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日本の進路 ◎クライン孝子の日記   太田述正 有料メルマガ

ようちゃん、おすすめ記事。↓

日本の進路0443080830ペシャワール会事件の原因
 表題: ペシャワール会伊藤氏殺害には、原因が存在
               アドルフ・ランニフ sl21c@104.net

 アフガニスタン東部のジャララバード近郊で2008年8月26日、日本の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の伊藤和也氏(農業指導に従事していた31歳)が拉致され、現場近くの山中において、遺体で発見されるという極めて遺憾な事件が発生しました。

(注) 「ペシャワール会」: 1983年に中村哲医師(九大医学部卒)を中心に結成され、1984年からパキスタン(ペシャワール)・アフガニスタン(ダラエヌール)等において、20年以上にわたり医療・農業用水確保、その他の人道支援によって、誠心誠意の活動を続けている非政府組織(NGO)、事務局本部は福岡市中央区大名1-10-25。

 丸腰(武器を一切持たない)で、地元の農民等に厚い支持を受けていた非政府組織(NGO)であるにも拘わらず、何故襲撃・殺害されたかは、日本人には不可解(納得が行かない)かも知れません。

 私共は、「ペシャワール会」の行動(活動)とメンバーが殺害されるに至った因果関係(原因)が、相当明確であると読んでおります。
1、ペシャワールという会の命名であります。私は、パキスタン西部の都市・ペシャワールという場所で「会」を立ち上げた事に、関連していると思っています。アフガニスタンの中でもタリバン等の反政府組織は、パキスタンを米国が支援していると考えており、アフガニスタン西部の都市・ペシャワールは、アフガニスタン攻略の重要拠点(補給基地等)と推定されています。

2、アフガニスタンの首都カブールは、ペシャワールの西方に位置し、その幹線道路の中間地点にジャララバード(殺害地点)及びダラエヌール(会が農業支援を実施)が存在します。このルートは、タリバン等の反米組織にとっては、非常に目障りな地域と申せます。

3、「ペシャワール会」が、ダラエヌール付近において、農業用水確保・一般の作物栽培指導をした行動は、たとえ一般農民に歓迎されたとしても、芥子(ケシ、アヘンの原料)の栽培をやって来た反政府組織・麻薬業者らにとっては、極めて迷惑な(絶対に排除すべき)行為と言わざるを得ません。

4、麻薬の善悪について、国際常識が通用しない勢力・グループが現存し、しかも、麻薬流通を裏で(蔭で)糸を引いている「闇の勢力」の存在を、想定して置く必要があります。

 今回の事件は、日本がODA(政府開発援助)やNGO(非政府組織)その他の手段方法によって、国際支援をする場合、現地の状況(特に、反対勢力や非常識の組織グループの意向)を十二分を踏まえた(勘案した)上で、実践する事の重要性を訴えております。アフガニスタン支援をやるにしても、地域と方法を考えるべきであります。

 国際交流・支援等に関する善意は、状況次第では、逆転(悪意に転落)する可能性を秘めています。日本国家・日本民族は、もっともっと国際感覚(嗅覚)を体得する事が肝要であり、これを怠れば、日本の存立自体が危なくなって行きます。
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クライン孝子の日記
■2008/08/30 (土) 「朝生」での皇室を貶める問題発言! 許すまじ!
■2008/08/29 (金) スターリンに関しては落合道夫氏の著書必読!
ほのぼのとする【皇室ウイークリー(43)】両陛下、軽井沢でご静養 雅子さまと愛子さまは9月初旬まで那須でお過ごし 
http://sankei.jp.msn.com/culture/imperial/080830/imp0808300822000-n1.htm
ですが、以下でもそうした皇室ニュースに、温かい感想が述べられています。
皇室ウィークリー(人形町サロンより)
http://www.japancm.com/sekitei/sekitei/2008/sekitei114.html

それなのに朝まで生テレビにて、
■ 8月のテーマ・パネリスト 「激論! これからの”皇室”と日本」
皇太子さまが結婚されて15年、以来、皇位継承問題、雅子さまのご病状、ご公務についてなど、世間の関心も高くなっています。そこで今回の「朝まで生テレビ!」では、「これからの皇室」はどうあるべきなのか、等を討論する予定です。

