クライン孝子の日記・「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」  「トロイの木馬」シミュレーション | 日本のお姉さん

クライン孝子の日記・「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」  「トロイの木馬」シミュレーション

ようちゃん、おすすめ記事。↓クライン孝子の日記

2008/07/12 (土) 加藤発言に地方議員猛反発、来週議員辞職要求
■2008/07/11 (金) 加藤代議士、本心で謝罪?したの?
■2008/07/11 (金) 事なかれ主義拉致幕引福田内閣撤退を希望(1)
■2008/07/11 (金) 日本は他国の人々の共鳴を得る努力をしていない(2)

以下、加藤議員に関し、多くの選挙民が不満を爆発させています。福田首相、対応を誤ると、内閣退陣という最悪の事態に陥るかもしれない。つまり場合によっては福田内閣の命取りになるかもしれませんね。なぜなら国民はかくも、拉致問題ではフラストレーションがたまっていて怒り狂っているからです。さても、昨日の青い風船の渋谷ハチ公前での抗議デモですが、とりわけ地方議員が今回は怒り心頭、爆発寸前みたいです。ガンバレ!  あと一息!我々の手で、被害者を救出しよう!
北に返すべき」加藤発言に地方議員ら猛反発 来週にも議員辞職要求
http://www.zakzak.co.jp/top/2008_07/t2008071101_all.html

S氏より<<加藤代議士の発言
http://www.youtube.com/watch?v=Xds6B9bufQ4
日本人は表しか見ていないのが欠点の一つです。加藤紘一氏に対しての拉致家族発言問題の最中は、いつも見る「月」の表面ですが、調べましたら、「月」の裏では、こんな事が。
http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200806280029a.nwc
BS11番組の場面で、加藤氏が、中国の胡錦涛国家主席の事
を話した場面で、慎重になり過ぎたのでしょうが、モゴモゴして
いた場面で、なんだ?と、気付いたのです。小生がブッツリと切れた高村外相の場面と同じ姿でした。人間、すんなりと話せない時、一瞬、たじろぐ姿は、皆同じです。加藤氏の議員解任を、どうしたら実施できるか、真剣に考えたほうが良いと考えます。退任後も、影響力が強くなります。今の自民党では、将来の日本に危ういものを覚えます >>

読者氏より<<議員浄化に関する拙論をご紹介いただき感謝しています。以下追加です。不良議員追放の方法について(2)
不良議員の当選力を衰弱させるには、選挙地盤に国民が抗議することですが、ただ意見を主張しても効果が薄いので、より実効性のある方法として、全国的な当該地域産品の抗議不買運動が考えられます。

K議員ならY県産品でしょうか。そうなると地元産業界が住民を含めて当該議員に厳重抗議することになるでしょう。場合によっては次回選挙で別の候補者を擁立することになります。他党に投票している巻き添えの方にはお気の毒ですが、被害国民には他には有効な対抗手段がないのです。またこれが無力な国民のインターネット時代における効果的な政界浄化手段になる可能性があります。    以上>>

■2008/07/11 (金) 加藤代議士、本心で謝罪したの?

加藤発言と拉致被害者家族の怒りとコメ支援
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/639781/
北朝鮮へのコメ支援と政治家が語っていた言葉
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/632447/
千葉の山田氏より、<<お元気に過ごされているようでなによりです。
クラインさんのところでも取り扱っていますが、加藤紘一の『拉致被害者を北に返すべきだった』等の発言で、多くの批判がでて、謝罪?もしたようですが、あれは謝罪なのでしょうか?

加藤氏、拉致被害者「北に返すべきだった」発言で釈明
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080711/stt0807111220004-n1.htm
内容もただ単に自分の発言の擁護だけで、俺は悪くないけど、とりあえず謝っとこうか程度にしか感じられませんし、まずは、拉致被害者家族に対し謝罪し、その次に国民へ謝罪するべきと、僕は思いますがね。安倍元首相に『百害あって利権あリ』発言に、名指しで言われたわけでもないのに反応し、山崎拓氏と結託し加藤氏が激しく反論。安倍氏憎しの論調をTVにも取り上げられ、『これは、俺に有利になってる』とでも思っていたのでしょうか?

