ロシアとグルジアの戦争は、ナゴルノ・カラバフ戦争に飛び火するか?(じじ放談)
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▼ロシアとグルジアの戦争は、ナゴルノ・カラバフ戦争に飛び火するか?(じじ放談)
北京五輪の開会式に合わせた訳でもあるまいが、グルジア軍は7日夜から8日未明にかけて「同日からグルジアからの分離独立を主張する」南オセチア自治州の州都ツシンバリへの攻撃を開始した。同州に平和維持部隊を駐留させ独立派勢力の後ろ盾となっているロシアは、国連安保理の緊急会合の招集を要請した。ブッシュ米大統領は9日北京で全戦争当事者に対し、「即時戦争停止」を要請、「グルジアの領土的一体性を支持する」と表明し、南オセチアが求めるグルジアからの分離独立を容認しない姿勢を強調した。タス通信によると、ロシア大統領は8日、グルジアの南オセチア侵攻に対して「政治的・軍事的介入によって事態の収拾を図る」ロシア政府の立場を強調。グルジア軍が侵攻地域から撤退した上で、双方が武力不行使の法的処置を締結すべきだ」との考えを示した。(以上、AFP通信の情報を9日付け読売新聞ウエブサイトが転載した記事の抜粋)
8月9日付け日本経済新聞は「南オセチア:ロシア、本格介入の構え。グルジア大統領・兵力を総動員」と題する以下の記事を掲載した。(抜粋)
1.ロシアのメドベージェフ大統領はテレビを通じ「ロシアは自国民を守る」と述べた。ロシアは南オセチア住民にロシア国籍を与えており「自国民保護」の大義名分で介入を強める構えだ。
2、ロシアは今年2月に欧米の後押しでコソボがセルビアから独立したことに対抗し、親欧米のグルジアの分離独立派への支援を強化した。グルジアがNATO加盟の動きを強めたことも刺激した。
3.ロシアの政権筋は「グルジア内の紛争状態を続けることがロシアの国益」と指摘。この数か月間に分離派自治州への経済支援強化と同時に、グルジア政府軍偵察機の撃墜や同国への領空侵犯などを繰り返していた。
4.グルジア政府側は、分離派勢力が攻撃の停止と外交交渉の呼びかけを無視して銃砲撃を継続したため軍事作戦に踏み切ったと説明している。衝突が激化すれば紛争解決に欧米が乗り出すとの読みもあったとみられる。
5.グルジア周辺のアゼルバイジャンやアルメニアも民族対立問題を抱えている。衝突は周辺にも波及する可能性がある。
疑問その1(なぜ、グルジア軍はロシア軍との戦争に踏み出したのか?)
人口約450万人の小国であるグルジアが、世界有数の軍事大国であるロシアに戦争を仕掛けるのは「自殺行為ではないか?」と疑われても仕方がない。もちろん、グルジアのサーカシビリ大統領だって、その程度の理解はしているはずだ。にもかかわらず、グルジアがロシア軍に戦争を仕掛けたのはなぜか?が問われなければならぬ。直接的な動機は「グルジアからの分離独立を主張する南オセチア自治州をロシアが全面支援し、軍を駐留させている」ことに対する怒りであろう。「分離独立は絶対に認めない」という意思表示といってよい。ロシアが分離独立を強行するならば「戦争も辞さず」という意思を態度で示したのであろう。他方、グルジアはウクライナ、モルドバ、アゼルバイジャンと共に1997年10月「民主主義・経済発展のための機構(GUAM)を創設した。経済だけでなく安全保障の分野でもNATO加盟を希望している。我が国も安倍内閣時代「自由と繁栄の弧づくり」の一環として、GUAM+日本の会議を行ったことがある。旧ソビエト連邦崩壊直後、同連邦内共和国15か国の引き抜き合戦があった。バルト三国はいち早く欧米側に吸収された。バルト三国を除く12か国がロシアを盟主とする独立国家共同体(CIS)を結成した。以後、著名な投機家であるソロスが裏で糸を引いていたといわれるウクライナのオレンジ革命、キルギスのチューリップ革命、そしてグルジアのバラ革命と称する「反独裁の民主主義政権」が樹立された。
