メイル・マガジン「頂門の一針」8月16日(土) | 日本のお姉さん

メイル・マガジン「頂門の一針」8月16日(土)

ようちゃん、おすすめ記事。↓
中国人名の読みかたの大混乱
━━━━━━━━━━━━━泉 幸男

8月に入って、芥川賞受賞作の『時が滲(にじ)む朝』を読み、映画『天安門、恋人たち』を見、そしてオリンピックをテレビで観戦しているのだが……日本語において中国人名をどう言い表すのか、てんで無原則になっているのが放っておけなくなってきた。

■ 硬派か軟派かで読みを変える? ■
中国人名が、ある時は政治家の「こ・きんとう」「おん・かほう」のように漢字音読みされ、またある時は映画監督の「チャン・イーモウ」(北京五輪開会式を演出した)のように現代北京音ふうにカタカナ読みされる。「硬派」か「軟派」かで、 伝統の漢字音読み採用か、現代北京音読み採用かが決まるのかね。「こ・きんとう」さんと 「チャン・イーモウ」さんが会談したら、報道はどう対処するのかね。胡錦濤(こ・きんとう)さん と 張藝謀(ちょう・げいぼう)さんの会談となるか。(つまり「チャン」さんが「張(ちょう)」さんになる。)それともフー・チンタオさんとチャン・イーモウさんの会談になっちゃうのか。(つまり「胡(こ)」さんが「フー」さんになる。)いまひとつの問題が、現代北京音のカタカナ表記の流儀も人によってまちまちなこと。たとえば「東」という字。ローマ字表記が dong なので「ドン」と書かれるときもある。だが、実際は濁音化しないので「トン」と書いたほうが音は近い。(コラム子なら「トン」と書く。)厄介なことに「トン」と「ドン」が並存している。 「ゲーテ」と「ギョエテ」が並存しているような混沌だ。

■ テレビ画面にずっこけた ■
柔道女子52キロ級で優勝して「ママでも金」を実現した中国人の洗東妹さん。(正しくは「洗」のサンズイ【シ】はニスイ【ン】に。)彼女の出る試合を見ていたら、テレビ画面で名前がカタカナで「セン・トウマイ」と表示されていて、椅子から転げ落ちそうになった。洗東妹さんは、漢字音読みすれば「せん・とうまい」。現代北京音ではXian Dongmei 「シエン・トンメイ」だ。だから、日本のテレビ画面に選手名を書くとすれば
(1)洗東妹、と漢字だけ書く。
(2)洗東妹(せん・とうまい)と漢字音読みをふりがな。 
(3)洗東妹(シエン・トンメイ)と北京音でフリガナ。
(4)シエン・トンメイ、と北京音をカタカナ表記。の4つの選択肢がある。
セン・トウマイ」とカタカナ書きするという選択肢は、あってはならないのだ。「コ・キントウ主席」「オン・カホウ首相」とは書かないように。

■ 細やかな心配りがほしい現代北京音のカタカナ表記 ■
一方、8月11日の日経夕刊の報道では、わざわざ≪洗東妹(シャン・ドンメイ)≫と、いい加減な北京音表記がしてあった。現代北京音をカタカナで添えるサービス精神は結構だが、どうせやるなら、性根(しょうね)を据えて取り組んで欲しい。

