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【論説】中国人観光客が襲来する台湾の危機的情況
 永山英樹

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オンライン旅行会社、エクスペディアが六月三日に公表した調査結果によると、世界の四千余のホテルにとって、二十一カ国の客のうち「最も好ましい」とされたトップが日本人客で、最下位が中国人客だった。調査では挙止、服装、衛生習慣、礼儀、声の大きさ、気前がいいかケチ、現地の言葉を学ぼうとするかどうか、等々を基準に行われ、その結果、静かで礼儀正しい日本人は第一位になったわけだ。

このようなことが七月八日、台湾紙自由時報で報じられた。たしかに台湾でも日本人観光客の評判はとてもよく、それが日台間の相互信頼関係にも大きく作用しているのだが、ところでなぜこのような話題が一ヵ月も経ってから報道されたかと言えば、けっして親日感情のためではない。台湾人は現在、中国人観光客の「襲来」に怯えているからだ。

台湾の国民党外省人政権が対中宥和政策の一環として、中国からの直航チャーター便の定期乗り入れと中国人観光客の受け入れ拡大を実施し始めたのは七月四日のことで、現在合計で七百人以上の中国人観光団が台湾国内を巡っているところだ。そこで国民党政権は台湾経済活性化の救世主として中国人客を囃し立てている。

先日の尖閣問題で反日を煽った周錫瑋台北県長(県知事)など、同党所属の県長たちも彼らを食事に招くなどで大騒ぎだ。観光団には邵!)偉・国家旅行局長もおり、それは「聯共」の先駆者である連戦・名誉主席が、最高級のご馳走で国賓待遇の持て成しをしている。これについて「地方首長、政客は中国人に媚びて奴隷顔だ」「大勢の台湾人に恥をかかせている」「吐き気を催させる」と痛罵するのが自由時報の八日の社説だ。

社説はこう強調する。
「我々はこれまで再三にわたって指摘してきたが、専門家によると、中国人観光客への開放がもたらす利益効果にはかぎりがあり、絶対に台湾の内需市場の拡大や就業人口の増加には繋がらない。国家主権の安全、衛生防疫、社会治安などの措置をしっかり固める以前に、軽々しく中国人客を台湾に入れてはならない」中国人の流入による「衛生」「治安」面への深刻なダメージを懸念するのは、終戦直後の国民党流入時に味わった台湾人の歴史経験によるものだろうか。中国人の生態を嫌と言うほど知っている台湾人の警鐘には、やはり中国人の流入を受ける日本人も、しっかりと耳を傾ける必要があろう。

八日には早くも三人の中年女性が観光団から脱走し、台湾社会の中へ消えた。もし期日まで帰国しなければ、旅行会社は一人当たり二十万台湾ドル(約七十二万円)の保証金を没収されることになるが、今後こうした逃走は繰り返されることだろう。観光客を管理する旅行会社の添乗員が逃亡するケースも最近あった。それでは「国家主権の安全」への懸念とは何か。実はこれが深刻なのだ。中国人客にとって、あるいは中国政府にとって、台湾旅行は「国内旅行」との位置づけだからだ。

社説によると、「中国の中央テレビは観光の実況中継を行い、全中国及び世界に「祖国の宝島」(宝島とは台湾の美称)の風光明媚を宣伝し、中国の旅客機の搭乗員は台湾に到着すると『家に帰った感じだ』と語り、台湾はすでに中国の一部になったかのように扱っていることは明らかだ」と言う。

そのような中国人客を奴隷顔で懸命にもてなす国民党は、すでに中国に降伏している心理なのだろう。強い相手には媚びて自己利益を守ろうとするところは、いかにも外省人=中国人的だが、勝手に中国に降伏などされては、台湾人にはたまったものではないはずで、自由時報が「吐き気を催す」とまで言い放つも充分に理解できる。

