西村眞悟時事通信 ◎クライン孝子の日記 日本の進路
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「ここ数日のこと、そして心にしみて感謝していること」
No.364 平成20年 8月20日(水)
西村 眞悟
今日八月二十日は、六十三年前、樺太の真岡郵便局の九名の若き乙女がソ連軍の侵攻に直面して自決した日。千島列島最北端の占守島(しゅむしゅ島)では、まだ日ソ両軍の戦闘が行われている(停戦は二十一日、武装解除は二十三日)。八月十五日を過ぎてから、毎年樺太と占守島を思う。占守島にはまだ日本軍戦車の残骸のなかに勇者の遺骨があるとの報告を聞いた。前回も書いたが、現在グルジアにおいて、停戦合意後もいろいろな理屈をつけて居座るロシア軍がいる。軍を用いるときのロシア人は、スターリンであれプーチン(メドベージェフ)であれ同じだ。変わっていない。オリンピックのどさくさを突いたロシア軍のグルジア侵攻と居座が、例年より余計にポツダム宣言受諾・停戦後のスターリンによる火事場泥棒的な千島樺太侵攻(最終目的、北海道!)を苦々しく思い起こさせる。さらに、このソ連の対日参戦への道を開いたルーズベルトとスターリンのヤルタ密約を思う。アメリカのブッシュ現大統領は、ヤルタ密約は欺瞞であり無効だと三年前にヨーロッパで語った。本年七月の北海道におけるサミットでは、ホスト国日本の総理がヤルタ密約無効を語る番であり、ブッシュ大統領から三年前の欧州での発言の再確認、「その通り」という一言を北海道においてを引き出すべきであった。そして、ロシアのメドベージュエフ大統領には、スターリンの諸行を如何に評価するか語ってもらおうと仕向ける。その上で、北海道から見える千島と樺太の日本領土返還問題は生々しく存在することをサミット参加国に印象づける機会であった。と、連想するが、現内閣総理大臣を見れば、無い物ねだりであると思わざるをえない。六十三年前の日本政府は、このヤルタ密約の存在も知らずにこともあろうにスターリンのソ連に和平の仲介を打診していた。強盗に警備を依頼するようなものだった。そして、現在の内閣も、拉致犯人に拉致被害者の調査を依頼している。米・中そして北朝鮮にヤルタ密約的申し合わせがあるかも知れないのに。
さて、十七日には、水戸で横田さん夫妻や特定失踪者調査会の荒木氏が出席する拉致被害者救出集会があり、基調講演をさせていただいた。そこで私は、日朝実務者協議について、「現場」と「現場をコントロールする戦略」を区別して観察しないと事態の把握を誤ると語った。現場(実務者協議)において、優秀な外務官僚により如何なる交渉が為されたかだけを聞かされて終わってはならない。この現場をコントロールする意図は何かを考えよう。この部分が現場より遙かに大切だ。「船場吉兆」は教科書のようにこの教訓を教えてくれている。吉兆では、現場(座敷)が、如何に洗練されて豪華でも、他の客が食べ残したものを再び客に出せという指示で動かされていたので廃業に追い込まれた。日朝実務者協議(現場)が如何に前進したかのように細かく報告を受けても、これをコントロールする北朝鮮の意図次第で日本は「船場吉兆」になりかねない。実は、北朝鮮の意図も福田内閣の意図も語られていない。福田内閣に至っては、意図があるのかどうかも分からない。察するに、北朝鮮の意図は、拉致問題のガスを抜いて一兆円以上の巨額の金を日本から得ようとすることである。福田内閣の意図は、このガス抜き(六年前の数名帰国の際のマスコミの熱狂の再現)に乗ることによる内閣支持率上昇なのか。それとも断固とした「全被害者救出」か。後者であれば、全被害者を把握するために「一体被害者は総勢何人か」と執拗な調査を我が国の捜査・情報機関を総動員して日本国内はおろか朝鮮半島や中朝国境地帯で実施しているはずだ。しかし、内閣にその形跡はない。現在は、拉致問題をうやむやに終わらせる戦略を打破するために、日本国民一人一人が戦う覚悟をする被害者の命がかかった重要な局面に来ている。
