台湾の声 【論説】建国を忘れた人々 アンディ チャン
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【五輪テロ】ウイグル独立組織が犯行声明
中国のバス爆破、ウイグル独立組織が犯行声明 米テロ情報分析企業が公表
7月26日11時9分配信 産経新聞
【ワシントン=山本秀也】中国雲南省の昆明市内で路線バスが連続爆破された事件で、米バージニア州のテロ情報収集・分析企業、インテルセンター社は25日、新疆ウイグル自治区の中国からの分離・独立を叫ぶ「トルキスタン・イスラム党(TIP)」が犯行への関与を認めるビデオ声明を出したと発表した。声明は五輪関係施設に対する新たなテロ攻撃を予告する内容となっている。
声明は事件2日後の23日付で、「雲南におけるわが聖なるジハード(聖戦)」と題されている。声明でTIPのセイフラ司令官は、「五輪開催の停止を求めるわが党の警告を中国当局は無視した」と、犯行の動機を説明した。
その上で、「われわれの目的は五輪関連の最も重要な施設を標的とすることだ。これまでにない新たな戦術で、中国中央部の数都市に対する攻撃を試みる」と、新たなテロ攻撃を予告した。
これまでの犯行として、声明は昆明など雲南省内での路線バス爆破のほか、上海でのバス炎上(5月)▽浙江省温州での対警察テロ(7月)▽広東省広州でのプラスチック工場爆破(同月)-を「TIPの志願者」による犯行として挙げた。
TIPは、米中両政府がテロ組織として認定している新疆ウイグル自治区の組織「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」と同一組織とされ、今年5月に中国支配への闘争を挑む「聖戦」の宣言が情報機関に入手されていた。
ビデオ声明の真偽を確認する他の情報はこれまで伝えられていない。在米のウイグル人組織「ウイグル・アメリカン協会」(UAC)では、こうした「テロ情報」を理由に、「中国の治安当局が同自治区での弾圧を強めている」として、非難する声明を今月に入り発表している。
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【論説】建国を忘れた人々
アンディ チャン
台湾は急速に中国化している。台湾は民主国家ではなくなり、独裁政権、 司法暴力が蔓延っている。多くの台湾人は嘆かわしいと思っているが反 応は鈍い。
主な原因は三つある;(1)民進党に反省や改革が見られない、(2)独立 運動はバラバラで連携がとれず、建国意識が薄い、(3)人民は民進党と独 立運動に期待しているが両方とも空期待である。つまり、いまの台湾で は民進党、独立運動派、一般民衆など、みんな馬英九政権の中国接近を 非難するだけで建国を忘れたようである。
もともと民進党、独立運動、台湾有識者はみんな独立意識が高かった。
しかし民進党が二政党政治を目指して矮小化し、台聯党をぶち壊し、自 党も壊滅的な打撃を蒙り、独立を放棄してしまった。人民は民進党が独 立を進めて台湾建国に努力すると思っていたのに、期待とは逆に中国化 が進んでしまい、すっかり沮喪している。いくつもある独立運動派は連 立できない。いまの台湾で最も大事なことは過去の失敗に対する反省と 大同団結して中国人の高圧的な中国化に対抗することである。台湾人の 批判はしたくないが皆の反省を求めるためにこれを書く。
●反省のない民進党
数日前の7月19日に台北の圓山公園で「台湾危機、人民奮起」大会があ った。参加者は二千人を予定していたが二倍の四千人を集める大集会と なった。台湾では本当に将来を憂慮する人が多いのである。
この大会は台灣教授協會および台灣國民會議が主宰する第二回目の台灣 民衆大會だが、民進党は参加していない。僅かに党首の蔡英文が状況を 見に行っただけである。民進党がいかにダメになったか、このような重 大な催しにも参加していないことでもわかる。
