石原壮一郎の『大人のお悩み教室』
【大人力】の元祖&本家!石原壮一郎の『大人のお悩み教室』
~ 第31回 どちらの人を選べばいいか ~
◎● プ ロ ロ ー グ
人生には、さまざまな悩みが付きもの。そして悩みには、さまざまな回答が存在します。仕事にまつわる定番の悩みに、作家、タレント、スポーツ選手などは、どんな解決策を示してくれているのか。見比べながら、自分なりの乗り越え方を探ってみましょう。
□■ 第31回
~ どちらの人を選べばいいか ~
世の中には、たくさんの男女がひしめき合ってい
ます。お互いに「この人しかいない!」と思える相
手と出会えればいいのですが、ふたりの異性のどち
らを選ぶかで、激しく迷ってしまうケースも少なく
ありません。そんな贅沢だけど難しい悩みにどう立
ち向かえばいいのか。幸せな出口を模索してみまし
ょう。
大学時代から7年間付き合っていて、今は遠距離
恋愛をしている彼がいるけど、職場で知り合った5
歳年下の「新しい人」ができたという女性。「二股
かけてる、ってことですよね」と自覚しつつ「どう
したらよいでしょうか」と悩んでいます。劇作家・
演出家である如月小春さんの回答は、次のとおり。
… … … … … … … … … … … … …
恋愛してて一番楽しいのは、相手の気持ちだとか自分の
気持ちだとかをこねくりまわして、あーでもない、こー
でもないとグチャグチャしている時だ。(中略)自分を浮
気な悪い女のように見せかけて、あーでもない、こーで
もない、しているだけだと思う。前の彼は要するに、今
度の恋のスパイスになっているだけってこと。ああ、か
わいそう! この悩みに回答はいりません。だって、悩
むこと自体が目的の悩みなのですから。わかりやすくい
えば、これはただのノロケ。どうぞ、あんたの好きにし
なはれ!!〈朝日新聞社『週刊朝日別冊・現代ニッポンに
おける人生相談』より〉
「あーでもない、こーでもない」のことを一般的
には「恋の悩み」という、とも。なるほど、そうで
すね。どっちを選ぼうが本人次第だし、本人が悩む
のをやめた途端、その悩みは瞬時に消滅してしまい
ます。
元彼と今彼のふたりからプロポーズされている27
歳の女性。「いま好きなのは現在の彼ですが、穏や
かな元彼のほうが性格的には合いそう。でも恋愛感
情のない元彼と結婚してもうまくいくか心配です」
という悩みに、詩人の伊藤比呂美さんはこう答えま
す。
… … … … … … … … … … … … …
今彼です。とうぜんです。(中略)そりゃ、今彼ともい
つかさめてしまうときが来る「かもしれない」、そのと
き元彼がなつかしくなる「かもしれない」……しかし人
生、さっきも言ったように一寸先は闇ですから、何も起
きてない今から、「かもしれない」ドツボにはまって悩
んだってしょうがない。(中略)もうひとつ大切な理由
として、結婚の基本は恋愛だからです。結婚なんてもの
は、恋愛感情がないとばかばかしくてやってられない、
というのが二回結婚したあたしの正直な感想です。
〈新潮社『万事OK』より〉
人生に「確実な未来」はありません。今の時点で
いちばん頼りになるのは、今の気持ちです。だとし
たら、ごちゃごちゃ言ってないで今好きな人を選ぶ
のが、もっとも「手堅い」選択かも。結婚相手だけ
でなく、仕事選びに関しても同じことが言えそうで
す。
こうした悩みは、いつの時代にもあります。57年
前の昭和26年に新聞に掲載されたのが、10歳の子ど
もを抱える31歳の戦争未亡人の悩み。「半ば暴力的
に貞操を奪」ったお金持ちのオヤジと、お金はない
けど尊敬できる職場の同僚とのあいだで揺れている
とか。恋多き女としても知られた小説家の真杉静枝
さんは、こんなふうにやさしく諭します。
… … … … … … … … … … … … …
未亡人生活の容易でないことはお察し致しますが(中略)
これからこそ、自分を完全な素晴らしい自分の作品にし
ようという意思的な元気をお持ちになり(中略)自分を
薄ぎたなくするような行為に対して、潔癖に自分の態度
を持していらっしゃることが大切だと思います。男があ
ってはならないというのではなく、その相手を選ぶこと
が自分の姿を高めも低めもするという事をお考え下さい。
〈平凡社『日本人の人生案内』読売新聞社婦人部編より〉
どっちの男のほうが「自分の姿」を高められるか、
というのは、確かにひとつの判断材料。何をどう高
めたいと思うかは、その人の価値観や人間性や欲望
の方向次第ですけど。
最後は男性の悩み。社内で二股をかけているとい
う広告代理店勤務の27歳の男性。前から付き合って
いる彼女と結婚すべきか、そっちと別れて新しい彼
女を選ぶか、両方とも別れるべきか……。イラスト
レーターのみうらじゅんさんは、こう言い放ちます。
… … … … … … … … … … … … …
二穴ってのはセコい! 本来、オトコは一穴か多穴のど
っちかだと思うんだよ。(中略)だけど、二穴は何て言
うのかな、自家用車に原付をプラスして買いました、み
たいな。何だか頑張ってモテてるところがセコい。二穴
をしてるヤツはもっと増やせ、と思うよ。それに“ふた
り”は比較するからよくないよ。(中略)恋愛ちゅうや
つは、結局のとこ、ビョーキだから正解なんてないでし
ょ。(中略)ふたりに二人三脚させてるより、たくさん
はべらせてパレードだよ。男の理想だね。目指せ、パレ
ード男!〈集英社『BART』1998年8月号「お悩み鑑
定団」より〉
大胆なご意見です。遠まわしな「モテ自慢」に、
まともに相手するのはアホらしいということなのか
も。まあ、この相談は「モテ自慢臭さ」が明確です
が、ほかの相談も、それぞれに「モテ自慢」の一面
はありそうです。
□■ 石原の結論!
