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■北鮮核の廃棄コストは一年で四百二十六億円
三十一日の一部報道は、米の核安全保障庁(NNSA)副局長が、上院軍事委員会公聴会で、北鮮の核廃棄や寧辺の核施設無能力化に向けて今後一年間で約四百二十六億円が必要、との見通しを示したと伝えています。結論から言えばこの話は、六者協議の金づるであるわが国に対し、「資金を負担しろ」と示したわけです。以前もお伝えしましたが、戦後日本は、国際社会において「金づる」としての存在意義しかありません。六者協議でも金づるとしての役割を求められています。

⇒ちなみに米はこれまで、北鮮核無能力化に向けてNNSAから約十六億円、国務省から約二十億円支出しているそうです。毅然とした姿勢・指針を持たず、人の顔色を伺ってそれに反応するだけの「対外やりとり」を今のまま続けていると、国は亡びます。そういえば、竹島標記に関して米政府機関の「地名委員会」が、それまで韓国領としていたのを「主権未指定」としたところ、韓国政府の猛抗議を受けて、あっさりと以前の「韓国領」に戻したという出来事があります。これも、「北鮮核廃棄に向けた資金負担をわが国に迫る戦術行動」と見るのが妥当でしょう。八月六日に行なわれる米韓首脳会談では、この話が行われるでしょう。テロ指定解除の延期発言(7/30)、北鮮飢饉報道(7/30)も同じ文脈ですね。結局、戦後日本という国には「仕方なく資金を拠出する」という結論しかないのですが、そのことを正々堂々と口にできるエリートは存在しないのでしょう。報道は政府の暗黙の意思のアナウンスとなっています。大変だなあ、と人ごとのように見ていると、ぎりぎりになって「えっ?うちの話?聞いてないよ」とびっくり仰天し、これまでと同じ形で反米感情に火を付けられ踊らされ、中共や朝鮮の勢力にいつものごとく利用されることでしょう。報道には注意しましょう。

■イスラエル首相が辞意
三十日、イスラエルのオルメルト首相は次期党首選挙出馬を断念し、辞意を表明しました。それに先立つ二十八日には、国会の外交国防委員会でエルサレムの帰属問題について「二〇〇八年中に合意に達することが可能だとは思っていない」と明言しています。昨年十一月に米が主催して仲介に乗り出した中東和平国際会議を起点に、イスラエルとパレスチナは七年ぶりに和平交渉を再開しました。その背景には、オルメルト首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長の個人的な信頼関係があったとされます。しかし両者とも政権基盤が弱く、大胆な妥協がやりにくい状況にあり、予定されていた年内の平和条約締結は絶望的になっていました。与党の新党首が新政権を作る(十月下旬頃)予定です。ブッシュ政権の任期は残り半年です。

⇒米大統領の任期末には中東和平への取り組みがよく行なわれます。
しかし必ず失敗して新しい政権になってますね。次期大統領も同じでしょう。

■米大統領、イラク増派部隊撤収完了宣言
ブッシュ大統領は三十一日、米大統領府(ホワイトハウス)で、昨年イラクに増派した三万人規模の部隊撤収を完了したと宣言しました。
あわせて、八月一日付で部隊のイラク派遣期間を十五ヶ月から十二ヶ月に短縮する方針を明らかにしました。

⇒なお、イラク政府と交渉中の暫定地位協定に、イラクへの治安権限委譲、米軍戦闘部隊撤収に向けた目標年限を明記する予定です。

■韓国軍が竹島で演習
三十日、韓国軍はわが領土である竹島周辺で軍事訓練を実施しました。
想定は「竹島に近づく艦船を撃滅する」というもので、軍艦七隻、戦闘機二機が参加しています。先日もお伝えしましたが、韓国海軍は、近いうちに済州島基地に最新鋭の機動艦隊を配備します。

⇒国内の一部報道は「竹島(韓国名・独島)」という標記をしているようですが、どこの国の報道なのでしょう?自国領土を護ろうとしない姿勢を持つ報道機関など、他にはありません。恥ずかしいというか、哀れというか、申し訳ないはなしですね。そういえば先日、ある外国人に「日本は馬鹿というのか気前がいいというのか・・・。自分の領土も他国に献上するんだね。投資してもリターンはないのにね」と嘲笑されました。

自称エリートの皆さんは、多くの国民がこういう恥辱を受け、それを蓄積させている事実を忘れないほうがいいでしょう。それと、春秋左伝や資治通鑑、史記などを読み、「唇滅べば歯寒し」といった古今東西変わらぬ亡国の真実を、腹に収める必要があります。

■自衛隊燃料が危機的な状況
原油高騰に伴い、今年度の海演(年一度行なわれる海自最大規模の演習)見直し・中止が検討されているそうです。もし中止ということになれば、しゃれになりませんね。空も陸も四苦八苦しているそうです。

定期演習中止・訓練時間短縮は、会社で言えば営業できないことに相当しますね(いやそれ以上か)。それほどインパクトが強いです。そういえば、明日配信予定のニュースでも「米での潜水艦訓練に向かう潜水艦」の派遣期間が五日短縮されています。その影響なのかもしれません。燃料費は当初見通しより六割上昇しているそうで、危機的状況といって差し支えないと思います。