軍艦が停泊するため、これまで中国人客には足を踏み入れさせなかった高雄港も、政府の命令一下で開放し、軍艦の見物も許したのも、何とも象徴的なことだった。また一部の地方自治体では、法輪功の標語やデモを禁じようとの動きも見られた。それは中国政府が自国観光客に法輪功やチベット独立の標語、デモがある場所へは立ち入るなとの「原則」を押し付けていることに配慮してだ。このため野党や人権団体などから、「国民党政府は自由と民主で中国人客を迎えると言いながら、みずから自由に制限を設けるのか」と非難した。

このような出来事も八日にあった。集集と言う観光の町のライオンズクラブが、邵!)偉の来訪を受けることとなったのだが、メンバーはユニフォームであるチョッキにある台湾=中華民国の国旗のワッペンを外して出迎えたのである。中華民国旗を見せることは、中国にとっては「二つの中国」を作り出す敵対行為であって許容できないことは周知だが、それに配慮して、自らの国家主権を否定したわけだ。

しかし外省人であれば、それくらいのことは平気でする。中華民国体制の死守を叫びながら民進党の台湾人政権と鋭く対立してきた一方で、中国訪問時には中華民国の国名すら口にしないのが彼らの降伏路線と言うものである。

だがメンバーは台湾人である可能性もある。ワッペンを外すことを決めた理由は、下見に来た旅行会社の要請によるものだそうで、メンバーは「邵!)偉は中国の役人だ。中国メディアの記者も大勢来るので、邵!)偉たちの迷惑をかけてはならない」と判断したのだそうだ。このように相手を気遣うお人好しなところはいかにも台湾人的である。

じっさいに台湾人は戦後、そのようにして中国人である外省人の傍若無人な振る舞いを許し、大損してきたわけだが、これからもやはりそのようにして、自分たちの国家主権を否定する中国に翻弄されて行くのだろうか。

その一方で、「ホテルの品質を守るため、中国人客の拒否を続けて行く」と、険しい顔でテレビカメラに語った台湾人のホテル経営者もいるのだが・・・。

また、台湾を訪れる観光客のなかで最多は日本人だが、「うるさくマナーを知らない中国人が増えれば、日本人は台湾へ来なくなるのでは」と懸念する業界の声も報じられていたこともある。社説も「中国人客は一般の外国人客と対等に扱うべきだ。しかも中国は台湾にとっては唯一の敵国。人民の平均収入も他国の客より低い。しかし残念ながら、馬英九政権の洗脳で、中国人客の地位は無比の高さになっている」と、政権に騙されて中国人客に期待する観光業界を戒めているのだが、単純、正直でお人好しの台湾人は、いつまでも狡猾な外省人に騙される運命なのか。

中国人客への依存体制が確立されれば、観光業界は「好ましくない中国人」のために後悔しても手遅れだ。そのときすでに業界の首根っこは、観光客を送り出す中国側に掴まれることになる。それもまた、中国の台湾吸収工作の狙い通りなのだ。

社説は、中国人客への特別扱いについて、「いったい彼らと日本人、韓国人、米国人、欧州人の客とどう違うのか」と問いかけるが、それへの外省人政権の答えは明らかだろう。すなわち、「彼らは宗主国の人たちだから」である。

要するに中国の統一戦線工作に引っかかり、その傀儡に成り果てているのだ。こうした勢力が政権を握る台湾の状況は、きわめて危うい。
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【ニュース】国民党副主席が台中統一支持発言、報道後に発言内容を否認

 「台湾の声」
香港紙「文匯報」は7月10日、台湾の与党・中国国民党の関中・副主席が先日、中国湖北省武漢で催された台湾関係イベントに参加した際、「もし国民党が長期執政すれば、両岸は平和統一に流れる。これは国民党の心からの願いだ」と発言したと報じた。また、同記事は中国の「人民日報」ネット版、「中国評論新聞」、「中共中央統一戦線工作部」などでも引用され、中国で幅広く報道されたほか、台湾紙「自由時報」が7月14日と15日にこの問題を取り上げたため、国民党は「統一」発言の火消しに躍起となった。

