[動いている世界情勢と寝ている日本]   ( 西村眞悟事務所 )国際派日本人養成講座 | 日本のお姉さん

[動いている世界情勢と寝ている日本]   ( 西村眞悟事務所 )国際派日本人養成講座

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[動いている世界情勢と寝ている日本] No.365 平成20年 8月23日(土)


当然ながら、北京五輪中にも、パキスタン大統領辞任、グルジアへのロシア軍侵攻と、世界は動いている。何故、この当然のことを書くのか。それは、我が国の政治が夏休み中だからである。夏休みは、夏休みでいい。しかし、休み中でも世界は動いているのだから、我が国の内閣総理大臣と内閣の明確な問題意識が見えていなければならない。それが見えない。極めて遺憾である。例えば、アメリカ。二十日に国民の支持率において、共和党のマケイン候補が民主党のオバマ候補を始めて上回ったという世論調査結果が発表された。今までは、「方や女性、方や黒人」、という組み合わせで、ヒラリー・クリントン氏との派手な指名争いをしてマスコミの注目度が高かった分、オバマ氏がマケイン氏を支持率で上回っていた。それが逆転したのである。その逆転の理由の一つに挙げられているのがグルジア情勢への対応である。マケイン氏が軍事・安全保障問題に強いこと、反対にオバマ氏が、ロシアのグルジア侵攻の時にも夏期休暇を取り続けていたこと。この両者の差が、逆転の理由に挙げられている。このアメリカ国民の反応は、極めて健全ではないか。願わくば、我が国の政治に関する世論調査結果も、このような観点から動いて欲しい。私は、北朝鮮情勢や中国情勢に厳しい目をもっている共和党のマケイン氏が、アメリカ大統領に就任することが日本と日本国民にとってもよいことだと判断している。彼がこのまま支持を伸ばし大統領に当選することを願う。


さて、昨日の報道で私が一番気になるのが、インド洋ソマリア沖での海賊による日本タンカー乗っ取りである(八月二十二日、産経新聞朝刊)。昨日のトップは、どこの新聞も「ソフトボールで日本が金メダルを取った」であろうが、国家の運命に関わる重要度からみれば、「日本タンカー乗っ取らる」がトップになるべきである。いうまでもなく、ペルシャ湾岸から最大の量の石油を運び出しているのは我が国である。我が国は、この石油がなければ経済が崩壊する。文字通り、ペルシャ湾海域とインド洋は我が国の「生命線」である。しかも、この海域における日本タンカーや貨物船への攻撃や乗っ取りは、七月にも四月にも昨年十月にも発生している(同日産経「主張」が指摘)。 しかし、内閣には、このタンカー乗っ取りを契機に「対処方決断に至る」というような動きが見えないのである。聞こえてくるのは、与党内からの「新テロ法」延長の再議決を前提にした会期には反対という内輪の話だけである。では、この再議決の話が何故でるのかといえば、民主党が今からインド洋関与に「反対」だからであろう。ということは、与党内の再議決回避の話は民主党の「反対」に迎合して、日本がインド洋は他人の海、関係ございませんと手を引くという結果を目指していることになる。人体でいえば、頸動脈付近に針が突き刺さってきているのに、その付近は関係ございませんと昼寝をしているような状態である。まさに、与野党とも、ただ選挙のことだけを考える平和ぼけの亡国の政治構造ではないか。「インド洋における我が国の活動を憲法違反だというような党首を放任しておくことはできない、腹に据えかねる」、と党首選に打って出る者がいない民主党の状況も、再議決を前提にした会期には反対という与党連立の状況も、ともに責任ある政党の姿ではない。


現在、アルカイダをはじめとするテロリストそして海賊の攻撃から、ペルシャ湾岸の石油関連施設とタンカーや貨物船を恒常的に守っているのは次の多国籍海軍であり、彼らは「海洋安全保障作戦」という任務を遂行している。アメリカ、イギリス、オーストラリア、フランス、ドイツ、イタリア、パキスタン、カナダ、ニュージーランドつまり、これらの諸国の海軍軍人(彼らは青年である)により日本の生命線は守られている。気温五、六十度を超える甲板上で彼らは任務に就いている。そのおかげで日本の政治家はクーラーのある部屋で夏期休暇をとっている。クーラーを止めて彼らの労苦を思い感謝する日を作ってもいいほどだ。しかし、我が国の政治構造は、この「海洋安全保障作戦」は、我が国と関係がないとしてすまそうとしている。それどころか、我が国自身の生命線を守るこの作戦に関与することを「憲法違反」とする独断が幅を利かせている。まさに「亡国の政治構造」と言う所以である。ところで、パキスタンでも(でも、と言えば失礼だが)、この海洋安全保障作戦に参加しているのである。しかし、ムシャラク大統領が退陣して彼の路線に反対する勢力がパキスタンの政権を握ることになった。このことが海洋安全保障作戦に如何なる影響を与えるのか。これは我が国への石油輸送に直接影響を与える事態である。


