台湾の声 日本の進路
ようちゃん、おすすめ記事。↓『台湾の声』
【ニュース】民進党世論調査:馬総統就任3ヶ月、不支持57%8月25日、台湾の野党・民主進歩党(民進党)は就任3ヶ月を迎えた馬英九総統(大統領)および劉兆玄・行政院長(首相)に対する世論調査を発表した。同調査は民進党が8月20日~22日に行ったもので、馬総統に対する支持率(満足度)は36.9%、不支持(不満)は57.0%だった。また、劉行政院長に対する支持率は33.2%、不支持は56.5%で、いずれも不支持が大きく上回った。また、民進党自身の支持率については、同党は陳水扁前総統の海外不正送金発覚後も2割の支持率を維持しているとしているが、馬総統の低い支持率よりも低い水準にとどまっており、台湾国民の政治不信が高まっていることを示している。
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【論説】台湾・馬人気の急落
時局心話会代表 山本善心
最近、台湾の友人・知人から聞かれるのは「台湾経済が本当に悪くなった」との声ばかりだ。これは馬英九総統の「経済をよくする」という選挙公約が思うに任せず、台湾住民の生活苦や経済不況が深刻な状況にあるからであろう。それに加えて中国人労働者の人件費と製品の高騰、原油高と物価上昇が生活を圧迫している。さらに言えば、「中国は世界の工場」という神話に陰りとほころびが見えてきたということだ。中国に滞在する100万人の台湾人ビジネスマンが、解体の危機に瀕するほどの大ピンチを迎えている。台湾で今成長している液晶パネルや半導体製品のIT関連企業の投資、生産拠点は、中国からベトナム・インドへと方向転換の舵を切った。馬総統の対中経済開放や「中台共同市場」構想による景気浮揚策に、目立った効果は表れていない。中国経済は安いコストと巨大市場が売り物だったが、今では高コスト高リスクに変貌した。撤退も地獄、現地に残るも地獄というあえぎが台湾進出企業から漏れ伝わってくる。
進出企業の惨状
7月4日の猫眼(http://www.kdnt.net )によると、中国の長江と珠海の三角地帯に集中する多くの進出企業が、大規模な倒産と操業中止に追い込まれている。たとえば寧波の爵渓近くにある企業750社のうち、すでに100社以上が操業を停止した。寧波への進出企業では、毎月10億元の流動資産が失われている。昨年から1年足らずの間に、珠海三角地帯では製靴輸出企業2331社が倒産した。特に韓国企業の夜逃げ、撤退続きで現地企業は解体の危機に瀕している。台湾企業は中国との経済関係を優先する馬政権に政治的な期待を寄せたが、何らの具体的な政策や進展が見えてこない。ましてや五輪後の中国はあらゆる負の部分が噴出すると見られているので、さらに深刻な事態を迎えることになろう。これらの情報に加えて、中国の大都市だけで4500万人以上の失業者がいると発表されている。中国は経済大国ともてはやされているが、いまだに7億以上の人民が新聞や雑誌すら買えず、ただ食べ物をあさるその日暮らしの貧困社会だ。
台湾併合のシナリオ見えず
馬総統は「一つの中国」について、50年間はこの問題を取り上げないと明言している。この「一つの中国」とは中国共産党に吸収されることか、それとも台湾の「中華民国」が中国を吸収することか、明確にされていない。「中華民国」が同意する「一つの中国」とは、自由と民主主義、法治と人権を尊重する中国の民主化が前提条件だ。これは中国のネットで大歓迎されたものだ。しかしながら、「中華民国」政府が勝手な行動をとれば、住民の85%以上を占める台湾人は、2012年の総統選で馬候補を選択しない。仮に馬政権が勝手な政策を提唱しても、住民が反対すれば台湾を変えることは難しい。台湾には、民主主義がしっかり根づいているからである。それ以外の方法で中国が台湾を手に入れるとしたら、武力侵攻しかない。それゆえ中国は武力で台湾を威嚇する一方で、平和的に吸収する「融和政策」が最も望ましいと考えている。①中国の軍事費は20年で2ケタ増、②台湾に向け1300基以上の弾道ミサイルを配備、③国防費は米国に次いで第2位、など軍事超大国化のシナリオが予定通り進行している。軍拡は、日台米を牽制・威嚇するのに最も効果的だ。
