縄文塾通信2 | 日本のお姉さん

縄文塾通信2

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◎温暖化防止は「総力戦」だって? 米島 勉

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29日午後1時からのNHKスタジオパークでは、脳科学者の茂木健一郎氏が出演していましたが、茂木氏は本文に一切関係ありません。茂木氏の名誉のためにはっきりさせておきます。問題とするのは茂木氏のインタビューと茂木氏に対する視聴者からの質問の合間のニュース解説めいた番組の担当者です。解説委員としてはあまり見かけない人物ですが、教育テレビの科学番組などではよく見かけます。眼鏡をかけて小太りで上背がある男性です。問題はその内容です。

主題は地球温暖化、内容はIPCCの予想の中の最悪のケースをなぞっただけ、このまま放置すると30年後には日本の3大都市が水没するとか、熱帯蚊が媒介するデング熱が関東までやってくるとか、あれこれ恐怖を並べ立てていました。それに対してアナウンサーが「今後どうしたらいいのでしょう」と質問すると、「総力戦です。政府、企業、大学、そして国民全員が一丸となって温暖化に取り組まないと取り返しのつかないことになります。」と結論したのです。

国民一丸となっての「総力戦」。これはさきの太平洋戦争の前から敗戦までの間にどれだけ繰り返された言葉でしょう。この解説委員の括弧内の言葉の「温暖化」を「戦争」に置き換えればそのまま太平洋戦争です。戦前戦中を知っている者にとっては悪夢のような言葉、この言葉によって若者は生還率ゼロの特攻に出撃し、国民は「欲しがりません、勝つまでは」、「一億火の玉だ」、「撃ちてし止まむ」を強いられてきたのです。国民精神総動員令の再現です。この忌まわしい言葉がいままた公共放送たるNHKから発せられるとは。一番恐れるのは、「総力戦」では批判が許されないことです。今でさえ、現代に生きる人々がほとんど死に絶える100年後の気候、つまり現代の誰もがその実態を目にすることのない100年後の地球の姿を予測したとするIPCCの報告書に疑義を唱えることさえ非難され、地球温暖化対策に反対する者は非国民とされるような、一部環境族独裁の世の中です。環境予算だけは無制限、青天井なのです。それに群がる環境族が政府、省庁、企業、大学、評論家、そしてNPOなどの間に蠢いています。そのうち政府の地球温暖化対策に反対したら、有無を云わさず逮捕されるかもしれません。

東京都
議会で最近可決された二酸化炭素排出規制条例には罰金刑が含まれています。まさに環境ファッショです。

そこへ公共放送であり、もっとも冷静が求められるべきNHKが、「一億総力戦」だと叫ぶのは危険きわまりないことです。

[追記]このブログの投稿後に次の記事を発見しました。NHK解説委員室ブログというNHKのホームページ上のコーナーで、出演した解説委員本人が投稿しています。この解説委員の氏名は室山 哲也、ブログで次のようにコメントしています。「20080729 () スタジオパーク 「ここまでわかった!温暖化の影響」→(室山)「いずれにしても、国、企業、家庭が手をつないで総力戦を展開する必要がある。再生可能エネルギーや燃料電池などの新技術を開発し、低炭素社会を作らなければならない。しかし一番重要なことは、私たち一人ひとりが、新しい時代を支える「意識改革」をすること。脳をしっかり使って前進していこう。」間違いなく「総力戦」と云っています。
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◎ロボット大国・日本         トラネコ     

現在、世界中で生産される産業用ロボットの7割が日本製だそうだ。実は日本のロボット工学は江戸時代にまで遡るのだ。江戸時代のカラクリ人形がロボットのルーツのようだ。江戸のロボット工学の第一人者が、からくり儀右衛門」こと田中久重であった。田中久重は1799(寛永11)に福岡・久留米のべっこう細工師の家に生また。幼少のころから才知に優れ、とくに工学系の分野に才能を発揮した。彼はからくりの創作のみならず、万年時計や消火器、果ては蒸気船から機関車の雛形製作などさまざまな実用品を発明、開発した。田中久重は日本のエジソンみたいな人物であった。そして彼がのちに東京芝浦製作所、即ち現在の家電メーカー東芝を作ったのだ。

昭和に入り、東洋初のロボットが素人の手によって作られた。学天則という名前のロボットである。学天則は、1928年、昭和天皇即位を記念した大礼記念京都博覧会に大阪毎日新聞が出品した、東洋で初めてのロボットである。制作者は同社の論説顧問だった西村真琴である。西村真琴は
北海道
帝国大学の理学部を卒業し、マリモの研究、保護に尽力した生物学者であった。学天則はゴムチューブによる空気圧変化を動力に、腕を動かしたり、表情を変えたりでき、全体の制御は突起の付いた回転式ドラムによって行われた。

昭和の子供雑誌「幼年倶楽部」に連載されたタンクタンクローは日本初のロボット・ヒーロー漫画である。タンクタンクローは上下前後左右に8個の丸い穴のあいたボウリングのボールのような鉄球状の胴体から、チョンマゲ頭と黒い長靴ばきの足を出した格好の天下の豪傑。胴体の穴から、ピストルや日本刀、飛行機の翼やスクリュー、大砲など何でも突き出す事ができる。日本人の考えるコンパクトにあらゆる機能を纏め上げたコンセプトがこの漫画にすでに萌芽しているのがわかる。これは後のガンダムやトランスフォーマーなどの発想にリンクしていると思う。

戦後は鉄人28号、エイトマン、鉄腕アトムなどのロボット・ヒーローものが続々登場した。なかでもドラえもんは現在でもキャラクターとして人気者であり、万能ポケットから夢を生産する魔法のロボットである。渡部昇一氏によると、日本のロボット産業が世界一に発展した思想的背景は、上記のように日本人が暮らしの中にユーモアのセンスを「動く人形=ロボット」に込めて親しんできた歴史があり、漫画の世界でもロボットは人間の友達であり、人間を守ってくれる守護神だった。ロボットはいつでも人間の仲間として感情移入されて描かれていることが大きいという。つまり日本人はロボットを生きもののペットと同等の価値と家族的親近感で見ていたのだ。

ソニーが開発したロボット犬アイボは学習機能の搭載しており、本物の犬に近い人工知能もあるらしい。現在のロボット工学の研究者の殆どが鉄腕アトムなどの漫画を読んで、いつか自分もあんなロボットを作って見せるぞという、夢を抱いて勉学に励んだという。そしてホンダ技研が開発した世界初の二足歩行ロボットや人間に近い微妙な動きも出来るロボットが開発されている。ロボット産業は日本が断然世界をリードしているのである。これからの未来には見た目は殆ど人間とかわらないターミネーター型のロボットが開発されるのも夢ではないだろう。
ただし、あくまでロボットは人間の味方であり友達であって欲しいものだ。
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