太田述正 有料メルマガ  ◎クライン孝子の日記 | 日本のお姉さん

太田述正 有料メルマガ  ◎クライン孝子の日記

太田述正コラム#2681
━─━─太田述正 有料メルマガ─━━─━
フランスとイスラム教徒移民
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━
1 始めに
イスラム教徒の移民がいかにやっかいなものであるか、このところのフランスでの動きを見ていると痛感させられます。先月、フランスのリール(Lille)の裁判所が、イスラム教徒同士の結婚について、花嫁が処女であると偽ったとして無効を宣言して話題になりました。今回とりあげるのは、イスラム教徒の女性のフランス国籍取得申請の却下を是とする判決が下された件です。

2 国籍取得申請却下判決
コンセイユ・デタ(Conseil d’Etat。フランス最高行政裁判所)は、パリ市政府が2005年に下した国籍取得申請却下を支持する判決を下しました。2000年にモロッコからフランスに入国してフランス生まれのフランス国籍のイスラム教徒の男性と結婚し、3人のフランス生まれのフランス国籍の子供達を持つ、イスラム教徒の現在32歳の女性で流暢なフランス語をしゃべるファイザ・M.(Faiza M.)(注1)の国籍取得申請を却下したのはどうしてなのでしょうか。

(注1)フランス語をしゃべれるかどうかは国籍取得を却下するかどうかを判断する際に勘案される重要事項の一つ。なお、フランス在住のイスラム原理主義者達の間では、男性の産婦人科医の診察を受けるのを拒否する者が増えてきているところ、ファイザ・M.は何度か男性の産婦人科医の診察を受けたことがある。

判決によれば、彼女は、外出中常に黒のブルカ(burqa。目以外顔を完全に隠す)(注2)をかぶっているところ、これは「同化の欠如」を示すものであり、フランス社会、「とりわけ両性の平等の原則」と「相容れないところの特殊な宗教性(a version of religiosity)を行使している」からだというのです。

(注2)2004年にフランスは、これみよがしの(ostentatious)宗教的象徴を公立学校で身につけることを禁じる法律を成立させた。これにより、公立学校でのユダヤ教のヤルムルク(yarmulk)、シーク教のターバン、キリスト教の大きな十字架の着用が禁じられることになったが、最大のねらいは、イスラム教徒の女の子によるヘッド・スカーフまたはヒジャーブ(hijab)の着用を禁じるところにあった。

これまで、コンセイユ・デタがイスラム教徒なるがゆえに国籍取得申請を却下したのは、イスラム原理主義のシンパであると目された人物だけだったので、この判決は注目されました。この判決に対し、両性の平等が国籍取得要件だということになれば、ドイツはババリア州、フランスはノルマンディー地方、米国はユタ州の住民のほとんど全員を国外追放しなければならなくなる、それに、フランスで夫から虐待されている女性だって全員国籍を剥奪すべきことになる、という批判が寄せられています。しかし、ファイザ・M.は、パリ市に国籍取得申請をした際に、男性係官が顔を見せるように促したところ、それを宗教上の理由で拒否したので、女性係官にやらせようとしたところこれも拒否したという経緯があります。写真を貼れないのではパスポートだって発行できない、というわけです。しかも、ファイザ・M.は、自分の政治的権利には関心がなく、投票に行くつもりなどないと宣言しました。そこまでは許されるとしても、彼女が、男性だけしか投票権を持つべきではないと述べたことが問題視されました。これに関連することですが、コンセイユ・デタは、彼女が政府を訴えたのは、果たして自分の意思なのか夫の意思なのか見極めることができませんでした。彼女が裁判所にやってくるのはいつも夫と一緒でした。しかも彼女は、モロッコにいた時にはブルカを着用していなかったけれど、夫の示唆に従って着用するようになったと述べています。更に彼女は、世俗主義(laicism)や民主主義が意味するところが何なのか知らないとも述べています。そして彼女は、コーランを字義通り解し遵守すべきであるとする、イスラム教のサラフィズム(salafism)を信奉しているとも述べています。もっとも、サラフィズムには、保守派と聖戦派があるところ、ファイザ・M.がどちらに属しているのかははっきりしないようです。フランス生まれのイスラム教徒にして都市問題担当相であるアマラ(Fadela Amara)女史(両親はアルジェリア出身)は、この判決を支持し、「ブルカは牢獄であり、拘束衣だ。それは宗教の記章(insignia)ではなく、両性の不平等を追求する、民主主義と完全に相入れないところの、全体主義的な政治的記章だ」と述べた上で、この判決が今後「自分達の妻にブルカを強制しようとする狂信者達を思いとどまらせる」ことを期待している、と述べたところです(
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7509339.stm )。

3 終わりに
コラム#2646でも改めて申し上げたように、「イスラム社会は非寛容であり、思想の自由を認めず、世俗化が困難、ということにならざるをえない。すなわちイスラム教は、本来的に原理主義的であり、かつ教義と暴力とを切り離せないというわけだ。暴力的原理主義はイスラム教の本質的属性だ、ということになるのかもしれない。」ということなので、ファイザ・M.とその夫を、特異なイスラム教徒である、とみなすことはできません。在仏イスラム教徒の大部分が近い将来、原理主義的イスラム教徒に、そして更には暴力的原理主義的イスラム教徒になる可能性を全く排除することはできないのです。
そこで、イスラム教徒たる移民を多数抱える国においては、イスラム教徒の原理主義へのベクトルを打ち消す、世俗主義へのベクトルをどう構築するかが極めて重要であるわけです。私の見るところ、フランスは世俗主義へのベクトルの適切な構築に、アングロサクソン諸国ほど成功しているようには思えません。いずれにせよ、朝鮮人はもとより、支那人でさえ、このようなイスラム教徒に比べれば、移民として受け入れるにあたっての問題点など、取るに足らないと言えるでしょう。幸い、日本にはイスラム教徒たる移民がほとんどいませんが、今後とも、少なくともイスラム教徒の移民に関しては、基本的に門戸を閉ざし続けることが望ましいと私は考えています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎クライン孝子の日記
■2008/08/28 (木) 待っていました! こうこなくては!
■2008/08/28 (木) アフガンで性善説ですか。甘い!