中国の民主化
台湾住民は、中国人の馬氏なら中国とうまくやってくれると期待した。7月4日からチャーター直行便が運行し、ビジネスマンの時間と費用が節約できる。また中国人の台湾旅行が解禁され、1日3000人を上限とする観光客を受け入れるとしたが、今のところ1日数百人程度では、期待外れだ。すでに述べたとおり、中国側は尻に火がついている。①農民の抗議行動(年間11万件)、②チベットやウイグルなどの少数民族暴動、③輪後のバブル崩壊危機など、問題が山積みだ。胡錦濤政権が「融和政策」を模索せざるを得ない事情はここにあった。一方、小泉政権以来の日中断絶状態を電撃的に解決した安倍前首相や、これを引き継いだ福田首相は、胡政権と和解した。中国共産党の関係筋によると、胡主席は次世代の主席候補・習近平に中国の民主化を託す考えである。しかし共産党一党独裁堅持から民主化へ、微妙に舵を切り換えはじめた。
台湾のライス国務長官、蔡英文
総統就任以来、馬氏の人気・支持率が急降下を続けているのは、経済悪化とギクシャクした日米問題によるものだ。台湾の有力テレビTVBSの世論調査(5月15・16日実施)では、馬総統の30%に対して、民進党の蔡英文主席が49%の支持率を獲得した。蔡氏は大学教授を経て李登輝・陳総統時代に閣僚、副総理を経験した。友人・知人の話によると、頭が切れて決断力もあるという。「顔はブスだから選挙に弱い」という国民党系の知人もいるが、清潔感があって好感の持てる知的な女性だという見方もある。しかし「ブスは3日で慣れるが美人は3日で飽きる」という言葉もある。馬総統はハンサムと選挙上手で当選したが、当選50日後の世論調査で有権者に飽きられ、支持率は下降し続けている。蔡氏の人気は馬氏の不人気分が回ってきただけで、誰でもよかったともいえよう。
衝突事故で中国駆逐艦出動
馬総統が就任以来対中傾斜を示していることに、台湾住民は不審と不安を抱いている。事あるごとに「中華民国」「中華民族」を連呼するが、台湾が置き去りにされるような不安と、中国に売り渡されるのではないかとの心配もある。しかし馬総統は国民党の再興しか眼中になく、台湾を国民党支配体制に持ちこむことがすべてに優先されよう。つまり「台湾を愛する」だけでなく、「中国・国民党も愛する」との思いで頭がいっぱいであろう。台湾の遊漁船と日本の海上保安庁の巡視船が衝突。馬政権は「開戦の可能性も排除しない」(劉兆玄行政院長)と、常軌を逸した発言で日本を威嚇した。馬政権は沿岸警備隊を出動させたが、驚くべきことに中国軍は、東海艦隊から2隻の現代級駆逐艦と1隻の護衛艦を急遽現地に派遣した。台湾と日本の軍事衝突や事故があった場合、中国側は台湾支援を名目に参戦する、との話がまことしやかにささやかれている。竹島に次いで、尖閣諸島が中国の次なる標的だ。馬総統は「尖閣諸島こそ中華民国固有の領土だ」と主張するが、どうしたわけかそこに中国が微妙に絡んでくる。だからといって馬政権が中国と相談しながらやっているわけではない。
日米を敵に回す馬政権
馬政権の政策と理念は、中国との良好な経済関係を保つことだ。しかし日米関係がギクシャクすれば、今まで築いてきた関係も元の木阿弥になる。台湾は中国より日米関係が大切であり、信頼できるパートナーであるはずだった。日米関係の悪化は、台湾人の望む現状維持の破壊に他ならない。馬総統の誕生を大歓迎した米国の世論であるが、今では疑いの目を向けている。選挙後は中国寄りの姿勢を見せている馬総統について、米国政府筋は「馬政権が日米と距離を置くなら、台湾への兵器売却を当面見合わせるだろう」と警戒感を強めている。馬政権が日米関係をおろそかにするのは、不見識の至りではないか。台湾住民の国益と現状維持を願い、中国との対等な交流、有利な外交交渉を行うには、まず日米との緊密な関係を構築すべきである。しかし馬総統が問題の本質を避けているかの印象を与えているのは、政治的配慮に欠ける。