十九日は、衆議院安全保障委員会による対馬視察に参加した。対馬は、日本の国境防衛の最前線である。政治がこの防衛に関心を持つのは当たり前である。しかし、委員会の公式訪問となると訪問先の部隊は、本音を語りにくいと同情する。対馬においても公式訪問であるから、まず陸上自衛隊対馬警備隊の栄誉礼を受けるのだが、社民・共産の参加委員は栄誉礼は欠席して受けない。しかし、その後の基地内での概要説明には参加して若い隊員が運んでくれる基地内の昼食は当然のように食べて自衛隊差し回しの車には乗る。私などは、部隊を公式訪問して栄誉礼を受けないという非礼を敢えてするなら、そもそも参加しなければよいと思う。もっとも、「自衛隊は憲法違反」の観点からのあら探しの部隊視察と理解すればその非礼も致し方ない。しかし、この観点からの参加者を交えた安全保障委員会の視察は視察にならない。意味があるのは基地内で部隊食をいただくくらいか。とは言え、海洋国家日本における国境の島防衛のモデルとなるべき対馬には、「ヘリや艦艇という移動手段のない陸上自衛隊対馬警備隊」と「船のない海上自衛隊対馬防備隊」と「飛行機のない航空自衛隊基地」がある。このことは視察参加委員全員の印象に残ったであろう。特に、対馬という国境の島において、船のない海上自衛隊基地があるということは、日本は「平和ぼけ」で国家防衛の戦略はありませんと周辺国に先行自白しているようなものである。国益上ゆゆしき状況である。対馬での部隊視察を終えたメンバー構成上「本音を説明できない」視察団は、対馬から長崎の佐世保に移動して夕食そして一泊。翌日二十日つまり今日は海上自衛隊佐世保地方総監部において、機密の固まりであるイージス艦見学という予定。大丈夫か、大丈夫だろう。本当の機密は委員が見ても判らない。まさか写真撮影はさせないと思う。他方私は、対馬で一行と別れて福岡経由で大阪に帰った。
以下、私事になるが、十五日の靖国神社参拝も十七日の水戸での拉致被害者救出集会も十九日の対馬視察も、私は大阪から日帰りでこなしている。その理由は、兄(昭和二十年生まれ)の入院する病院にすぐ行けるところに戻りたいからだ。疎開先の大和二階堂で生まれ、脳性小児麻痺の障害の故に手が不自由なため、足の指に筆をはさんで絵を描く画家として歩んだ兄勇三は、いまこの世での「果たし尽くし」の段階に穏やかな顔をして入っている。水戸に行く十七日の新大阪朝七時十七分発の「のぞみ」のなかで、私は本を読み、富士山の下を通過する時から物思いにふけることになった。富士山に祈り、父と母に祈り、長男の林太郎、また病院にいる兄の勇三のことを思っていた。そして、放心したように座っていると、ふと「幾山河 越え去りゆけば 寂しさの 果てなむ國ぞ・・・」という牧水の歌が思い浮かびノートに書き留めようとした。その時、列車は新横浜駅に着こうとしていた。すると、黒い服のきれいな方が、私の方に身をかがめられ「西村さん、がんばってください、西村さんがおられれば、日本は大丈夫だと思っていますよ」と声をかけて、次の瞬間、列車から降りて行かれた。私は、その方を見て、ありがとうございます、と言った。これが精一杯だった。お名前を聞くこともできなかった。幻のように私を励まし、降りて行かれた。そして、ありがたさが、心にしみて残った。この時いただいたありがたいお励ましに、どうお礼申し上げればいいのだろうか。この場を借りて、私の魂を励ましていただいたことに、心よりお礼申し上げます。ありがとうございます。 (了)
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◎クライン孝子の日記
■2008/08/20 (水) 東欧諸国が再び、大国米ロの餌食になりそう
■2008/08/19 (火) 対馬を守ろう!対馬の危機は日本の国境の危機