shan(「山」など)は「シャン」、
shang(「上」など)も「シャン」。
xiang(「香」など)は「シアン」。

shen(「申」など)は「シェン」(「エ」が小さい)。
xian(「先」など)は「シエン」(「エ」が大きい)。

sheng(「盛」など)は「ション」。
xiong(「雄」など)は「シオン」。

現代北京音をカタカナ表記するなら、最低限このくらいの心遣いがほしい。

■ エセ国際派の「進歩的」? ■
そもそも日本語は漢字を体系的に受け入れ済の言語だ。中国古代の発音に基づいて、日本語なりの漢字音を体系的に定めてある。
そういう言語は、現代北京音に右往左往することなく、定められた漢字音でもって「もう・たくとう」「しゅう・おんらい」「こ・きんとう」流を貫けばよいのである。これは別に「ナショナリズムの発露」なわけではなく、ひとつの独立した言語として当然のあり方なのだ。毛沢東を「マオ・ツォートン」、周恩来を「チョウ・エンライ」、胡錦濤を「フー・チンタオ」と書いたほうが国際的・進歩的だと信じている「エセ国際派」がある。現代中国語のたしなみがないと、こういうエセ国際派を前にして下を向いてしまうことになる。エセ国際派諸氏に借問(しゃもん)するが、香港で広東語のニュース番組に毛沢東、周恩来、胡錦濤の諸氏が登場するとき、どう呼ばれるか。
毛沢東は「モウ・チャクトゥン」
周恩来は「チャウ・ヤンロイ」
胡錦濤は「ウー・カムトウ」。
どんなに「国際的・進歩的」な香港人でも、広東語で話すときに胡錦濤のところだけ北京音で「フー・チンタオ」などということはありえない。それをやったら、悪ふざけになる。胡錦濤さんは、広東語ではあくまで「ウー・カムトウ」さんなのだ。だから、日本語でも「こ・きんとう」さんで、よい。

■ 楊逸(よう・いつ)か Yang Yi(ヤン・イー)か ■
さきの柔道女子52キロ級の金メダリスト「洗東妹」さんだって、広東語の世界では「シン・トゥンムイ」さんになる。北京語の「シエン・トンメイ」とは違う。上海語、台湾語(閔南語)、客家(ハッカ)語でも、それぞれに異なる発音のはずである。 (具体的に調べられなくて、すみません)。だから日本語の世界で、洗東妹さんが「せん・とうまい」さんになるのは、当然かつ自然なことなのだ。彼女のことを日本語で「シエン・トンメイ」さんと呼ぶことこそ、漢字世界の常識を逸脱した行為と言わねばならぬ。と、ここで話は芥川賞受賞作の『時が滲む朝』へと移る。作者の名前は漢字で「楊逸」。「楊(ヤン)逸(イー)」とルビが振られている。彼女のことを広東語ニュースでは「ヨン・ヤッ」さんと呼ぶ。広東語ニュースで「ヤン・イー」さんと紹介されることはない。このことについて、彼女はどう考えるのだろうか。広東語で「ヨン・ヤッ」さんと呼ばれて平気なのなら、日本語の世界で彼女は「楊逸」を「よう・いつ」と読ませるべきだ。逆に、どうしても、広東語の世界でも「ヤン・イー」と呼んでほしいというなら、彼女は漢字を捨てて Yang Yi として生きるしかないのだ。日本語の世界でも、たんに「ヤン・イー」さんとして生きていただくことになる。

■ 人名は現代北京音、地名は伝統の漢字音読み? ■
『時の滲む朝』を読むと、主人公の名は「梁浩遠」で、これに「リャン・ハウ・ユェン」とルビが一度だけ振られている。(コラム子なら「リアン・ハオユワン」とルビを振るが)漢字音読みすれば、梁浩遠は「りょう・こうえん」だ。作中おびただしく出てくるルビなし「浩遠」の2文字を、いかほどの日本人が「ハウ・ユェン」と読むだろう。コラム子が不満なのは、作者が登場人物には現代北京音にもとづくカタカナのルビを振っておきながら、地名にはまったくルビがないことだ。ハウ・ユェン君の家は「東林鎮」にある。(鎮は日本語でいう町)。ハウ・ユェン君の家なら「トンリンちん」になければならない。東林に「トンリン」とルビを振るべきところだ。逆に「東林鎮」を「とうりんちん」と読むのなら、浩遠君の名は「こうえん」でなければならない。ヤン・イーさんないし楊逸(よう・いつ)さんに聞きたいのだが、いったいどっちなんでしょう。

■ 編集者がしっかりせよ ■
浩遠の親友の謝志強は「シェー・ツェー・チャン」と、いい加減なルビが振られている。コラム子が振るなら「シエ・チーチアン」というルビになるが、それはさておき、彼の家は東林鎮に隣接した南福村にある。作中、「南福村」にもルビは振られていない。どう読めばよいのだろう。ツェー・チャン君の家は、とうぜん「ナンフーむら」になければならない。南福村を「なんふくむら」と読めというなら、謝志強くんの名は「しゃ・しきょう」でなければならない。ヤン・イーさんないし楊逸(よう・いつ)さんに聞きたいのだが、いったいどっちなんでしょう。本来、こういうことは、出版社の文藝春秋の編集者がきちんと整理すべきだ。かりに現代北京音を「雰囲気づくり」の道具ていどに考えているとしたら、認識を改めてもらいたい。

