列島激震9・1 「ダブルP」の狭間で葛藤した福田総理 (青皮の手帳)
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▼列島激震9・1 「ダブルP」の狭間で葛藤した福田総理 (青皮の手帳)
突然の辞意表明に日本列島が激震した。前触れもなく、党幹部や重要閣僚らにまでも直前まで漏らすことなく、福田康夫総理は辞意を固めていた。一体、何がそうさせたんだろうか?福田総理を悩ませていたのは、「ダブルP」であろう。Pとはプレジデント[President]という単語の頭文字のこと。すなわち、2人のプレジデントが、福田康夫総理をして究極の葛藤状態に至らしめていたのであろうと想像できるのである。
「前門の虎、後門の犬」
一人目のプレジデントは言うまでもなく、米国のブッシュ大統領のことだ。新テロ特措法(=インド洋給油法案)に関して、今度こそは中断することなく、継続法案の可決を求めてきていた。北海道洞爺湖サミットにおける日米首脳会談において、福田総理はそれを確約をしていた。
【前門の虎、米国ブッシュ大統領 ― プレジデントA】
そして、2人目のプレジデントの問題が、自公連立に大きく影を落とすこととなる。そのプレジデントとは、創価学会の池田犬作名誉会長のことだ。民主党・小沢氏はこれを見越して、臨時国会における公明党・創価学会攻撃の強化を目論んでいる。まず、言論弾圧問題で矢野絢也氏を参考人招致する。次に、「P献金」疑惑で福本潤一氏を参考人招致する。そして、本丸の創価学会の池田犬作名誉会長を国会へ引きずり出すという手はずである。【後門の犬、創価学会・池田犬作名誉会長 ― プレジデントa】
この動きを知った、公明党幹部は何としてもこれを阻止すべく、福田総理に新テロ特措法可決断念を迫ったのであろう。つまり、池田犬作名誉会長を守るために、テロとの戦い(=インド洋給油継続)の放棄を迫るという暴挙に打って出た可能性が高い。この「ダブルP」の狭間で葛藤し、苦悩した福田康夫総理は、ついに進退窮まって辞意表明に至った。列島激震9・1により、秋の政局は一挙に流動化する可能性もある。それにしても、福田康夫という総理大臣は、ここぞと言う時に何も決断できない総理大臣であった。何とも情けないことである。
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▼カネしか先生・コネしか先生 履修済授業を取り消せ! (青皮の手帳)
大分県の教員汚職事件を受けて、トカゲの尻尾切りのごとく該当する教師を免職や自主退職に追い込むことをしているが、そんなものに幻惑されてはいけない。一連の事件を受けて、いつも思うのだが、今回判明した「ニセ教師」による授業はすべて無効とすべきではなかろうか。だって「ニセ教師」ですよ。カネやコネで教職にありついた「ニセ教師」が教鞭をとっていた授業なんぞを認めてはならない。これを見逃し、許すことは非常に危険である。例えるならば、ニセ教官から教習を受けたヤツの運転免許を認め、そいつが車で公道を走るようなものだ。そんなものを認めてはいけない。危なくてしょうがない。「それじゃあ、子供が可哀想だ!」 こういう感想をもたれる方もいよう。たしかに子供は最大の犠牲者であり、何の落ち度もない。しかし、それを利用する薄汚い連中がいることを忘れてはいけない。あの連中(カネしか先生・コネしか先生)たちやその仲間たち(閉鎖的な教職員組合など)は、そこを最大限に煽って、逃げの一手を決め込むであろう。厳しい意見かもしれないが、該当する子供たちは、もう一度授業を受け直すべきだ。もちろん、相当の時間が必要とされ、相当の苦痛が伴うであろう。言うまでもなく、それら全てに関わる費用を賠償するのは、カネしか先生・コネしか先生と関係者である。資産を差し押さえてまでも実行すべきだ。また、無制限に過去へ遡って同様の措置を行うべきである。不正の逃げ得を許してはいけない。
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▼政治リーダーの変更は悪い事ではない (田村秀男)
福田康夫首相の退陣は当然である。
経済というものは、財政で一円でもばらまくかなくても、政治リーダーがあるべき方向に国という船を導いていると国民が確信を抱いていると、おのずとよくなるものだ。筆者がつぶさに目撃したところでは米国では1981年のレーガン政権が代表的だ。レーガン大統領は、「小さな政府」を唱え、歳出削減と高金利の緊縮路線(中高所得者向け減税はあったが、あとで抜本的な税制改革を断行した)にもかかわらず、米経済を活性化させた。小泉純一郎氏はその点で、素晴らしい指導力を発揮した。ところが、その後、安倍晋三、福田康夫両氏とも、国民へのメッセージが貧弱だった。麻生太郎氏でも小沢一郎氏であろうとも、日本の道筋をどうすれば日本が再生するか、国民が確信を持つようになる、その能力が問われる。「人気」があるとかないとか、そんなところで選ぶような政党であり議員なら、ないほうがよい。人気はおのずと後からついくくるものだ。細部の景気対策とか政局とか、解散総選挙の戦術とか、そんなことにメディアが目の色変えて報道するのは、この危機の時代には滑稽で、そのメディア狂騒のなかから生まれる新首相は福田氏の二の舞いになるに違いない。。