やはり、我が国は、インド洋における海洋安全保障作戦に他人事ではなく我が国自身のこととして参加すべきである。そして、作戦参加国の政情不安に左右されないインド洋の安全を自ら確保すべきである。我が国は、アメリカ以外の作戦参加国が保有していない能力をもっている。これこそ、我が国が世界の安定のためにもっとも大きな貢献ができる領域である。それは、海上自衛隊の対潜哨戒機P3Cによるインド洋の哨戒である。この哨戒活動が作戦参加国の艦船を守りインド洋の安全を守る。即ち、我が国の生命線・シーレーンを守る。我が国政治は、この決断をすべきである。国民は既に理解している。理解していないのは、永田町だけだ。


さて、前回と前々回のこの通信で、グルジアへのロシア軍侵攻と居座りを六十三年前の千島・樺太への火事場泥棒的ソビエト軍の侵攻に関連づけた。ところが、今朝(二十三日)の「産経抄」は、さらに加えて、「日本にとってグルジアはプラハ、そして北方領土へとつながる問題だということを忘れてもらっては困る」と結ばれていた。はたと手を打った。産経抄に指摘されたとおり、グルジアで今「プラハの春」圧殺の事態が起こっていることに思いをいたしたのである。千島・樺太へのソビエト軍侵攻時には、私は生まれていなかった。しかし、プラハへの侵攻時は学生だった。実感としてソビエト軍が侵攻した事態が甦ってきた。あの時、バーツラフ広場に行きたいと思い旅の準備をした。スボボダ大統領、ドプチェク第一書記、さらに体操の美しいビェラ・チャスラフスカ、陸上の人間機関車ザトペック、彼らはどうしているのかと毎日ニュースに注目した。大統領のスボボダと言う名は「自由」という意味であった。あの「プラハの春」圧殺を再現したロシア軍のグルジア侵攻と居座りは許せない。このグルジア情勢に対する態度の差を、二人の大統領候補の支持率逆転に至る要因とするアメリカ世論は、やはり信頼でき健全である。永田町の与野党幹部よりよっぽど冴えている。最後に、産経抄には「プラハがソ連によって蹂躙されても、日本の若者が抗議の声を上げることは少なかった」と書かれている。確かに少なかった。しかし、私が党員であった民社党の学生部は、少数ながら、ソビエト大使館に抗議のデモを仕掛けた。

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◎クライン孝子の日記

■2008/08/29 (金) 日本もネットで政治を変えよう!

■2008/08/29 (金) 北は日本の懐を狙っている。二度と騙されないで!

■2008/08/28 (金) 我が「小説ノン」連載第5回 情報戦略と諜報機関

【民主党全国大会】会場外にブロガーたちの“解放区”

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/173815

それにしても 平沼新党は、どうなっているんだろう?

産経新聞の榊原記者は、かれこれ20年余りのお付き合いです。氏も、日本の政治の行方に関して憂慮し、真剣に打開策を模索しておられ、日本帰国の際には必ず会い、いろいろ情報交換をする仲です。その氏が以下の記事を書かれたのは五月ごろ。

【福田政権考】「平沼新党」の掲げる旗は 榊原智 配信元: 05/31 07:17更新

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/149261/


一体どうなっているのでしょう。その後、これといった動きはないみたいですね。何とその間に以下のように若者たちが動き始めています。日本の上層部の危機感欠如は目を覆うばかりです。

「日本のようになるかも」 米経済にクリントン氏警鐘

http://sankei.jp.msn.com/world/america/080328/amr0803281106011-n1.htm


政治を変えるのは、次世代です。日本の将来のために死を賭しても立ち上がる若者、そして女性の登場を私は、心から願っております。

<<第1回「真・保守市民会議」開催のお知らせ 国歌斉唱に始まり、保守大同団結の基本姿勢と日本政治の危機を語り、会議ご出席の皆様から「真の保守政治に何を望むか」というテーマでご意見を頂戴する場です。

と き 平成20年9月15日・祝日(敬老の日) 午後13時30分開場

     午後14時から16時まで

ところ 大阪市 北区民センター 第1会議室

     JR環状線「天満」駅(大阪駅の次)下車・西へ徒歩3分

     地下鉄堺筋線「扇町」駅2号B出口下車・北へ徒歩3分、

関西テレビ隣

主 催 真・保守市民の会

 呼びかけ 遠藤健太郎ブログ『KNN TODAY』

 ご出席頂ける方は webmaster@shinhoshu.com まで。


KNN SPORTS 13日更新「北京五輪のCG花火」KNN ENTERTAINMENT 13日更新「東宝8・15シリーズ」

人権擁護法案、移民1,000万人構想、外国人地方参政権付与阻止へ!これらを提案する自民党・民主党は終わりだ!政治の既成枠にもはや「保守政党」はない!>>


■2008/08/29 (金) 北は日本の懐を狙っている。二度と騙されないで!