■ 上海を「じょうかい」とは読まないが ■
コラム子だって、「上海」「青島」「焼売」「餃子」は「シャンハイ」「チンタオ」「シューマイ」「ギョーザ」と読む。「シューマイ」は広東語音の「シウマイ」のなまり。現代北京音なら「シャオマイ」だ。「ギョーザ」は、国語辞典に「山東省方言の発音から」という珍説を載せたものがあるが、これはどう見ても朝鮮音の「キョージャ」がなまったもの。現代北京音なら「チァオツ」上海、青島、焼売、餃子。これを「じょうかい」「せいとう」「しょうばい」「こうし」と読めというつもりはない。しかし、それはあくまで例外的事例である。日本語は独立した言語で、古代中国音にもとづく漢字音体系をもっているのだから、固有名詞などの漢字を読むときには基本的にそれに拠るべきだ。そういうやせ我慢が、一言語の独立を支えるのである。
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相撲も男子柔道もダメ日本
━━━━━━━━━━━━古澤 襄

相撲の世界で日本人の横綱が出なくなって久しい。それが男子柔道の世界にも及んできた観がある。北京五輪日本選手団主将を務め、五輪柔道史上3人目の2階級制覇を目指した100キロ級の鈴木桂治は1回戦、敗者復活戦とも初戦で無惨にも敗れた。北京共同によれば、鈴木は試合後に「やり残したことはない。もう1度畳に上がっても(相手に)投げられる」と現役引退を示唆という。それにしても男子柔道は北京五輪で惨敗を喫した。夕刊フジは「弱い男子柔道4年後どうなる?伝統を重んじすぎたツケ」と嘆いている。国技が泣いている。それだけ日本人は惰弱にドップリ漬かって、衰退化した証なのかもしれない。
<【北京=久保武司】女ばかりが、なぜ強い-。女子柔道70キロ級の決勝が行われ、上野雅恵(29)がアテネ五輪に続きV2を達成した。
すでに、メダル獲得数で五輪史上最低が決まっている男子とは対照的に、女子は63キロ級・谷本歩実(27)に続き、上野が連夜の金の舞。エルナンデス(キューバ)を朽ち木倒しで一本勝ちにしたシーンは、日本中のイライラを吹き飛ばした。日本のお家芸は、完全に女天下に変わった。谷本に続き、70キロ級でも上野が堂々の金メダル。それに比べて情けないのが男子だ。この日もアテネ銀の90キロ級、泉浩(26)は2回戦でカズシオナクに一本負け。敗者復活戦にも回れず敗退。66キロ級、内柴正人の金でなんとか面目を保っているが、5階級を終えて獲得メダルはその1個だけで、あと2階級を残し、五輪男子柔道史上最低の3個以下が確定した。就任8年目の斉藤仁監督は顔面蒼白(そうはく)。「いつか腹を切らないとな」と辞意を表明しているが、そんなに簡単な問題ではない。男子が弱いのは、訳がある。日本が伝統を重んじた武術としての「柔道」にこだわりすぎているからだ。投げて、抑えて、一本で勝つことを目指す日本に対し、欧州ではすでに柔道とは言わずに「ジャケット・レスリング」という呼称もある。パワーでポイントを稼ぐ「JUDO」に、日本の男子は完全に制圧されている格好だ。国際柔道連盟に加盟しているのは199カ国。日本の競技人口は20万人台だが、フランスは60万人を超えている。柔道連盟の関係者は「ジュニアの育成以前に、柔道をやる子供たちが減っている」と頭を抱える状況だ。重量級で日本が優位を保っているのは「海外の選手で大柄な選手は技のキレがないから、タイトルを辛うじて守っているが、それだって時間の問題かもしれない」と話す関係者もいる。海外では、まだまだ大柄で運動神経豊富な人材は柔道以外の競技を選んでいるから-ということなのだ。対照的に女子は、谷本、上野が「一本にこだわる」柔道で五輪V2を達成し、このところポイント柔道に徹していた谷亮子は銅メダルに終わった。女子柔道のパワー化は、まだ一本柔道が通用する段階とみていいのかもしれない。しかし、谷本、上野も引退を示唆し、次世代も一本にこだわる柔道で世界と戦えるかは未知数だ。北京五輪の終了後には、1ポイントを加算される「効果」が廃止される方向にある。それでも、「JUDO化」の大きな流れが変わることはないだろう。大幅な世代交代が予想される4年後のロンドン五輪で、日本発祥の伝統競技は、「JUDO」に取り残される危機にある。(夕刊フジ)>
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アイデンティティの扼殺
━━━━━━━━━━━Andy Chang

