続き
北鮮など「米はこちらを二の次にする。イランが同調してくれたらなお良い」と読んで、またもや「テロ支援国家指定を解除せんかい!」と、「核無能力化は中断。施設復旧を考慮する」と二十六日に言い出しています。これも戦争できる国だからですね。北鮮のご機嫌取りしかできない六者協議に時間と金を投じることに何の意味があるのでしょう?開催するだけでホクホクな思いができる誰かさんがいるのではないか?と勘ぐりたくなります。半島を勢力圏に置けないわが国にとって、半島との間には意図的にでも緊張を作っておく姿勢が正解です。半島との国家関係が悪化するのは基本的に良いことです。しかしそれが可能になるのは「相手に壊滅的打撃を与えうる軍事力」があってのことです。それだけの軍事力がわが方にあってはじめて、相手にとって意義ある話し合いが成立するからです。
■内モンゴル・新疆で武装警察襲撃相次ぐ
二十九日の中共通信社「新華社」によれば、新疆ウイグル自治区のカシュガル地区で二十七日、武装警察が襲撃される事件が発生したそうです。武装警察の隊員二名が死亡、五名が負傷したそうです。AP通信も二十八日に同様の報道をしていましたが、地元の公安は否定していました。二十六日には内モンゴル自治区で武装警察隊員が襲撃、殺害されています。容疑者は自決しています。いずれの事件も「ナイフ」「刀」が武器として使用されています。
⇒シナでは五輪後、武装警察、警察に対する襲撃事件が多発しているそうです。過去の例から見て、実際の発生件数は三倍以上と思われますが、詳細は不明です。
■在イラクの米海兵隊、アフガン移駐可能
米海兵隊総監のコンウェイ海兵大将は二十七日の会見で、アルカーイダの拠点だったイラク中西部アンバル州駐留の海兵隊部隊の一部を、タリバーンの活動が活発化しつつあるアフガンに移駐させる用意があると述べました現在アンバル州には二万五千名規模のの海兵隊部隊が駐留していますが、総監は「必要よりも多すぎるね」と述べ、「タリバーン復活を阻止するには、アフガン増派が理想的だ」としています。
⇒新しい米大統領は、おそらくこの方向で決心を行なうのでしょうね。
■ウクライナで軍弾薬庫が爆発
八月二十七日、ウクライナ東部のハリコフ州にある軍弾薬庫が、森林火災の影響による延焼で次々爆発し、付近の住民ら六千人以上が逃げ出す大騒ぎになっています。ウクライナ国防省によれば、約五百ヘクタールの敷地に百トンあまりの弾薬が保管されていたとのことです。
⇒今、ウクライナを攻撃すれば・・・
■北鮮の女スパイ
脱北者を装って韓国に亡命した三十四歳の女が今年七月に身柄を拘束され、八月二十七日、国家保安法違反容疑で韓国当局に起訴されました。同居していた韓国陸軍大尉、工作員と見られる脱北者の男もあわせて起訴されています。脱北者を装った工作員の摘発はこれが初めてです。この女は北鮮の国家情報機関「国家保衛部」に所属し、ソウル近郊にあった韓国軍部隊で北鮮関連の講師をしていたそうです。「北鮮の核は自衛用」などといっていたそうです。そこで大尉と親しくなり、将校名簿などを入手。脱北者団体の幹部とも接近していました。九十七年に亡命した元朝鮮労働党書記・黄さんの住所を把握したり、韓国情報部員二名の暗殺未遂を実行したとされます。以下は韓国当局が発表したこの女の経歴です。
八十九年から特殊部隊の韓国派遣工作訓練を受けたが、負傷のため九十二年に除隊。訓練中に亜鉛を五トンほど窃盗、横流ししていたことが発覚し、国外逃亡。その後六年間の経歴は不明。九十八年に親戚が亜鉛横流し事件をもみ消し。工作訓練の経歴、亜鉛横流し実行の大胆さ、性的な開放性に着目した北鮮国家保衛部が工作員として採用。
