宮崎正弘の国際ニュース・早読み | 日本のお姉さん

宮崎正弘の国際ニュース・早読み


ようちゃん、おすすめ記事。↓

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)7月18日(金曜日)
通巻第2263号  


 中国が「西安への遷都を考慮中」とブッシュ大統領が耳打ち
  洞爺湖でもたらせたガセに日本政府は踊らなかったが。。。
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ブッシュ大統領が洞爺湖サミットで日米首脳会談中の雑談で福田首相にふと漏らした。
「中国は北京から西安へ遷都を検討している」と。 軍事上の理由が『週刊新潮』(7月24日号の36p)で飛び交っているが、ミサイル攻撃に弱い事だけが、遷都を検討している理由ではないだろう。
中国共産党の意図はなにか?

(1)五輪テロ対策の二重命令系統の確保
短期的にみるなら、テロ警戒の北京に万一あれば、臨時首都が必要で、ワーストシナリオを用意するのは世界の常識。ましてブッシュ大統領はは2001年9月11日の同時多発テロの時、特別機に乗り込んで数時間行方不明だった。最高司令官として首都ワシントンでの指揮をチェイニーに部分的に権限を委譲した経過があった。

(2)首都機能の一部を移転し、西部開発の目玉とする
 中期的展望で「開発」という文脈で考えると、重慶、成都、ラサ、ウィグルへの開発テコ入れに比べると西安ははるかに遅れを取った。長安の時代からの、この古都は観光だけで成立しているが、機能の一部を移転すれば、さらに発展が望める。

(3)長期的に言えば、砂漠化でいずれ北京は砂に埋まるから。
北京郊外の万里の長城は都心から一番近い居庸関まで20キロ。日本人観光客が行く八達嶺は、その少し先。そして万里の長城から北80キロのところまで砂漠化が進んでいる。
将来、水枯れによって北京の砂漠化もありうるシナリオであろう。砂漠のオアシス都市だったのに、水瓶の蜜雲湖と官庁湖は干し上がり、運河を緊急に造成し、近郊からは用水路を確保して水を確保しているが、基本的に地下水が枯渇した場所は、いつまでの人間が住めない。

 さて、ブッシュ大統領は、いかなる思惑でこの情報を福田首相に耳打ちしたかは知るよしもないが、福田首相は無反応だった。
軽いジョークと受け取ったのか、安全保障上の理由も地政学的意味も飲み込めなかったのか。
  
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(御礼とお詫び)昨日の「正論の会」主催の宮崎正弘講演会は超満員となり、主催者になりかわり御礼を申し上げます。とくに後ろの方々は弐時間立ちっぱなしでご迷惑をかけました。また二十人近い人が満員で入場できず、お引き取りを願う事態が生じました。深くお詫び申し上げます。
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♪(読者の声1)皇室の政治利用と血塗られた虐殺の祭典・北京五輪に反対するあらゆる同志に至急回覧願います。
2016年夏季五輪東京招致の為に皇太子殿下に招致活動の「旗頭」として活動いただきたいという石原慎太郎東京都知事の不敬発言は既報の通りです。

石原都知事は、7月11日、都庁での定例記者会見で、宮内庁が皇太子殿下への協力要請について「難しい」とし、ご協力を求めないよう要請したことについて「宮内庁ごときが出てきて、そんなこということは僭越(せんえつ)限りだ」「国民で、皇太子がコペンハーゲンにいらしてね、日本のために一席、とにかく弁じていただくことに反対する理由は誰もないと思うし、むしろ国民は圧倒的に支持すると思いますけど」と発言しました。この発言は一自治体の首長・政治家としての目論見に、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴である御皇室を「道具」として利用し奉る、不敬行為といわざるをえません。
誘致活動という「営業活動」を皇族方にお願いすることの理非への配慮や、招致活動の一こまとして中国共産党政権によるチベット人虐殺の血にまみれた国威発揚の祭典である北京五輪へのご行啓への誘導となる危険性への配慮がまったくありません。
日本において、御皇族のお出ましを願う時は、国民の総意に基づくことはもちろん、現在及び将来において、御皇室及び日本国に禍根を残さない事案であることを、十二分に確認の上、所管官庁である宮内庁の助言をも重んじ、内閣が十分な準備を行っての上ご臨席をお願い申し上げるべきであることは当然であります。14日、都議会民主党の土屋敬之議員が抗議の為、東京五輪招致議連を脱会されました。
心ある東京都民、そして日本国民は、土屋都議の勇断に続き、石原都知事に対し、皇室の政治利用・経済利用策動を直ちに中止し、発言を撤回すると共に、「皇太子殿下の北京五輪行啓はあってはならない」と公式に表明するよう抗議の声をぶつけましょう。
特に石原氏の「むしろ国民は圧倒的に支持すると思いますけど」が錯覚でしかなかったことを思い知らせるよう下記「都民の声相談室」をはじめ知事秘書室ファックス等に瞬間風速的な抗議をぶつけましょう!