孤立無援の馬総統
蔡氏が民進党主席に就任して以来、日を追うごとに世論の支持が上昇、党内のまとまりも強まりそうだ。しかし蔡氏の人気上昇に伴い、陳水扁元総統の汚職問題が急浮上する可能性が見えてきた。国民党と直系メディアは蔡氏の人気上昇に合わせて、民進党にダメージを与える構えだ。陳元総統逮捕の報が、間もなく日本にも届くのではなかろうか。さらに来年の地方選で惨敗すれば、民進党は全壊するとの見方もある。今後は民進党の党運を賭けた闘いが待っている。国民党の実力者・呉伯雄主席と連戦前国民党主席は「一つの中国」派である。王金平立法院長も李登輝派で、馬総統とは意見を異にする反主流派だ。馬総統は党内基盤が弱く、孤立状態にある。筆者が見る馬総統は中国からも軽く扱われ、日米両国からも警戒され、台湾人からも批判されている。ましてや党内からの批判は致命的といえよう。これは今後、指導者としての力量が問われるところだ。筆者は本年2月に訪台して経済人の熱狂的な馬氏コールに驚いたが、その後の訪台では批判コールに驚いた。間もなく枯れ葉舞い散る秋の訪れを迎えるが、台湾の政局を見て、人気とは移りゆくものだ、との思いを改めて深くする昨今である。
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日本の進路★0442★080827★China への残留はカワハギの浅知恵
★ 表題: China 大陸に資金を投入して進出し且つ残留する企業は、クラゲに飛びつくカワハギの浅知恵に類似
水戸昭幸 f9mdd@yahoo.co.jp
◇ 食用はもちろん、使い道に極めて乏しいクラゲが大量に発生し、漁民・近くの住民等が困惑(迷惑)するケースが、日本の各地で多発しております。
◇ ところが鳥取砂丘の沖合では、漁民がクラゲを捕獲し、「クラゲ」を餌としてた網を海中に仕掛け、この餌をめがけてやって来る「カワハギ」を獲物とした漁法を実施しています。
◇ China 大陸においては、農村から出稼ぎに来る人の賃金水準が低い事を目論んで、台湾・日本その他、世界の各地から工場等を建設して進出する企業が相次ぎ、大儲けをする連中が続出しました。従って、China は世界の工場(製造拠点)と言われて来ました。
◇ このところChina の賃金水準は、急上昇して来ております。早い時期に大陸China へ進出した外国企業の中には、更にコストの安い途上国を目指して、China から引き上げる動きが見られます。
◇ 北京共産党政権は、北京オリンピック後の株価・不動産価格暴落、農村の不満等を緩和する手段として、海外からの進出企業に対し、如何なる戦略を打ち出して来るのか、非常に不透明であり不気味な感じがします。
◇ 私の予測が外れた方が良しとしながらも、敢えて推測します。
◇ China の北京共産党政権は、鳥取沖の漁民の叡智を取り入れます。China にとって厄介ものの出稼ぎ農民、及び税制優遇キャンペーンを「クラゲの餌」として(甘い言葉で)、海外企業を誘致しておいて、今後は、戦略の大転換を図り、飛びついて来た海外企業の投資金・設備・技術を、「カワハギ」同様、一網打尽に獲物とするのです。
◇ 前項の「罠」に嵌って身動きが取れない台湾企業が、既に続出しつつあります。大陸China から離脱(撤収)しようとすれば、投資額を放棄せざるを得ない「羽目になり」(追い詰められた状態となり・莫大な損害を蒙り)、北京共産党政権に擦り寄り始めております。
◇ 極めて多くの日本民族・日本企業は、Chinese を自分達と同様の「善人」と勘違いしています。Chinese の本質は、「騙された方がバカ」「騙す方が立派優秀」なのですよ。
◇ このまま行くと、多数の日本企業が、「クラゲ」の餌に飛びつく「カワハギ」同様、身ぐるみ剥がれる(全面的に没収される)悲惨な結末となります。China への残留を図る(しがみつく)日本企業の経営陣は、カワハギの浅知恵(飛んで火に入る夏の虫)か、それ以下と言わざるを得ません。