九九年一月~〇一年 シナにある北鮮保衛部の指示で脱北者や韓国実業家ら百名以上の拉致に関与
二〇〇一年一〇月 朝鮮族のシナ人に偽装し、韓国人男性と結婚。妊娠中に韓国に潜入。出産養育を行なう。
二〇〇一年十一月、脱北者と偽り、韓国国家情報院に出頭
二〇〇二年一〇月~二〇〇六年十二月、中共に計十四回出国。北鮮保衛部に活動報告。
二〇〇四年 韓国情報員二名の殺害を命じられ、毒薬と毒針を受け取ったが殺害に失敗。命令が失敗したため北鮮当局に殺害されることを恐れ、自宅に鍵四個をかけて生活。三年前からは精神安定剤を服用
二〇〇六年 韓国に亡命した黄元朝鮮労働党書記の住所把握を図る。結婚情報業者を通じて紹介された韓国軍少佐と交際。軍事機密取得と中共への誘い出しを図る。
二〇〇六年九月~二〇〇七年五月 韓国軍部隊で五十回以上講演。「北鮮核は自衛用」などと主張。北鮮を賞賛する映画を上映
二〇〇七年~八年 北鮮重要情報を知る脱北者の所在把握のため、わが国に三回入国。日本人男性三名と見合い。
工作員の素性を明らかにするメリットはどこで出るか?を考えると、内容の審査も容易になるでしょうね。全てがウソでもないでしょうし、全てが本当でもないでしょう。これに関連した話で時事が伝えるところによれば、韓国で活躍した北鮮の女スパイが二〇〇五年ごろわが国に入国し、日本人男性と結婚し東京周辺で暮らしていたそうです。今も国内にいるそうですが、現在の所在は不明です。特徴は韓国で捕まった女とそっくりで、「朝鮮族の中国人と称し」「韓国人男性と結婚し」「韓国に入国し」「脱北者と偽って」「情報収集していた」とのことです。北鮮の思考の硬直性が図らずも現れている気がします。ただ、別人に成りすまして結婚したそうで、最初の結婚がそのまま続いているかどうかは不明だそうです。韓国で捕まった女は、北鮮重要情報を握ってわが国にわたった人物を探すため入国し、昨年からわが国内での拠点確保を目指していました。時事によれば訪問先は山形、福島、川崎、仙台で、仙台在住の日本人との結婚を計画していたとのことです。
⇒写真もあちこちで出ているのでご覧になった方も多いと思いますが、水野真紀さんにそっくりの非常な美人で、二十六歳の大尉が骨抜きにされたのもわかる気がします。笑韓国では、金大中、ノムヒョンの十年で軍・政府に多くの北鮮スパイが潜入しています。素人レベルでも「軍幹部から情報を得ているスパイは五十名以上」という話を聞いてます。独立国家にあってわが国にないもののひとつが防諜の対外実効性です。防諜法、国家機密法、スパイ防止法のいずれかを設置する必要がありますね。
■パキスタン連立政権崩壊
パキスタン連立政権の第二党である「パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派」は八月二十五日、連立政権から離脱し、今月六日の大統領選挙に独自候補を擁立すると発表しました。今年三月に誕生した連立政権は、ムシャラフ大統領辞任を受け崩壊しました。反ムシャラフ一点のみでつながっていたわけで、その結び目が解けてしまった以上、自然なことでしょう。三月から今まで、反ムシャラフ以外に何もしてこなかったように見える「良い人々」が「役立たず」として大衆に追い払われる日も近いように見えます。中共もタリバーンもアルカーイダも北鮮も米も英も種々の工作を行っていることでしょう。
⇒おそらくパキスタンは、21世紀中東の流動化震源地になるでしょう。(というか、すでになっているともいえます)アフガンでそのもたらす影響の兆候が出始めています。(おき軍事情報部)
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