この悩みの場合、どうするのが「正解」かは他人
には決められません。お金目当てで好きでもない男
を選ぼうと、さんざん世話になった彼女を捨てよう
と、本人が選んだ道こそが本人にとっての「正解」
です。相手が納得するかどうかや、楽しい展開にな
るかどうかはまた別ですが、本人は「それしか選べ
なかった」わけなので、そこは仕方ありません。
どうやら悩んでも意味がないのに、どうして多く
の人が「どっちの人を選ぶか」で悩んでしまうのか。
如月さんが言うように、悩むこと自体が楽しいから、
という要素もあるでしょう。また、すでに自分の中
で結論は出ていたとしても、それが後ろめたさを感
じる選択の場合は、悩むという既成事実を作ること
で罪悪感を薄める効果が期待できます。
ああ、あらためて、悩むという行為の奥深さや便
利さを思い知らされました。ただ、必要に応じて便
利さのお世話になるのはいいとしても、この悩みに
関しては、自分の胸の中だけで勝手にグルグルさせ
るのが、大人としてのマナーであり踏ん張りどころ。
相談された側にはノロケか自慢にしか聞こえません。
誰かに相談されたときも、遠慮なく突き放してしま
いましょう。向こうは、話した時点で十分に満足し
ているので大丈夫です。
━━━━━━━■◆Pickup「大人のお悩み教室」━
□ 人間は何のために働くのか
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すいぶんと大きいお悩みですが…多くの人がこの悩みを持ってしまわずには いられません。どうすれば答が見つかるのか。なぜそんなふうに悩むのか…
□ 嫌いな人と、どう付き合うか
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「嫌いな人」はいつでもどこでも、必ず存在してしまいます。嫌いな人とど
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異動はサラリーマンの宿命です。心機一転!仕事に取り組めれば「めでたし
めでたし」ですが、新しい環境や上司になじめないケースも起ります・・・
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━━━━━━━■◆石原壮一郎プロフィール
1963年三重県生まれ。コラムニスト。雑誌編集者を経て、1993年に『大人養成講座』(扶桑社サブカルPBで復刊!)でデビュー。 以来、大人モノの元祖&本家として日本の大人シーンを牽引している。5~6年前から人生相談本や記事の収集&分類に没頭している。個人サイト「大人マガジン( http://www.otonaryoku.jp/
)」でも大人ワールドを展開中!!
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奔放な親によってこの世に生れ出たある男の子が
大人になって、こんなことを言っていました。
「親は結婚するまでは自由に相手を選んでよい。
結婚して子供ができたら、自分の幸せのために
生きるのをやめて、子供の幸せのために生きるべきだ。
そうでないと、子供が辛い子供時代を過ごすことになる。
一生の間、親の悪い生き方の影響を受ける。」
子供は、大人になったら自分の不幸を全部親のせいには
できないけれど、たしかに精神的に影響は受けます。
その人は、外国人の奥様と共に海外に移住してしまった。
いつも、他人に文句ばかり言って、ケンカ腰でしゃべるので
友達が少ない人だった。
一年ぐらいして外国人の奥様が電話をくれた。
外国に移住するからその国に来た時は、遊びにおいでと
言ってくれたけど住所は教えてくれなかった。
別の友達は、今のご主人と出会った時に、何の迷いもなく
当時付きあっていたボーイフレンドを捨てて、今のご主人と
結婚した。若い時は、それでいいと思う。結婚する前は、
本当に気にいった人と結婚するのが当たり前だからだ。
振られる方も、結婚する前は振られて当たり前。
別に一生付き合う約束をしていないんだもの。
別の友達のお父さんは、友達が高校生の時からずっと
他人の奥様と浮気をしていて、友達のお母さんと友達は
ずっと不幸な生活をしていた。
結婚した後に二股をかけるのは良くないね。
友達のお母さんは病気で死んでしまい、友達は結婚して
カナダに移住。嫌な過去を振り返りたくないのか、
当時の出来事を全部知っているわたしとは、あまりつきあいたく
ないみたい。友達のお父さんは、お母さんが死んでから
一か月後に離婚してきた相手と半同棲を始めて、何か月か
後に再婚。噂では奥様の尻にしかれて言いなりになって
いるらしい。いつも偉そうにしていて、友達やお母さんを
人前でバカにしたり、人前でも殴る人だったのに。
浮気で辛い目にあう子供の気持ちを世の中に知らせて
ほしいから、ブログに書いてくれていいよと友達には
お許しを得ているが、電話で当時の話になると、彼女の怒り
は年月で薄まっている様子はなくて、
年々怒りがより純粋になってきているようで怖い。
父親を嫌っているのに性格は父親そっくりで、情熱的で
凶暴でわがままで、美人でスタイルもよくて、外国人は
みんな彼女が好きだった。今はカナダで幸せに太って
いるそうです。
あなたにも、幸せになってほしい。って言っていたけど、
わたしは結婚はしていないけど、幸せに規則正しい生活を
送っています。パソコンの調子が悪くなったので家でブログが
書けないのが悩みかな。ブログに迷惑なコメントが山のように
付いてくるので、コメントを認証してから表示するように変えた。
でも、毎日消すのが大変!