出産事故救済迅速に 金融庁が被害補償保険認可 (日経) | 日本のお姉さん

出産事故救済迅速に 金融庁が被害補償保険認可 (日経)

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▼出産事故救済迅速に 金融庁が被害補償保険認可 (日経)
出産時の医療事故で重い脳性まひとなった障害児の家族が、分娩(ぶんべん)を扱う医師の過失を立証できなくても補償金を受け取れる「産科医療補償制度」で、東京海上日動火災保険が金融庁から保険商品の認可を受けたことが分かった。同制度は被害者の救済と医療機関との紛争の早期解決を目指している。保障の枠組みが整ったことで、来年1月から制度がスタートする。 同制度は重い脳性まひの子どもが生まれた場合に、その子どもと家族を救済するために導入する。背景には分娩時の事故は医師の過失の有無の判断が難しい場合が多く、被害者側の負担が重いという事情がある。訴訟リスクを恐れるあまり産科医のなり手が不足しているとの指摘もある。
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ようちゃん。↓
★朝刊には 「財団法人日本医療機能評価機構が 取り仕切る
ことが 載っており その機構の PR ↓
【制度の概要】 妊婦の皆様へ 「産科医療補償制度」創設のご案内http://www2.jcqhc.or.jp/html/documents/pdf/obstetrics/obstrics_open.pdf
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▼産科医療補償制度の開始(ある産婦人科医のひとりごと: 産科医療補償制度の開始)
脳性麻痺は、『受胎から新生児期までの間に、脳の運動野の形成異常や損傷により、運動と姿勢を制御する能力が損なわれた状態を総称する病態で、進行性の神経疾患を除く。』と定義され、一定の確率(出生1000に対して平均 2件程度)で発生します。従来は脳性麻痺の多くは分娩時低酸素症に起因すると考えられてきましたが,最近の研究では、分娩時低酸素症に起因する脳性麻痺の頻度は10%未満であり、70~80%は出生前の因子(絨毛羊膜炎、未熟性、子宮内感染など)が関っているとされます。多くの場合、脳性麻痺の原因の特定は非常に難しく、過失があったかどうかの判断も非常に困難です。一般に『出産は正常が当たり前』と思われていますが、現実には一定の確率で脳性麻痺などの不幸な結果も起きています。この一般の認識と現実とのギャップが、産科訴訟多発の原因の一つともなっています。産科医療立て直しのために着手すべき課題は多くありますが、産科医療補償制度の創設はその中でもまず最初に着手しなければならない非常に重要な課題です。いよいよ来年1月1日から産科医療補償制度の運用が開始されます。本制度の補償対象は、原則として出生体重2000g以上かつ在胎週数33週以上で、身体障害者等級1級、2級に相当する重度の脳性麻痺児となります。在胎週数28週以上33週未満の場合でも一定の条件を満たせば補償対象となる場合もあります。先天性要因などの除外基準に該当する場合は補償対象となりません。補償対象であるかどうかは、日本医療機能評価機構が、中立・公正な立場から一元的に審査を行います。
審査によって補償対象と認定された児に対して、住宅改造費、福祉機器購入などの準備一時金として600万円と、看護・介護費用として総額2400万円を児が20歳となるまで分割して給付します。
本制度の補償対象となる者は概ね500~800人程度(日本医療機能評価機構・産科医療補償制度運営組織準備委員会報告書)と見込まれます。保険料 3万円は医療機関が負担することになりますが、妊婦が支払う出産費用に上乗せされるとみられ、このため厚生労働省は健康保険の出産育児一時金を引き上げる方針とのことです。
****** キャリアブレイン、2008年7月15日
出産時の脳性まひ、3千万円給付
日本医療機能評価機構(坪井栄孝理事長)は7月14日、「産科医療補償制度運営準備委員会」(委員長=近藤純五郎・近藤社会保障法律事務所)を開き、年度内に創設する産科医療補償制度について、分娩に伴って脳性まひを発症した場合の補償額などを明らかにした。同機構によると、補償制度は来年1月以降の分娩から適用し、看護・介護に必要な住宅改造や介護のための費用として総額3000万円を給付する。同年7月から補償申請を受け付ける。同制度では、分娩に伴って脳性まひを発症した新生児(脳性まひ児)と家族に介護費用などを給付することで、その経済的負担を軽減。同時に、まひの発症原因を分析し、再発防止や産科医療の質の向上につなげる。