<石原知事への抗議>
都民の声相談室(知事への提言、実名でも匿名でも、他府県でも可能です。ここに寄せられた意見は集計されて、各会派、知事に届けられます)
★★★(おすすめです!なるべく多くの方を誘って!)
mailto:koe@metro.tokyo.jp
東京都知事秘書室
FAX:03-5388-1200
東京都知事本局 第一庁舎11F北
TEL:03-5388-2101(局長席)

<担当部署への抗議>
東京都オリンピック・パラリンピック招致本部企画部総務課
第一庁舎15F北
TEL:03-5388-2219(課長席)
FAX:03-5388-1224
東京都庁(代表)
TEL:03-5321-1111
     (YO生、千葉)

♪(読者の声2)貴誌昨日つけ、青島の藍藻と、除去作業の遅れとヨット会場となる海域の封鎖。直後に原因不明の疫病の流行で青島の病院は満杯。すでに1200余名が死んでいるという大ニュース。貴誌の速報のあと、いろんなメルマガも追加報道をしています。藻と疫病の関連性は、まだ解明されないのでしょうか?ところで、この藻の恐怖でぞっとしました。早川文庫に入っているフランク・シュッツィングの『深海のYRR』(早川6278)はドイツ語が元で、ドイツだけでも200万部をこえるベストセラーですが、なんと藻が主人公。ミトコンドリアの恐怖よろしく、藻が毒性をもち、これを食べた魚が異変を起こし、鯨が戦闘的になって人間と立ち向かう、というSFホラーですが、青島の、現実の恐怖を訊いて驚き桃の木の心境です。(WN生、駒込)

(宮崎正弘のコメント)その小説、小生も読んでみます。はなしが飛びますが瀬名氏の『ミトコンドリア』は英訳されて十年、大ベストセラーとなり、改訳ペーパーバックが春にでて、これも欧米で大評判。ですからドイツの小説は、この流れにあるのでしょうね。

♪(読者の声3)池さんの公開講座(18日夜、馬場サンルートホテル)、ぜひ講演を伺いたいのですが、仕事の都合で時間がありません。
日本と韓国の関係を知る上で大変興味深い内容です。日韓関係はイ・ミョンバク大統領の状態、福田総理の行動、どちらも何か右と左とねじれているような気がいたします。何故このようになるのでしょう。またいつかメルマガでコメントしてください。(IO生、千葉)

(宮崎正弘のコメント)御意見最後の節を援用して、「いつかメルマガでコメントし」ます。韓国の遣り方、あまりに事大主義的で子供っぽくて、論評する気力もありませんが。。。
   
~平成20年(2008年)7月18日(金曜日)弐
通巻第2264号  
 

 ブッシュ政権は台湾防衛姿勢を大幅に後退させている
   キィーティング太平洋司令官が台湾武器供与の凍結を確認
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 16日にワシントンの有力シンクタンク「ヘリティジ財団」のセミナーに出席したキィーティング米海軍太平洋司令官は、
「台湾への武器供与凍結はブッシュ政権の決定であるし、当面のあいだ台湾への軍事的危機はないだろう」と語った。
 軍の当事者が台湾への武器供与凍結を確認したのは初めて。

 ブッシュ政権は度重なる中国の圧力に、ついには台湾をまもる決意さえ放棄したのだ、と強く批判を展開しているのはタシク同財団主任研究員だ。保守派のシンクタンクからもブッシュ政権は見放されているようだ。

ワシントンポストは「この凍結決定を政権内で主導したのは、コンドレーサ・ライス国務長官と、ステファン・ハドリィ安全保障担当大統領補佐官だ」とすっぱ抜いた。

 二週間前に中国から章泌生中将が訪米し、キィーテイング司令官と会談しており、総額110億ドルのパケッッジは、12機の「P3C オライオン」(哨戒偵察機)をのぞいて、凍結。それもF16ジェット戦闘機に至っては次期政権まで凍結されるだろうという。
 ブッシュ政権は、そこまで中国に譲歩し、密約した疑惑が濃厚である。
        
