▼中国株式バブルの崩壊速度 (新世紀のビッグブラザ▼ブッシュは北京でもヘンだった (田村秀男)
ようちゃん、おすすめ記事。↓
▼愛媛の特定失踪者・大政由美さんのこと (島田洋一)
今日は愛媛大学での集中講義最終日。学生相手の授業に続いて、大学主催の「揺れ動く朝鮮半島情勢」と題した講演会もあり、計6,7時間しゃべった気がする。講演会には、愛媛出身の特定失踪者、大政由美さん(写真)のお母さんや支援者の「救う会愛媛」の方々も来られていた。大政さんは、1991年、韓国慶州に滞在中に忽然と姿を消した。以来、消息不明である。北朝鮮・金正日体制をつぶせば、「やはりこの人も拉致されていたのか」「えっ!この人も拉致被害者だったのか」といった事例がいくらも出てくるはずだ。大政さんがその中に含まれている可能性は十分ある。証拠もないし、拉致かどうか分からない、などと「慎重姿勢」を取る必要はない。つぶして何ら惜しいものでない以上、まずつぶしてから探せばよい。仮に、北にいなかったとなれば、他の可能性に集中して当たれるから、いずれにせよ北の体制をつぶすことは、プラスにこそなれ、マイナスになることはない。
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▼ブッシュは北京でもヘンだった (田村秀男)
ブッシュ米大統領に付き添っているのは中国外相の楊潔篪、米中のバスケットボール試合観賞だが、パパ・ブッシュ、キッシンジャー夫妻、ローラ夫人が同席。そんな写真を北京時間10日午後11時過ぎに新華社がネットで流した。(写真はhttp://big5.xinhuanet.com/gate/big5/news.xinhuanet.com/olympics/2008-08/10/content_9152565.htm
参照)「スポーツ観戦を楽しむため」に、ブッシュ大統領は8日から11日3泊4日も北京に滞在していると称している(実際にビーチバレーの女子選手の練習を見学に行って、戯れているところを随行米メディアに披露している)が、ロシアとグルジアの軍事衝突という欧州を震撼させる事態、人権問題はおろか北京でのアメリカ人殺害という不気味な中国国内情勢にまるで無頓着というのはレームダック化したブッシュ大統領だから、という説明ではつかない。最高司令官である。当初の予定を切り上げて、なぜワシントンに舞い戻ってグルジアの非常事態に対処しないのか、どうしてまだ北京にいるのか、本コラムでも洞爺湖を舞台に観察した「米中蜜月」http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/640617/
の誇示のためか?
筆者は二つの経済権益がからむとみる。ひとつは、ドルで前回の本コラムhttp://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/675071/
で書いた通り。もうひとつは、ファミリー・ビジネスだろう。つまり、引退後のチャイナ・コネクションである。パパブッシュは引退後アラブコネクションを築いた。引退する大統領としては、ファミリーの発展(弟ブッシュ=フロリダ州知事=の政治的野心達成もある)のために当然の選択をしているわけだ。要するに、money talks.日本の角栄に代表される政治家の対中利権なんて、これに比べると些細なものだろう。日米中三角関係の中の米中の現実をよく洞察した上で、日本は米中との関係を再考せねばなるまい。少なくても、対米よりも中国、対中よりも対米関係優先とかいう、平面的な議論では何も生まれない。「米国は狂っている」などと日本嘆くこともなく、悲憤することもなく、毅然として独自の国益を貫く冷たい思考が必要だ。
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▼中国株式バブルの崩壊速度 (新世紀のビッグブラザーへ)
出版社や何人の方からご報告を受けましたが、本日、無事にわたくし著、代表戸締役様監修の「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」の先行販売が開始されました。予定よりも一日(と言うか、半日)早く製本作業が完了したようです。
早くも入手された幸運な方がいらっしゃいますね。お買い上げ誠にありがとうございます。
※「ドル崩壊!」の先行販売店は、以下の書店になります。新たに文星堂様が追加になりました。
・文星堂シンクパークプラザ店(山手線大崎駅西口シンクパークプラザ1F)
・ブックエキスプレス ディラ東京店(東京駅駅中、中央線を降りたところ)
・八重洲ブックセンター本店(東京駅八重洲口近く)
・丸善丸の内本店(東京駅丸の内側、丸ビル内)
