※ Googleは消える (ITウィクリー) | 日本のお姉さん

※ Googleは消える (ITウィクリー)

ようちゃん、おすすめ記事。↓※ Googleは消える (ITウィクリー)

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0808/30/news003.html

「Googleって、やっぱ一発屋かな?」と、同僚のクリント・ボールトンが聞いた。わたしは答えた。「ネタは尽きたね。もうGoogleのマジックは終わりだよ」クリントが言いたかったことは、検索広告の収益のことだ。完全な独占企業でもない限り、Googleのビジネスが持続可能であるとは思えない。もっとも、利用者数で見れば、Googleは間違いなく検索分野のリーダーではある。そしてその状況はしばらく変わらないだろう。実際、Googleは2003年以来、着実にシェアを拡大している。しかし、検索シェアと検索広告収益は必ずしも連動しない。一般的には、どちらか一方が伸びれば他方も伸びると思われているが、MicrosoftやYahooの失敗を見れば、一方が他方を保証しないことは明らかだ。だがGoogleのプラットフォームは、シェアが広告収入を保証するというビジネスモデルに依存している。同僚のクリントは、MercuryNewsに掲載されたクリス・オブライエンの記事を参照しながら、「YouTubeなど、Googleの買収戦略はほとんど成果を挙げていない」と指摘する。新規分野に検索広告ビジネスをうまく拡張できていないというのだ。もちろん、そうだろう。Googleの文脈連動型キーワード検索の成功は、ほとんどコマース関係に限られ、サードパーティが検索照会から利益を得るための手段を提供しているに過ぎない。



・Googleはすごい

オンラインコマースと検索は非常に相性が良い。なぜなら人々がオンラインになるのは、何かを買うためか、何かを学ぶためか、行きたい場所を探すためであるからだ。そういった意味で、ローカルのオンライン広告は、ますます重要になりつつある。 TNS Media Intelligenceによると、今年第1四半期のローカルまたはスポットテレビ広告費は前年同期比2.4パーセント減だった。ローカルの新聞(5パーセント減)やラジオ(7.2パーセント減)と比較すれば、まだ落ち込みは緩やかだが、この間、インターネットのバナー広告は8.5パーセントも伸びている。しかも、その数字に検索広告は含まれていない。広告出稿がオフラインからオンラインへシフトしつつあるのは明白だ。今年6月、Search Engine Marketing Professional Organization(SEMPO)がリポート「The State of Search Engine Marketing 2007」を発表した。その中で指摘されている注目すべきトレンドには、次のようなものがある。

・北米の広告主は昨年、検索エンジンマーケティングに120億ドル以上支出した

・SEMPOの予測によると、北米の検索エンジンマーケティング市場は今年157億ドルに達し、2011年には250億ドルを超える見込み

・Google AdWordsは、最も人気のある有料プレースメント検索エンジン(広告主の97パーセントが指名)およびネットワーク(同71パーセント)だった。Yahooの人気も高かったが、Microsoftの人気はAsk.comより低く、広告主の指名は22パーセントにとどまった

・検索エンジンマーケティングはコマース関係が中心。広告主の58パーセントは財/サービスを販売し、61パーセントは製品/ブランドの認知度向上を目的としている


・広告主が興味を持つ3つの検索項目は、モバイル、ターゲット、ビデオだった

一見したところ、上記の数字はGoogleの好業績を裏付けているように思われる。同社の2007年度の広告収入は160億ドルだった(SEMPOの算出した120億ドルより大きいのは、北米以外の広告収入が含まれているため)。ただ、Googleに対する広告主の人気は、実際の市場シェアよりもかなり高めではある。ComScoreによると、昨年12月のGoogleのシェアは58.4パーセントだった。

・Googleはそんなにすごくない

しかしGoogleの成功は検索と検索広告の分野だけに限られ、クリントが指摘するように、他の分野への広がりを見せていない。個人的な見解だが、Googleは次の領域で問題を抱えているように思える。