グルジア紛争は元はといえば
1.オイル収奪が主因。
2.グルジアは背後に米国が控えているの意を強くし
米国:「露と戦えば勝ち目ない」グルジアに戦闘前自制促す
http://mainichi.jp/select/world/news/20080820k0000e030027000c.html
ロシアのトラの尾を踏んでしまった。
3.結果、米国は点稼ぎをした。チェコとポーランドMD導入ではEUは米国のEU分断策と気を悪くしていたのに、今回の事件で
東欧諸国はかつてのソ連恐怖政治を想起し、
グルジア紛争:東欧諸国、露を警戒 「プラハの春」想起
http://mainichi.jp/select/world/news/20080820k0000e030040000c.html
一挙に米側につく流れが出来たからです。
4.ただロシアもこれで引き下がるヤワではない。
ロシア:ベラルーシと会談 秋に共同MD導入交渉合意へ
http://mainichi.jp/select/world/news/20080820k0000e030011000c.html
となると、再度、東欧弱小国は米ロの餌食になるのではないか、そんな嫌な予感がしてなりません。一方、この紛争勃発でライス北京五輪閉会式欠席となり、6カ国協議は当面、置き去りになった。そこで日本は北がやきもきしているのを尻目に、綿密に対北構想を練ることが可能になった。北をじらしまくり、北外交を有利にするには絶好のチャンス!だからです。日本、がんばれ!
さても、読者氏より<<昨日の以下の記事についての意見です。
*米に乗せられたグルジアの惨敗 :08年8月19日 田中 宇
意見:これはかつてソ連時代に流されていた「何でもCIAのせい」論に似ている。ロシアの思惑が欠落しているのが特徴である。
今イラク、アフガニスタンに手を取られている米国にとって、新しい国際紛争は望ましくない。そこをロシアが狙ったと見るほうが合理的ではないだろうか。ロシアには欧州へのエネルギー独占供給のための、カフカスを通る第二ガスパイプライン切断の戦略的な狙いがある。米国が経済不況を戦争で解決するという左翼定番の戦争論は古すぎる。朝鮮戦争もスターリンが米国の注意を欧州からアジアに向けさせるための謀略戦争だったことが明らかになっている。ソ連は国連安保理事会で意図的に拒否権を行使せずに退場し、国連軍の朝鮮半島出兵を実質誘ったのである。ロシアの戦略はソ連時代から地球規模である。そしてそれは日本も他人事ではない。以上>>
■2008/08/19 (火) 対馬を守ろう!対馬の危機は日本の国境の危機
日本会議地方議員連盟
http://0901plala.blog81.fc2.com/
より
<<対馬視察先遣隊に私も参加したかったのですが、行けませんでした。残念です。それよりも、対馬の市長さんの言葉に事の重大さ、 深刻さを感じます。心が痛いです。次の視察には、是非参加したいと願っています。
NPO法人家族の絆を守る会(FAVS)事務局長 岡本明子
FAVSブログ http://familyvalueofjapan.blog100.fc2.com/
日本会議地方議連が対馬視察 竹島問題波及で市長と意見交換
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20080819/03.shtml
対馬の危機は日本の国境の危機である
http://prideofjapan.blog10.fc2.com/blog-entry-1608.html
有事の際には海上自衛隊のレーダー施設の破壊には数分
しかかからない
http://prideofjapan.blog10.fc2.com/blog-entry-1649.html
【正論】中国軍事専門家・平松茂雄
防衛戦略を領域重視に転換を