 拉致は忘れない、と言いながら北朝鮮制裁を解除しつつ、テロ支援国家指定をやめるという。日本への裏切りである。
 台湾は護るとブッシュは高らかに言っていた。そして早く武器を買えと台湾に圧力をかけていたのはワシントンだった。
 これほど一貫性のない政権とは思わなかった。
 
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樋泉克夫のコラム

【知道中国 174回】                       〇八・七・仲七
――貴州省甕安県公安局襲撃事件の裏側――

毛沢東が掲げた「為人民服務」が万に一つでも実現していたら、いまさら胡錦濤が「和諧(調和)社会」を唱えることもなかっただろう。
昨今頻発する怒れる民衆による公安局(警察署)襲撃事件は、当局の振る舞いが為人民服務とは正反対。
社会は和諧から遠退くばかりを物語る。

たとえば6月末に事件の発生した貴州省甕安県をみると、漢族と少数民族が雑居し人口は46万人ほど。貧困著しい貴州省のなかでは比較的豊かで、中国語で「小康」と表現できる状態の農村だった。
だが90年代末に入ると様相は一変する。埋蔵量が石炭で10.64億トン、硫化亜鉛で60万トン以上と推定される鉱物資源をめぐって、それまでの小康社会は欲得の渦巻く修羅場に変じてしまった。

99年、中央政府が鉱産資源にかんする法律を改め、県内外の民間資本の参入を認めたことで権力と金力の複合体が瞬時に生まれてしまったのだ。
官(=県政府幹部)と商(=民間企業家)とが手を組み、やがて鉱区は彼らの個人所有となる。
アブク銭が舞い、カジノが開かれ、酒場では連日連夜の嬌態。かくてお定まりの極端な格差社会への道を驀進することとなる。

貴州省では自家用車保有最多の県となる一方で、11万人ほどが県外に出稼ぎ。8600戸余りは夫婦で。そこで3歳から15歳までの子供が留守番役。両親の温もりを奪われた貧しい家庭の子女が行き着く先は非行だ。
だから治安は悪化の一途で社会不安は増すばかり。
 “おいし過ぎる生活”を満喫する者への持たざる者の不満が甕安県全体にくすぶりはじめ、それに少女の謎の死が火を点けた。

 ここでは彼女の死の原因は問わず、先に進みたい。
じつは発見された彼女の遺体は肉親の手で冷凍装置付の棺に納められ、遺体発見現場の河原に10日間ほど安置されることとなった。昼も夜も肉親に見守られてはいるが、棺は地べたに置かれたまま。夜露を凌ぐのは、組み合わされた梯子と丸太に掛けられたビニールシートのみ。粗末、無惨、奇妙奇天烈。

 これは「図頼」と略称され古くから民間に伝わるもので、恨みを残して死んだ遺体を掲げ横暴な官権に立ち向かおうとするギリギリの抗議方法なのだ。
誰となく棺の周りに集まり、公安に唆されたヤクザ・ゴロツキが棺を強奪しないよう見守る。
死者への同情は抗議の声に変じ、日頃からの不満が渦を巻き、怒りが怒りを呼んだ果ての公安局の襲撃だ。

 当然のように警備当局は重装備の武装警察を投入して力で抑える。
とはいうものの、遺族の要求を呑んで再度の検死に応じたのだが、ここからが、理解不可能ゾーンに突入する。
 河原での安置から10日後、公安は棺を車に載せ、彼女の実家がある辺鄙な山村へ。これを香港の「亜洲週刊」の記者が追走する。葬儀屋の車も後を追い冷凍装置付の棺を持ち帰る。
レンタル期間が終わったからだ、という。

 その後の彼女の遺体だが、実家の庭に置かれた棺の傍らに横たえられたままで翌日の再度の検死を待つこととなる。
最後の夜は雨。ビニールシートを掛けられたまま地べたに置かれた彼女の遺体に降り注ぐ冷たい雨・・・凄惨。
その後を知りたいところだが、地元公安がやってきて記者は強制退去。いずれ事件も彼女のことも忘れられてしまう。
 これが建国から59年。オリンピック目前の内陸山村の現実なのだ。
《QED》

(このコラムは小誌に独占的に連載されます。毎月弐回程度。ひいずみかつお先生は愛知県立大学教授。華僑、京劇研究では第一人者。近著に『死体が語る中国文化』(新潮選書)。
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 ♪(読者の声1)17日にはじめて宮崎さんの講演会に参加しました。『正論』の広告でも知っていましたが、拝聴して本当に好かった。メルマガでいつも独特独自の解析を知ってはいますが、実際に肉声に触れて、しかもお話がユーモラスななかに独特な辛辣さと批評の毒素が含まれていて、あっというまの二時間でした。帰りに貴著を買いましたがサインが入っていました。良い記念になります。
 本は読んでから友人に回覧しようと思います。
       (YU生、埼玉)