非検索コンテンツ

モバイル検索

プラットフォームの拡張

非検索コンテンツ:もしGoogleがメディア会社であったら、YouTubeの買収は広告収入にもっと貢献していただろう。クロスマーケティングやクロスターゲットの抱き合わせ広告が可能になるからだ。例えば、いまLonelyGirl8.534というビデオブロガーがいて、13歳から25歳の女性に人気があるとしよう。だが、彼女のビデオに向けられたクリックは、おそらくキーワードビジネスにそれほど大きなインパクトをもたらさないだろう。しかし、もしGoogleが彼女に製品プレースメント広告から利益を得られる仕組みを提供すれば、LonelyGirl8.534はビデオブログの中でドレスアップするかもしれない。そしてある日、彼女の着ているdELiAsのホットなTシャツが女の子たちの目にとまり、突然キーワード検索の上位に躍り出るといったことも考えられる。

シンプルな仮説だが、Googleがメディア会社であれば、こういったクロスメディア広告も可能だろう。実は、クリントとわたしはこの部分で意見を異にする。彼はGoogleをメディア会社と見ているからだ。 Googleは単なる検索会社ではない。検索は目的を達成するための手段であり、真の狙いは「情報」だ。Googleは情報を検索と文脈連動型広告でラップし、貨幣化しているのだ。そんなGoogleブランドがクールなのは、同社がいまだにギークの集団によって経営されているからだろう。しかし彼らは数学に長けていても、スマートなメディアマーケティングという点では、いまだに信頼できるパートナーさえ見つけていない。ここでMicrosoftに1つアドバイスしておこう。Avenue A | Razorfishは手放すべきではない。彼らは有能なマーケティング専門集団だ。昨日読んだAdvertising Ageリポートによると、MicrosoftはAvenue A | Razorfishを売却するかもしれないという。もしそうなら考え直すべきである。

モバイルサーチ:検索市場における今日の大きなトレンドは”モバイル”だ。ところがGoogleは、16歳の女子高生シェール・ホロウィッツよりクルーレス(無知)である。Googleのモバイル検索戦略は決して悪くない---Google Mapsがらみではベストだろう。だが、ローカル(地域情報)検索でトップを目指すメディアとしては、まったく不十分だ。Windows Mobileの惨状になすすべがないMicrosoftよりはましだが。

これまで繰り返し強調してきたことだが、モバイルは次のメジャーなコンピューティングプラットフォームだ。そして検索などのWebサービスがキラーアプリケーションとなる。いまGoogleに必要なものは、モバイルプラットフォームである。Androidがそれに該当するかもしれないが、少し現実的に考えてみよう。Googleのサービスは永遠にベータバージョンだ。Androidは市場に登場しても、おそらく失敗し、来年あたりにまたチャレンジすることになるだろう。だが、そのときすでに、AppleやNokiaのモバイルプラットフォームがスマートフォンOS市場を席巻しているはずだ。おそらくAndroidは、Windows Mobileとともに路肩で朽ち果てることになるだろう。

ここでマイクロソフトにアドバイスをもう1つ。検索にこだわるな。勝敗はもう決まった。もはやGoogleの勝ちは覆せない。巨大な広告収入を得る場所は他にもあるだろう。まずは次世代プラットフォームだ。もちろんゲームコンソールも悪くはないが、ここはモバイルフォンがベターだろう。使い勝手の良いローカル検索機能と、広告主に利潤追求の機会を提供する多彩なサービス、ソフトウェア、そしてデジタルコンテンツを持つ魅力的なプラットフォームがあればいい。ただし、そのプラットフォームは、デバイスにもWebにも対応する必要がある。もう1度繰り返すが、検索はあきらめるべきだ。そんなものはくれてやれ。それより次のことを考えよう。おう、そうだ。AppleのiPhoneが面白いかもしれない。そんなこと、分かっている?プラットフォームの拡張:GoogleとMicrosoftは、どちらもプラットフォームの会社だ。Microsoftのコアプラットフォームはオペレーティングシステムで、Googleのプラットフォームは「情報」だ。では、Googleの未来のプラットフォームはどこにある? GoogleはWebの新しいプラットフォームのビジョンを明確に示していない。Androidはモバイルプラットフォーム以上のものではないだろう。少なくとも、まもなく登場するものに関してはそうだ。Googleのコアプラットフォームは「情報」だと述べたが、彼らは検索や検索キーワードに関する自社の情報についてはまったく明らかにしていない。

Microsoftの場合、Vistaが悲惨な状況にあっても、モバイル戦略が脱線寸前の様相を呈していても、人々にコンテンツとサービスを提供するデータセンター・インフラストラクチャがある。MicrosoftプラットフォームがホストWebサービスへ拡張されたとき、おそらくGoogleは引導を渡されることになるだろう。


