クウエイトはベニスの商人か (佐々木良昭) | 日本のお姉さん

クウエイトはベニスの商人か (佐々木良昭)

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▼クウエイトはベニスの商人か (佐々木良昭)

イラクの石油生産は現在のところ、順調に増大している。イラク戦争前の段階の200万BDから、最近では250万BDに増え、数年で4000万BD,そして600万BDまで増産されるといわれている。しかし、そうは言っても、イラクはいま戦後復興で、巨大な資金が必要であり、周辺諸国に散っているイラク人難民を受け入れ、彼らの生活基盤を確立してやらなければならない、という状況にある。したがって、石油生産増大によるメリットが、イラク全体を潤すには、まだ当分時間がかかる、ということだろう。言ってみれば、イラクの台所事情は、いまだに改善の方向にはあるものの、改善されたわけではない。しかし、そのイラクに対して、クウエイトの大蔵大臣は、債務返済を執拗に迫っている。

クウエイトは歴史上に起こった自国の災難を、もう忘れたのだろうか?1990年に起こった湾岸危機と、その後の戦争は、クウエイトが1990年の3月にリヤドで開催された会議で、イラクに対してウイランイラク戦争時に貸し付けた資金の、債務返済を強要したことが、引き金となって起こったのだ。いまのところ、イラクはクウエイトに対して、牙をむくことはなかろうが、将来的には起こりうることだ。クウエイトが現在の段階では、石油価格の高騰で十分潤っているわけだから、何も現段階でイラクに債務の返済を、求める必要はないように思えるのだが。シェークスピアの名作「ベニスの商人」的なクウエイトの行動は、必ず将来クウエイトに不幸をもたらすだろう。アラブ人同士なら、アラブ人の復讐心がいかに強いかを、十分に分かっているだろうに。

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ようちゃん。↓

★・・・イラクの台所事情は、いまだに改善の方向にはあるものの、改善されたわけではない。しかし、そのイラクに対して、クウエイトの大蔵大臣は、債務返済を執拗に迫っている。クウエイトは歴史上に起こった自国の災難を、もう忘れたのだろうか?・・・

その クウェートについては ↓

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▼湾岸戦争の収支 フセイン大統領も「「黒字決算」 (高山正之の異見自在)

あの湾岸戦争が始まったとき、パキスタン西部の砂漠を車で走っていた。道などというしゃれたものはなく頼りは前に走った車の轍(わだち)だけ。 ところがこの季節、この地方は雨期に当たる。どこかで降った雨がこの砂漠に流れ下って、突如として“大河”が出現する。 道の痕跡はもちろん消えてしまうから、河を渡ると走り回って道の続きを探す。そんなことを繰り返しているうちにとうとう道を失ってしまった。 そんなとき、はるかかなたに豆粒のような影が見え、それがだんだん大きくなって、やがてトラックが目の前にやってきた。ひげづらの運転手は親切にも道を教えに回り道をしてくれたのだ。 「で、どっから来た」。別れの握手をしながら聞く運転手に「日本からだ」と答えたとたん、彼の顔から笑みが消え、こっちの手を握ったままトラックを急発進させた。手をつかまれてまろぶ日本人に彼は悪態の百もつく。九十億ドルも金を出して、米国に味方しやがって、ということだ。 運転手がやっと手を離したのはさっき渡った河の中で、日本政府の米国追随外交のおかげでびしょぬれになってしまった。 彼を含め、この辺りで会ったイスラム教徒は大体、イラクのサダム・フセイン大統領が好きだ。 湾岸戦争の発端はクウェート侵攻だが、この国は周辺のイスラム教徒、とくに出稼ぎにくるパレスチナ人などには評判が悪かった。王族の暮らしぶりに比べ、驚くほどの低賃金と粗末な待遇をするという。これが「富める者は貧しい者に分かち与えよ」というコーランの教えに反している。 コーランはまた利息や投機を禁じていて、例えばイランなど原理主義国家では銀行預金に利息はつかない。しかしクウェートは年間七十億ドルにのぼる石油収入を運用し、ほぼ同額の投機利益を得ていた。これも許されない。「クウェート侵攻は天罰」という表現もパキスタン辺りでは聞かれた。 それにもうひとつ、この国はもともと英国の「クウェート石油会社」で、石油収入の運用を含め、英国はいまだに経済支配を続けている。イラクが攻め込んだとき、日本人が二百余人だったのに英国人が三千三百人もいたこともそうした事情からだ。

