【佐藤優の地球を斬る】危ういパキスタン情勢 核技術の流出防げ(iza) | 日本のお姉さん

【佐藤優の地球を斬る】危ういパキスタン情勢 核技術の流出防げ(iza)

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▼【佐藤優の地球を斬る】危ういパキスタン情勢 核技術の流出防げ(iza)
8月18日、パキスタンのムシャラフ大統領がテレビ演説を行い、辞意を表明した。同氏は演説で〈「反大統領派が自分に対し行っている(憲法違反などの)申し立ては的外れなものだ」としながらも、「議会との対立が深まれば、国家が疲弊する。国益を優先する」と辞意を表明。この後、辞表を下院議長に提出し受理された〉(8月19日産経新聞)。1999年10月の軍事クーデターで権力を握ったムシャラフ大統領の政治姿勢が民主主義という観点からするときわめて深刻な問題があったことは間違いない。8月7日、パキスタン人民党とパキスタン・ムスリム連盟シャリフ派が大統領弾劾手続きを進めることで合意し、弾劾が議会を通過する可能性が生じた。その場合、クーデターによる政権奪取と2007年11月の非常事態宣言が憲法違反と認定され、ムシャラフ氏に死刑判決が言い渡される可能性があるので、弾劾手続きが本格化する前に辞任したものとみられる。

 ■危険性増すタリバン
本件は、パキスタンの内政だけにとどまらない深刻な影響をもたらす可能性がある。まずアフガニスタンに対して与える影響だ。パキスタンとアフガニスタンにまたがって居住するパシュトゥーン人という民族がいる。タリバーンは、パキスタン側のパシュトゥーン人から生まれた運動だ。タリバーンはアルカイダと連動している。アフガニスタンではタリバーン勢力が再び影響力を拡大している。パキスタン情勢の混乱に乗じ、タリバーン勢力が策動を強める危険性がある。
パキスタンの混乱の原因は東西冷戦時代にさかのぼる。パキスタンは、イスラーム国家であったが、基本的に世俗主義をとっていた。インドとの対決を中心に外交戦略を組み立てた。「敵の敵は味方」ということになるので、インドと敵対関係にあった中国と連携した。また、当時、非同盟中立政策をかかげつつもインドがソ連から武器を購入し、親ソとはいえないまでも、アメリカの反ソ・反共政策には加わらないという姿勢を示した。その途端、パキスタンは徹底した反ソ・反共政策をとった。79年、ソ連がアフガニスタンに侵攻し、アフガン戦争が始まった。このとき、パキスタンは、ムジャヒディン(イスラーム戦士)の集結基地となった。後にアルカイダの指導者となるウサマ・ビンラーディンもパキスタンからアフガニスタンに出撃したムジャヒディンの一人である。この過程で、サウジアラビアのワッハーブ派の影響力がパキスタンにおいて高まった。89年にソ連軍はアフガニスタン領から全面撤退するが、平和は訪れず、内戦が勃発(ぼっぱつ)した。タリバーンはワッハーブ派の影響を受けて過激化した。アルカイダとタリバーンの目的は、アフガニスタン国家の権力を奪取することにとどまらない。ワッハーブ派の原理主義者であるこの人々は、そもそも国家とか民族の価値を認めない。アッラー(神)は1人なので、地上の秩序はそれに対応したカリフ(皇帝)によって統治される唯一のカリフ帝国を樹立しなくてはならないということになる。アルカイダが国連を認めないのも、このような世界観からもたらされるのである。