地元、山形でも拉致被害者や被害者認定されていない家族もいらっしゃると思いますが、そういう方々に対しての配慮というか、やさしさというものがまったくなく、やはり、『百害あって利権あリ』なのだろうと、さらに勘繰りたくなります。しかし、福田氏が首相になってから、墓に首まで埋まった魑魅魍魎が息を吹き返そうとしており、不愉快極まりない状況です。

まあ、それも参院選での国民の審判の結果といえますが、今の選挙では、例えこの人に投票したくなくても、比例区っていう魔法の道具で個人名で立候補しなくても党の得票を公認順位によって当選してしまうという、悲劇的な状況です。比例ってものをなくし、例えば全国区とし個人名で立候補させ、過去の経歴すべて公開し、且つ当選させたくない人の投票(つまり落選させたい投票)をし、得票数から落選票を引いた数を得票数にするとかできたらいいのではと最近考えてます>>

■2008/07/11 (金) 事なかれ主義拉致幕引福田内閣撤退を希望(1)
ワシントンDCらち連絡会
http://www.asanocpa.com/rachi より
<<毎日お疲れ様です。毎日ありがとうございます。事なかれ主義で拉致幕引内閣の福田首相の辞任を希望します。さて皆さんお忙しい中場違いののんびりした話のようで恐縮ですが、もしもお時間がございましたら、以下の雑文をお読みください。
 
仮に日本の拉致被害者が500人とします。その一人一人に家族や親戚や友人等の関係者が計100人いたとします。すると拉致被害の直接の関係者は合計で5万人ということになります。これは日本の人口のたったの0.05%以下です。拉致被害に直接困っている人は、5万人とは言え無いに等しいとも言えるという人もいるかもしれません。しかし一人の殺人犯人も許さないように、一人の誘拐犯人も許さないし、一人の被害者も見捨てることがないのです。そうでなければ、社会はなりたちません。そうでなければ、誰もが被害者になる可能性を大きくしてしまいます。
 
簡単に考えたら、他国の政府が日本の拉致被害者のために何かをするというこは、原理に反することになります。その国はその国の国民にために機能する義務があります。しかし色々な手段で他国に影響を与えることは不可能ではありません。そしてそれは他国が常にやっていることなのです。それは場合によれば力によることもありますし、場合によれば共鳴によることもあります。
 
世界の誰でもが共鳴できるように、協力者を増やしていくことは、可能なだけでなく、必要なことです。味方を作ることに努力しない、ということはひょっとしたら、戦前、戦後を通じて日本人に一貫していることかもしれません。自分がより良い社会に生まれ育ったのは、自分の努力ではなく偶然と言えるのではないでしょうか。その社会を誇りに思うことは素晴らしいことですが、それで終わっては情けないのではないでしょうか。問題は自分が少しでもより良いかどうかです。
 
民主主義の原理は自己責任ということです。それは自由と自己責任が同義語であるのとも同様とも言えます。自分でしなければならないのです。楽ではない大変なことです。それも一回で終わらないことです。不断の努力が必要です。そしてその一つ一つは、ひょっとしたら取るに足らないように思える、つまらないことかもしれません。ー続ー

■2008/07/11 (金) 日本は他国の人々の共鳴を得る努力をしていない(2)
自分がそれをしなければ、みんながそれをしなければ、自分が誇りとしたその社会はやがて無くなるでしょう。問題は国が立派かどうかではなく、その国の構成員一人一人が立派かどうかです。- と前置きが長くなりました。またお手数をおかけして恐縮です。すぐ下の、ホワイトハウスへのテロ解除指定に反対のメールの
送付とともに、comments@whitehouse.govNo to de-list of North Korea as a terrorist state.

一番下の英文の「メグミストーリー」をアメリカでさらに
売り出す作業にもご協力をお願いします。(日本は他国の人々から共鳴を得る努力を今までほとんどしてきませんでした。それは今までカナダ人夫婦だけが単独でやってきたのです)。
(以下のサイトで「拉致、メグミヨコタストーリー」
に投票してください。-加筆)
www.pbs.org/independentlens/awardabout.html >>
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)7月12日(土曜日)弐
通巻第2255号 

 中国のGDPは2035年にアメリカを抜いて世界一に
  PPP(購買力平価)では2020年に米国と並ぶそうです
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ハーマン・カーンの弟子だったオーバーホルトが『中国がアメリカを超える』などという楽天的未来図を提示したのは、1995年ごろだった。当時、オーバーホルトは、香港の野村證券主任エコノミストに転出したばかりで、筆者は香港へ会いに行った。まったく正反対の分析だから興味があった。当時のインタビューは拙著のどこかへ挿入したが、本棚を探しても見つからない。