日本人に「貴方は日本人ですか」と聞けば、100%の人がイエスと答える。台湾人に「貴方は台湾人ですか」と聞けば、半分しかイエスと言わない。残りは、中国人、台湾人は中国人、台湾人であり同時に中国人でもある、台湾人の祖先は中国から来た、などと答える。どうしてそうなったのかと言えば、台湾人アイデンティティの扼殺である。国民党の洗脳だけではない、アメリカの洗脳、民進党も民衆騙しの洗脳をした結果、台湾民衆は自分のアイデンティティ、国家のアイデンティティが混乱している。いろいろな矛盾を抱えていながら矛盾を糾そうとしない。矛盾だらけである。

●台湾人の持つ矛盾
台湾人の矛盾をいくつか上げてみよう:[その一]:中華民国はすでに滅亡した、存在しないといえば、殆どの人が同意する。しかし毎日のように馬英九政権が悪い、政府が悪いと攻撃し、存在しない国を守っている。存在しない中華民国を攻撃するのはおかしいし、意識的に中華民国を守っているのは大きな矛盾である。中華民国が存在する限り台湾独立は不可能だが、人民は事実を認める勇気がない。
[その二]:台湾は民主国家であると言うが、その政府は中華民国の政府で独立した国がない。中華民国が存在しないなら、政府も存在しないはずだが、一部の人は国名を正し、新憲法を制定すればよいと主張する。馬英九が当選して以来、この「政府」は急速に中国化し、独裁化しているから、正名制憲など夢のまた夢、自己欺瞞である。

[その三]:民進党は選挙で政権(中華民国の政権?)を奪回出来ると人民に訴えている。しかし中華民国の「小選挙区、2票制度」では政権の奪回は不可能である。住民投票で方案を改正することも不可能である。それでも民進党は政権奪回が出来ると主張して人民を騙している。

[その四]:民進党は中華民国の一政党である。中華民国を打倒して台湾国を創る政党ではない。多くの台湾人は民進党がなければ台湾独立はできないと思っているが、民進党は台湾独立をしない。

8年の民進党政権で何もやらなかったばかりか、改善不能な制度を作って自滅したのである。台湾が独立するには中華民国を打倒し新政権を作ることから始めるべきである。民進党は解散か、改革すべきである

●利権と政党が国を滅ぼす
人民は政治運動が出来ないから政党を作って国民党に対抗する。しかし政党を作るのは中華民国の政党であり、中華民国の精度を維持するという矛盾の陥ることになる。政治家は国益を優先して考えるべきだが、政治家は政党と自己の利権を優先させる。国民党は台湾のために何もせず、中国人のため中国共産党に降参しても台湾人に政権を渡さない。そればかりではなく、台湾人の国民党員も政党の指示に従って台湾を滅亡させる計画に加担している。中国が台湾を併呑すれば台湾人は地獄に追い込まれる。簡単な例がいまの台湾で起きている、馬英九政権による台湾人の大粛清である。政権が発足して3ヶ月だけで、陳水扁を始め多くの台湾人が無実の罪で起訴され、[台湾]の名前を「中華民国」に書き換えた。国民党は台湾を中国に併呑させるため、迅速に中華民国の立法、司法制度の下に台湾人を奴隷化している。このような政府に抗議しても効果はないが、民進党は政党として中華民国を支持しているので抗議とは口先ばかりで実益はない。