日本を蝕む公明党の哀しき性~池田を守るためなら何でもあり(選択8月号無料記事) | 日本のお姉さん

日本を蝕む公明党の哀しき性~池田を守るためなら何でもあり(選択8月号無料記事)

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▼日本を蝕む公明党の哀しき性~池田を守るためなら何でもあり(選択8月号無料記事)
衆人の評価は別にして、洞爺湖サミットで議長の大役を「見事に」果たした昂揚感にひたる福田康夫首相は、やっと「安倍居抜き内閣」の改造に着手しようとしているかに見える。
  だがその福田に、連立政権を組む公明党から相次いで冷や水が浴びせられている。口火を切ったのは神崎武法前公明党代表だった。神崎はサミット直前の七月二日に千葉県内で行った講演で次のように発言したのである。
「これから支持率が上がり福田首相の手で解散になるのか、あるいは支持率が低迷して福田氏が替わり、次の首相で解散となるのか分からない」
  支持率回復を図るべく福田がサミットに臨もうという矢先に、まるで引導を渡すかのような神崎発言には、自民党幹部らからも「『創価学会・公明党は福田政権を見限ったのか』と驚きの声があがった」(全国紙政治部記者)という。
  さらにサミット中の七月八日には、遠山清彦公明党参議院議員の以下のようなインタビュー記事が毎日新聞に掲載された。
「自公ありきでも、民公ありきでもなく、どの枠組みが国民のためになるか、という視点で臨むべきだと思います。自民党とともに野に下ることもあり得ます。その一方で、政党としては政策をなるべく実現したいので、民公も選択肢として排除しません」

国会招致を心底恐れる

  一九九九年以来、自公政権は、小渕・森・小泉・安倍・福田と五代の首相のもとで九年間にわたって政権を維持。衆院選、参院選を二度ずつ闘い、自民党の候補が、「比例は公明」と繰り返すなど、濃密かつ重層的な選挙協力を繰り返してきた。にもかかわらず遠山は民主党との連立を示唆した。
  神崎・遠山発言の狙いを、昨年、公明党から離党(公明党は除名)した福本潤一元参院議員は次のように解説する。
「昨年の参院選で惨敗したことで、創価学会・公明党は、参院のキャスティングボートと選挙でのキャスティングボートをともに失った。世襲体制を軸とするポスト池田大作体制の安定的な構築を目指す創価学会としては、政治的影響力の低下はなんとしても避けたく、その意味で次期衆院選は必ず勝たなければならない。それだけに泥船の福田自民党政権にこれ以上、つきあっていられないという事情がある。しかしそれを太田昭宏代表に言わせたのではあまりに刺激的。そこで神崎前代表にアドバルーンを上げさせたのだろう。もっとも神崎発言と遠山発言の真の狙いは、矢野絢也元公明党委員長が造反したことで、民主党を中心とした野党が矢野氏と池田大作創価学会名誉会長の国会招致を企図しているため、なんとしてもそれを防ぐことにある。その工作の一環として民主に秋波を送っているのが今回の一連の動きだ」