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▼福田首相の辞任会見と約1年前に語っていた「辞め際」 (阿比留瑠比)
福田首相の辞任表明について、取り急ぎ、一言感想のようなものを述べます。いざその日が来てみると、意外と高ぶるものはなく、ただ淡々と、公明党も辞任圧力を加えていたようだし、まあそういうこともあるだろうなと、妙に冷めた気分で突然の辞任劇を眺めています。保守派の言論人や政治家たちが、過去10年以上積み重ねてきたことが、すべて水泡に帰し、日本が日本でなくなっていくような喪失感を味わった昨年の9月12日と異なり、きょうこの日は、「ようやくか」という千段もある長い階段を二、三段上った程度の感慨しか沸いてきません。それにしても、福田氏の辞任記者会見は、恨み辛みと嫌みに満ちたものでしたね。最後に記者に投げつけた「私は自分自身のことを客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです」という言葉は、いかにも福田氏らしいとも言えますが、そんなことを言っている時点で自分を客観視できていないのだろうなあと感じさせるものでした。まあ、プライドだけはやたらと高い人なので、こういう記者会見に臨むこと自体、屈辱で耐え難いものがあったのでしょうね。まあ、福田氏に関しては、これまでもさんざん書いてきたので、その繰り返しは避けたいと思います。ただ、私は、きょうの辞任記者会見はテレビで見ていたのですが、そのときにずっと思い出していたことがあります。それは、安倍前首相の辞任表明後の自民党総裁選中、麻生太郎氏との公開討論会(昨年9月21日)で、福田氏が語った言葉についてでした。福田氏は、安倍氏の辞任の仕方を批判した上で、最高のリーダー(首相)に必要なものは何かという質問に、「辞めるときの決断」と答えたのでした。正直なところ、年金未納問題で突然、官房長官を辞任したことがあるくせに何を偉そうに、リーダーは辞め際うんぬんよりも、何をなしたかが大事だろうと思ったのですが、福田氏の美学、理想とする辞め方とは今回のようなものだったのでしょうか。
とりあえず、討論会時の福田氏の関連発言について以下に掲載しておきます。参考になるかどうか分かりませんが、福田氏の考え方の一端が表れていると思います。この人は秘密主義でも知られますが、秘密を守ることによって何を達成するかより、秘密を守ること自体の方を優先させるような倒錯したところがあると考えてきましたが…。
《記者) 1年に2回も総裁選をやる事態に行ったのは、安倍総理の突然の辞任表明、退陣表明だった。一国の総理の出処進退としてそれをどう見るのか、リーダーの責任の取り方はどうあるべきか
福田) あの、これはなにも総理大臣だけではない話しですけれどもね、やはりトップリーダーと言うのは、これはねやはり出処進退、これがきちっとしていなくてはいけない。これができないと組織が持たない。そう考えていいんじゃないかと思います。これは極めてその、大事なことだと思います。やめた後にどうなるかと言うことに影響してくるから大事なことだというように私は思っております。総理大臣の場合は日本全体のリーダーですから、これは極めて重いものがあります。そういう意味においてその、退陣の時期、決断をするって言うのは、大変重い決断だと思います。このことにですね、政治家は全てを賭けてもいいという風に思っているというところがありまして、これは自分の利益とか打算とかそういうことではこれは決断できない話でありまして、日本全体のリーダーシップとしてどうあるべきか、リーダーになる人はそのことは常日頃持っていなければいけない問題であると思います。そういう意味において、私あの、今こういう事になったということ、私は(安倍氏は)決断の時期、これを間違えられたと思っております。それはやはり参議院選挙で敗退をしたとあの時期がですね、決断の時期ではなかったかと思っております。で、もしあのとき今のように、その続けるんだと言うことを決断されたのならそれはそれでですね、大変重い決断だったと思います。しかしそのためには本当に苦しい道をご自身が歩む、その覚悟がなければ、この決断はしてはいけない。まあ、普通で言えばですね、参議院選挙で負けたっていうことは自民党が参議院で力を失ったと言うことでありますから、その影響は極めて大きいわけでありまして、そのことだけで十分辞任に値する、そういう課題、問題だという風に思います。そしてそれを続投されたと言うことはその後は茨の道ですよ、どっちに転ぶか分からないけれども、しかしとことんやるんだというところで、最後の最後に決断すべき、そのタイミングが適当でなかった、というように私は思っております。
記者) 最高のリーダーとして最も大切なものはなにか、ずばっと一言で。
福田) まあ、一言って言うのも難しいんだけれども、全部総括してですね、やっぱり決断ですね。その決断もですね、やめるときの決断っていうのが一番大切なんじゃないでしょうか。》
いま読み返してもやっぱり偉そうでかつ無内容に感じますが、まあ、辞めていく人のことをこれ以上あれこれ言っても仕方ありませんね。ナベツネ氏の個人的思いこみによる仕掛けでつくられたとも言えるこの1年間のドタバタは一体何だったのか…。ともあれ、これで自民党総裁選と新首相選出の後に衆院解散がはっきりと見えてきましたね。今秋にも選挙があるかもしれません。いよいよ、日本の進路を決める政局は本番を迎えます。