親が親ならリビア版(佐々木良昭)
ようちゃん、おすすめ記事。↓
▼親が親ならリビア版(佐々木良昭)
北アフリカの地中海に面した国リビアは、80年代世界の耳目を集めた。述べるまでもなく、カダフィ大佐の傍若無人の振る舞いと、これに劣らぬアメリカの、レーガン大統領のリビア対応によってだ。レーガン大統領はカダフィ大佐を「狂犬」と呼び、カダフィ大佐はアメリカに挑戦すると豪語していた。その後に起こったパンナム機爆破事件や、フランス機の爆破事件は、リビアの犯行とされた。以来、アメリカは先進諸国に働きかけ、リビアに制裁措置を採った。結果はリビアが降参し、アメリカとの関係を、修復することになった。その代償は巨額に及んだ。パンナム機の爆破については、リビア以外の犯行説が幾つかあったが、リビアはパンナム機の乗客で犠牲となった遺族に、保証金を支払ったのだ。彼の息子は何人かいるが、日本を訪問したのは2人、そのうちの一人サイフ・ル・イスラームは、きわめて常識的な考えを持っている人物だ。彼は父カダフィ大佐に対し、考えを変えるように何度も助言したが、聞き入れられなかった。それを見ているほかの息子たちは、わがまま放題で父親譲りの、乱暴者で通っている。今回も3男のハンニバルが、スイスのホテルで女性を殴打し、スイス警察が逮捕したが、外交官特権で間も無く釈放されている。ハンニバルは以前にも、同様の暴力事件を起こしている。しかし、リビアが産油国であり、ヨーロッパはリビアの石油に依存していることから、強硬な対応がとれないで来た。今回のケースでは、リビア側がスイスに対し、謝罪を求め石油の供給をストップした。これでは、ハンニバルが暴力事件について、反省などするはずがない。ヨーロッパの小国スイスが、この事件を最終的にどう処理するのか、関心がもたれるところだ。日本政府は彼のような人物に対し、入国を認めないのが正解であろう。入国後に事件を起こされ、結果的に無罪放免にしたのでは、日本が笑いものにされるからだ。
ーーーーーーーーーーーーー
ようちゃんの意見。↓
★こんなこと やってんですね。身分尊き、やんごとなき地位で、人間的で 微笑ましい? それは通りません。くたばれ リビアと いわれても しょうがないね。
ーーーーーーーーーーー
▼イランが6000基の遠心分離機揃える (佐々木良昭)
イスラエルのエルサレム・ポスト紙が、イランのファルス通信の情報として伝えたところによれば、イランのアハマド・ネジャド大統領は土曜日、アメリカに対する勝利宣言とも取れる発表をした。イランの北部の町マシャドで、アハマド・ネジャド大統領は、イランが6000基の遠心分離機を、揃えたことを宣言した。述べるまでもなく、この遠心分離機は、ウラニュ-ムの濃縮に使われるものだ。4月の段階では3000基だったものが、その後、国連の核査察団は5月の段階で、イランが3500基の遠心分離機を、揃えたことを報告している。しかも、これまで使用していた濃縮の設備P-1ではなく、もっと精度の高く効率のいい、IR-2を現在では使用しており、効率は2倍以上になっているというのだ。
したがって、イランはいまウラニュームの濃縮で、テスト段階ではなく、産業レベルにまで、濃縮が可能になっているということであろう。そして、この濃縮作業のの結果、イランは既に、核兵器生産が出来る段階に、到達しているということだ。アハマド・ネジャド大統領は、アメリカがこれまで、濃縮を止めることを、イランと話し合う条件だとしてきたものを、イランが濃縮を止めていない状態で、スイスの会議にウイリアム・バーンズ国務次官を送ったことで、アメリカはイランに妥協したのだ、と勝利宣言をしていた。問題はこのアハマド・ネジャド大統領の、あくまでも強気の姿勢に対し、アメリカはどう対応するのか。そして、最もイランの核に脅威を抱いているイスラエルは、どう出るのであろうかということだ。
イランとアメリカ・イスラエルとの間では、刻一刻と緊張と危険が、高まっているのではないのか。
