木を見て森を見ぬ防衛省改革(佐藤 守) | 日本のお姉さん

木を見て森を見ぬ防衛省改革(佐藤 守)

ようちゃん、おすすめ記事。↓

▼木を見て森を見ぬ防衛省改革(佐藤 守)http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/

昨日は、猛暑の中、大宮まで出かけて「防衛漫談」をしてきた。いつもの事ながら、新宿駅構内の雑踏には閉口したが、快速電車で30分でついた大宮駅周辺の発展振りには驚いた。人ごみにも驚いたが、若い学生(それも女学生)が目立つのは、活気があって何と無くほっとする。8日間の“老人ホーム?”での生活が余程こたえたのだろう。埼玉県警備協会主催の経営者研修会でお話したのだが、90分間の持ち時間だったが、熱心な100名を越える聴衆の熱気に押されて、ついつい“解説”が長くなり、10分オーバーして主催者に大変御迷惑をかけてしまった。退院後の最初の講演だったから私自身、体力回復の「検証」でもあったのだが、とにかく喉が乾いて、用意された水を飲みながらと言う、誠に無礼な態度で申し訳なかった。しかも冷房が効いた会場だったにもかかわらず、背中や腕に“冷や汗?”が出て、向う脛が痙攣したり、何時までも「青年将校気取り」では務まらない!ことを実感した。20リットルも補充された「人工血液?」を排除して“自家製血液”が全身にいきわたるまではもうしばらくかかるのだろう・・・

ところで今朝の産経新聞トップの「防衛省改革記事」についてはどうにも腑に落ちない事がある。諸悪の根源?と言われた参事官制度が廃止されるのはいいことだとしても、見出しには大きく「政治主導にシフト」とある。いかにも今までは政治が主導権を放棄していたようでこれまたおかしい!(実態はそうだとしても)「背広・制服の交流促進」として、いかにも参事官制度を悪用?した背広が実権を握って制服を押さえつけてきたかのような表現だが、勿論その弊害を否定はしないが、それも人次第、制服側も言うべきことをいわずに、陰では不平を言っても正面から言うことなく、自己保身に利用してきた、つまり、自ら「軍門」に下って、背広組みの跋扈を許してきたことも否定できないだろう。
思い出すのは勇気ある栗栖統幕議長の「超法規発言」くらいであって、このときも「シビリアンコントロールを乱す」とか何とかへ理屈をつけて金丸長官が栗栖統幕議長の首を斬ったのだったが、この時誰も栗栖議長を支える制服はいなかった。唯々諾々として?「空席」になった統幕議長の座に着いた方がいたのではなかったか?金丸長官の「横暴」に抵抗して、議長席を「空席」にしたままにする“平和的なクーデター=意思表示”も可能だった筈だ。「物言えば唇寒し庁の風」とは、心ある制服組が当時嘆いた言葉でもあった。

5面にもこの解説記事が出ているが、その脇に拓大の森本教授が「組織いじりだけでは不祥事の根絶無理」としていいことを言っている。「防衛省・自衛隊に起きた近年の事件は、その背景に軍隊としての自衛隊に指揮系統の結節が多すぎ、かつ官僚化してしまっていることに問題の本質がある」というのである。

「米国は官僚機構の国防省と軍事組織の統合参謀本部が別の組織になっていて、部隊は大統領から直接下される命令で動く。官僚組織としての防衛政策局と実力組織である統合幕僚監部を大臣の下に統括するというのが有効に機能するのか、十分な検証が必要だ」「防衛への国民の理解を深める努力がなければ本当に良い人材も集まらないし、プロフェッショナリズムの確立も無理だ。単に組織をいじるという発想だけでは不祥事の根絶は無理だろう」と語っているが同感である。

更に言わせてもらうとすれば、軍隊とは何か?についての理解が欠如しているのである。軍隊とは、他国からの侵略を防ぐ“暴力装置”であり、国内政治を司る“官僚機構”では決してないという理解がないということである。不祥事を起こした一部官僚組織の“延長”ととらえて、小役人を統制するが如き「不祥事対策改革」的考えで組織を“いじって”も、武力集団には通用しないことを御存じないのである。

5面解説記事のリードに「防衛省改革会議の報告書は、福田康夫首相のブレーンの五百旗頭真防大校長の試案を下敷きにしつつも、急進的な改革を唱える石破茂防衛相の主張を大幅に取り入れたものとなった」とあるが、防衛白書を見てみるが良い。上の図は、防衛白書(19年版)から取ったものだが、これに照らすと産経の記事は首を傾げたくなるような内容なのだが、読者も記者も気づいてはいないようだ。少なくとも「指揮統制系統」を重視する軍事組織として、私にどうにも理解できないのが「現職の防大校長」が、上司たる「現職大臣」を差し置いて、首相の「ブレーン」に“就任”している事実であり、これでは石破大臣もへそを曲げたくなるだろう。組織上は「自分の部下」である筈の「防大校長」が、「かってに?試案を首相に提出して」、上司たる「防衛大臣」が提出した「報告書」を検討するのである。最高指揮官たる福田首相の認識を疑いたくなる。五百旗頭校長も校長で、大臣を飛び越えたブレーンに就任するのだったら、校長の職を辞するべきであろう。

