イスラム過激派はテロ行為にあけくれている。人間を神の犠牲に供する儀式は石器時代の終わりに都市が生まれた頃に始まった。 注目すべきは旧約聖書の創世記22に出てくるアブラハムとその子イサク(Isaac)の挿話だ。「イサクは父アブラハムに言った。「お父さん・・焼いて捧げるべき子羊はどこにいるの?」 アブラハムは答えた。「息子よ、神は焼いて捧げるべき子羊を自ら与えてくださるのだ。」・・アブラハムは手を伸ばし、ナイフをとって彼の息子を殺そうとした。」がそのさわりの箇所だ。 神はアブラハムに彼の息子をモリア(Moriah)山で犠牲に供するよう命じたのだが、最後の瞬間に天使がアブラハムを押しとどめ、アブラハムの信仰ぶりは証明されたので代わりにその子羊を犠牲に供せよと告げたのだった。この挿話を素直に読めば、人間の犠牲を神はお望みになっておられないということなのだが、旧約聖書を聖典とする、いわゆるアブラハム系宗教であるところの、ユダヤ教もキリスト教もイスラム教も、この挿話の解釈を180度ねじまげ、殉教を褒め称えるに至った。紀元前2世紀(BC167~160年)、ユダヤ教徒はアレキサンダー大王の帝国の末裔の一つであるセレウコス朝(Seleucid dynasty)からの独立運動(マカベー=Maccabees)を起こし、自己犠牲的ゲリラ戦争を行って独立に成功する。このことが、ユダヤ教徒をして、ヘブライ語でアケダ(Aqedah=binding=約束)と呼ばれるところの、上記旧約挿話を変形させた。アブラハムの高貴さとイサクの死を望む気持ちを強調するもの、アブラハムがイサクを殺してから神がイサクを蘇生させるもの、が現れたのだ。このマカベー精神に基づき、ユダヤ教徒はローマ軍に紀元後73年にマサダ(Masada)で包囲された時に集団自殺を決行し、中世に欧州でポグロムが起きるとキリスト教徒に殺される前に親は自分の子供達を殺し、19世紀末には戦闘的シオニズムを生んだ。つい最近では、パレスティナ人に土地を割譲しすぎるとして1995年にイスラエル首相のラビン(Yitzhak Rabin)を極右のユダヤ教徒が暗殺した。また、キリスト教徒は、イエスが、自分に従う者は必要と思えば進んで「十字架にかかれ」と述べたことを踏まえ、ローマ帝国によって残虐に迫害された時には慫慂として殉教し、感嘆したローマ人達をキリスト教への改宗へと誘った。そして、カトリック教会は、イサクが犠牲として捧げられる寸前まで行ったことを、イエスの十字架刑という究極の犠牲の不完全な前兆と解釈するようになった。キリスト教がローマ帝国の国教になってからは、キリスト教徒たるローマ軍兵士は、殉教の装いの下で戦い始めた。これが、十字軍、ポグロム、カトリックとプロテスタントの間の宗教戦争、ナショナリズムに藉口した戦争等をもたらすことになる。
イスラム教の場合も、コーランそのものには特段好戦性を見出せないものの、やはり後にアケダ挿話に変形が施される。アブラハムは攻撃的な人物であって神しかアブラハムを押し止めることはできなかったとか、アブラハムのもう一人の息子で、アラブ人の祖先とされるイシュマエル(Ishmael)が実は犠牲に供されたとかいった変形だ。そしてこの後者の変形が、危機と目される時に、極端な手段に訴えることを正当化してきたのだ。自爆テロとか米国に対する9.11同時多発テロが現代におけるその発現形態だ。つまり、アブラハム系宗教の世界では、戦争やテロ等は、人間の生理、心理、政治、経済、地理、宗教的要因で起きるというより、神に青年の犠牲を捧げるという文化によって起きているということだ。だから、アブラハム系宗教の世界で戦争やテロ等を大幅に減少させるためには、神に青年の犠牲を捧げるという文化を変えるしかない。このことは、文化を変えることはできるのだから、決して不可能ではない。ユダヤ、キリスト、イスラム教という三つの宗教の信者が、旧約聖書の創世記22を素直かつ正しく読むことに努めれば、いつかきっとこの悪しき文化を擲つことができるはずなのだ。
3 終わりに
