◆北東アジアウォッチ   2008年8月8日発行 □■ ロシア極東情報 ■□ | 日本のお姉さん

◆北東アジアウォッチ   2008年8月8日発行 □■ ロシア極東情報 ■□

ようちゃん、おすすめ記事。↓□■ ロシア極東情報 ■□
 ▼ ガスプロムとロスネフチが極東地域へのガス供給で連携 ▼
ガスプロムとロスネフチは、極東地域へのガス供給での連携に関する協定に調印した。ガスプロムの公式発表によると、ロスネフチは自己の所有する管理会社ダリトランスガスの株式(25%+1株)をガスプロムに売却する意向だ。ダリトランスガスは2006年10月に操業開始した<コムソモリスク・ナ・アムーレ~ハバロフスク>間ガスパイプライン(520キロ)を経営している。すでに1年前、ガスプロムはリーダー社経由でダリトランスガスの株式の47.59%を104億ルーブルでハバロフスク地方政府から購入している。
ダリトランスガスは<コムソモリスク・ナ・アムーレ~ハバロフスク>間ガスパイプラインを建設するために2000年に設立された。当初より支配株はロスネフチが所有していた。2003年、ロスネフチは同プロジェクトの採算性が取れないと判断し、株式の47.59%をハバロフスク地方政府に売却、手元には25%+1株を残した。現在、ダリトランスガス株の47.59%はKITファイナンス社が、27.39%を連邦資産管理庁が管理している。
今回の協定には、将来にできる<サハリン~ハバロフスク~ウラジオストク>間ガスパイプラインへのアクセス権をガスプロムがロスネフチに保証することも盛り込まれている。このパイプラインシステムの建設はガススプロムの「東方ガスプログラム」に含まれており、来年にも着工する予定だ。同プログラムは、2012年のAPECサミットも視野に入れ、ウラジオストクへのガス供給と、沿海地方への発電プラントの導入を予定している。第1段階では、ウラジオストクまでパイプラインを敷設し、ハバロフスクで既存のパイプラインと連結することが計画されている。ガスパイプラインの操業開始と沿海地方へのガス供給は、2011年に始まる。このプロジェクトの発注者は2007年に設立されたガスプロム・インベスト・ボストーク社(ガスプロムの子会社)だ。このガスパイプライン・システムのウィークポイントは、ロスネフチの所有する<オハ~コムソモリスク・ナ・アムーレ>区間だ。この区間が年間45億立法メートルのガスを通せるかどうかを判断するため、両社の担当者は近く、意見交換を行う予定だ。年間45億立方メートルは<コムソモリスク・ナ・アムーレ~ハバロフスク>区間の輸送能力だ。
ガスプロムの発表によると、沿海地方のガス化には主に、サハリン1とサハリン2で産出される資源が使われる。ガスプロムとロスネフチは両プロジェクトのオペレータExxon Neftegas LimitedおよびSakhalin Energyと、沿海地方向けに15~20億立方メートルのガスを契約価格でガスプロムが購入する件について、協議する方針だ。Exxon Neftegas Limitedについては、これら協議の枠内で、極東地域へのガス供給の目的でサハリン1第2フェーズの資源をロスネフチが購入する問題も検討するよう、提案されるだろう。(ハバロフスク版コメルサント・デイリー7月24日)