今日のビッグニュースはこれ待っていました! こうこなくては!
・民主党の渡辺、大江参院議員ら新党結成へ
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080828/stt0808281220002-n1.htm

どういう形になるか、とにかく、民主党はごった煮。日教組の親玉が小沢氏の側近?だったり。しかも、政権とるのに、必死で国益などほったらかし!こんな党が政権とったら、日本はおしまい!一方自民党にも、売国・利権優先議員がうようよしている。彼らも整理しないことには、日本は、たちまち中国の属国にされてしまう。こういう人たちを思い切って整理したり、落選しても貰うためにも今回の新党結成をきっかけに、国家観のしっかりした議員の登場を心から期待します。特に若い人たちの登場!大阪の知事さんや府下の市長さんたちのようにバックにいい経験豊富な優れたブレーンがついて、彼らがそれを参考にしていい政治を行なってくれれば、われわれ日本国民に何の不満があるものか。この日本閉塞政治、実力主義で突破するしかないからです。

「経験少ないが、敏感さ生かしたい」全国最年少市長が初登庁 :大阪・箕面市
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080827/lcl0808271040000-n1.htm
前三重県知事の北川正恭氏、大阪府の特別顧問に
http://www.asahi.com/politics/update/0826/OSK200808260033.html

それにしても、産経新聞の阿比留記者の影響は大きいですね。ネットでこつこつと、日本政治の矛盾をついて、紹介され、その効果がようやく、日本国民に浸透し始めていますし。

人権問題調査会長の空席は、「ネット世論の勝利」でしょう
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/695236/

例外なしの「外国人地方参政権付与法」大反対運動もネットが起爆剤になりました!人の顔色を見て、私利私欲しか頭にない国会議員さんには即刻退場してもらわないことには日本は沈没してしまいかねない!ガンバレ日本!特に女性力に期待します。
我が推薦人物チャンネル桜のお馴染みの
大高未貴の世界見聞録
http://www.miki-otaka.sakura.ne.jp/

鈴木 邦子 :外交・安全保障研究家。幼稚園から高校まで、学習院の「桜」の記章とともに育った大和撫子(?)。しかし、元自衛官の方々からは、「ソフトな雰囲気でズバリ物を言う」との定評。慶應大学法学部政治学科を首席卒業。2児の母親

■2008/08/28 (木) アフガンで性善説ですか。甘い!
アフガンでは昨日に独兵一人約一週間前 仏兵十人が殺害された。民間人も拉致やら殺害に遭っている、日本人の現地オンチの性善説には唖然とします。

アフガン拉致:支援団体ショック「現地の信頼厚いはず」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080827k0000e040057000c.html

中村哲医師(「ペシャワール会」)
「アフガンはテロの巣窟ではない」田中龍作2008/05/30
http://www.news.janjan.jp/world/0805/0805298282/1.php

以下産経新聞  07年10月12日わが「正論」の一部転載。日本人はテロにもっと敏感に-「特措法」の扱いは重大な試金石-<<国と国民の安全を考えるべき政党・国会議員にしても、テロ攻撃など他人事としか考えていないのではないか。ほかでもない11月1日で期限切れとなる「テロ対策特別措置法」の延長に反対している民主党および小沢一郎代表のことである。国連の直接的な決議によらないとして、インド洋やアラビア海で多国籍軍を支援するため海上自衛隊が行っている給油活動を停止しろという。筋の通った対案をなかなか出せない中で、アフガニスタン復興を目的とした同国内での医療協力や食糧支援、同国政府の警察組織改革などに参加する案を練っているともいわれる。しかし、これがいかに危険かつ短慮であるか、アフガンでのアルカーイダやタリバンなどテログループの活動を冷静な目でみればわかるではないか。
アフガン復興では、重装備の連邦軍並びに警察官を3000人派遣しているドイツでさえ、既に二十数人の死者を出している。そうした地域に軍隊の支援もなく、民間人らが入ればどうなるか。韓国のキリスト教関係者らがタリバンのグループに拉致され、人質解放のために巨額の身代金まで支払ったといわれる事件は記憶に新しい。かつて日本赤軍が多数の乗客を乗せた日航機をハイジャックした「ダッカ事件」(1977年)では、当時の福田赳夫首相が「人命は地球より重い」と述べ、「超法規的措置」で獄中のテロリストを多額の身代金とともに釈放した。
現在のテロとの厳しい戦いの中で、こうした甘い姿勢はもう許されない。国際社会の一員として、テロへの毅然とした対決姿勢を保つ ことが、日本の国際的責務であることは疑いない。「テロ特措法」は日本にとってその試金石になると私は思っている>>