司会: 田原 総一朗
進行: 長野 智子・渡辺 宜嗣(テレビ朝日アナウンサー)
パネリスト: 猪瀬直樹(作家、東京都副知事)
上杉 隆(ジャーナリスト)
小沢 遼子(評論家)
香山 リカ(精神科医)
斎藤 環(精神科医)
高橋 紘(静岡福祉大学教授)
高森明勅(日本文化総合研究所代表)
西尾 幹二(評論家、電気通信大学名誉教授)
平田 文昭(アジア太平洋人権協議会代表)
森 暢平(成城大学准教授)
矢崎 泰久(ジャーナリスト)
早速、読者から怒りのメールが入ってまいりました。一体テレビ朝日は何の目的でこのようなテーマで、日本の象徴である”皇室”を貶める番組を放映したのか!私自身は、見ていないのでなんともいえないのですが、もしこれが事実というのなら、「報道の自由」の範疇を越えており日本国民の一人として見逃すわけにはいかず放置すべきでないと思います。とりわけ西尾幹二氏発言に問題ありとのことです。氏は月刊”Will”でこのことについて連載し、この出版社から実に不愉快なタイトルで一冊の本を最近上梓されたばかりだそうです。
以下の事件はその連鎖反応ではないでしょうか。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080830/crm0808301152004-n1.htm

■2008/08/29 (金) スターリンに関しては落合道夫氏の著書必読!
祥伝社「小説ノン」9月号
http://www.shodensha.co.jp/n-non.html
第5回「日本とドイツのそれぞれの戦後」情報戦略と諜報機関に関し、読者さまより貴重な情報を頂きました。
早速落合氏とは連絡を取りお話をお伺いしようと思っております。そのスターリンといえば、目下グルジア紛争で世界の注目を
集めています。そのグルジアはスターリンの出身国です。彼はモスクワ人間からすれば、田舎者で、最初はロシア語も話せず、モスクワ人間から軽んじられていた。そのコンプレックスを払拭し、見返すために、あのような大粛清に手とつけたという一説もあります。
<<クライン様は、スターリンと諜報活動にご関心がおありとのことですが、スターリン関係については、先般宮崎正弘先生がメルマガで紹介した、「スターリンの国際戦略から見る大東亜戦争と日本人の課題」 落合道夫著 東京近代史研究所(紹介HP:http://www3.plala.or.jp/tkyokinken/  )がご参考になるかもしれません。この本によると、スターリンはゾルゲ以外にも日本政府上層部にソ連スパイ(コード名エコノミスト)を持っており、そのスターリンに宛てた日本政府の真珠湾攻撃計画の報告がソ連崩壊後スターリンの手文庫から見つかりました。これが誰かはソ連専門家の間で大体推察されています。またゾルゲが日本軍の南下方針を知らせたので、スターリンが極東軍をモスクワ正面に移動させ、ドイツ軍を破ったという話も、スターリンは始からそのつもりでドイツ軍をロシアの奥地に引きずり込んだのであり、予定の戦略でした。もしゾルゲがソ連に帰国していれば口封じで処刑されていたと思われます。彼の諜報部の上司もロシア人妻も処刑されています。また蒋介石を捕らえて支那統一を止めさせ対日攻撃に転じさせたのは、中共ではなく、独ソ戦に備えて東部国境の反共勢力の蒋介石と日本の無力化を狙う、スターリンと見られています。代償は蒋介石と人質の子息経国の生命でした。この結果支那統一の五分前と言われた蒋介石は、見当違いの対日攻撃に向かいました。そして戦後の国共内戦再開では一度逃した好機は二度と訪れず、国共内戦に敗れ台湾に逃亡したわけです>>

今一つ,「選ばれた読者」と「選ばれた民」 大江健三郎への一批判 
渡辺 望氏
http://www.japancm.com/sekitei/note/2008/note53.html

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太田述正コラム#2370
[太田述正 有料メルマガ] 
<日本論記事抄・後編(その2)>