 ▼ ハバロフスクの大手石油販売業者が談合か ▼
連邦反独占局ハバロフスク地方支部のエレナ・グリノビッチ副支部長は7月23日、ハバロフスクネフテプロドゥクト(アリヤンス・グループ傘下)とRNボストクネフテプロドゥクト(ロスネフチ傘下)が、連邦法「競争保護について」の条項(競争を制限する協定、事業主体の統制された活動の禁止)に違反すると判断されたことを発表した。反独占局は、「2007年5月から2008年4月までの1年間、ハバロフスク市およびハバロフスキー地区内での自動車用ガソリンとディーゼル油の小売価格設定の際、両社が自己の活動を統制した」という結論に達した。審査の結果、「石油製品小売市場における統制活動の中断」を両社に義務付ける警告措置がとられた。さらに、連邦反独占局ハバロフスク地方支部は、行政法違反法に則した罰金を両社に課すことも検討している。
グリノビッチ副支部長の説明によると、連邦反独占局ハバロフスク地方支部は2006年より石油製品の国利価格のモニタリングを実施しているが、2006年は例外と判断された。当時はロシア連邦政府が価格の維持について石油会社と合意することができたからだ。そこで石油販売業者の価格政策の分析は、2007年5月から2008年4月1日までの1年間の企業の活動を対象としている。この間、ハバロフスクネフテプロドゥクトとRNボストクネフテプロドゥクトは自動車用ガソリンの値上げを5回行った。このうち4回が3日おきに行われ、11日という時間的間隔が置かれたのは1度だけ。しかも、石油製品の種類に応じて値上げ幅は0.49~0.59ルーブルが維持されていた。これが、独占取締機関が価格談合の判断を下す主な論拠となった。
ハバロフスクネフテプロドゥクトとハバロフスク製油所はアリヤンス・グループに、RNボストクネフテプロドゥクトとコムソモリスク・ナ・アムーレ製油所はロスネフチに属している。ハバロフスクの自動車用ガソリン販売市場における両社のシェアの合計は約70%、ディーゼル油では約60%。ちなみに、ハバロフスクネフテプロドゥクトのほうが、シェアが大きい。連邦反独占局ハバロフスク地方支部によれば、石油製品小売市場の二つの巨大プレーヤーが消費者に及ぼした損害の算定は、今のところ不可能だ。しかし、グリノビッチ副支部長によれば、談合がなければ価格変動は緩やかで、これほど急激ではなかっただろうとしている。
(ハバロフスク版コメルサント・デイリー7月24日)
□■ 中国東北情報 ■□
 ▼ 吉林利源電力工業パーク着工 ▼
6月30日、吉林利源電力工業パークプロジェクトの定礎式が長春二道工業企業集中区で行われた。プロジェクトの第一期工事は今年末に完成し、生産開始する予定。吉林利源電力工業パークの総面積は26.6万平方メートル、建築面積は2万平方メートル、投資総額8億元。第一期工事の総面積は17万平方メートル、築面積は10万平方メートルとなっている。電力工業パークが誘致したコンクリートパイプ生産企業3社は高い科学技術力を有している。当プロジェクトが完成すると、年間生産高は10億元、年間利潤・税金が年間2.5億元となる見通し、同時に1,000余りの就職機会が増やされる。(吉林日報7月2日)

 ▼ 長春~琿春の高速道路工事の琿春部分の建設が順調 ▼
琿春市交通局によると、長琿(長春~琿春)高速道路琿春区間の土石工事や防護工事に3,947.25万元、橋や排水管の敷設などに3,521.41万元、トンネル工事に5,941.22万元が投資された。長琿高速道路琿春区間では、これまで路床づくりに土石75.18万立方メートルが埋め立てられ、基礎工事全体の36%が完成した。掘りだされた土石の量は59.58万立方メートルで、この工事総量の79%にあたる。排水路は計37カ所、工事全体の94.87%が完成した。工事用コンクリート板1,332枚(同100%)、小型橋の基礎部分12カ所(同100%)などが完成した。また、トンネル工事も進んでいる。(図門江報7月8日)

 ▼ 内蒙古エジナ(額済納)旗で大型タングステン鉱発見 ▼
内蒙古アルシャ(阿拉善)盟エジナ旗マゾン山で大型タングステン鉱が発見された。これまで内モンゴルでは大型タングステン鉱がないと考えられていた。マゾン山村の北地域にある国慶地区は、中国地質部門が2003年に定めた鉱床有望地域の一つである。2006年から、西安の地質鉱産調査員らによる1年の調査をへて、北地域に中型のタングステン鉱が発見された。今年から、この調査チームが南地域を調査し、そこで最大20層、最大厚6メートル、金属埋蔵量5万トン以上の大型ウォルフラム鉱床が発見された。専門家によると、これは内モンゴル自治区で発見された最大のタングステン鉱である。タングステンは融点が最も高い金属で、主に硬合金とタングステン化学製品などに使用され、宇宙航空産業には欠かせない金属である。(内蒙古日報7月13日)

 □■ モンゴル情報 ■□
 ▼ 韓国の医療チームが低所得者を無料で診察 ▼
近年、治療や診察のために、数百万トゥグルグかけて出国するモンゴル人の数が急激に増加したいっぽう、低所得者にはこのようなチャンスはない。最近、NGO「JTIモンゴル」が韓国の国際組織JTIと共同で、ウランバートル市バヤンゴル地区第11ホロー(区)で無償の検診・診察を行うため、高度技術を持つ韓国人医師チームを招請した。医療チームは現在、心臓・循環器系と内臓疾患、婦人科系疾患の検診・診察を行っている。1日に100~150人が診察に訪れている。このホローでは約1万3,000人がゲルに住み、彼らの大部分は収入が平均最低生活費を下回っている。これら2団体の若手メンバーが組織するこの慈善活動は8月24日に再開され、そのときは今の3倍の規模の韓国人医師チームがやってくる。(MONTSAME 7月29日)