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【ニュース】民進党世論調査:馬総統就任3ヶ月、不支持57%8月25日、台湾の野党・民主進歩党(民進党)は就任3ヶ月を迎えた馬英九総統(大統領)および劉兆玄・行政院長(首相)に対する世論調査を発表した。同調査は民進党が8月20日~22日に行ったもので、馬総統に対する支持率(満足度)は36.9%、不支持(不満)は57.0%だった。また、劉行政院長に対する支持率は33.2%、不支持は56.5%で、いずれも不支持が大きく上回った。また、民進党自身の支持率については、同党は陳水扁前総統の海外不正送金発覚後も2割の支持率を維持しているとしているが、馬総統の低い支持率よりも低い水準にとどまっており、台湾国民の政治不信が高まっていることを示している。
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【論説】台湾・馬人気の急落
時局心話会代表 山本善心
最近、台湾の友人・知人から聞かれるのは「台湾経済が本当に悪くなった」との声ばかりだ。これは馬英九総統の「経済をよくする」という選挙公約が思うに任せず、台湾住民の生活苦や経済不況が深刻な状況にあるからであろう。それに加えて中国人労働者の人件費と製品の高騰、原油高と物価上昇が生活を圧迫している。さらに言えば、「中国は世界の工場」という神話に陰りとほころびが見えてきたということだ。中国に滞在する100万人の台湾人ビジネスマンが、解体の危機に瀕するほどの大ピンチを迎えている。台湾で今成長している液晶パネルや半導体製品のIT関連企業の投資、生産拠点は、中国からベトナム・インドへと方向転換の舵を切った。馬総統の対中経済開放や「中台共同市場」構想による景気浮揚策に、目立った効果は表れていない。中国経済は安いコストと巨大市場が売り物だったが、今では高コスト高リスクに変貌した。撤退も地獄、現地に残るも地獄というあえぎが台湾進出企業から漏れ伝わってくる。
進出企業の惨状
7月4日の猫眼(http://www.kdnt.net )によると、中国の長江と珠海の三角地帯に集中する多くの進出企業が、大規模な倒産と操業中止に追い込まれている。たとえば寧波の爵渓近くにある企業750社のうち、すでに100社以上が操業を停止した。寧波への進出企業では、毎月10億元の流動資産が失われている。昨年から1年足らずの間に、珠海三角地帯では製靴輸出企業2331社が倒産した。特に韓国企業の夜逃げ、撤退続きで現地企業は解体の危機に瀕している。台湾企業は中国との経済関係を優先する馬政権に政治的な期待を寄せたが、何らの具体的な政策や進展が見えてこない。ましてや五輪後の中国はあらゆる負の部分が噴出すると見られているので、さらに深刻な事態を迎えることになろう。これらの情報に加えて、中国の大都市だけで4500万人以上の失業者がいると発表されている。中国は経済大国ともてはやされているが、いまだに7億以上の人民が新聞や雑誌すら買えず、ただ食べ物をあさるその日暮らしの貧困社会だ。
台湾併合のシナリオ見えず
馬総統は「一つの中国」について、50年間はこの問題を取り上げないと明言している。この「一つの中国」とは中国共産党に吸収されることか、それとも台湾の「中華民国」が中国を吸収することか、明確にされていない。「中華民国」が同意する「一つの中国」とは、自由と民主主義、法治と人権を尊重する中国の民主化が前提条件だ。これは中国のネットで大歓迎されたものだ。しかしながら、「中華民国」政府が勝手な行動をとれば、住民の85%以上を占める台湾人は、2012年の総統選で馬候補を選択しない。仮に馬政権が勝手な政策を提唱しても、住民が反対すれば台湾を変えることは難しい。台湾には、民主主義がしっかり根づいているからである。それ以外の方法で中国が台湾を手に入れるとしたら、武力侵攻しかない。それゆえ中国は武力で台湾を威嚇する一方で、平和的に吸収する「融和政策」が最も望ましいと考えている。①中国の軍事費は20年で2ケタ増、②台湾に向け1300基以上の弾道ミサイルを配備、③国防費は米国に次いで第2位、など軍事超大国化のシナリオが予定通り進行している。軍拡は、日台米を牽制・威嚇するのに最も効果的だ。