サダム・フセインはクウェート侵攻を前に、バビロニアの王ネブカドネザルの像をあちこちに立て、バグダッドにはこの偉大な王と並んで立つ自らの姿も描かせた。 ネブカドネザルはパレスチナ人の土地(カナンの地)を奪って王国を建てたイスラエルびとを滅ぼしバビロンの虜囚を行った大王だ。アラブ人の土地をよそ者が支配する状況は、まさに二千五百年前のカナンの地と同じ。自分は現代のネブカドネザルとしてこの土地を解放する、という意味である。 しかしこのアラブの大義は英米には通じなかった。だいたい、産油国の集まる中東に大国が出現すると、ろくなことにならないのはイランのパーレビ皇帝がすでに証明していた。 彼は周辺の産油国をコントロールして一バレル当たり四十ドルもの石油価格を世界に押し付けた。三十年もたった今が一バレル十ドルだから、パーレビの横暴は大変なものだったわけだ。 サダム・フセインを押さえ込まなければ第二のパーレビになるのは目に見えていた。 かくて米国主導の下に多国籍軍が編成され、イラクは懲らしめられた。しかし彼を取り除くところまでいかなかったのは、前述したようにイスラム教徒の圧倒的支持があったことと無縁ではない。彼は世界の大国を相手にアラブの大義のために雄々しく戦った英雄として生き残った。 一方、米国も彼には感謝しているという見方もある。湾岸戦争の少し前、欧州では元ソ連との間で通常兵器削減の合意が成立し、処分しなければならない兵器がごまんとあった。湾岸危機が高まる中で、米国は周辺のアラブ諸国を説得して戦闘機や戦車などをどしどし買わせた。 中にはその戦車をちょっと走らせたら海に突っ込んでしまうような小さな島国もあったが、ともかく商売はうまくいった。湾岸戦争は中古兵器のガレージセールという側面もあったわけだ。 米国はまた冷戦の間に開発した新兵器をもっていたが、湾岸戦争はそうした兵器の格好の実験場にもなった。ミサイルをやっつけるミサイル「パトリオット」やレーダーに映らない「ステルス」、それに巡航ミサイルなどである。 おかげで今、「パトリオット」などは米軍需兵器の売れっ子にもなったし、日本などへの拠出金割り当ても順調で、石油価格も安値のまま据え置かれた。おそらく近代戦争の中でこれほど収支が見合う戦争はなかっただろう。 イラク周辺がいままたキナ臭くなってきた。登場人物は同じ。今度は双方にどんなメリットがあるのだろうか。

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ようちゃん。↓

★資料室 日本戦略研究所「異見」バックナンバー (更新順) 全文検索システム(高山正之コーナー・資料)

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★・・・・湾岸戦争の発端はクウェート侵攻だが、この国は周辺のイスラム教徒、とくに出稼ぎにくるパレスチナ人などには評判が悪かった。王族の暮らしぶりに比べ、驚くほどの低賃金と粗末な待遇をするという。これが「富める者は貧しい者に分かち与えよ」というコーランの教えに反している。 コーランはまた利息や投機を禁じていて、例えばイランなど原理主義国家では銀行預金に利息はつかない。しかしクウェートは年間七十億ドルにのぼる石油収入を運用し、ほぼ同額の投機利益を得ていた。これも許されない。「クウェート侵攻は天罰」という表現もパキスタン辺りでは聞かれた。 それにもうひとつ、この国はもともと英国の「クウェート石油会社」で、石油収入の運用を含め、英国はいまだに経済支配を続けている。イラクが攻め込んだとき、日本人が二百余人だったのに英国人が三千三百人もいたこともそうした事情からだ。>これなら 納得です。

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▼トルコのアラブ引き付け努力(佐々木良昭)

これまで、トルコのビジネスマンに会う度に、何度も繰り返して話してきたのだが、現在、ドバイが進めている経済発展のパターンは、近い将来必ず破綻するということだ。ドバイに初めて出かけた人は、ドバイの魅力を口にするが、所詮は博打場経済でしかない。しかも金は他人の懐が狙いなのだ。イスラム金融にしろ、ほかの金融にしろ、アブダビにかなうわけがない。ドバイが現在の位置を保っていけるか否かは、湾岸諸国の投機資金が、どこまで継続して入ってくるかによろう。それと酒、女、生活スタイルが欧米と変わらない便利さ(?)による、欧米人のドバイに対する評価ではないか。もちろん航空、海運、通信といった分野での、発展努力という意味でのドバイの努力もあろうが。ドバイで話題になっている人工島の住宅は、所詮人の住めるところではない。摂氏50度の国で、しかも、高い湿度と来たら、快適な生活環境であるはずがないのだ。もちろん、エアコンの効いた自宅から、エアコンの効いた車に乗って、エアコンの効いた執務室に向かい人たちにとっては、快適かもしれないが、それも季節によっては、耐え難いものだろう。

その点、トルコの持つ海岸線は黒海、マルマラ海、エーゲ海、地中海と長く、気候も人間の生活に最適なのだ。したがって、湾岸諸国の最悪の気候の中で生活している人たちから見れば、トルコの海岸線の居住地域は、天国のようなものであろう。エジプトに湾岸諸国の人たちが向かったのは、自国と比較して、まだましなことと、アラビア語が使えるメリットだったと思う。そのため、エジプトは湾岸諸国の人たちを対象に、巨大なショッピング・モールを建設し、豪華なホテルと邸宅を建てもした。こうしたエジプトの努力を見てか、トルコでも湾岸諸国政府や、同地域の住民を意識した、対策を採り始めている。テレビ番組では、アラビア語放送が始まり、湾岸諸国の人たちが受け入れられる、ホーム・ドラマや歴史ドラマが増えているということだ。その甲斐あってか、今年は湾岸諸国からの家族旅行、しかも、長期滞在組が激増しているということだ。トルコは実際に行ってみると、病みつきになる魅力のある国なだけに、今後、湾岸諸国の人たちの訪問が増え、加えて不動産の購入が増え、投資が増えていくものと思われる。その可能性をトルコ人たちも意識し始めている。

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ようちゃん。↓

★<ドバイが進めている経済発展のパターンは、近い将来必ず破綻する。ドバイ・・・・は、「所詮人の住めるところではない。」一方、トルコの持つ海岸線は黒海、マルマラ海、エーゲ海、地中海と長く、気候も人間の生活に最適なのだ。したがって、湾岸諸国の最悪の気候の中で生活している人たちから見れば、「トルコの海岸線の居住地域は、天国」のようなものであろう。トルコは実際に行ってみると、病みつきになる魅力のある国だ。>と、 ベタほめです ねぇー。実際高層タワーに必要な水を揚げたり、流したり、サニタリー設備やエレベーターや空調設備やら、維持費用がダントツ高額です。人は口と尻と付いてる厄介な生き物だからねぇー。(笑)

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