私の言うところの欧州文明の起源はローマ文明であり、ローマ文明の淵源はギリシャ文明とキリスト教です。このキリスト教が欧州文明に与えた負の遺産の一つがチルトンの指摘する、青年を犠牲として神に捧げるというエートスである、というわけです。チルトンによれば、キリスト教はイスラム教にも同じエートスを継受させることでイスラム教を「汚染」したことになります。私には、イギリス人がチルトンの口を借りて、欧州文明やイスラム文明、更にはアングロサクソン文明と欧州文明のキメラである米国の野蛮さを冷笑しているように思えるのですが、皆さんいかがですか。
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日本のお姉さんの意見。↓
イスラム教を汚染したのではなく、イスラムがキリスト教や
ユダヤ教をマネて、アラブ人に都合の良い宗教を作ったので
そうなっただけでしょ。アブラハムの子供にはイサクがいなくて、
アラブ人の先祖である妾の子、イシュマエルのみしかいな
かったとするところが、すごくアラブ的だと思うのです。
チルトンは、ようするに、アメリカのキリスト教は変だと言いた
かっただけだと思うのです。
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<事故米横流し事件>
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1 始めに
事故米横流し事件を論じておきましょう。
2 報道の概要
「食用に使用してはいけない事故米と呼ばれるコメが、焼酎や菓子などに転用されていたことが発覚した。・・・農水省は、事故米を不正転売していた三笠フーズに、平成16~20年に95回も立ち入り調査をしている。しかも、偽装の疑いがあるという通報は以前にも受けている。偽装を見破ることができなかったのも当然の話で、調査日を事前に連絡し、三笠フーズの帳簿や伝票だけをチェックしていたに過ぎなかった。転売先のチェックをしないで、三笠フーズの言葉だけを信用していたのである。もっとも、「だまされていることを公にしたくなかった」という本音が、農水省にあるのではないか。ところが今回は、摘発しないとマスコミに情報が流され、ミートホープ事件の二の舞いになると察したのか、やっと本気で調査したのではないだろうか。事故米を食べさせられている消費者のことなど、全く眼中にないのではないか。
農水省への不信はこれだけではない。判明している転売先の企業名を最初は公表せず、次は同意を得た企業だけ公表した。「消費者に健康被害を与える可能性がないから」だという。
事故米から検出されたカビ毒のアフラトキシンは、「地上最強の発がん物質」といわれ、JECFA(FAO=国連食糧農業機関=とWHO=世界保健機関=の合同食品添加物専門家会議)は「遺伝毒性発がん物質なので、摂取量を可能な限り低減すべきだ」としている。酒や菓子類は、原料原産地表示の義務がないので、消費者は輸入米を使っているかどうかも分からない。コメ菓子などを食べずに持っている消費者もいるだろ
う。公表すれば、消費者は食べずに済むことができるのだ。 「公表すると事業者側の不利益になる」と農水省はいうが、公表しないことは、消費者だけでなく、業界に多大な不利益をとなっていることが分かっていない。・・・」
「・・・政府は価格の安い輸入米が不正に横流しされ、国内のコメ農家が打撃を受けないよう厳しく流通を管理してきた。大半が輸入米である事故米も同様だ。政府との売買契約に基づき、購入した業者は加工計画書を提出。農政事務所の職員が出向き、工業用の原料にするためコ
メを砕く作業に立ち会い、帳簿類も点検する。入荷と出荷を突き合わせ、横流がないか確かめるためだ。こうした立ち会い調査を農水省は、三笠フーズ(大阪市)に対して過去五年間で九十六回も実施<ただけでなく、三笠フーズからの転売先である>浅井(名古屋市)、太田産業(愛知県小坂井町)にもそれぞれ十六回、二十六回行った。だが回数も多く一見厳しそうなこの調査が、業者とのなれ合いの温床になっていた。農水省によると立ち会い調査は通常、業者と相談した上で、一週間ほど先の実施日を決めて行われていた。三笠フーズは、立ち会いがある時だけコメを砕き工業原料用の袋に詰めて見せ、職員が帰ると別の袋に入れ替えていたとされる。さらに、一部の業者は入出荷の帳尻を合わせた架空帳簿を常備。「(調査は)数十分ほど。ほかにも仕事があるから」(元農政事務所勤務の職員)という立ち会いでは、架空帳簿まで見抜けるはずもなかった。