 ▼ ロシア以外に中国からも燃料を輸入 ▼
中国からの燃料輸入によって、モンゴルの特定国家の石油製品への依存度が、近いうちに下がるだろう。ズーニー・シューダン紙の報道によると、7月27日、鉱物資源石油管理庁関係者が主導する作業部会が、この問題に関する協定を締結するために北京に出発した。先月、同庁のアマルサイハン副長官を団長とする作業部会が北京で作業し、協定の条件について合意した。アマルサイハン副長官によれば、モンゴル側は中国石油天然気集団公司との協力について合意した。
「ハイオク燃料(AI93)の供給について予備的合意が達成された。中国からは毎月1万トンの燃料が供給され、これはモンゴルの月間消費料の20%に相当する。我々は、中国から入る燃料を、例えばロシアから輸入されるAI92ガソリンに近い値段で販売するよう、輸入業者に推奨している」とアマルサイハン副長官は語った。作業部会は、国内の輸入業者とも供給条件について合意した。(MONTSAME 8月1日)

 □■ 対岸ビジネス情報 ■□
 ▼ コマツのロシア工場起工 10年6月、生産開始 ▼
コマツは21日、モスクワの北東約280キロにあるヤロスラブリ市で、外国企業ではロシア初となる建設機械製造工場の起工式を行った。2010年6月から中型油圧ショベルなどを製造するが、出席した野路国夫社長は、将来的にダンプトラックや大型建設機械の製造も行いたい考えを示した。約50ヘクタールの敷地に建設する新工場は約2,000平方メートル。従業員は約500人を予定し11年度にフル稼働態勢とする。コマツはロシア市場に対し、シベリア鉄道などを活用して輸出を行ってきたが、経済成長で需要が拡大したことなどから、現地生産への転換を決断。シベリア鉄道沿線で、機械製造、石油化学などの工場が集積、労働力確保に利点があるヤロスラブリへの立地を決めた。(北陸中日新聞7月22日付より)

 ▼ 医薬パーク進出を 遼寧省代表団来社 ▼
県と友好県省を結ぶ中国・遼寧省の代表団(団長・滕衛平副省長)が23日、北日本新聞社を訪れ、省都・瀋陽市の約60キロ南にある本渓市で整備を進める中国の新たなバイオ・医薬分野の産業拠点「生物医薬産業パーク」の優れた立地環境をアピールした。滕副省長は「優れた医薬品製造技術を持つ富山県の企業が進出すれば双方に実りの多い経済交流になる」とし、工場用地の無償提供など幅広い優遇措置の準備があることを説明した。同パークは総面積23.6平方キロを計画し、企業の製造工場や研究部門の誘致だけでなく、和漢薬の原料栽培なども行い、原料の供給から研究、製造まで一体的に行う医薬産業基地を目指している。(北日本新聞7月24日付より)

 ▼ ローロー船第一便入港 浜田港、中古車など輸出 ▼
ロシアのウラジオストク港と浜田港を結ぶ貨物専用のRORO船(ローロー船)第一便が25日、浜田港に入港した。新航路はロシアの大手船会社「フェスコ」が運航。第一便の「FESCO Nicolay」(9,489トン、全長152.7メートル)が午前8時すぎ浜田港に接岸した。同船は、船首部分が開閉し、車を自走させて船内に搬入できる。船内に車が最大で約600台収容でき、輸送能力が大きく向上する。車だけでなくコンテナが積載でき、貨物の大量輸送も可能になる。ローロー船は当面、月2回ペースで入港する予定。将来的には週一便の定期化を目指す。第一便には、中古車約350台のほか、農産物、子ども用品、石州瓦、自動車部品が積まれ、26日、出港する。(山陰中央新報7月26日付より)

 ▼ ソウル市でCM 富山市観光PR ▼
富山市は25日から韓国ソウル市のケーブルテレビで観光PR用のCMの放映を始めた。約1カ月間、富山ライトレールや越中おわらなどの映像を流して富山の魅力をアピールし、観光客の増加につなげたい考えだ。
CMは30秒間で、ソウル市江南区の約19万5千世帯が加入しているケーブルテレビで放映。観光名所や温泉、ゴルフ場などの映像に合わせ「仁川(国際空港)からたった2時間」などとのナレーションが入る。約1カ月間に500回程度流す予定。12月からは冬用の内容に切り替え、再び約1カ月間放映する。費用は夏、冬合わせて200万円。(北日本新聞7月26日付より)