 ■サウジの後ろ盾
脅威は、意志と能力によって作り出される。パキスタンは98年に核実験を行い、事実上の核保有国になった。ただし、経済力が不十分なパキスタンの核開発を裏で支えたのはサウジアラビアである。中東某国の専門家が筆者に「仮にイランが核保有を宣言するならば、その1カ月後にサウジアラビアも核保有を宣言するであろう。サウジに核兵器を開発する能力はないが、パキスタンから購入すればよい。パキスタンの核兵器はサウジのカネで作った。オーナーの要請をパキスタンは断ることができない」と述べたが、その通りと思う。しかも、パキスタンの「核開発の父」と言われたカーン博士は、秘密裏にリビア、イラン、北朝鮮などに核技術を販売したことを証言した。カーン博士がもっていた密売ネットワークの全容はいまだ明らかになっていない。また、この密売にパキスタン政府が関与していたのではないかという疑惑も払拭(ふっしょく)されていない。今後、パキスタン情勢が混乱し、統制不能になると、タリバーンが勢力を盛り返し、国際的にアルカイダの活動が活性化する可能性と、核技術が「ならず者国家」やテロ組織に流出する危険が生じる。国際的監視を強めなくてはならない。(外務省分析官=休職中)
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☆>アルカイダとタリバーンの目的は、アフガニスタン国家の権力を奪取することにとどまらない。ワッハーブ派の原理主22者であるこの人々は、そもそも国家とか民族の価値を認めない。アッラー(神)は1人なので、地上の秩序はそれに応したカリフ(皇帝)によって統治される唯一のカリフ帝国を樹立しなくてはならないということになる。アルカイダが国連を認めないのも、このような世界観からもたらされるのである。ここんところ重要。>経済力が不十分なパキスタンの核開発を裏で支えたのはサウジアラビアである。中東某国の専門家が筆者に「仮にイランが核保有を宣言するならば、その1カ月後にサウジアラビアも核保有を宣言するであろう。サウジに核兵器を開発する能力はないが、パキスタンから購入すればよい。パキスタンの核兵器はサウジのカネで作った。オーナーの要請をパキスタンは断ることができない。だから、サウジアラビアはイスラエルやアメリカがイランを攻撃することをどうも期待しているようなところがある。というのは、サウジは仮想的のイランに備えて核兵器なんて面倒くさいものを持たずに済ませられるならそうしたいと思っているし、イランが攻撃されれば、下落基調にある原油価格が再度上昇するからである。
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▼アフガン 伊藤さん殺害に関して(大高未貴の世界見聞録)
伊藤さんの訃報を知り、ご家族、また関係者の方のやり場のない怒り、悲しみに心よりお悔やみ申し上げます。伊藤さんのご冥福をお祈りするばかりです。
それにしてもこの事件に関して日本のメディアがあまりにも的外れな分析、コメントを垂れ流しているので、伊藤さんの貴い死を無駄にしないためにも、その愚かしさを指摘せざるおえない。今日のワイドショーでテレビ朝日のコメンテーターと称する男性が「インド洋で日本の海上自衛隊が補給活動をしていたことに対する反発」などとしたり顔でコメントしていて二の句がつけなくなった。この人は同時多発テロ前後から今日にいたるアフガン事情をなに一つ理解していない。また他の番組では「伊藤さんはスパイ」だったという犯行声明があり、コメンテーターが「スパイではない」と解説していたが伊藤さんがスパイでないのは明白な事実であり、問題はそんなことではない。結論を先に述べれば、この事件は”イスラム原理主義VSグローバリズムという価値観の相克”に起因するものなのだ。日本人的な感覚で判断すれば単純に「その国のために貢献していて何故?地元の人たちからも感謝されペシャワール会は定評があったはずだ」という発想になるが、伊藤さんを殺害したのはタリバンというイスラム原理主義武装勢力、または強盗団で、一般市民とは何も関係のない無法者たちだ。彼らの価値観は、”非ムスリムはすべて悪魔の手先。従ってアラーの名において何をしても良い”という認識なのだ。アフガンでのNGO活動の難しさは拙書で恐縮だが「魔都の封印を解け」の中で1章もうけて書いたが、それはそれは難しいものだ。外国NGOの受け皿(アフガン人)ですら外国人とみれば平気で裏切り、援助を巻き上げる場合がある。