政府軍が反乱地域首都突入で、ロシアがグルジアに 1(今日の覚書)
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▼政府軍が反乱地域首都突入で、ロシアがグルジアに 1(今日の覚書)
金曜日、ロシア軍がグルジアの分離独立地域に突入した。長らく睨み合いが続いた紛争が激しくエスカレートする中、グルジア軍が親ロシア派の地域の首都へと突入した後のことだった。ウラジーミル・プーチン首相は「戦争だ」と宣言。ミハイル・サーカシヴィリ大統領は、ロシアが「練り上げた侵略」を実行していると批判し、グルジア軍予備兵を動かしたと語った。反乱地域南オセチアの首都を、グルジア軍とロシア軍のどちらが制圧したのかについて、金曜日は報道が交錯した。金曜日の夜、首都ツヒンバリで地上戦が行われたかどうかは不明。グルジアは、ロシアが空爆を開始したと批判し、市民数百人が殺害されたと主張した。ロシアはこれを否定。グルジアはアメリカの密接な同盟国であり、西側への接近とNATO加盟努力がロシアを怒らせていた。金曜日、アメリカは停戦を目指した仲介を試みるべく、同地域に特使を送り込むとし、またEU、NATO、ドイツは全て双方に冷静を求めた。コンドリーザ・ライス国務長官は金曜日、厳しい文言の声明を発した。
「我々はロシアに、航空機およびミサイルによるグルジア攻撃停止、グルジアの領土の保全を尊重、そしてグルジア領土から陸上部隊の撤収を求める」とライスは国務省から発表された声明の中で述べた。衝突はコーカサス地域における広範な紛争の懸念を高めた。ここは、カスピ海から世界市場へ向けての石油輸送にとって重要なハブであり、何年にも亘って、ロシア国境に沿って(最も最近ではチェチェン)暴力的紛争が勃発してきた地域なのだ。グルジアはこの領土を奪還するこの絶好のチャンスを捕らえようとするかもしれない、とアナリストは語った(今週は世界の指導者等が2008年北京オリンピックに注目している)。ロシアも注意をアブハジア(親ロシア派閥と親グルジア派閥を和解させろ、との圧力がかけられている)から逸らそうとしているかもしれない、とアナリストは語った。リチャード・ホルブルック元アメリカ国連大使は、ロシアの紛争激化における狙いは明らかだ、と語った。「ロシアには2つ目標がある」と彼は言った。「南オセチアとアブハジアをこっそり併合すること。そして2つ目はロシアにとって物凄い目の上のタンコブである、サーカシヴィリを失脚させることだ」。グルジア当局者は、ロシアの戦闘機が首都のグルジア軍と市民を攻撃し、反乱地域以外のグルジアの都市にある空港4つも攻撃された、と主張した。グルジア内務省職員のShota Utiashviliは、首都ツビリシ郊外のViziany軍事基地、Marneuliの軍事基地、そしてDelisiとKutaisiの空港が攻撃されたと語った。「大変な攻撃を受けている」。ディミートリ・メドヴェージェフ大統領報道官は、ロシア軍の行動についてのコメントを控えた。南オセチアのエデュアルド・ココイティ大統領は、この主張は裏付けがとれないとはいえ、市民数百人が首都での戦闘で殺害されたとインターファクス通信に語った。南オセチアとアブハジアは、ソ連崩壊後の1990年代終盤、グルジアから事実上独立した。この地域はロシアの平和維持軍によって監視された不安定な平和を得たが、サーカシヴィリが大統領に就任し、国家統一を政策の中心とした2004年、グルジアとの対立が急に激化した。以来、南オセチアとグルジアの軍が散発的に衝突しながらも、不安定な停戦状態が結ばれている。今年先には、この分離独立地域への支援を大幅に拡大する、とロシアは発表した。つづく
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▼政府軍が反乱地域首都突入で、ロシアがグルジアに 2(今日の覚書)
今回の、グルジア軍と分離独立地域の戦闘部隊との衝突は、先週始まった。