民進党は新常任理事の選挙を行ったが、結果は「和解共生」を目指した 新潮流派が5人当選して、たちまち党内で激しく批判された。民進党は 4年後の選挙で政権を取り戻すことを最大目標としているが、利権を追 及するばかりで独立建国は彼らの目標ではない。
台湾が国民党によって独裁化し、中国化している現状は民進党の失政の 結果による。最大の失政は国民党の住民投票法を通して住民投票で制度 を改める手段を封じてしまったこと。その次は投票法で「小選挙区二票 制度」を作って小政党を潰し、自党を含め国民党からの政権奪回が不可 能になった。つまり民進党の失政によって「中華民国体制から建国する」 ことは不可能となったのである。
そして三番目の失政は謝長廷の「和解共生」政策で大失敗し、政権を奪 われたことである。謝長廷は負ければ政界から引退すると公約をしなが ら、最近になって「あれはユーモアだった」と言ったが、選挙公約はブ ラックユーモアだろうか。厚顔無恥にもほどがある。
謝長廷はすでに有害無益の人間だが、これに輪をかけるように民進党は 許信良に復帰を要請し、彼も同意したのである。民進党の裏切り者、国 民党の金を貰い、トウ小平に擦り寄った許信良が民進党に復帰すれば民進 党はどのようなバケモノ政党になるのだろう。
このような悪条件が揃っているのに相変わらず派閥闘争を繰り返してい るのは愚劣と言うほかはない。大切なのは民進党の切実な反省会である。
過去の失政を民衆に詫びてこれから中華民国を倒す路線を明確にしなけ ればならない。反省し、改革しなければ消滅するのは明らかだ。
政党というものは民衆の支持が最重要である。民衆は中華民国が滅び、 台湾建国ができることを願っているのに、民進党は中華民国を奉じて自 党の失政で失った政権の奪回を夢想している。人民が民進党を見捨てる のは当然である。
●団結しない独立運動
台湾の独立運動にはたくさんの流派がある。沈建徳のカイロ宣言は無効 力で、台湾人が将来を決定できるという主張;彭明敏の台湾は既に独立 した状態にある主張;陳隆志の減政治体制から斬進的に独立出来るとい う主張;林志昇/ハーゼルの主権は未だにアメリカが握っているという 主張;李登輝の台湾は既に独立した民主国家であるという主張など。こ れらの主張の共通点はみんな台湾の将来は台湾人民が決定権を持つとい うことである。しかし彼らは共通点を重視せず団結しない。
陳水扁は「正名、制憲」で中華民国から台湾国に変更し、新憲法を制定す るつもりだったが、アメリカの反対にあって選挙に負け、馬英九が政権 奪回を果たした。
アメリカはなぜ反対した理由は諸説紛々だが、筆者は林志昇/ハーゼル の主張するとおり、アメリカが未だに台湾の暫定占領権を握っているか ら、アメリカの後押しがなければ台湾人の主権主張にアメリカは反対し、 成功しない。台湾独立はアメリカの後押しが必要で、住民投票はアメリ カの監視の下で行わなければならない。陳水扁の台湾化運動は人民が決 定権を握っていると言う点で正しかった、しかし台湾化をアメリカの同 意なしに推進したから反対されたのである。
李登輝は台湾が既に独立した国家であり、台湾が民主国家である限り諸 国は台湾を見捨てないと主張している。だがこの主張は陳水扁と同じよ うに中華民国の名称から脱皮することはできない。しかも台湾は馬英九 政権の二ヶ月だけで既に民主国家でなくなってしまった。
林志昇/ハーゼルはアメリカ政府が台湾の主権問題を60年も放置して きたことに対しアメリカ法廷で米国政府の責任を追及しているが、アメ リカを困らせるだけで、アメリカが積極的に台湾問題を解決しようとは 思っていない。もしも法廷で勝訴すればアメリカは台湾問題の解決を余 儀なくされるだろう。しかしアメリカ法廷が正義の味方とは限らない。