民主党との連立の確率は五〇%

  六月十三日に衆議院第一議員会館で行われた「矢野絢也さんより話を聞く会」には、民主党を中心とした野党四党の七十四名の国会議員が出席。その席上、矢野は国会に招致された場合は「喜んで出席する」と発言した。すでに昨年十月には、民主党の石井一副代表が、参院予算委員会で創価学会問題に言及した際、池田名誉会長と福本元公明党参院議員の参考人招致を要求しており、参院を中心に野党は矢野・池田の参考人招致を、場合によっては多数決でも実施しようとの構えを見せている。これに創価学会・公明党は強い危機感を感じていると福本元参院議員は次のように言う。
「私は平成七年に参院議員に当選した直後から、宗教法人法改正問題にからんで池田名誉会長の国会喚問問題に直面したが、とにかく創価学会・公明党は池田名誉会長の国会喚問を心底恐れている。これを防ぐためならなんでもやるというのが基本的スタンスだ」
  それにしても昨年七月の参院選で創価学会は民主党を「仏敵」と呼び、民主党打倒のために熾烈な選挙闘争を展開した。それからわずか一年で「仏敵」民主党と連立を組むことなど可能なのか。
「非自民の細川政権発足以来、自民党が創価学会問題を国会で追及していた時分、創価学会は自民党を仏敵と呼び、追及する亀井静香氏らを悪魔呼ばわり、公明党も自民党を激しく批判した。しかし創価学会・公明党はあっさりと自公連立に踏み切った。池田先生を守るためならなんでもありなんです」(元学会本部中堅幹部)
  昨年の参院選敗北以来、創価学会は、全国各地の方面幹部・県幹部に、民主党とのパイプを太くするよう指示しているという。だが当の民主党で、矢野と池田の国会招致を主導しているのは小沢一郎グループだけに、民公連立のハードルは低くない。この点について民主党の元代議士が指摘する。
「小沢氏グループ以外の議員は、様子見というのが実情だ。民主党の中には、旧民社系など、公明党・創価学会と親しい関係にある議員や、新進党時代に創価学会の支援を受けていた議員が数多くいる。さらには選挙基盤の弱い若手議員は、創価学会票に魅力を感じている。矢野と池田の国会招致を、創価学会・公明党を引きつけるための政治的駆け引きと考えている議員は少なくないはず。そもそも小沢氏自身、昨年秋の自民・民主の大連立騒動に象徴されるようにマキャベリスト。政権が取れるとなれば公明党・創価学会と組む可能性はある。公明党にとっても、泥船の自民党と手を切り、民主党と手を組んで、看板の福祉や平和にシフトできればもっけの幸いだけに、両者が連立する可能性はフィフティ・フィフティ」
  しかも連合の古賀伸明事務局長が、毎年、公明党東京都本部の賀詞交歓会に出席し、挨拶しているように、民主党の最大の支持団体である連合と公明党は親密な関係にある。公明党の坂口力衆院議員が、小泉政権下で長く厚生労働大臣を務めたのは、この連合対策も視野に入れてのことだと言われている。
「総選挙時、公明党と戦う民主党候補が政教一致批判など創価学会問題を取り上げようとすると、連合が創価学会批判はやめてくれと圧力をかけてくる。選挙に際して多くの民主党議員は連合の支援を受けているだけに、連合が公明党の意向を受けて、矢野・池田国会招致に待ったをかければ、実現は難しくなるだろうし、連立の動きも現実味をおびるのでは」(民主党国会議員秘書)

老耄を晒すことだけは避けたい

  もっとも矢野と池田の国会招致を阻止するために、創価学会・公明党が自民党と縁切りし、民主党と連立を組むならば、自民党からの逆襲は避けられない。
「もともと自民党の支持基盤には、創価学会に対するアンチ勢力が多い。しかも多くの自民党議員が選挙協力に際して、無理やり、後援会名簿などを提出させられている。公明党が砂をかけるようにして出ていけば、かつてのように、再び、自民党が創価学会・公明党批判を開始するだろう。自民党は前回以上に激しく公明党の瑕疵を攻め立てるだろう。自民党は政権時代に多くの情報を蓄積しているだけに、創価学会・公明党にとって致命的な状況に追い込まれるかもしれない」(政治ジャーナリスト)
  昨年四月に来日した中国の温家宝首相と池田との会談を、創価学会はマスコミに公開したが、今年五月の胡錦濤国家主席との会談は公開しなかった。それは、温との会談で池田が自らを指して「庶民の王者」と述べたと指摘され、政界やマスコミから批判や揶揄が浴びせられたからだと見られている。
「五十年にわたって創価学会に独裁的に君臨してきた池田氏は、いまはやりの言葉でいえばKY状態。要するに社会の空気が読めず、判断能力が低下している。だから国会に呼ばれ、衆人環視の下で厳しい質問を浴びせられたら、何を言い出すか分からない。本人も矢野氏の造反と国会招致に怯えており、本部幹部会でのスピーチの内容は、『俺を守れ』一辺倒。創価学会・公明党としては、池田氏を衆人の前に晒すことはできない。なんとしても国会招致を阻止すべく動くだろう」(元公明党地方議員)
  その結果が政局や政権選択に影響する。日本政治の不幸な現実である。

(敬称略)