南オセチアは、グルジア人警察官6人が境界付近で、道端に仕掛けられた爆弾によって殺害された後、グルジアが自分達の領土へ迫撃砲を発射したと批判した。緊張感が高まる中、南オセチアは女性や子どもを地域の外へと逃がし始めた。ホワイトハウスのダナ・ペリノ報道官は、ブッシュ政権はこの危機を解決すべく双方に連絡していると語った。「全ての当事者に自制を強く要請する。戦闘を控え、和解を助けるために直接対話を始めるように」と彼女は言った。アンゲラ・メルケル首相は、「最も素晴らしい分別と自制」を発揮し「直ちに軍事力の行使を停止」するよう、双方に求める声明を出した。分離独立したグルジアの地域、アブハジアを巡る、ロシアとグルジアの緊張緩和を目指す動きにおいては、ドイツが大きな役割を果たしてきた。フランク・ヴァルター・シュタインマイヤー外相は先月、平和提案を携えてグルジア、アブハジア、ロシアを訪れた。グルジアは金曜日の午後、駐モスクワ大使を召還した、とRIA-Novosti通信が伝えた。難民危機は金曜日も悪化したようだった。
救援団体は、殆どが女性と子どもの難民数千人が今、激しい戦闘から逃れようと、ロシアの北コーカサスの街ウラジカフカスに、どんどん国境を越えて来ていると語った。金曜先に、ロシアのテレビ局チャンネル1は、ロシア軍の戦車が南オセチアに進入する映像を流し、戦車と装甲車を伴った大隊2つが首都に近付いていると伝えた。ロシア国防省は、既に現地に駐留する平和維持部隊を護るために増派したと伝えた。
グルジア軍がロシア軍機を撃墜し、グルジア軍戦闘機が同地域へ向けて進むロシア軍戦車コンボイを爆撃した、との未確認の情報が伝えられた。ロシア国営テレビは、ツヒンバリの、砲塔が未だくすぶっている破壊されたグルジア軍戦車、と称するものを放送した。
同放送局は、首都近くの丘の上に煙が立ち上る様子、そして女性や子ども達が明らかに防空壕である金属の壁で出来た小部屋で身を寄せ合っている様子を映し出した。南オセチアに駐留するロシア平和維持部隊は、金曜日にはツヒンバリで仲間が12人殺され、50人が負傷したと語った。ロシアに隣接する北オセチアの女性と電話で話したところ、男達は森へ逃げ込んだが、ツヒンバリの女性や子どもは地下に隠れている、と彼女は言った。また彼女は、現地にいる自分の親戚と電話で話したと語った。名前を名乗るのは控えた。一部の市民は北へ逃げて、ロシアの北オセチアに逃げ込んだ。ウラジカフカスのFirst Municipal Clinical Hospital(病院)の看護婦は、南オセチアの戦闘で負傷した人、約12人が同市にある病院で治療を受けていると語った。南オセチア郊外の都市で、ツヒンバリから約20kmの所にあるゴリでは、住民が分離独立地域との国境付近では、散発的な爆撃が一日中起こっていたと語った。ゴリ中心部では金曜夜から何度も爆撃の震動が感じられた、と住民は語った。ロシア軍の爆弾の一つはゴリの繊維工場と携帯電話の電波塔の近くに落ち、直径4mのクレーターを空けたと彼らは言った。
国連では金曜日、文言の妥協合意の努力が金曜日午前2時半頃、3時間近く議論した末に破綻した後も、外交官等が大統領声明の文章を巡って口論を続けていた。緊急会議を要請したロシア側は、激化する暴力に関する懸念を表明し、グルジアと南オセチアを名指しして、戦闘行為を停止し交渉を再開しなければならないとする、短い、3段落からなる声明を提案した。しかし特に或るフレーズ、全ての当事者に「武力の行使を控える」ことを求めるフレーズは、アメリカ、フランス、イギリスから反対された。
3カ国は、これではグルジアが自己弁護する能力を損なわれるので、この声明はバランスを欠いている、と主張したと或るヨーロッパの外交官は言った。今月は、安全保障理事会議長国であるベルギーは、即時戦闘停止を求め、「全当事者」に交渉復帰を求める、新しい文言による見直し案を配布した。グルジアと南オセチアを名指しすることを止めることで、妥協版はロシアも含めることとなった。安保理は金曜日午後3時に協議の為会議を開催する予定だが、妥協案で合意に到ることが出来るかどうかわからない、と外交官等は語った、早朝の議論中の声明の中で中国は、オリンピック開会への尊敬による、伝統的な停戦を求めた。国防総省と同地域での活動を担当する米軍欧州司令本部では、金曜日に戦闘が始まる中、高官等がグルジアの状況の監視をし続けた。グルジアにはアメリカ市民が2,000人以上いる、と国防総省は伝えた。
同国には、彼らの中には130人の指導官がおり(殆どは米軍の軍人だが、国防総省の文民も30人程度いる)、グルジア軍のイラク派遣準備を支援している。国防総省および軍の当局者によれば、アメリカ軍は戦闘勃発に関しては一切何もしていないとのこと。グルジア当局とは幾分連絡はとっているものの、国防総省は一切支援要請を受けていない、と当局者等は語った。
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