・ブックエキスプレス新宿南口店(新宿駅南口駅中)
・山下書店新宿西口店(新宿駅西口、丸の内線入口そばの階段の上)
・東武ブックス池袋北口店(東武東上線池袋駅北口地下1F)
・文教堂人形町店(地下鉄日比谷線人形町駅出口そば)
・有隣堂横浜駅西口店(横浜駅西口ダイヤ地下)
・有隣堂川崎BE店(JR川崎駅出口横のBE内)
本日の主題は、ようやく今年の株価下落率の金メダル中国株式についてです。(ちなみに、銀メダルはベトナムです)
昨日5%を超える激しい下落を見せた中国の上海総合株価指数ですが、本日(12日)も続落、終値は2457.2ポイント(瞬間風速では2440を切る)にまで落ち込んでしまいました。07年10月のピーク時の終値が6030ポイント(瞬間風速ではで6124ポイント)したので、下落率がついに六割に達したことになります。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_10.html#NDFS080812
NYダウも激しく上下している印象がありますが、上海総合株価指数の崩壊に比較すると、殆ど誤差レベルですね。そういう意味で、日経平均が少しだけプラスに顔を出していますが、これも同じく誤差レベルと言っていいでしょう。
『上海株、3日続落
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080812AT3L1204I12082008.html
NQN香港=桶本典子】12日の中国株式市場で上海株式相場は3営業日続落。上海総合指数の終値は前日比12.876ポイント(0.52%)安の2457.198と、連日で2006年12月25日以来の安値となった。前日まで下げた地合いを引き継いだ。前日の米原油先物相場の下落などを好感して指数は小幅に上げに転じる場面もあったが上値は重く、指数はおおむね軟調に推移した。
前日までの2日間で下落率は9.4%に達していただけに、相場の先行き不透明感が強かった。証券株が下落。銀行株は先行きの収益悪化が懸念されているため、さえない動きが目立った。空運大手や北京五輪関連株には持ち高調整の売りが続いた。
現地時間午前10時(日本時間午前11時)に発表された中国の7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.3%上昇だった。上昇率は6月の7.1%から減速したが、「予想の範囲内」との見方が多く、買いは限られた。』
さて、今回の中国株式バブルの崩壊ですが、その特徴は何と言っても崩壊速度の凄まじさです。皆さんは1990年に始まった日本の株式バブル崩壊のイメージが強烈で(何しろ、国内の事だったので)、中国株式バブル崩壊の方が緩やかと思われているかも知れませんが、それはとんでもない間違いです。日本の株式バブルは1989年12月38,915円のピークを迎え、暴落を開始しました。しかし、九ヵ月後の1990年10月1日に瞬間風速で19781.7とピークの半値まで下落したものの、終値では意外と粘り強さを見せまし日経平均の終値がピークから五割下落したのは、崩壊開始から二年以上が経過した1992年3月(終値19,345)、そして六割下落したのは、さらに四ヵ月後の1992年7月(終値15,095)のことでした。つまり、株式バブル崩壊の定義をピークから五割下落、あるいは六割下落と仮定すると、日本の株式バブルは二年半という、意外に長い年月を必要としたわけです。それに対し、上海総合株価指数はピークから終値が五割下落するのに八ヶ月、六割下落するのに十ヶ月しか掛かりませんでした。日本人が二年半掛けて味わった衝撃を、中国人は十ヶ月で喰らったわけです。そのインパクトたるや、恐らく我々の想像を絶するレベルでしょう。その上、中国の現在(07年)の一人当たりGDPは、わずか2460ドルで、バブル崩壊時の日本の十分の一以下なのです。昨日の中国株の大幅な下落は、七月の卸売物価指数が10%増加し、金融緩和への期待が遠のいたためです。が、本日の消費者物価指数の上昇率減速(個人的には、嘘だろ~、と思っていますが)も好材料とはなれませんでした。中国株の重石になっているのは物価や金融引き締め観測だけではありません。中国の今年一月~七月までの貿易黒字が、前年同期比で9.6%減少となりました。中国の07年の貿易黒字は2622億ドル。それに対しGDPは3兆2800億ドルでしたので、貿易黒字対GDP比率は7.9%に達します。06年は6.7%でしたので、「ヤバ中」で予想したとおり、中国は外需依存度を07年に掛けて高めていったわけです。ここで貿易黒字が減少し始めると、どうなるでしょう。通年で10%貿易黒字が減少したと仮定すると(実際には、こんなレベルで済むとは思いませんが)、GDPに対し0.79%の削減効果が働くわけです。中国の経済成長率の鈍化は避けられないでしょう。