医師の過失の有無にかかわりなく補償することで、産科の訴訟リスクを減らし、産科医不足の解消につなげる狙いもある。同機構によると、分娩機関は制度の「運営組織」に加入して分娩一件当たり3万円の掛け金を支払い、運営組織が契約先の保険会社に保険料を支払う。事故が発生した場合、家族は脳性まひ児の満1-5歳の誕生日までの間に、分娩機関に補償申請を依頼。これを受けて、分娩機関が運営組織に補償を申請する。分娩機関は、運営組織から保険金を受け取り、脳性まひ児と家族に補償金を支払う仕組みだ。分娩機関が制度に加入していないために補償を受けられない事態を防ぐため、同機構ではすべての分娩機関に加入を呼び掛けている。補償の対象になるのは、分娩に伴って脳性まひを発症したケースのうち、原則として新生児が「出生体重2000グラム以上かつ在胎週数が33週以上」で「身体障害者等級1、2級相当」などに該当する場合。一定の条件を満たせば、在胎週数28週以上33週未満でも個別審査によって補償対象にする=表=。ただ、遺伝子異常など先天性の要因によって発症した脳性まひなどは対象外とする。
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在胎週数28週以上の場合にも、次のいずれかに該当すれば個別審査によって補償対象に位置付ける。
1.低酸素状態が持続して臍帯動脈血中の代謝性アシドーシス(酸性血症)の所見が認められる場合(pH値が7.1未満)
2.胎児心拍モニターで特に異常がなかった症例で、通常、前兆となるような低酸素状況が、例えば前置胎盤、常位胎盤早期剥離、子宮破裂、子癇、臍帯脱出などによって起こり、引き続き、次の①~③のいずれかの胎児心拍数パターンが認められ、かつ、心拍数基線細変動の消失が認められる場合
①突発性で持続する
②子宮収縮の50%以上に出現する遅発一過性徐脈
③子宮収縮の50%以上に出現する変動一過性徐脈
   参考:「産科医療補償制度の概要について」
       (日本医療機能評価機構)
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補償対象かどうかは、運営組織が一元的に審査する。具体的には、医学知識のある産科医や小児科医らによる書類審査を経て、運営組織の「審査委員会」が最終判断する。補償対象に該当すると認められれば、住宅の改造や福祉機器購入などの準備に必要な一時金として600万円を給付。さらに、介護費用などとして総額2400万円を脳性まひ児が成人するまで分割給付する。
■産科医が原因分析、脳性まひ児にフィードバック
一方、事故の原因分析は運営組織が委嘱した産科医が実施。その上で、運営組織に設置する「原因分析委員会」が分析結果を最終確認し、分娩機関と脳性まひ児・家族にフィードバックする。委員会は、産科医や助産師、学識経験者らで構成。ケースごとの原因分析の結果を体系的に整理・蓄積し、社会に広く公開することで、事故の再発防止や産科医療の質の向上につなげる。
「補償制度に加入を」評価機構が呼び掛け
日本医療機能評価機構は7月14日、産科医療補償制度運営準備委員会終了後の記者会見で、分娩を取り扱うすべての医療機関に、産科医療補償制度への加入を呼び掛ける考えをあらためて示した。同機構では、制度への加入申し込みを今月下旬にもスタートさせる方針。9月初旬までに制度に加入していない医療機関には、学会や病院団体を通じて加入を促す。制度に加入する医療機関には、シンボルマークの掲示を求めるという。
同機構の担当者は会見で、制度に未加入の医療機関で分娩した脳性まひ児と家族が、補償を受けられなくなるケースを防ぐ必要性を強調。「そういうことにならないよう、100%加入を目指して努力していきたい」と述べ、病院や診療所、助産所など分娩を扱う全医療機関に加入を呼び掛ける方針を表明した。また、医療機関が制度の運営組織に支払う分娩一件当たりの掛け金3万円については、「出産育児一時金に上乗せする方向が(制度についての報告書に)盛り込まれている」と指摘し、こうした方向で厚生労働省に対応を求める考えを示した。担当者は「補償額も決まり、スタートの期日も決まった。いよいよこの仕組みを動かす段階に入った」と強調。制度が創設される来年1月に向け、同委員会で引き続き制度全般について審議する方針を説明した。脳性まひ児の診断基準については、「3歳未満の早い時期での正確な診断の観点から、現行の基準よりもさらに詳しいものを作っている」と説明。また、事故の原因究明の進め方については、「(制度の)実施前に考え方を示しながら実施につなげていきたい」と述べた。
(キャリアブレイン、2008年7月15日)
****** 共同通信、2008年7月14日