【北朝鮮ウオッチ】6カ国協議は存続の危機か

http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080828/kor0808281932003-n1.htm

脱北偽装を金正日総書記が直接指示か 北の女工作員事件で韓国紙 

http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080828/kor0808282023004-n1.htm

北の女スパイ、任務果たせず報復おびえ→自宅玄関カギ4個

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080828-OYT1T00918.htm?from=main2

上記のような工作員の暗躍はドイツ分断国家の頃ははいて捨てるほどありました。私はその何人かに直接あって、取材をしたものです。

知人で夫妻が旧東独に拉致。投獄された事件も西独市民の救出運動が功を奏したからでした。北の拉致事件では日本は米中の顔色など見ず堂々と国際社会や政府に働きかけること。特に日本では以下の不可解な事実があるだけに、<<*日朝「密室利権外交」小史(上)

 国交正常化を急ぐ金日成に、金丸信は「お国(北朝鮮)は百億ドルを要求できる」と答えた。

http://archive.mag2.com/0000000699/20080810000000000.html

国際派日本人養成講座

1.北朝鮮で姿を消した金丸信・元副総理

1990(平成2)年9月、金丸信・元副総理と田辺誠社会党副委員長をリーダーとする訪朝団が、平壌北東の名勝地・妙高山の別荘で金日成主席と会見した。会見が終わって、一行が汽車で帰ろうとすると、北朝鮮側から「金丸先生は少し遅れます」との連絡があった。


2.金丸の感激の涙

冒頭で、金日成は次のように話を始めた。金丸先生のご先祖が、わが国から渡られたことは、よく存じております。私どもとしては、本当に嬉しく思うばかりです。ご先祖やご両親、ご家族の方々は、日本で本当にご苦労なされたことでしょう。その苦労を乗り越えて、金丸先生が日本を指導する大政治家になられたことは、わが民族の誇りとするところであります。これを聞いた金丸は、感激の涙を流した。


3.金丸の「80億ドル」の約束

金日成主席の声がややはずんだ。「50億ドルですか」金丸は、少ないと言われたと思った。しばし腕を組んで考える様子で、言葉を続けた。金丸の約束に、金日成は満面の笑みを浮かべた。2週間前に、金日成は中国の瀋陽で、トウ小平と秘密会談を持ったが、トウは「多くても50億か、60億ではないか」と予想していたのである。 以下・・・>>


■2008/08/28 (木) 我が「小説ノン」連載第5回 情報戦略と諜報機関

祥伝社「小説ノン」9月号

http://www.shodensha.co.jp/n-non.html

第5回「日本とドイツのそれぞれの戦後」情報戦略と諜報機関

卓越した情報戦略によって第二次世界大戦の果実を独り占めにしたスターリン。それを範として戦後いち早く情報機関の創設に努めたドイツ。片や、この分野で大きく遅れをとり、中国や各国のスパイ天国となった日本ーーーこのような国に未来はあるのか

1)独ソ戦に一役買ったゾルゲの日本情報

2)スターリンの徹底した情報管理

3)スターリンに手玉を取られた蒋介石

4)中国の日本戦略を記した極秘文書

5)群集掌握、マスコミ操作の要諦とは

6)工作員の身分と経費の出所

7)チャーチルが死の直前にもらした言葉

8)イギリス情報戦略の限界

9)ヒトラー後のドイツを模索する側近たち

10)解任されたゲルハルト・ゲーレン

11)ゲーレンがアメリカと交わした「紳士協定」

12)スパイ事件の発覚に果たした「ゲーレン機関」の役割

13)「反骨の人」ゲーレンの胸のうち


ドイツ在住40年の仕事としてここ20年くらい温めていたテーマですが、早くも、いかにもこの私のテーマをヒントとしたらしき実に巧妙な論文が発見され、「気をつけなさい」との著名な学者の方数人、さらに編集者、読者からメールが届いています。私は自分の足で取材し、代筆など一度もやってもらったことなく(結構、そういう例があるのを耳にしますが)こつこつ、しこしこと仕事をしているというのに・・・要領のいいだけでは、世間は渡れないと思うのですが、現実は、そうではないみたいですね。ネット登場で、こうした風潮も今後は少しずつ改善されていくでしょう。そうなることを期待してやまない今日この頃であります。