ましてやその活動から何の恩恵もうけていない人はNGOそのものが嫉妬と略奪の対象となる。ペシャワールでNGO医療活動をしている病院を取材したことがあるが、院長は診療にきたタリバンと私を接触させないようにし、あとで「外国人女性がここにいるというだけであなたのみならずこの病院まで何されるかわかりません。この街で安いものは人命、麻薬、武器、高いものは日本製の電気製品です」と真顔でいったものだ。善意で善なる行動をしている人ですら、理不尽なまでに武装勢力からヒット・リストに名指しされ、常にボディガードを同行させねば命がいくつあっても足りない世界なのだ。そういったアフガン、またムシャラフ大統領辞任により政情不安なパキスタンで再び息を吹き返したイスラム原理主義の恐ろしさを日本のメディアは指摘しなければならない。
そう考えると、対テロとの戦いで英国、フランス、アメリカ兵士なども多国籍な軍隊がアフガンで命を失っている中、インド洋で補給している海上自衛隊の活動の意味はとても大きいのだ。またコストや人命の危険度を比較しても答えは明確だ。ましてやグルジアをめぐって米ロ欧が石油の収奪戦を繰り広げているなか、日本のエネルギー確保のためにもインド洋補給活動は大事な布石なのだ。民主党の小沢氏はインド洋での補給活動はやめて自衛隊をアフガンに派遣させるなどという案を出していたが、憲法も変えず、自衛隊を丸腰でアフガンに派遣するなんて、有事の際には自衛隊に死んでくださいと言っているようなものだ。伊藤さんの死を無駄にしないためにも、日本のメディアは世界の現状から目をそむけている場合ではない。こんな体たらくなままでは、また国が誤った政策をとりかねないではないか。
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☆この事件は”イスラム原理主義VSグローバリズムという価値観の相克”に起因するものなのだ。伊藤さんを殺害したのはタリバンというイスラム原理主義武装勢力、または強盗団で、一般市民とは何も関係のない無法者たちだ。彼らの価値観は、”非ムスリムはすべて悪魔の手先。従ってアラーの名において何をしても良い”という認識なのだ・・・。外国NGOの受け皿(アフガン人)ですら外国人とみれば平気で裏切り、援助を巻き上げる場合がある。ましてやその活動から何の恩恵もうけていない人はNGOそのものが嫉妬と略奪の対象となるペシャワール・・・この街で安いものは人命、麻薬、武器、高いものは日本製の電気製品ですイスラム原理主義の恐ろしさを日本のメディアは指摘しなければならない。民主党の小沢氏はインド洋での補給活動はやめて自衛隊をアフガンに派遣させるなどという案を出していたが、憲法も変えず、自衛隊を丸腰でアフガンに派遣するなんて、有事の際には自衛隊に死んでくださいと言っているようなものだ。大高さんについては ↓
*プロフィールジャーナリスト;フェリス女学院大学卒業。以降、世界70カ国以上を訪問。インドではチベット亡命政権のダライラマ14世、カルマパ17世、パレスチナガザ地区ではPLOのアラファト議長などにインタビューし、1995年国際情報誌サピオでデビュー。またアフガン問題ではタリバン全盛の98年にカブール単独潜入し、AERA、SPA等に潜入ルポを発表。西側ジャーナリストとして最初にアフガンの矛盾と崩壊の予兆をレポートする。平成16年8月15日より『日本文化チャンネル桜』報道ワイドのキャスターを務める。主な著書に、イスラエル、パキスタン、サウジアラビア等、イスラム諸国の矛盾について4年間の取材をまとめた『神々の戦争』(小学館)。中国・西安発 イスタンブール行き 女一人1万2千キロ シルクロード横断の紀行『冒険女王』(幻冬舎文庫)。中国、韓国、サウジアラビア、イスラエル、パレスチナ、アメリカ、チベット、キューバ、日本を含めた世界9カ国ルポ『国々の公―世界ありのまま見聞録』(幻冬舎)。2008年4月にはエチオピア、マリ、モザンピーク、マラウイ、ウガンダなどアフリカ農業開発のレポートをまとめた『緑の戦士』(徳間書店)、世界にはまだ日本人が知らない路地裏がある『魔都の封印を解け!-世界エトランゼ街道』(防衛弘済会)など刊行
*動画だと さらに よくわかりますね ↓
YouTube - 大高未貴が韓国に一言
http://www.youtube.com/watch?v=S2dWMA3YEY0

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