一方、事故米を購入する業者が、農水省にとって便利な存在だった点も見逃せない。
事故米を焼却するにもコストがかかる。過去五年間で政府から事故米を購入したのは十七社。農水省の担当者は「米の状態が悪いと手を挙げる業者がいない。そんな時は、とにかく売れればと、三笠フーズなど実績のある業者に購入を打診することもあった」と明かす。
問題発覚後、農水省は事故米が流通した可能性がある仲介や加工、販売業者の名前を、ほとんど公表していない。残留農薬やカビ毒が微量なことから 「健康への影響はない」と安全性を強調。業者への影響とてんびんに掛けた上で「同意を得た転売先だけ公表」という方針を貫いている。担当者は「われわれは公表をお願いする立場」と弁明。食品衛生法に触れる汚染米の調査権限は、基本的に都道府県の保健衛生部局にあるからだ。「連携して調査している」(担当者)とはいえ、消費者の安全という最も大切な視点は、縦割り行政の高い壁の前に置き去りにされたままだ。農水省の白須敏朗事務次官は十一日の会見で「立ち会い調査が非常に不十分だった」と認め、抜き打ち実施など調査を強化する方針を示した。だが、地方の農政事務所でコメや麦を管理する食糧事務を担う職員は、十年前の約一万人から現在は約二千三百人に激減。今や同事務所の存廃自体が政府内で取りざたされる状況で、強化を口にできる根拠は見あたらないのが実情だ。」
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「農薬や毒カビに汚染された「事故米」が食用として出回っている事件で、・・・農水省は「事故米」を、工業用糊や、木材の合板や修正材の接着剤の原料使用に限り販売を許可していると説明していたが、・・・問題を起こした三笠フーズの場合も「工業用糊加工品」に用途を限定することを条件に販売したという。しかし、工業用糊メーカーの大手ヤマト、不易糊工業、住友3Mに・・・取材すると、いずれも、澱粉糊のうち「米を原料にしているものはない」という答えが返ってきた。また、「米を原料に糊を作っているメーカーがあるという話は聞いたことがない」のだという。ちなみに澱粉糊はヤマトがタピオカ、不易糊工業はコーンスターチを原料にしている。また、森林総合研究所によれば、合板を作る際や、修正材に使う接着剤の原料に小麦を使う例はあるものの、米を使ったものは見たことがないそうだ。・・・」
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「・・・農林水産省は十一日、米粉加工販売会社「三笠フーズ」などによる汚染米転売問題の再発防止策として、カビ毒や残留農薬を含んだ汚染米の売買を全面的に廃止する方針を固めた。対策では、ミニマムアクセス(最低輸入量)米で汚染米が含まれていることが輸入検疫で判明した場合、輸出国へ返品する。国内米で発生した汚染米の売買も認めない。・・・同省はさらに、食品全般に対するチェック態勢を大幅強化する方向で検討を開始。具体的には、・・・立ち会いなどの日程を業者側に事前に通知するこれまでの方法を見直し、抜き打ち方式に切り替え・・・る方針だ。」
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3 終わりに代えて
米は、かつては日本の食糧安全保障における基幹食糧でしたが、今では穀物のうちの一つに過ぎないのに、依然として海外からの輸入が厳しく規制され、べらぼうな内外価格差が維持されています。言うまでもなく、自民党恒久政権下の政官業の癒着構造がこのような米政策を
墨守させてきたわけです。 今や農水省は、個々の農家や消費者のことなど、全く眼中にありません。このような政策の下で、農家の後継者難等による空洞化や消費者の米離れが進展しています。かかる背景の下、農水省の役人達の士気や仕事に対する意欲が低下するのは当
たり前であり、今回の事件を通じてその恐るべき無能、退廃ぶりを改めて天下に晒した、ということでしょう。
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