2006年、カスピ海沿岸のアゼルバイジャンのバクー油田からグルジアのトリビシを経由してトルコの地中海沿岸のジェイハン港までの石油パイプが開通した。輸送能力は日量100万バーレルで、日米欧企業が出資している。さらに、バクー油田からグルジア、さらに黒海を経由してウクライナ、ポーランドに至る石油・天然ガスパイプラインの建設計画がある。いずれも、ロシア領内を通過しない。ロシアに原油・天然ガスの大半を依存しているヨーロッパのリスク分散であろう。ロシア側から見ると、アゼルバイジャン→グルジア→トルコ・ウクライナ・ポーランドへの原油・天然ガスパイプラインは「ロシアの独占的権益を脅かす」ものであろう。さらに、カスピ海沿岸のカザフスタンやウズべキスタンからの輸送回廊が形成された場合ロシアは致命的打撃を受ける。ワルシャワ条約機構の一員であった東欧諸国はおおむねNATOに加盟した。ロシアから見ると「下着まで脱がされパンツ一枚になった」という気分であろう。ウクライナとグルジアがNATOに加盟したならばロシアは丸裸にされる。ロシア国境までNATO軍が押し寄せる。という訳で、ロシアにとって「最後の一線」がウクライナやグルジアなのだ。いかなる手段を使っても、グルジアとウクライナのNATO加盟は阻止すると考えているに違いない。
米国もイラク・アフガンやイラン問題で手一杯である。米国にとって常任理事国であるロシアの協力を得たい場合もある。ロシアとの決定的な対立は回避したいという気持ちもある。ヨーロッパ連合(EU)の中核的な国家である独仏も「ロシアとの決定的対決を避けたい」と考えている。特にドイツはロシアの原油・天然ガスへの依存度が高い。という訳で、欧米列強とロシアの勢力圏争奪戦は「是々非々」の駆け引きがなされている。ウクライナとグルジアが「NATOに加盟させてよ」と主張しても順調に進まない。グルジアの南オセチア自治州を支配しているロシアが「分離独立させる」と主張しても、欧米列強は「口先介入するだけ」で、有効な手立てを繰り出さない。中国や北朝鮮の人権問題については「口先介入」しながら、有効適切な対策を打ち出さず「米中の戦略的提携」や「北朝鮮のテロ国家指定解除」に踏み出すのと同じ構図だ。グルジアが「対ロシア戦争」に踏み出し、「イラクからグルジア軍1000人を撤退させ、紛争地域に投入する」と宣伝するのも、米国にアッピールしているといえる。「グルジアがロシアに殲滅され、併合されてもよいのか」と訴えているのだ。
疑問その2(ロシアはなぜ「戦闘停止」を主張するのか?)
ロシアにとって、弱小軍隊であるグルジア軍が「南オセチア自治州に侵攻してくれた」ことは「願ってもない好機」ではなかろうか。「飛んで火に入る夏の虫」ともいう。ロシア軍は「自国民保護」という名目で大軍を南オセチア自治州に移動させ、グルジア軍を迎え撃っているだけではない。黒海ではタンカーを爆撃、首都近郊ほかの軍事基地を爆撃している。「グルジア軍が南オセチアに侵攻したからやむを得ず、ロシア軍を出撃させた。グルジア軍が撤退すれば、休戦協定の話し合いができる」という謙虚な姿勢を見せている。もちろん、本音ではない。「この機会に、グルジア軍を壊滅させ、親欧米大統領を放逐したい」と考えていても不思議ではない。南オセチア自治州はロシアの管理下にあるとはいえグルジア領土である。グルジア軍の管轄すべき国土である。ロシアとの戦争に敗れたとしても「南オセチア自治州から撤退し、二度とグルジア軍を侵攻させない」という協定を結ぶことはできない。主権を放棄したことになる。という訳で、グルジアとロシアの戦争が早期終結する可能性は低い。主導権はロシアにあるから「殴ったり、休んだり」を繰り返すのではないか。グルジアの戦争が長引くならば、親欧米派のアゼルバイジャンと親ロシアのアルメニアの戦争に飛び火する危険がある。
疑問その3(アゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ戦争が再発するか?)