(宮崎正弘のコメント)猛暑のなか、お疲れ様でした。けっきょく80名の会場に130名ほど来られて、拙著は45冊売れたそうです。版元から連絡を頂きました。有り難う御座いました。

♪(読者の声2)「正論を聞く会」に押しかけて後ろのほうで立ち見で聞いておりました。世界情勢の分析もさることながら、じつは私は中国投資に関心があるのです。前回、いや昨年の講演でしたが、宮崎先生が「中国株は十月まで」とユーモラスに分析され、じつは、じつは私は昨秋九月に売りました。かなり好い収入でした。
 十月に絶頂を更新した中国株でしたが、それから55%の暴落。本当に売っておいて好かったし、いや先生のお話を伺っても半信半疑だったのですが。で、昨日(17日)の講演で、中国への投資に関して触れるかなぁと密かに期待して行ったのですが、「株と不動産がさがっても世界の投機資金はまだ中国にある。最後の狙いは、人民元の高騰にあるから」と宮!)先生はさらりと言われた。なるほど、人民元の預金は日本では、講座開設の手数料が高くて、よほどの金額を投資しないと出来ませんが、世界のファンドはそういう思惑であることが納得できました。
       (ID生、蕨市)


(宮崎正弘のコメント)投資はご自分の責任でおやりください。小生は投資アドバイザーではありませんので責任は負いかねます。苦笑です。


♪(読者の声3)日頃の言動をいきなり捨てて北京五輪開会式へチャーター機で出席するという石原知事は耄碌してしまったのでしょうかねぇぇぇ。誰も石原さんの首に鈴をつける人はいないのでしょうか?
誰の目にも異常としか映らない石原さんを都知事にすえるしかない現状が嘆かわしいですね。それにしても、宮崎先生はお元気ですね。講演会、超満員の聴衆とうかがって、この国がまともになりつつある事がひしひしと伝わってきます。(TF子、東京)


(宮崎正弘のコメント)竹島で韓国が騒げば日本のナショナリズムの高揚があり、中国で反日暴動があれば、日本のナショナリズムがさらに高揚する。対照的に朝日新聞は部数を減らし、朝日新聞が総力をあげての雑誌『論座』は頓挫。岩波の『世界』は嘗て進歩的ブンカジンのたまり場でしたが、いまや誰か読んでいるんですかね。
一方、『正論』『ボイス』『サピオ』『諸君』『WILL』『月刊日本』。。。。老舗の『自由』にムックの特集も保守ばかり、という時代になりました。


♪(読者の声4)  昨夜、「正論を聞く会」の「北京五輪直前、最新中国情勢」を拝聴いたしました。定刻の10分前には入室したのですが、すでに立ち見の状態でした。それならと、先生も立ってご講演され、潔さを感じました。縦横無尽のお話に時が早く過ぎました。
なかで、「中国経済が肺炎を起こすと、日本経済はクシャミするどころか注射を打つほどにダメージを受けるだろう。かなり持ちつ持たれつの関係になっているから」と指摘されておりましたが、今後さまざまな複合的要因で中国経済がさらに悪化してゆくと、外国資本(特に日本企業)への露骨な嫌がらせがエスカレートして、資産没収のような極端な状況に至る可能性は、どれぐらいあるとお考えでしょうか?
また、ご講演のレジュメがあったようなのですが、(受付の時には既に無かったようなので)、もし可能でしたら、何らかの方法で配布をお願いできませんでしょうか。(TT生、文京区)


(編集部より) 下記に当日のレジメを一般読者のみなさんの閲覧のためにも掲げます。

講演レジメ 「北京五輪直前、中国最新情勢」
     (「正論を聞く会」、7月17日。於 産経プラザ)
                         宮崎正弘
@@@@@@@@@
(1)世界経済の現状と中国経済の突出
(あ)サブプライム破綻、住宅金融公社救済問題と米国景気の減退確定。
!)世界金融機関の再編と産油国イスラム金融の勃興とアラブ・中東世界の政治再編
!)BRICSの伸び悩み、中国経済の劇的収縮、ロシアは資源枯渇の懼れ
!)強すぎるユーロ、NATO(「大西洋同盟」)の変貌とロシア大国主義復活
!) 原油、レアメタル、さとうきび、食料ほかの暴騰の元凶