 もう一度マクファーレンの言うところに耳を傾けよう。
日本人はホンネとタテマエを使い分けるところ、それは日本人が他人との関係性の中で自らの言動を律するからなのだが、同じことが日本の芸術、例えば俳句についてもあてはまる。俳句は、英語に直訳しても何ら感興を呼び起こさない。季語、日本の自然環境、日本語独特の擬音等に通じていないと良さが分からないのだ。日本における「分離の欠如」の原因だが、それは日本がヤスパース(Karl Jaspers)言うところの、あの世(聖)とこの世(俗)とを分離した「軸の時代(axial age)」を経験しなかったことから来ている。神道は、人間の言動の正邪を判定し、救済を求める観点から人間を規律するところのあの世、という哲学的観念を排斥している。性の隠蔽と顕示という「矛盾」もそうだ。売春はタテマエ上は1956年に禁止されたが、「水商売」は日本のあらゆる街に存在する。ポルノは8世紀以来はやっているが、それは料理、書道、剣術等同様、芸術の一種と考えられている。私自身は、特定の人々のユニークさを強調するこの種の主張に対して、為にする議論ではないか、とうさんくさい思いを抱き続けている。グァテマラやマダガスカルや英国がそれぞれ互いに異なっているように日本も異なっているというだけのことだと思っているのだ。

日本と支那に詳しい英国人のブルマ(Ian Buruma)に聞いたところ、彼の意見はこうだ。
 欧米と日本を対置する日本人の議論に惑わされてはならない。日本を支那や韓国と比べれば、日本がそれほど特殊ではないことが分かる。日本人が日本を特殊だと思うようになったのは17世紀の水戸学以来にすぎない。日本は支那とは違って万世一系の皇室をいただいている、というのだ。そして、19世紀の中頃から欧米の列強とあいまみえるようになると、日本人はこれら諸国と日本を対置させるようになった。欧米列強と戦ってアヘン戦争等で敗れた支那が世界の中心であるわけはない、という観念がこれに拍車を掛けた。
日本は特殊でも何でもなく、単にちょっと変わっている(bizarre)だけだ。礼儀正しく平和な社会であるのに性と暴力ばかりのマンガや映画があふれているという意味で・・。しかし、この点でも日本は支那や韓国と同じだ。東アジアはキリスト教やイスラム教世界とは違って原罪の観念を持たない。だから、性が罪深いという宗教的感覚がないのだ。ポルノが批判されるとすれば、それは宗教的理由からではなく社会的理由からだ。ポルノは、しばしば政治過程への影響力のない日本のインテリの不満の捌け口となってきたが、特段このことに深い文化的理由はない。

日本と英国を行ったり来たりしている米国人学者のキンモス(Earl H. Kinmonth)にも話を聞いたが、彼の意見は次のとおりだ。
 英国の階級制度だって奇妙きてれつだ。もし英国人の肌の色が違っていて、日本語並みに習得するのがむつかしい言語を用いておれば、さぞかし米国人は英国人のことをちょっと変わっていると思うことだろう。 外見的な違いに目を奪われるのではなく、背後の力学を見よ。そうすれば、どんな社会でも同じであることが分かる。韓国人と日本人は外見的には全く違う。韓国人は日本人より感情的で自己主張が激しい。韓国人は葬儀で号泣するけれど日本人は押し黙っている。だけどこれはアイルランド人とイギリス人の違いと同じだ。日本人特有の習慣が日本の特殊性という誤解を生み出している。それは日本人以外の人々が概念化しないような日常的なことを概念化する、という習慣だ。例えば、タテマエとホンネの違いなんて、あらゆる社会に存在するが、それを概念化したのは日本人だけだ。だからといって、タテマエとホンネの乖離が日本社会特有のものだ、ということにはならない。日本人が四季を更に細かく分けた概念を持っていることもそうだ。だからといって、日本以外にこのような細かい四季の変化がないなんてことはない。

(2)コメント
ここまでで皆さんどうお感じになられましたか?それでは私の考えを申し上げましょう。(続く)
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