アゼルバイジャンにおいて、少数民族アルメニア人は「ナゴルノ・カラバフ戦争(1991-1994)を戦い、特定地域を支配し事実上の「独立宣言」をしているという。アゼルバイジャンはバクー油田を抱えているから「魅力的な地域」である。欧米とロシアが虎視眈眈と狙っていることは間違いない。カスピ海沿岸の原油・天然ガスの埋蔵量は中東湾岸に匹敵するという。欧米、ロシア、中国が狙っている。いずれトルコやイランも「権益確保」に乗り出すかもしれぬ。外部勢力の影響が国内政治を不安定にする。外部勢力の支援を受けた各勢力が争闘する。大国であるロシア、トルコ、イランに包囲されたカスピ海と黒海に挟まれた地域は風光明媚にして温暖、旧ソビエト連邦共和国時代は有名な行楽地であったという。ロシアが「カフカス山脈を越えて」という夢の実現を狙っていても不思議ではない。
疑問その4(グルジアの未来は?)
新帝国主義時代。弱小国家は列強の勢力圏争奪戦の対象となるか、取引材料とされる。グルジアも例外ではない。グルジアがロシアに併合されるか、又は欧米の仲間入りすればそれなりに安定するかもしれぬ。だが、中途半端な状態が続けば、グルジアの紛争は続く。米国はイラクとアフガンで手一杯である。ヨーロッパもアフガン派遣軍を増派する余裕が乏しい。欧米列強は「これ以上、紛争地が増える」ことを歓迎しない。グルジアを空爆するロシア軍を非難し「早期撤退を促す」口先介入だけであろう。
(欧米列強はグルジアを救えるか?)
グルジアの未来は、西欧列強とロシアの力関係を映す鏡である。NATOの東方への拡大がさらに進むか、それとも西方に後退するかの試金石でもある。欧米列強が「グルジアを見殺す」ならば、ウクライナほか「親欧米国家」がロシア志向を強めるかもしれぬ。プーチンが北京五輪に招待されブッシュと会談した。米国も「ロシア皇帝はプーチン」とみなしている証拠だ。結局のところ、「任期満了まじか」で、「イラク・アフガンで手一杯」のブッシュと、原油急落で「予定が狂った」プーチンが、どのような取引をするのかにグルジアの運命がかかっている。我が国の戦後が、米英ソのヤルタ会談の談合で決定した如く、弱小国は常に大国の「取引材料」でしかない。残念ではあるが、これが歴史的事実である。
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▼崩壊する?中国市場から逃げ出す中国共産党幹部達(オルタナティブ通信)
中国共産党幹部達が、金融恐慌の恐れのある中国市場を嫌い、香港金融市場と関係の深いバミューダの金融機関に、「不正蓄財した隠し資産」を逃がし始めている。中国共産党指導部が、自分達で作り出した金融市場から逃げ出し始めている。中国共産党幹部達は、実際には建設する気が毛頭無いビル建設計画等をデッチアゲ、その計画に共産党幹部自身が国営銀行に圧力を加え、資金融資させ、ビル建設を行わず、そのまま自分の預金通帳に資金を預金する、という不正蓄財を行って来た。この不正融資が、中国の大手銀行群の不良債権を巨大化させ、中国の金融市場崩壊の火薬庫になっている。中国共産党幹部だけはバミューダに逃げ出し、「不正蓄財は維持される」が、市場崩壊で、中国株に投資し、中国ファンドに投資した世界中の一般投資家の「健全な資産」が、被害に会う結果になる。これがロスチャイルドの手足である、中国共産党=中国マフィアの「やり方」である。
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