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080819/plc0808190358000-n1.htm
そこで山田氏より<<テレ朝の古館さんのニュースで対馬の現状をレポートしておりました。産業が少なく、日本の観光客も少ないので、韓国の観光客に頼らざるを得ない状況のようですが、一方で韓国人に土地を売る日本の不動産(北の息がかかった在日?)屋がいるそうです。
政府は対馬の土地を搾取している輩を、強制撤去すべきで、自衛隊も増強するべきだと考えます。そうしないと、近い将来対馬は乗っ取られるなと感じました。福田首相に進言したところで『なんでそんなことするの?意味ないでしょ?』なんて言われそうですが。。。なんてったって全方向土下座外交!ですから。ところでオリンピックもそろそろ終盤ですね。いつもなら、ほとんどの競技をTV観戦する僕ですが、今回のオリンピックは見ておりません。(家族が見ているので、少しは見ましたが)結果は新聞や朝のニュースで判るので問題ないし、中国寄りの誤審や中国人の偏狭なナショナリズムを見ると頭にくるので、精神衛生的にも見ないほうが良いと考えています。偽装、捏造、欺瞞に満ちた『世紀の愚リンピック』が、早く終わって欲しいものです>>
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日本の進路★0440★080820★産科医師への無罪判決に賛同
★ 表題: 帝王切開死に関して、産科医師に対する無罪判決が、日本の人口維持政策に適う
林 凛明 kxnb@104.net
◇ 福島地裁(鈴木信行裁判長)は2008年8月20日、帝王切開後に、癒着した胎盤を剥がし、2004年12月に29歳の妊婦を出血死させたとして、業務上過失致死罪等(求刑禁固1年罰金10万円)に問われていた、福島県立大野病院(福島県大熊町・いわき市と相馬市の中間・太平洋海岸添い)の加藤克彦産科医師に対して、無罪判決を言い渡しました。
(注) 胎盤の癒着: 胎盤(胎児が入っている袋)は、分娩(ぶんべん)後、通常は子宮壁から自然に剥がれるが、癒着していると剥がれ難い。無理に剥がすと大量出血の危険がある。発生率は極めて少ない(約0.01%)と言われ、事前に正確な診断は困難。
◇ 今回の裁判で争点となったのは、次の二点であります。
1、術前・術中に胎盤癒着の認識はあったか(予見可能性)
2、胎盤癒着ならば、剥がさないで子宮を摘出すべきであったか(結果回避義務)
◇ 判決では、癒着した胎盤の剥離(はくり)を中止して、子宮摘出に移行するか否かは、2004年当時の医学準則ではなかった(技術未確定)としております。
◇ 「言い訳をしないで、ミスを受け止めてほしい」という遺族の心情は理解出来ます。私共は基本的に、「被害者側を重視せよ」と提言しています。しかしながら、故意に殺傷した凶悪犯罪の場合と、今回の医療事件とは、根本的な差異があります。
◇ 医師は、癒着胎盤を剥離した方が、以後子供が産めなくなる子宮摘出よりも良いと、善意をもって判断したのではありませんか。
◇ 産科医師の不足は、日本全体の大問題となっています。特に福島県大熊の如く大都会ではない場合、医師のミスを追及していると、異常分娩の可能性(帝王切開もその一つ)がある場合、産科医師は、手術をしないで見守るだけに、方針を転換する可能性が高いと言わざるを得ません。
◇ 文頭の妊婦の場合、帝王切開手術を当初から放棄した場合、胎児・妊婦共に死亡した可能性が高かったのではありませんか。
◇ 医療事故を、犯罪か否かで区別しようとすればするほど、医師は思いきった手法(手術その他の高度医療)を放置し、末期患者に対するように、「放置医療」へと移行して行きます。
◇ 日本の人口維持政策の一貫として、産科医師への無罪判決に賛同します。医師を萎縮させて、無策(何もしない)に追い込んではなりません。