・ほかの誰かなら

昨年度の総売上166億ドル、株価483.01ドル(8月25日現在)、時価総額1580億ドルのGoogleに対して辛らつな予測をすれば、読者は気でも狂ったかと思うだろう。しかし、わたしの稼ぎは、ほかの人と少し異なる視点を持つことによってもたらされる。2003年の夏、「Windows Vistaは2006年まで出荷されない」と予測したとき、わたしは人々の冷笑を浴びた。しかしどうだ。結局、MicrosoftがVistaを出荷したのは、それよりずっと後だったではないか。「Googleは消え去る」---それはまさにMicrosoftの願いだ。ただし、Googleがどこかへ行ってしまうわけではない。現在のコースより少し外れるだろう、というのがわたしの予測である。

成功する企業には1つの共通した特徴がある。パーセプションの管理に長けていることだ。Googleは若い会社で、株価も高く、検索と検索広告市場で高いシェアを握っているため、それが容易だ。しかし、そうしたパーセプションには議論も多い。別の方向からGoogleを見れば、同社は最近の買収戦略のほぼすべてにおいて、企業価値を最大化することに失敗している。代表的な例としてはYouTubeがあるが、わが同僚のクリントはその他にも、GrandCentral、Jaiku、Postini、Zingkuなどのケースを挙げる。そしてAndroidだ。

トラブルの兆しは他にもある。「GoogleはSECに提出した資料の中で、AOLに対する10億ドルの投資が減殺されたとしている。どうやら投資は失敗に終わったらしい」とクリントは言う。検索と検索広告は大ヒットしたが、Googleがメディア会社であったならば、もっと大きな成功を手にしていたかもしれない。

Googleのコアビジネスに広がりはなく、深さも十分とは言えない。対照的に、MicrosoftやYahooは幅広い製品とサービスのポートフォリオを誇る。両社は今日、検索市場で成功していなくても、明日もっと別な場所で成功できるだろう。Googleはよほど大きな変化がない限り、そろそろ本質をさらけだすときが近づきつつある。もしまだすごいアイデアがあるというのなら、早くそれを見せてもらいたいものだ。

Googleの問題は、他社の優れた技術を次々に飲み込んでいった結果、資産の大部分が混沌としてしまったことだ。GoogleはWebの仲介業者のようでもあり、自動車のセールスマンのようでもあり、金融ブローカーのようでもある。あるいはパラサイトのようだ、と言えるかもしれない。人々の情報を刈り取るグーグルの手法そのものにも限界がありそうだ。情報はエンドレスだが、人々が本当に必要としているものは少ない。成長の限界が明らかになってくれば、Googleもポジティブなパーセプションを維持することが難しくなるだろう。Googleの株価に真の姿が反映される日は、いつか必ずやって来る。

Googleに関しては、笑えない皮肉がささやかれている。情報検索をビジネスにしている会社だけあって情報開示には慎重だ、というものだ。Googleの内部情報は厳重にガードされている。Googleの支配圏では、情報は常に一方通行である。同社のビジネスモデルを考えれば、それはあまり奇異なことではないのかもしれない。他者の情報をかき集め、利益を得ることにかけては、Googleの右に出るものはない。どうやら「it takes one to know one(分かるやつには分かる)」という言い回しは、Googleにも当てはまりそうだ。彼らは好奇の目から情報を保護するために、ほとんどディスクロージャーしない。そう、あなたの近所に住む詮索好きの人は、いつも自分の家のカーテンを閉めているだろう?

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今、消えて貰っても困るんですけど……。Google て、ヤフーやMSと決定的に違う所は、エンド・ユーザーから収益を上げる仕掛けを全く持っていないことですよね。ヤフーは王座の椅子をGoogle に譲ったせいで、そちらへシフトできたけれど、Google は相も変わらず、広告の収益のみに依存している。それはもう景気に大きく左右される。しかもポータルとしての窓口は事実上、PC検索と、モバイル検索の二つしか無いわけでしょう。Adsenseなんて規模はしれているし。アマゾンコムやヤフオクの地位を奪い取るくらいのことをするしかないんだろうれけど、もうそこのシェアは動かないですからね。

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