ーーーーーーーーーーーーー
★米とイランの急接近(田中 宇)http://
【2008年7月23日】 イスラエル政府は、アメリカを無視して周辺勢力との和解を進め、チェイニーが画策する「イスラエルにイランを攻撃させる」という策略を失敗させている。そこでチェイニーら米中枢は、イスラエルの和解策を妨害すべく、米自らがイランと仲直りする新戦略を採り出した。欧米がイランを悪者扱いする限り、イスラエルがヒズボラ・ハマス・シリアのイラン系3勢力と和解することは、3勢力をイランから引き離す方向に誘導する。しかし、米がイランを許してしまうと、3勢力はイランと関係を疎遠にする必要がなくなる。イスラエルは劣勢になる。詳細はコピペして読んでください。
ーーーーーーーーーーーーーー
▼拉致問題・やはりヒル氏は上司に伝えていなかった (阿比留瑠比)
毎度毎度、お気楽エントリばかりでは政治記者のブログとしてはやはりナンなので、本日は23日にシンガポールで行われた日米外相会談で、拉致問題に関して気になったことを書こうと思います。この会談について、私は24日付政治面に掲載された「同床異夢の6カ国協議」という記事の中で、次のような会話があったことを紹介しました。
《6カ国外相会合に先立つ日米外相会談。高村氏が、6月の日朝実務者協議で約束した拉致問題の再調査を北朝鮮が実行していないと指摘すると、ライス国務長官はこう再確認してきた。
ライス氏「日朝で全く何も起こっていないのか?」
高村氏「何も起こってはいない」
ライス氏「分かった。米国からも、北朝鮮にしっかりとメッセージを送る」
日本が米国の協力を取り付けた形だが、拉致問題の現状を米側が必ずしも把握していないことを示すエピソードでもある。》
6月11、12両日の日朝実務者協議で、北朝鮮が拉致問題の再調査を約束してから、6週間が経過していますが、北朝鮮は何の動きも見せていませんが、ライス氏にはそれがちょっと意外だったようですね。8月11日の北朝鮮のテロ支援国家指定解除がもう既定事実化している米国としては、日本はまだそんな状態なの?と言いたいところだったのかもしれません。日本政府側は、「このタイミングで事実をライス氏に認識させたのは良かった」と喜んでいましたが、私はそれとは異なる二つの感想を抱きました。一つは、「ああ、結局、拉致問題に関する米国の関心はその程度だな」というもので、もう一つは、「ヒル国務次官補はやはり、こういう重要な点も上司であるライス氏やブッシュ大統領にはきちんと伝えていないのだな」というものです。日常的に斎木アジア大洋州局長と電話でやりとりしているヒル氏が、日朝の現状を熟知しているのは疑いようがありませんから。この点について日本政府側は「ライス氏は忙しい立場だから、何でも報告されたらたまらないだろう」とヒル氏をかばうような反応を示していましたが、これもどうでしょうか。ライス氏はテロ指定解除に対する日本の世論の反発を気にしており、6月の京都外相会合でも、また別の機会でも、日本世論の慰撫を狙うような発言を繰り返しています。そのライス氏にとって、日朝が実は何も動いていないという日本世論を方向付けるかもしれない問題が、そんなに意味のない情報でしょうか。そんなの、ヒル氏が一言伝えれば2、3分で話は済むことでしょうにね。北朝鮮の核問題を早く決着したことにしたいヒル氏は、そのマイナス要因となる点については報告を手控えていたというのが実態ではないか、というのが私の推測です。