(い)中国経済の現状
!)株式大暴落の始まり。華僑資金の過激な流入、突如の脱出。ジム・ロジャースの予言。
!)不動産大暴落開始(不動産市場というよりカジノだった。中国版サブプライムの恐怖)。
!)人民元の高騰、インフレ抑制に特効薬ならず。以上、三つは過剰流動性が原因。
!) 輸出エンジンの頓挫。外貨準備高の異常な伸び率と突然の減速は投機資金。過度の米国依存は日本より深刻。外貨準備高の異常性。米国社債、国債への過度の依存、ドル中心主義の破綻。
!) 環境汚染、公害無策、治安の悪化、富の偏在。この環境で北京五輪?

(う)中国のこれからに横たわる基本の難題
!)不良債権(GDPの30%)と投機資金の相関関係。ヤミ金融
!)金融政策は効果がない理由=金利、通貨供給量、為替
!)経済産業政策の整合性がない。外資産業と輸出依存
!)国有企業はどうなるのか。「封建社会」を経ていない古代王朝型企業ゆえに。
!)四川省大地震の悪影響はもっと深刻だ。
 GDP全体の4・2%でも、電力供給、原油、ガスならびに近未来の原発
!)近代的な「国民国家」を目指せるのか? 王朝交替(易姓革命)でおわるのか。
!)少数民族問題の爆発(ウィグル、チベット、南モンゴル<内蒙古>)

(え)日本経済の現状
!)独自の金融(金利、通貨、為替)政策がない
!)リーダーシップも「国の個性」もなく、独自の経済学が不在で米国亜流
!)したがって輝く復活はない。日本円と日本株は下落方向。
(2)日中関係は居丈高と土下座の関係。逆転もまたあり得る。
「位負け」が続く日本の対中関係。胡錦濤主席の来日は、毒入り餃子を不問にして、東シナ海ガス田共同開発、環境整備協力、パンダで日本の経済界との交流。欧米はマスコミは「パンダのみが成果」と揶揄した。中国マスコミは「天皇の三回の答礼」。聖火リレー、開会式ボイコットで世界に孤立した状況から、日本を梃子に利用して脱した。ところが待っていたのは「四川省大地震」だった。
このあとは洪水被害。五輪後は干ばつ、虫害。中国経済をどれほど撃つか?

(3)「11・8%成長」(2007年)は“本当に本当”なのか?
 世銀はことしのGDP成長を9・8%成長に下方修正した。
(a)なぜ株価が六年間低迷し、その後四倍になり、また50%以上も暴落しているのか?
(b)一方で失業率が高まるのは何故か? 産業構造の改変にタイムラグ。
 (c)賃金は高度成長だが、企業は追いつけず、雇用シフトが激しく、労働移動が起きている。 
大学の新卒559万人、就業率は五割しかない!就職浪人がほかに80万人。広州の最低賃金は860元だが国内から労働者が来なくなった。深せんの最低賃金は1000元。
(d)カジノ、賭トランプ、豪遊族、風俗、海外華僑の投資
(e)インフラが整ったとはいえ、工業団地の過剰は深刻な問題
(f)「小康社会」「和諧社会」は単なる目標、実態は大波乱直前。農民一揆寸前の状況。
     
(4)奇々怪々の難題、解決不能の山積み 「胡錦濤・温家宝」時代の経済運営の諸問題
!)疑問だらけの統計と官僚主義(例。電力供給不足なのに生産が増える不思議)。
!)四大銀行と不良債権、国有企業リストラは不満の爆発を誘発。
!)蔓延する汚職、腐敗、海外へ逃げる資金
法務、規律、公安から最高裁判所長官、検察庁長官まで上海派が押さえた人事。
!)南北格差、都市と農村、東西格差、富と貧困(四つの階級論)
!)社会不安(各地の暴動は現代の「太平天国」か「黄巾党の乱」)の広がり
!)新世代の価値観と「一人っ子」政策の破綻。晩婚化、閃離族。
  !)オーバー・キャパシティという産業政策上の大問題。
   クルマ(1000万台)、鉄鋼(4億5000万噸)、石油化学(ポリエチレン等)。
   生産能力の過剰は、過当競争、ダンピング、産業壊滅を招きかねない。
!)「水不足」と環境汚染。東シナ海に赤潮異常発生。漁獲資源乱獲、そして黄砂。
  !)「愛国主義」はマルクス、毛沢東思想に代替可能か? 拝金とジコチュウを越える価値観が中国に存在するだろうか? 孔子は書物のなかでしか存在しないのに。