▼対中武器禁輸は時代遅れ@フランス(中南海ノ黄昏) | 日本のお姉さん

▼対中武器禁輸は時代遅れ@フランス(中南海ノ黄昏)

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▼対中武器禁輸は時代遅れ@フランス(中南海ノ黄昏)
7月14日はフランスの革命記念日だったそうで、その14日に上海の『東方早報』がフランス駐中大使・ラドソスを取材し記事にしておりました。その中から日本に関係する箇所を。
対中武器輸出禁止について・・・・いずれ取り消すべきもの
ラドソスは、対中武器禁輸解除問題はEUの重要な議題で、フランスが議長国である期間に進展するよう希望していると述べた。ラドソスは、「EUは、この件に関して共通認識に達していない。しかしフランスにとっては、武器禁輸は時代遅れなもので、中欧の戦略的パートナー関係強化に符合せず、いずれ解消されるべきものだ」と述べた。ラドソスは、27のEU構成国がこの件で合意が達成されることを非常に希望しており、今のところ如何なる進展もないが、フランスが議長国のうちは更に努力すると述べた。またラドソスは、EU委員会は今年の夏、中国が完全に市場経済の地位を有しているかどうかの評価報告を提出するつもりだとも述べた。ラドソスは、中国が完全に市場経済の地位を獲得するには、一連の条件を備えていなければならないと述べた。EU委員会は、この件に関して研究を行っており、これは技術的で非常に専門的な問題です。ラドソスは、もし中国が確実に完全な市場経済国家であるのなら、EUの企業は全面的に中国の市場に参入することができ、知的財産権も保護されることとなると述べた。彼は、EU委員会は現在この2つの問題について研究を行っていると漏らした。

新華網「法国努力解除対華軍售禁令」
さすが素晴らしき人権国家、中国がチベットやダルフールで治安維持活動するための道具を提供したいというわけですね(棒EUが現時点で対中武器禁輸処置を解除するとはとても思えないのですが、釣りにしても趣味が悪すぎやしませんかね。「”中欧”関係」なんて言ってご機嫌取りしている辺りも気持ち悪いです。この辺りの2枚舌は、さすがフランスということなのでしょうか。フランスと中国は、先の洞爺湖サミットで会談を行っていて、新華社はその様子を次のように伝えています。胡錦濤は、昨年11月のサルコジ大統領の訪中が成功し、中仏双方は、いくつかの重大な問題につてい深く意見交換を行い、広範に共通認識に達し、中仏関係の前向きな発展を強力に推進できたと述べた。我々は、サルコジ大統領がひとつの中国政策を堅持し、”台湾独立”に反対し、チベットは中国の不可分な領土の一部であることを重ねて表明したことを賞賛すると述べた。胡錦濤は、少し前の時期に、中仏関係にあらざるべき困難な局面が出現し、これは双方にとって見たくないものだった。率直に言って、この件の原因は中国側にないと強調した。ここ最近フランス側が努力し、いくつか中仏関係改善措置を行い、我々はこれについては積極的に評価すると述べた。双方が共同で努力し、この一ページを翻し、戦略的高度と長期的角度から中仏関係を見据え、妨害を排除し、お互い向き合って、中仏関係の健康で安定した前向きな発展を推進することを希望すると述べた。

新華社「胡錦涛主席会見法国総統薩科斉」
言ってやったアル!」ってことでしょうか。オリンピック聖火リレー騒動を未だに引きずって、ギクシャクしている様が伺えます。これらに対してサルコジは、次のように述べたと新華社は報じています。サルコジは、世界の平和と安定に中国は必要で、世界の多くの問題解決に中国は切り離せず、フランスは中国が国際社会と地域事務において更に大きな作用を発揮することを希望していると述べた。中国はフランスの戦略的パートナーで、フランスは高度に中国との関係の発展を重視しており、双方の地域と国際社会および地域事務の中における対話協力を中国と強化することを期待しているとも述べた。サルコジは、フランスはもちろん、台湾問題について、更にチベットに関する問題について1つの中国政策を堅持しており、絶対に揺るがないと強調した。

新華社「胡錦涛主席会見法国総統薩科斉」 新華社が伝えていることですから、サルコジからの苦言めいたことは全てカットしているのでしょうけど、言わされた感がプンプンします。胡錦濤は洞爺湖で、フランスのほか、日本、アメリカ、ロシア、カナダ、南アフリカ、ブラジル、インドと2国間会談を行っていました。

新華網「胡錦涛会見日本首相福田康夫」
新華網「胡錦涛主席会見美国総統布什」
新華網「胡錦涛主席会見俄羅斯総統梅德韋杰夫」
新華網「胡錦涛会見加拿大総理哈珀」
新華網「胡錦涛主席会見南非総統姆貝基」
新華網「胡錦涛主席会見巴西総統盧拉」
新華網「胡錦涛主席会見印度総理辛格」
これらの会談の中で、台湾、チベット問題に言及し「ひとつの中国政策を堅持」云々と述べたと新華社が報じているのは、フランスだけだったりします。ブッシュとの会談では、胡錦濤が「ひとつの中国の原則を堅持していることを賞賛し、引き続きそうすることを希望する」なんて話を振ったようですが、ブッシュは「両岸の関係改善に非常に興味を示した」とあるのみです。台湾やチベット問題でギクシャクしていない国相手に、あえてこの話題を持ち出さなかったということもあるのでしょうが、中国の意にかなった発言をしたのはフランスだけだったということのようです。

中国側が盛んに「オリンピックを政治化してはいけない」と叫んでいることを利用して、サルコジ-ダライ・ラマ会談への苦言を牽制したりと強かな面も見え隠れしますが、新華社の記事しか見ていないということもあるのでしょうが、フランスの媚中な面が強調されていて嫌な感じです。武器禁輸解除については、首脳会談で話題になっていないことが救いでしょうか。昨年11月にサルコジが訪中した際、武器禁輸解除について中国側から盛んに働きかけがあったようですが、結局フランス側から一言もこの件についての言及はありませんでした。ただ、2006年にシラクが訪中した際に結ばれた中仏共同声明の中ではっきりと武器禁輸の解除を謳っていたりしますし、いい感じはしません。

ちなみに福田-胡錦涛会談では、毒餃子、チベット問題についても意見交換を行ったようですが、新華社は一切触れていません。

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