全くけじめがついていないこんな上層部のごたごたを傍観している「武力組織構成員」たる自衛官たちが「抵抗感」を示すのは当然である。「双頭の鷲」じゃあるまいに・・・軍事組織においては結節を省くために指揮系統は一本化すべきだし、現実に「統幕一本化」を図っているにもかかわらず、組織上の逆転現象を容認している最高指揮官の考えが全く解せない。こんなところが「軍事音痴」「平和大国」日本の“おままごと=戦争ごっこ”だと私は感じるのだが・・・

森本教授は「看板いじり」を批判したが、象徴的なのは同じ防衛白書の次の写真であろう。防衛省移行に伴い、時の大臣が揮毫した「看板」を正門に掲げる式典の写真だが、防衛省“首脳陣”の中には制服トップの統幕長が1人いるだけで、「参事官制度」が如何なるものか、を明確に示して余りある。まだまだ、改革は尾を引くことだろうが、繰り返して言わせてもらうならば、防衛省は単なる「官庁組織」ではない。自衛隊と言う「武力集団」を抱えた「闘争組織」であり、常に暴力が支配する国際関係を対象にした組織である、と言う事を忘れないで欲しいと思う。
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▼家賃を滞納する方が悪いぜ!(。江草乗)
家賃というのは期日までに払うのが当然である。そういうものが遅れても平気な人間というのをオレは基本的に信用しない。そして、期限が守れなかったことで不利益が生じるのは当然のことである。だからこういう訴えを聞いてもオレは逆に「おまえたちの方が間違ってるじゃないか」と思うのだ。アサヒコムの記事を引用しよう。

敷・礼金ゼロでも…家賃滞納で勝手にカギ交換 近く提訴(アサヒコム)2008年7月17日0時2分
敷金・礼金や仲介手数料ゼロをうたい文句に部屋を貸す不動産会社スマイルサービス(本社・東京都新宿区)の物件に入居する男性らが16日会見し、家賃を滞納した際に鍵を無断で換えられ入室できなくなり、違約金も支払わされたとして、近く同社に賠償を求める訴訟を起こすと発表した。被害対策弁護団も同日結成され、26日に電話相談会を開く。スマイルサービスは都内を中心に物件を展開し、初期費用が安いため、若者や外国人などに人気だ。現在4人が提訴の準備をしている。 弁護団によると、同社の契約は、「一時使用契約」で、家賃が遅れた場合には一方的に解約するという内容。滞納した場合は、無断で部屋に入り、鍵を換え、承諾なしに荷物も処分できるとしている。 弁護団の宇都宮健児弁護士は「実態は賃貸契約で、借り主は借地借家法によって強く保護される。一時使用とするのは脱法行為。家賃を滞納したからといって法的手続きを取らずに強制退去させるのは違法だ」と批判する。
同社物件に住む細坂達矢さん(20)は、これまでに家賃を3回滞納し、鍵を換えられ、違約金と施設再利用料計6万5千円を支払った。「1日滞納しただけで、部屋の鍵を交換されてしまい入室出来なくなった。こんなことはおかしい」と訴える。その後は違約金ではなく「生存確認出張料」の名目で1万500円を請求しているという。 弁護団は「貧しい若者や外国人などをターゲットにしている」とし、26日午前10時~午後7時、電話相談(03・3352・7177)を受け付け、類似の被害の相談に応じる。 スマイルサービスは「係争中の事案もありコメントは控えたい」としている。
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このスマイルサービスという業者の賃貸は。礼金や敷金がいらないということで人気があるという。しかし、礼金や敷金というのは、家賃が滞納された時の保険的な意味合いがあるのだ。それがないということは、すなわち家賃滞納時に即座に居住する権利を失うということになっても仕方がないとオレは思うのである。家賃を滞納する入居者に対して、どうすればきっちりと払わせることができるのか。賃貸住宅オーナーは誰しも同じ悩みを抱えている。ところがそういう不良入居者を「借地借家法」という時代遅れの法律が守っているのだ。家賃を滞納していてもいきなり退去を求められることはない。結局家賃の一部を踏み倒したまま出て行くようなヤツも多いのである。カギを交換して部屋に入れなくするというのは果たして理不尽な方法だろうか?それ以外に家主側の対応としては何があるだろうか。少なくともオレはこのスマイルサービス側を支持したいのである。