 また同紙によると、関氏は、今後4年間は両岸関係発展にとって重要な時期であり、台湾島内の「脱中国化」と「台湾独立化」の思想を台湾と大陸の関係に影響を与えないレベルにまで下げる重大な責任を背負っているとして、「これには大陸側の協力が必要だ」などと発言したと報じられている。

与党の副主席(副党首)によるこの重大な発言に対し、台湾の王郁琦・総統府報道官は、「これは関副主席の個人的な見解であり、総統府はコメントしない」と述べ、馬英九総統(大統領)の立場は「統一しない、独立しない、武力を用いない」であると改めて強調した。

 さらに、馬英九総統は先日ドイツメディアのインタビューで、「人々が中国との統一に興味を感じなければ、いかなる政治人物もそれを迫ることはできない」と語り、短期的な台中統一を否定した。

 国民党の帥化民・立法委員(国会議員)は、統一を望む中国に対する「外交辞令」だと容認できる考えを示した。一方、関氏は「文匯報」の報道は正しくないとして、「『平和統一』に言及したことはない」と強調した。また、関氏が発言したとされる同イベントには朱鳳芝氏、郭素春氏、費鴻泰氏ら国民党系の立法委員が同席していたが、関氏が報道内容を否認したことから、いずれもそのような発言自体がなかったと主張している。
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<大阪の川にゃ>
--太田さんたるゆえん--

1、現代日本では、確かに「属国日本」「シナ」「核武装」という表現は刺激的でしょう。かかる表現を見た瞬間に、条件反射的に続きを読むことを拒絶するネット「市民」も多いでしょう。確かに日本国民は、核武装について15%の賛成にとどまっています(典拠:日テレの調査)。ところが、インターネットでの調査及び街頭調査では、32~34%です。朝まで生テレビでは、55%でした。
http://www.touhyoubako.com/box/169/
http://shikisima.exblog.jp/3556190/
日テレの質問文言は「北朝鮮が核実験したからといって日本も持っても良いか」というような意図的なものだったようですね。僕のざっくり推測では、30%位かなと感じています。

2、しかし、太田さんの太田さんたるゆえんは、まさに上記3つのキーワードにあるのではないでしょうか。つまり、対米対中における独立です。太田さんや西村眞悟氏・日下公人氏・小林よしのり氏・櫻井よしこ氏・別宮暖朗氏・中西輝政氏・兵頭二十八氏の言説にインパクトがあり読むに値するのは、廃刊が決定した『論座』なんかと違って、各人が核武装を否定していないからです(典拠は各氏のHP・作品等参照)。もっとも、先の大戦とイラク戦争の捕らえ方には各氏に大きな差はありますが。

尚、太田さんの核武装論は消極的核武装論であって、すなわち、日本が米国の属国の地位から抜け出すことが核武装よりも重要、というものです(典拠:コラム2168・1712)。兵頭氏は逆で、核武装することで大きく日本は変わる、というものです(典拠:『ニッポン核武装再論』)しかし、両氏はあくまで核武装です。
>非核武装論は非武装論の一環であり、非武装論者でない人が非核武装論をとるのは論理的には矛盾です(太田さんの発言:コラム1711)。
さらに言えば、GDP第2位の大国が、核不拡散を考えて日本国民は敢えて非核の道を今後も採ります、なんて、嘘付け、嘘付け(坂口安吾調)。本当は「核を持つ緊張感に耐えられませんので、非核の道を今後も採ります。危ない事は、核を含めてアメリカさんよろしく頼みます。」ですね。

3、天下り批判をやっている民主党議員や文化人なら、TV等に腐るほどいます。しかし、彼らは今後も「核武装」「シナ」なんて絶対に言いません。TV局に嫌われますから。太田さんのブログが、その他大勢の単なる天下り批判者と思われたくない、と願っています。

<太田>
結論的には、要するに、ブログのタイトルを変える必要はない、とおっしゃっているのですね。

<スワン>
ブログのタイトル変更、私も賛成です。友人に、このブログを勧めようとしても、タイトルを見てひかれることを考えると躊躇してしまいます(命名者の方、申し訳ありません)。実際、ブログを勧めたら、友達が一人、疎遠になってしまいました(泣)。ブログのせいだけじゃないと思いますけど。

<太田>
それじゃ、例えば、どんなタイトルに変更すればいいですか?