などと数字を使って分析してみましたが、中国株式バブル崩壊の最大の原因は、単に中国人がバブルが崩壊したと確信したためのような気が致します。バブルが崩壊するということは、今後、株価の上昇が見込めないわけで、株式保有者が更なる値下がりを恐れて株式を売却する、その行為自体が株価下落を引き起こす、悪循環に入ったのではないでしょうか。日本のバブル崩壊ですら、日本人は明確に株式バブル崩壊を認識し、その認識自体が更なる株価下落を引き起こしました。ましてや中国株式バブルの崩壊速度はそれを上回るわけで、中国人がパニック売りを開始しても不思議でも何でもありません。この状況でも、日経新聞や似非経済評論家(=中国株式投資を煽る人)は中国株式バブルの崩壊を否定し、屁理屈をこねて中国株への投資を叫ぶのでしょうか。現在の中国株価下落がバブル崩壊ではないとすると、90年の日本の株価下落もバブルではないという事を意味しますので、言動には十分に注意されることをお奨めします。
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今日は愛媛大学での集中講義最終日。学生相手の授業に続いて、大学主催の「揺れ動く朝鮮半島情勢」と題した講演会もあり、計6,7時間しゃべった気がする。講演会には、愛媛出身の特定失踪者、大政由美さん(写真)のお母さんや支援者の「救う会愛媛」の方々も来られていた。大政さんは、1991年、韓国慶州に滞在中に忽然と姿を消した。以来、消息不明である。北朝鮮・金正日体制をつぶせば、「やはりこの人も拉致されていたのか」「えっ!この人も拉致被害者だったのか」といった事例がいくらも出てくるはずだ。大政さんがその中に含まれている可能性は十分ある。証拠もないし、拉致かどうか分からない、などと「慎重姿勢」を取る必要はない。つぶして何ら惜しいものでない以上、まずつぶしてから探せばよい。仮に、北にいなかったとなれば、他の可能性に集中して当たれるから、いずれにせよ北の体制をつぶすことは、プラスにこそなれ、マイナスになることはない。
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▼ブッシュは北京でもヘンだった (田村秀男)
ブッシュ米大統領に付き添っているのは中国外相の楊潔篪、米中のバスケットボール試合観賞だが、パパ・ブッシュ、キッシンジャー夫妻、ローラ夫人が同席。そんな写真を北京時間10日午後11時過ぎに新華社がネットで流した。(写真はhttp://
筆者は二つの経済権益がからむとみる。ひとつは、ドルで前回の本コラムhttp://
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▼中国株式バブルの崩壊速度 (新世紀のビッグブラザーへ)
出版社や何人の方からご報告を受けましたが、本日、無事にわたくし著、代表戸締役様監修の「ドル崩壊! 今、世界に何が起こっているのか?」の先行販売が開始されました。予定よりも一日(と言うか、半日)早く製本作業が完了したようです。
早くも入手された幸運な方がいらっしゃいますね。お買い上げ誠にありがとうございます。
※「ドル崩壊!」の先行販売店は、以下の書店になります。新たに文星堂様が追加になりました。
・文星堂シンクパークプラザ店(山手線大崎駅西口シンクパークプラザ1F)
・ブックエキスプレス ディラ東京店(東京駅駅中、中央線を降りたところ)
・八重洲ブックセンター本店(東京駅八重洲口近く)
・丸善丸の内本店(東京駅丸の内側、丸ビル内)
・ブックエキスプレス新宿南口店(新宿駅南口駅中)
・山下書店新宿西口店(新宿駅西口、丸の内線入口そばの階段の上)
・東武ブックス池袋北口店(東武東上線池袋駅北口地下1F)
・文教堂人形町店(地下鉄日比谷線人形町駅出口そば)
・有隣堂横浜駅西口店(横浜駅西口ダイヤ地下)
・有隣堂川崎BE店(JR川崎駅出口横のBE内)
本日の主題は、ようやく今年の株価下落率の金メダル中国株式についてです。(ちなみに、銀メダルはベトナムです)
昨日5%を超える激しい下落を見せた中国の上海総合株価指数ですが、本日(12日)も続落、終値は2457.2ポイント(瞬間風速では2440を切る)にまで落ち込んでしまいました。07年10月のピーク時の終値が6030ポイント(瞬間風速ではで6124ポイント)したので、下落率がついに六割に達したことになります。