ここで訴えている人の一人である細坂達矢さんは家賃を3回滞納して、違約金と施設再利用料計6万5000円を支払わされたと提訴しているわけだが、三回も滞納した不良入居者が何を甘えてるんだとオレは思うのである。「一日滞納しただけでも入室できなくなる」というのはおそらく契約書のどこかに書いているのだろう。それをちゃんと読んでいないだけじゃないか。業者は最初に決められたルール通りにしているのである。それを入居者の側が自分たちの勝手な論理を押しつけて、「こんなのはおかしい」と文句を言ってるわけだが、おまえらの方がおかしいとオレは言いたくなるのである。

「一時使用契約」というのはホテルに宿泊するような感覚だろうか。だったら毎日料金を払って更新するというのもわかる気がするし、ゼニを払ってない日は泊まれないのもまた当然のことである。ゼニも払ってないのに「そのまま住ませろ!」「文句があったら裁判所を通してから来い!」という連中なんか、オレが賃貸オーナーならば絶対に入れたくない。そういう不良入居者だからこそ普通のところには入らせてもらえずにここに流れてきたのではないか。自分たちの間違いを棚に上げて何を一人前の主張をしてるのかとオレはあきれるのである。今の時代はこんなふうに義務を果たさずに権利ばかり主張するヤツが多すぎて困る。

被害対策弁護団がさっそく結成され・・・とあるので、どうせ人権派の弁護士どもが集まって裁判を戦うのだと思うが、オレはこの裁判で訴えられることになるスマイルサービス側に大いに同情してしまうのである。あんたたちは悪くないような気がするのだ。あくまで悪いのは家賃を滞納しても平気な入居者でありあんたたちは家賃を滞納された被害者なんだから。しかし、裁判官にはそんな常識は通じるかな?
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▼理屈がわからなくとも良いものは良い。 (大日本セキュリティ)

オフイス・マツナガさんで「昭和のマルチ人間」中山忠直氏が取り上げられているのですが、結構興味深い内容です。
officematsunaga.livedoor.biz/archives/50678853.html

中山氏の最も重要とされる業績が「漢方医学の復権」なのだそうです。明治維新は生活様式から学問までガラッと西洋式に改めてしまったわけで、日本において主流だった漢方医療も一気に、過去のものというか、キワモノ的な扱いに変わってしまったわけです。なるほど、こういう事があったのか....。明治維新はいろんな意味で劇的だったのですね。

漢方というわけじゃないのですが、私の知り合いで、脳梗塞による左半身マヒの人になってしまった人が、整体師である弟のマッサージを2年間毎日のように受け、少し足を引きずるが杖なしで歩けるようになるまで回復しました。私の知り合いには、他にも半身マヒになった人がいますが、リハビリを受けてもなかなか回復させる事が難しいようです。前述の整体師のマッサージを受けて回復した人も、主治医が不思議がるほどの回復ぶりで、「何百人という麻痺患者を見てきたが、かなり重度の麻痺と思われた人が短期間でここまで回復するというのは考えられないケースだ。」と言わしめたそうです。でも、西洋医学では無理といわれていたのに、東洋医学の力で回復したっていう話はよく聞きますね。

昔は西洋も東洋も、民間療法が幅を利かせていたはずで、「理屈はわからんが、経験的に効果があるのはわかっている。だからやってみよう。」という事だったのでしょう。しかし、ギリシア哲学の流れを汲み「物事を細かい要素にまで分解・分析(analysis)し、その要素を他のサンプルと類比(analogy)する事によって真理・事実を導き出す。」という論理的な発想が力を持ってきた西洋では、「どの成分がどういう効果を持っているかもわからない薬など信用できるか。」「その薬がどんな成分でできているかが特定され、その成分が入っている他の薬でも同様の効果があって初めて薬効が認められる。」みたいな感じなのでしょう。もちろん、その論理的な発想が科学に活かされたから西洋が躍進できたのだし、明治以降の日本人も多くの恩恵を受けているわけです。でも、「理屈がわからんが効果がある。」ってのを全否定するのはある意味「傲慢」かもしれませんね。理屈がわかるものと理屈がわからんものの両方と付き合っていったほうが賢いですね。

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▼ パリの悪戯 (清谷信一)
http://kiyotani.at.webry.info/200807/article_6.html
名前は失念しましたが、最近フランスでは「PLAYBOY」で長年、エッチでコミカルなイラストというか一コマ漫画を描いていたいたこのイラストレーターが再評価されているようです。どうもフランス人のようです。画集も相次いで発売されています。前回買おうとおもっていたのですが、荷物が多すぎて断念しました。でもって、地下鉄に貼られたこのポスターに悪戯が。手描きではなく、どこかからもってきた口の写真を貼り付けたようです。悪戯はイカンのですが、しかし絶妙なバランスですなあ。つい、拍手を送りたくなってしまいます。
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