【地上げ屋の道徳教育】 【第7話】シンドイ思いをしとるのは「道理」を外しているからや | 日本のお姉さん

【地上げ屋の道徳教育】 【第7話】シンドイ思いをしとるのは「道理」を外しているからや

【地上げ屋の道徳教育】 【第7話】シンドイ思いをしとるのは「道理」を外しているからや
いつの頃からか、「そんなん道理やんけ」とか「水は上から下にしか流れん」という言葉をよく使うようになった・・・。 実際の立ち退き交渉では、理不尽な要求をされることも少なくない。家賃を払っていないのに立ち退き料を要求してくる、相場をはるかに上回る立ち退き料を求める――。小川はごねる借家人を何人も目の当たりにしてきた。だからだろう。権利の前に義務がある、と言う。
「物事の道理について」
 いつの頃からか、「そんなん道理やんけ」とか「水は上から下にしか流れん」という言葉をよく使うようになった。物事は道理に沿って動くとオレは思うとる。この道理をきちんと捉える目と知恵がなければ、仕事も人生もうまくいかへん。一度は子供の頭に入れた方がいいと思うて、このテーマを選んでみたんや。
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小川:お前ら、物事の道理って知っとるか。 サクラ:ん?
小川:物事の道理とはな、こう書くねん。「道」の「理(ことわり)」や。辞書には「物事の筋道」ってあるけど、お父ちゃんは「正しい道」って理解しとる。 リュウジ:んん?
小川:正しい道っていうのは正しい行動や。正しい考え方っちゅうことや。 サクラ:ハイ。
小川:水は上から下にしか流れんやろ。それと同じように、物事には何でも道理がある。この道理を外すと、何でもうまいこといかへん。ほんだら、お前らに道理を当てはめてみようか。例えば、勉強をせぇへんで、テストでエエ点が取れると思うか。 サクラ:そら、取られへんわ。
小川:例えば、リュウジ。練習をしっかりせぇへんで、サッカーがうまくなると思うか。 リュウジ:そら、無理やわ。
小川:そやろ、これが道理っちゅうもんや。じゃあ、道理の反対はなんや。 リュウジ:・・・・・・。
小川:さっき、リュウジが言うた「無理」っていう言葉がそうや。「無理が通れば道理が引っ込む」っていう言葉もあるやろ。・・・・・・。まあ、知らんか。道理に反することがまかり通れば、道理に適ったことが行われなくなる、という意味や。ま、この言葉も覚えとけや。いいか、絶対に無理を通そうとしたらアカンで。しんどいぞ。 サクラ:ハイ。
小川:じゃあ、この物事の道理が分かるには、どうすればいいんやろか。 リュウジ:ん~。
小川:まあ、そやな。いつも正しい考え方や正しい行動を取る、とかやな。ほんだら、サクラ。お前にとって、学校での正しい行動って何や。 サクラ:勉強すること。
小川:おう、そうやな。それが正しいわな。それが、道理やわな。ほんで、これも言うとくぞ。物事の道理をつかむには、正しい思考回路が必要や。これは、いつも何が正しいか、考える癖をつけとかな身につかんで。しょうもない欲を持っとると、何が正しいかって分からんようになるから、気ぃつけろよ。 リュウジ:ハイ。
小川:ほんで、読書な。読書で正しい考え方を養うんやぞ。分かったな。 サクラ:ハイ。
小川:ようし。ほんだら書けよ。
「道理とは正しい道です」
「道は行いです」
「いつもどうすれば正しいかを考える」
「いつも正しい行動ができるようにする」
正しい行いは人に影響されない
「正しい行動は欲を捨てるところから始まる」
小川:立ち退き交渉でもな、物事の道理が重要なんや。水が高いところから低いところに流れるように、道理に沿って話を持っていかなければ、人を説得することはできへん。これは何も立ち退き交渉だけの話じゃないで。人生のあらゆる局面に通用すると思う。
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