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NYダウも激しく上下している印象がありますが、上海総合株価指数の崩壊に比較すると、殆ど誤差レベルですね。そういう意味で、日経平均が少しだけプラスに顔を出していますが、これも同じく誤差レベルと言っていいでしょう。
『上海株、3日続落
http://
NQN香港=桶本典子】12日の中国株式市場で上海株式相場は3営業日続落。上海総合指数の終値は前日比12.876ポイント(0.52%)安の2457.198と、連日で2006年12月25日以来の安値となった。前日まで下げた地合いを引き継いだ。前日の米原油先物相場の下落などを好感して指数は小幅に上げに転じる場面もあったが上値は重く、指数はおおむね軟調に推移した。
前日までの2日間で下落率は9.4%に達していただけに、相場の先行き不透明感が強かった。証券株が下落。銀行株は先行きの収益悪化が懸念されているため、さえない動きが目立った。空運大手や北京五輪関連株には持ち高調整の売りが続いた。
現地時間午前10時(日本時間午前11時)に発表された中国の7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.3%上昇だった。上昇率は6月の7.1%から減速したが、「予想の範囲内」との見方が多く、買いは限られた。』
さて、今回の中国株式バブルの崩壊ですが、その特徴は何と言っても崩壊速度の凄まじさです。皆さんは1990年に始まった日本の株式バブル崩壊のイメージが強烈で(何しろ、国内の事だったので)、中国株式バブル崩壊の方が緩やかと思われているかも知れませんが、それはとんでもない間違いです。日本の株式バブルは1989年12月38,915円のピークを迎え、暴落を開始しました。しかし、九ヵ月後の1990年10月1日に瞬間風速で19781.7とピークの半値まで下落したものの、終値では意外と粘り強さを見せまし日経平均の終値がピークから五割下落したのは、崩壊開始から二年以上が経過した1992年3月(終値19,345)、そして六割下落したのは、さらに四ヵ月後の1992年7月(終値15,095)のことでした。つまり、株式バブル崩壊の定義をピークから五割下落、あるいは六割下落と仮定すると、日本の株式バブルは二年半という、意外に長い年月を必要としたわけです。それに対し、上海総合株価指数はピークから終値が五割下落するのに八ヶ月、六割下落するのに十ヶ月しか掛かりませんでした。日本人が二年半掛けて味わった衝撃を、中国人は十ヶ月で喰らったわけです。そのインパクトたるや、恐らく我々の想像を絶するレベルでしょう。その上、中国の現在(07年)の一人当たりGDPは、わずか2460ドルで、バブル崩壊時の日本の十分の一以下なのです。昨日の中国株の大幅な下落は、七月の卸売物価指数が10%増加し、金融緩和への期待が遠のいたためです。が、本日の消費者物価指数の上昇率減速(個人的には、嘘だろ~、と思っていますが)も好材料とはなれませんでした。中国株の重石になっているのは物価や金融引き締め観測だけではありません。中国の今年一月~七月までの貿易黒字が、前年同期比で9.6%減少となりました。中国の07年の貿易黒字は2622億ドル。それに対しGDPは3兆2800億ドルでしたので、貿易黒字対GDP比率は7.9%に達します。06年は6.7%でしたので、「ヤバ中」で予想したとおり、中国は外需依存度を07年に掛けて高めていったわけです。ここで貿易黒字が減少し始めると、どうなるでしょう。通年で10%貿易黒字が減少したと仮定すると(実際には、こんなレベルで済むとは思いませんが)、GDPに対し0.79%の削減効果が働くわけです。中国の経済成長率の鈍化は避けられないでしょう。
などと数字を使って分析してみましたが、中国株式バブル崩壊の最大の原因は、単に中国人がバブルが崩壊したと確信したためのような気が致します。バブルが崩壊するということは、今後、株価の上昇が見込めないわけで、株式保有者が更なる値下がりを恐れて株式を売却する、その行為自体が株価下落を引き起こす、悪循環に入ったのではないでしょうか。日本のバブル崩壊ですら、日本人は明確に株式バブル崩壊を認識し、その認識自体が更なる株価下落を引き起こしました。ましてや中国株式バブルの崩壊速度はそれを上回るわけで、中国人がパニック売りを開始しても不思議でも何でもありません。この状況でも、日経新聞や似非経済評論家(=中国株式投資を煽る人)は中国株式バブルの崩壊を否定し、屁理屈をこねて中国株への投資を叫ぶのでしょうか。現在の中国株価下落がバブル崩壊ではないとすると、90年の日本の株価下落もバブルではないという事を意味しますので、言動には十分に注意されることをお奨めします。
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