中国の民主化
台湾住民は、中国人の馬氏なら中国とうまくやってくれると期待した。7月4日からチャーター直行便が運行し、ビジネスマンの時間と費用が節約できる。また中国人の台湾旅行が解禁され、1日3000人を上限とする観光客を受け入れるとしたが、今のところ1日数百人程度では、期待外れだ。すでに述べたとおり、中国側は尻に火がついている。①農民の抗議行動(年間11万件)、②チベットやウイグルなどの少数民族暴動、③輪後のバブル崩壊危機など、問題が山積みだ。胡錦濤政権が「融和政策」を模索せざるを得ない事情はここにあった。一方、小泉政権以来の日中断絶状態を電撃的に解決した安倍前首相や、これを引き継いだ福田首相は、胡政権と和解した。中国共産党の関係筋によると、胡主席は次世代の主席候補・習近平に中国の民主化を託す考えである。しかし共産党一党独裁堅持から民主化へ、微妙に舵を切り換えはじめた。
台湾のライス国務長官、蔡英文
総統就任以来、馬氏の人気・支持率が急降下を続けているのは、経済悪化とギクシャクした日米問題によるものだ。台湾の有力テレビTVBSの世論調査(5月15・16日実施)では、馬総統の30%に対して、民進党の蔡英文主席が49%の支持率を獲得した。蔡氏は大学教授を経て李登輝・陳総統時代に閣僚、副総理を経験した。友人・知人の話によると、頭が切れて決断力もあるという。「顔はブスだから選挙に弱い」という国民党系の知人もいるが、清潔感があって好感の持てる知的な女性だという見方もある。しかし「ブスは3日で慣れるが美人は3日で飽きる」という言葉もある。馬総統はハンサムと選挙上手で当選したが、当選50日後の世論調査で有権者に飽きられ、支持率は下降し続けている。蔡氏の人気は馬氏の不人気分が回ってきただけで、誰でもよかったともいえよう。
衝突事故で中国駆逐艦出動
馬総統が就任以来対中傾斜を示していることに、台湾住民は不審と不安を抱いている。事あるごとに「中華民国」「中華民族」を連呼するが、台湾が置き去りにされるような不安と、中国に売り渡されるのではないかとの心配もある。しかし馬総統は国民党の再興しか眼中になく、台湾を国民党支配体制に持ちこむことがすべてに優先されよう。つまり「台湾を愛する」だけでなく、「中国・国民党も愛する」との思いで頭がいっぱいであろう。台湾の遊漁船と日本の海上保安庁の巡視船が衝突。馬政権は「開戦の可能性も排除しない」(劉兆玄行政院長)と、常軌を逸した発言で日本を威嚇した。馬政権は沿岸警備隊を出動させたが、驚くべきことに中国軍は、東海艦隊から2隻の現代級駆逐艦と1隻の護衛艦を急遽現地に派遣した。台湾と日本の軍事衝突や事故があった場合、中国側は台湾支援を名目に参戦する、との話がまことしやかにささやかれている。竹島に次いで、尖閣諸島が中国の次なる標的だ。馬総統は「尖閣諸島こそ中華民国固有の領土だ」と主張するが、どうしたわけかそこに中国が微妙に絡んでくる。だからといって馬政権が中国と相談しながらやっているわけではない。
日米を敵に回す馬政権
馬政権の政策と理念は、中国との良好な経済関係を保つことだ。しかし日米関係がギクシャクすれば、今まで築いてきた関係も元の木阿弥になる。台湾は中国より日米関係が大切であり、信頼できるパートナーであるはずだった。日米関係の悪化は、台湾人の望む現状維持の破壊に他ならない。馬総統の誕生を大歓迎した米国の世論であるが、今では疑いの目を向けている。選挙後は中国寄りの姿勢を見せている馬総統について、米国政府筋は「馬政権が日米と距離を置くなら、台湾への兵器売却を当面見合わせるだろう」と警戒感を強めている。馬政権が日米関係をおろそかにするのは、不見識の至りではないか。台湾住民の国益と現状維持を願い、中国との対等な交流、有利な外交交渉を行うには、まず日米との緊密な関係を構築すべきである。しかし馬総統が問題の本質を避けているかの印象を与えているのは、政治的配慮に欠ける。
孤立無援の馬総統