それはともかく、この会談を受けて、ライス氏はその後の6カ国協議非公式外相会合の場で、次のように発言しました。これについても、日本政府側は「ライスがかなり強く言ってくれた」と喜んでいましたが、私は遅きに失したように感じました。「日朝の進展は重要だ。拉致は悲惨であり、北朝鮮が調査を通じて真相を究明し、問題解決に向けた行動をとる必要がある。この問題で米国は日本を強く支持している」だって、今になって北朝鮮に多少のプレッシャーを与えたところで、北朝鮮が最もほしがっていた果実であるテロ指定解除の流れは変わりませんしね。この外相会合では、北朝鮮の朴宜春外相も出席していたのですが、高村氏が何を言っても(たいしたことは述べていないようですが)、特に反論はせず、目立った発言もしなかったと言います。とにかく、8月11日まではじっとしていればそれでいいと、本国の指示が出ていたのかもしれません。逆に、朴外相はASEAN地域フォーラム閣僚会合の場では、「日朝では話し合いが行われている。6月半ばに約束ができたことについて重視する」と述べました。この点について高村外相は記者団に「約束はできているし、話し合いは進んでいるという印象を(参加各国に)与えたいのかなあ」と語りましたが、実際そうなのだろうと思います。これは今回に限らず以前からですが、北朝鮮とヒル氏の思惑は一致しているように思えて仕方がありません。以前のエントリでも、書いてきたことですが…。
6カ国協議非公式外相会合に関しては、ライス氏自身が「単なる非公式の機会だった」と記者団に語った通り、事前準備もなく、決定事項もない顔見せのような集まりでしたが、これが開催されたこと自体には別の意味もありました。それは、6カ国協議のプロセスは着実に進展していて、外相会合まで開く段階に来ているのだと、世界に発信するという目的です。これは、拉致問題が全く動いていない日本としては歓迎できる話ではなく、実際、外務省幹部は割と直前まで「外相会合を開いて何を話すの?開くにしても、話し合うテーマを決める(実務者の)首席代表会合が先だろう」と見通しを語っていました。それが、議長国である中国の強い意向もあり、急遽ASEAN地域フォーラム開催中にシンガポールで開催されることになり、もともと出張する予定のなかった私も慌てて現地に行くことになったのでした。日本はただ、他国が仕掛けた展開に流されているだけだという感があります。
ライスが日朝の現状について知らなかった件もそうですが、他国を批判するよりもまず、日本自身に問題があるように思います。それは、日本が知ってほしいこと、訴えたいことについて変に遠慮し、はっきり言ってこなかった現政権のあり方そのものに主因があるように思うのです。
福田首相は昨年の初訪米でのブッシュ大統領との会談でも、ブッシュ氏が切り出すまで拉致問題について触れず、テロ指定解除に反対する考えも伝えませんでした。北海道洞爺湖サミットでの日米首脳会談でも、指定解除の再考を促すことはせず、ただ米国の対北朝鮮政策に追随しているように見えます。福田氏や政府側はよく「言わなくても、米国は日本の事情はよく分かっている」と説明するのですが、果たしてそれは本当でしょうか。今回の日米外相会談まで、ライス氏が現状を把握していなかったように、情報はトップまでなかなか伝わらないことが多いのもまた事実だと思います。だからこそ、トップ同士の首脳会談に大きな意味があるわけですし、相手から直接聞いて初めて頭に入ることだってあるでしょう。今までいろんな省庁で見聞きしてきましたが、事務方は必ずしもすべての情報をトップに上げるものではありませんし、またそれは不可能ですね。あまり都合のよくない話はわざと省くことだって珍しくありませんし。ただ、そうであるのは自明なことに、日本はこれまでのトップ外交の機会をうまく生かしてこなかったのだろうと、無意味に相手の気持ちばかりに配慮する「お友達外交」の弊害を改めて考えさせられた今回の出張でした。
ーーーーーーーー
★まあ 他国を 当てにすること自体が おかしいんだから、仕方が無いと言えるほど、多数の日本人は、この問題を大事だと考えてない人が多いからとも、言えます。石油の値上げと、相次ぐ無差別殺人と、東北地方の地震情報とで、頭が一杯とは、情けない国民になったものです。拉致被害者の留守家族の皆様の心痛は、胸が痛くなる。