<読者SM>
太田さんのコラムは本当に勉強になります。今後とも宜しくお願い申し上げます。さてコラムのなかで太田さんが軽いウツ気味と知り、とても心配になりました。私たち夫婦もウツを患いし、それを直した経験がございます。僭越ながらご参考になればと思いその体験談と妻の鬱病対処法を述べさせていただきます。鬱病は自殺をまねきやすい恐ろしい病気です。日常に支障をきたすことが実感されたのであれば即通院して薬をのむのが定石です。とても大事なことです。ただし私たち夫婦が治した方法は、民間療法的なものです。鬱病とは現代病であり、患者は原始的脳である間脳部分がたるんで(?)いるそうです。その部分を刺激してしまうような劇的な肉体的体験をすれば、即興で治ります。私は50キロ以上の荷物を背負って8時間かけて低山登山しました。全ての理性がふっとび本当に欝的症状がなくなりました。妻は夏の猛暑のビーチでタオルケットをかぶって寝転んで数時間ボーッとしていました。晴れた土日に琵琶湖と福井の砂浜にかよい、私と子供が泳いでいるのを尻目に只管汗を流していました。効果はテキメンだったそうです。いまでは欝的症状がみられなくなりました。とにかく大脳新皮質を麻痺させるくらいの肉体的刺激をくわえることが欝にたいする特効薬だそうです。私たちがとった方法が極端だとしても、運動が欝に効果的なのはよく知られているところです。太田さんの御健康と今後ますますの御活躍を心よりお祈り申し上げます。謹白

<太田>
どうもお気遣いありがとうございました。幸い、軽い鬱はほぼ完全に解消できたと言ってよいと思います。皆さん、大変ご心配をおかけしました。

<原田義昭>
コラム#1195「緊迫化する竹島問題(その2)」を読みました。
「竹島問題」不満だが・・・をアップしました。ご一読戴ければ幸いです。
http://www.election.ne.jp/10375/60388.html
竹島問題で政府(文科省)は、竹島は「固有の領土」という件(くだり)を削って、しかし領有権に争いがあることを明記して中学校教科書の指導要領「解説書」に書き込む事を決めた。日本として当たり前のことを外 国から干渉を受けて変更することは甚だ問題であり、又それを外交配慮で行なった事は将来に大きな禍根を残すことになった。国の主権と国民の誇りはどこ行ったと問われかねず、私は大いに不満だ。
  しかし一方福田氏やその内閣のこと、べた下り(譲歩)して国民の非難を一斉に受けるのではないかと心配していたがぎりぎりの工夫で踏みこたえた。舞台裏の事情をよく知っているだけに渡海文科大臣など一線で苦労された関係者には礼儀として深く敬意を表しておきたい。
  にも拘らず韓国は抗議をしているという。大統領までが声明を出したり、大使を召還して見せたり、同じ政治家だから国内で苦労しているのはわかるが、余り稚拙な言動ばかり弄すべきでない。外交で国と国の主張が違うことはいつもあり得る、むしろそれが普通、だから話し合いが必要なのだ。気に食わなければ暴動を起こす、何が未来志向か、成熟した関係か。冷静にかつ徹底した議論を行なうことで初めて両国民が納得するというものではないか。不当な脅しや抗議は堂々と受けて立つ、これが私たちが目指す「品格ある国家」ということだ。   

<太田>
原田君、お久しぶりです。ブログ、読ませていただきました。ところで、役人の1974~1976年在外研究員(長期)の同期の懇親会、私が幹事を務めた1970年代の終わり(1980年代の初め?)から、かれこれ30年近く一度も開かれてないよね。余りにも大昔で、誰に次期幹事になってもらったか忘れちゃった。原田君、ご足労だけど、幹事役やってもらえませんか。
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