蔡氏が民進党主席に就任して以来、日を追うごとに世論の支持が上昇、党内のまとまりも強まりそうだ。しかし蔡氏の人気上昇に伴い、陳水扁元総統の汚職問題が急浮上する可能性が見えてきた。国民党と直系メディアは蔡氏の人気上昇に合わせて、民進党にダメージを与える構えだ。陳元総統逮捕の報が、間もなく日本にも届くのではなかろうか。さらに来年の地方選で惨敗すれば、民進党は全壊するとの見方もある。今後は民進党の党運を賭けた闘いが待っている。国民党の実力者・呉伯雄主席と連戦前国民党主席は「一つの中国」派である。王金平立法院長も李登輝派で、馬総統とは意見を異にする反主流派だ。馬総統は党内基盤が弱く、孤立状態にある。筆者が見る馬総統は中国からも軽く扱われ、日米両国からも警戒され、台湾人からも批判されている。ましてや党内からの批判は致命的といえよう。これは今後、指導者としての力量が問われるところだ。筆者は本年2月に訪台して経済人の熱狂的な馬氏コールに驚いたが、その後の訪台では批判コールに驚いた。間もなく枯れ葉舞い散る秋の訪れを迎えるが、台湾の政局を見て、人気とは移りゆくものだ、との思いを改めて深くする昨今である。
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日本の進路★0442★080827★China への残留はカワハギの浅知恵
★ 表題: China 大陸に資金を投入して進出し且つ残留する企業は、クラゲに飛びつくカワハギの浅知恵に類似
水戸昭幸 f9mdd@yahoo.co.jp
◇ 食用はもちろん、使い道に極めて乏しいクラゲが大量に発生し、漁民・近くの住民等が困惑(迷惑)するケースが、日本の各地で多発しております。
◇ ところが鳥取砂丘の沖合では、漁民がクラゲを捕獲し、「クラゲ」を餌としてた網を海中に仕掛け、この餌をめがけてやって来る「カワハギ」を獲物とした漁法を実施しています。
◇ China 大陸においては、農村から出稼ぎに来る人の賃金水準が低い事を目論んで、台湾・日本その他、世界の各地から工場等を建設して進出する企業が相次ぎ、大儲けをする連中が続出しました。従って、China は世界の工場(製造拠点)と言われて来ました。
◇ このところChina の賃金水準は、急上昇して来ております。早い時期に大陸China へ進出した外国企業の中には、更にコストの安い途上国を目指して、China から引き上げる動きが見られます。
◇ 北京共産党政権は、北京オリンピック後の株価・不動産価格暴落、農村の不満等を緩和する手段として、海外からの進出企業に対し、如何なる戦略を打ち出して来るのか、非常に不透明であり不気味な感じがします。
◇ 私の予測が外れた方が良しとしながらも、敢えて推測します。
◇ China の北京共産党政権は、鳥取沖の漁民の叡智を取り入れます。China にとって厄介ものの出稼ぎ農民、及び税制優遇キャンペーンを「クラゲの餌」として(甘い言葉で)、海外企業を誘致しておいて、今後は、戦略の大転換を図り、飛びついて来た海外企業の投資金・設備・技術を、「カワハギ」同様、一網打尽に獲物とするのです。
◇ 前項の「罠」に嵌って身動きが取れない台湾企業が、既に続出しつつあります。大陸China から離脱(撤収)しようとすれば、投資額を放棄せざるを得ない「羽目になり」(追い詰められた状態となり・莫大な損害を蒙り)、北京共産党政権に擦り寄り始めております。
◇ 極めて多くの日本民族・日本企業は、Chinese を自分達と同様の「善人」と勘違いしています。Chinese の本質は、「騙された方がバカ」「騙す方が立派優秀」なのですよ。
◇ このまま行くと、多数の日本企業が、「クラゲ」の餌に飛びつく「カワハギ」同様、身ぐるみ剥がれる(全面的に没収される)悲惨な結末となります。China への残留を図る(しがみつく)日本企業の経営陣は、カワハギの浅知恵(飛んで火に入る夏の虫)か、それ以下と言わざるを得ません。
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