 ▼ ほくほくFG 大連で単独商談会 ▼
北陸銀行と北海道銀行の持ち株会社、ほくほくファイナンシャルグルプ(FG)は29日、中国・大連市で商談会を開いた。日中双方から約150人が来場し、65件の商談が交わされた。同FGが海外で商談会を単独で開くのは初めて。会場には同FGの取引先9社がブースを設置。うち8社が(富山)県内企業だった。中国側から、大連市国際貿易促進委員会の紹介で約50社が参加。事前に双方のニーズを調査していたため、最初から価格交渉というケースもあり、会場は熱気に包まれた。(北日本新聞7月30日付より)

 ▼ 日本海航路協力で覚書 延辺自治州、新潟県庁を訪問 ▼
中国・吉林省の延辺朝鮮族自治州の代表団が30日、県庁を訪れ、日本海横断航路の早期就航に向けての協力と、企業誘致や観光交流を進めることなどを確認する覚書を交わした。代表団は同自治州の図們江地域への企業誘致を呼び掛けるために来日。東京で説明会を開いた後、来県した。覚書は代表団と県幹部が締結したもので、(1)横断航路の開設に向けた協力(2)両地域間の企業進出の支援(3)観光やエネルギーなどの協力関係の具体化に向けた協議-を盛り込んだ。同自治州委員会のトウ凱・党書記は「図們江地区の経済開発では、新潟との連携が欠かせない。経済だけでなく、観光交流なども積極的に進めましょう」と呼び掛けた。(新潟日報7月31日付より) *トウ=登+おおざと

 ▼ ロシア企業と商談 青森県内3社、ハバロフスク訪問 ▼
県の極東ロシア経済交流団の一行が、7月27~30日の日程でロシア・ハバロフスクを訪問し、ハバロフスク市内のホテルで29日、県内企業と現地企業との商談会を開いた。
商談会は昨年に続く2回目の開催で、本県からはリンゴ販売業「キタエアップル」(弘前市)、貿易商社「ファーストインターナショナル」(八戸市)、中古建設機器販売「日商」(十和田市)の3社が参加。各社とも現地のスーパーや卸売業者、輸入業者など4社と商談を交わし、契約へ向けて感触を探りあった。また、商談会前日の28日には、交流団長の九戸眞樹県商工労働部長らの一行がハバロフスク地方行政府を訪ね、アレクサンドル・レヴィンターリ副長官を表敬。同副長官は「青森の棒水産物は非常に有望な商品。積極的に輸出してほしい」と述べた。(東奥日報8月1日付より)

■■■ 最新オピニオン ■■■□□□□□□□□□□□

 ▼ 嶋原 信治(日中投資促進機構事務局長)
  『北京オリンピックと民族主義』
 ▼ 浦田 哲哉(北海道サハリン事務所主査)
  『地域間交流の役割』
  オピニオンは⇒ 
http://www.erina.or.jp/jp/Appear/opinion/index.htm

■■■ ERINAインフォメーション ■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□
 □■ (賛助会員)ジェトロ「日中韓露公開シンポジウム」のお知らせ ■□
  ○日 時 8月28日(木)
  ○場 所 新霞ヶ関ビル(灘尾ホール)
  詳細は⇒ 
http://www.jetro.go.jp/events/seminar/20080714737-event

 □■ 『平成20年度第4回賛助会セミナー』を開催します。 ■□
  ○日 時 9月3日(水) 14:00~16:00
  ○場 所 万代島ビル6階 会議室 (新潟市中央区)
  詳細は⇒ 
http://www.erina.or.jp/jp/Events/index.htm

 □■ (出捐団体)富山県『NEAR 2008 in とやま』のお知らせ ■□
  ○日 時 10月29日(水)、30日(木)
  ○場 所 富山産業展示館(テクノホール)
  詳細は⇒ 
http://www.near21.jp/near2008/

 □■ 「ERINA出前教室」の申し込みを受は付けています。 ■□
  ○対象 新潟市内の中学校 総合学習の時間など(1時限単位)
  ○実施期間 平成20年5月~12月
  ○申込 随時受付中
  詳細は⇒ 
http://www.erina.or.jp/jp/Events/index.htm