今のアメリカには中国の反対を押し切る実力はないから、現状維持を願 っているのである。しかし現状維持は台湾に不利だけでなく、アメリカ が支持した馬英九政権が急速に中国化を進めている。このことに気付い たアメリカは慌ててライス国務長官を通して台湾と中国に警告した。
このように諸説紛々たる台湾独立は連携がなく民衆の支持もない。李登 輝は「人民の75%が独立に賛成なら独立は可能である」と言ったが、諸 派が団結しない限りこの数字は達成できない。台湾独立運動は既に数十 年の歴史を持つが、独立を主張しても建国の道順を考慮しなかった。い ろいろな主張があり、それぞれいくばくかの民衆の支持があったが大き な勢力を持つに至らなかった。独立派の人々は勝手に独立理論を振りま いていながら、いかにして建国を果たすのかを討論していない。独立を 叫ぶだけではダメ、建国の道順を討論し、実行すべきである。
●建国の条件
それでは政権が変わったいま、どのようにして建国を果たすべきか?わ れわれのグループは数回の検討会を開いて以下のような結論に達した。
その1:台湾はいま空前の亡国危機に晒されている。民進党の新党首・ 蔡英文も同じ宣言をしたが、民進党は相変わらず選挙で政権を取る夢を 見ている。民進党は中華民国制度のもとで中華民国の政権を取り戻すつ もりだが、この政党は当てにならない。
その2:建国を果たすには中華民国を倒すのが先決条件である。このこ とについて台湾人の間では制度内の改革とか、住民投票とかを主張して いるが、彼らには中華民国を倒すだけの決心がないのが歴然としている。
独立運動の混乱に引き換え、蒋系中国人は中華民国を維持し、統一を果 たすことで一致している。
その3:中華民国を倒さなければ台湾建国は出来ないことは民進党執政 の8年でわかっているはずだ。ある人は中華民国を倒すのではなく、国 民党を倒せばよいと主張するが、中華民国を倒す勇気がないからゴマカ シを言っているに過ぎない。国民党は政党であって国ではない。国民党 を倒しても蒋系中国人が台湾で暴力を振るい、台湾人が彼らに遠慮して いる限りは中華民国を倒すことが出来ない。
その4:民進党の参与に期待しないこと。もし民進党が本気で改革して 独立運動に参加するなら歓迎するが、いまの民進党を独立の仲間と思い 込んだら独立建国は民進党によって潰されてしまう。民進党が中華民国 の政党でなくなってから始めて信用すべきで、いまの民進党員は同志で はない。民進党が改革を進めるか、各自脱党して建国に参加するように 呼びかけるべきである。
その5:建国の志士はこれまでの意見の小異を棄てて団結し、中華民国 打倒に総力を注ぐべきである。団結が成れば民衆を糾合する力が出てく るが、民衆が運動に参加するには目標を一つにしぼる、つまり独立建国 である。
●リーダーの条件とは
台湾人が団結するには指導者が必要である。台湾人は団結力がなく自説 を曲げることをしないから独立建国が出来ない。リーダーが必要である。
それではリーダーの条件とはどんなものだろうか。台湾では謝長廷や許 信良のような人物が多いが、彼らには愛国の精神がない。ロスで数回行 われた討論会で筆者が提議したリーダーとなる条件は以下のような箇条 書きに出来る:
1.堅固な愛国意識を持つ
2.すべて国家を優先させ、党派や自己の利権を排除する
3.豊富な国際知識をもち、国際視点で判断する能力
4.道徳観念が強く、私利私欲に走らない
5.無私、無欲、虚心で、反省力があり、行動力がある
6.少なくともあと十年は国のために働ける年齢
7.頭脳明晰で説得力がある
8.統率力、指導力がある
これらの条件は台湾だけでなく、日本やアメリカでも当てはまる。しか し、残念なことにいまの日本やアメリカにこのような条件を備えた人物 は居ないようである。
台湾でこのような条件を持つ人物は、いまのところ居ない。しかし候補 者になれる人物は数人いると思う。始めからリーダーの資格を備えた人 間などいない。リーダーと思える人物は居るが、リーダーは民衆全体が 選ぶものだからここには書かない。