⇒軍事力提供者である国民は、わが自衛隊に対し、つまらぬ「節約」への取り組みを進めてそれを賞賛するのではなく、これを機に、わが軍の動力革命に着手する必要があること、コスト意識のみで国防を考えるべきではない事実に気付くべきでしょう。他国ならば、燃料費高騰に伴う軍事支出増へのためらいはありませんが、わが国民は軍事費支出を削ることが平和への道という間違った感情に支配されており、未だにそれは定形進化を続けています。まずは原潜導入から話をすべきではないでしょうか。本来ならば、作戦行動や国防戦略という観点で原潜は必要不可欠なのですが、世論を説得するには燃料高騰という切り口のほうがやりやすいです。どんなやり方でもいいので、まずは原潜保有への道を切り拓くべきです。絶好のきっかけです。反対の声など無視して将来の後輩たちのため、いまこそ進めるべきです。そういえば、今月号の「世界の艦船」でも、勝山退役海将が原潜の必要性に言及されてましたね。

■空自派遣部隊撤収へ
政府と与党は二十九日段階で、在イラクの空自イラク復興支援派遣輸送航空隊(IRSAW)を年内に撤収させる方針を固めたそうです。陸自支援群の撤収(二〇〇六年)に続く空自撤収で、わが自衛隊によるイラク支援作戦はこれで終結します。

⇒理由は、年明け以降の作戦行動に必須の「イラク政府との地位協定交渉」が、参議院の与野党逆転に伴う国会紛糾が予想されたためだそうです。海自の補給作戦についても、来年一月に期限が切れる特措法延長時の紛糾が予想されています。こちらに資源を集中させるということでしょう。自衛官各位は、国内にいるより海外のほうがあらゆる面で居心地がよいので、海外での活動を望まれていると思いますが、憲法九条がこの世にある限り、これ以上、地位協定を要する海外派遣で馬鹿を見るのは自衛隊です。イラク派遣は国益・独立の維持という意味で、極めて大きな意味をもつ作戦行動でした。

今、この派遣の意義を理解する人はほとんどいませんが、百年後に生きる後輩たちは「あの時、今では信じられない国内状況で派遣を決心した最高指揮官、今では考えられないリスクを負って出て下さった自衛官がいてくれたから、今我々はここにいる」と口にすることでしょう。歴史に残る偉業を達成された各位に感謝するばかりです。インド洋作戦もわが国益護持にとって極めて重要な作戦で、上記と同じです。それにしても、軍事的に重要な「決心」にかかわる話が、いとも簡単に外部に流出する体質、軍事や国防、安保に関わる問題が政局の材料になることは、戦後日本という国が、非常に幼稚で未熟であることの証左です。

■パキスタン・アフガン国境のフェンス設置が中止
昨年、アフガンとの国境地帯で、過激派テロ勢力越境阻止目的でパキスタンが設置を始めたフェンスについて、設置計画が中止されていたことが二十九日時点で判明しました。パキスタン軍高官の発言ということですが、両国国境地帯で勢力拡大を図っている過激派テロ勢力に対するパキスタン・アフガンの協調は進んでいないようです。

⇒表向きは、現在の国境を認めていないアフガンの抗議を受けてのものということですが、そんな馬鹿な話はないでしょう。何らかのメッセージがあるのでしょう。「テロとの戦い」との協力を進めてきたパキスタンのムシャラフ大統領の基盤が、先日の選挙で生まれた反ムシャラフ新政権誕生とともに弱体化し、同国内は政治的に不安定化しつつあります。パキスタンに対する「テロとの戦い」への積極的関与を求める欧米の姿勢は、テロ勢力との宥和を図る新政権が生まれて以降強まっています。そんななか軍高官がこういう発言をしているのは、注目ですね。

■遠心分離機の数は六〇〇〇基
イランのアハマディネジャド大統領は二十六日に行った演説の席で、ウラン濃縮用の遠心分離機の数を「五〇〇〇から六〇〇〇基保有している」と述べました。ナタンツの核施設で組み立てた約三〇〇〇基の遠心分離機は、一年から一年半で兵器クラスの高濃縮ウラン製造ができるとされます。しかし、五〇〇〇基以上の遠心分離機が稼動して濃縮が拡大すればその期間は大幅に短縮されます。

四月にアハマディネジャド大統領はナタンツの核施設に設置されている遠心分離機を三〇〇〇基から増設する方針を表明しています。そのときある専門家は「今年の夏の終わりまでにあわせて六〇〇〇基に増設することは可能」と述べていました。北鮮もそうですが、イランもあらかじめアナウンスした上で、そのとおりのことを実行しています。国際社会の善意や核協議の実態、専門家の憶測をとことん利用しつくして、おいしいところを全部奪い尽くす、との意図を感じます。アハマディネジャド大統領は「EUも今や五~六〇〇〇基による濃縮継続を認めている」と述べており、欧米との間で「制裁するかしないか」を話し合っている間、ずっとウラン濃縮の既成事実を積み重ねていたことが判明したわけです。北鮮のやり口を見習っているのでしょう。イランと北鮮は同じ経過を辿るように思います。
戦はいやだ、戦は怖い、争い事は嫌い、という類の戦にビビる人は、こういう相手の格好のエサとして利用され、ケツの毛まで毟り取られて放り出されるのがオチです。