中国のお先棒担ぎはほかにもごまんといる。
こんどはカーネギー世界平和財団のアルバート・ケイデルである。ケイデルは元世界銀行のエコノミスト。
かれの分析に寄れば、年率10%以上の高度成長をつづける中国は、経済構造と消費体質を内需拡大型に移行させてゆき、経済成長ははてしなく維持拡大の方向にあり、2035年に米国を抜き去ると大胆な予想を提示した(AFP,7月11日付け)。
「中国が貧乏だって? それは三十年前の話でしょ」。現下、米国のGDPは14兆ドル。中国のそれは3兆ドル(ちなみに日本は5兆ル)。しかしPPP(購買力平価)で換算すれば、中国のそれは、いますでに米国の半分のレベルまできており、2020年に等価になる。2020年に両国のPPP換算GDPは18兆ドルであろう、とケイデルは言う。さらに2035年に米国を抜き去り、2050年に米国のGDP予測は44兆ドルに対して、中国は82兆ドルに拡大しているだろうと豪語している。
この予測は米国への警告を含めているのか、基底の心理としてすでに米国は中国との協調路線に傾いているのか。
 
米国の中国を見る目は、ここでも大変化を遂げている。古くは仏大統領のジスカールデスタン、「中国は広くて選挙なんか、できませんよ」(だから民主化しなくてもいいの?)。同シラク大統領「中国では歳月がほかの場所より悠然と流れている」。このような中国幻想は、日本の政治家や外務省チャイナスクールとあまり変わらない認識である。

ギ・ソルマンは『幻想の帝国』のなかでこう書いた。「中国のファッショが中国人を不幸に追いやり、そして中国をやがて崩壊に導く」。「いまの中国を過去の日本や韓国と類似比較するのは間違い。国家が殆どの企業の経営権を握り、このスタイルは旧ソ連型であり、ところが中国経済は世界経済の成長に依存しているのだから過去のソ連型でもない」。「本来ならマスコミと労働組合が批判力を増して、社会的ひずみの是正に貢献する筈だが、その役割を中国で演じている人も機関もない」。

したがってギ ・ソルマンは「中国が第二の米国」になることはあり得ない、と断言している。
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♪(読者の声1)貴誌のコメントで北方謙三氏の連載小説に関しての評価がありました。わたしは中小企業経営ですが、当該小説を毎朝たのしみに読んできており、宮!)さんが注目していることを知って意外と感じると共に、共感も感じました。この小説は経営者の心得と説いているという意味で、骨太の作品ではないかと私はひそかに思っていましたので。(TY生、仙台)

(宮崎正弘のコメント)北方謙三は立松和平とならぶ全共闘世代。ようやく老境にはいって、円熟した作品をかけるようになったのでしょうねぇ。じつは過去の若き日の作品はつまらなくて読んだことがないのですが(苦笑)。
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♪(((((((( 資料 )))))))

台湾が八ヶ所の空港乗り入れを解放したため、「トロイの木馬」で簡単に征服できる可能性が出てきた。
 [AC論説]No. 243 「トロイの木馬」シミュレーション
                  アンディ・チャン(在米)

台湾統一の上策とは,戦わずして征服することである。中策とは「トロイの木馬」で短時間内に征服して台湾の産業を破壊しない。下策とはミサイルその他の攻撃で台湾に大きな破壊を及ぼすことである。
台湾が八ヶ所の空港乗り入れを解放したため、「トロイの木馬」で簡単に征服できる可能性が出てきた。台湾征服のあと、どのような政治効果、国際反応が起こるか、私なりにシミュレーションを行ってみたい。個人のシミュレーションだから意見もいろいろあるかもしれないが、このシミュレーションが台湾の識者に警告を与え、出来る限りの予防と準備を促すことが出来ればよいと願っている。

●「トロイの木馬」実施のシナリオ
まず中国が台湾を征服すると言うことはアメリカと敵対行為に入ることであり、米国を始めとして世界各国の抗議が相継ぐことは中国も十分にわかっているから簡単に「トロイの木馬」作戦を行うことはない。中国が「トロイの木馬」を実施するには三つのシナリオがある。
(1)中国が台湾との和解協議や妥協を無視して戦争に突入する。
政治的にあまり可能性はないが、政治、経済、その他の原因で中国政権が危うくなった場合、台湾攻略で国内問題を逸らして安定を図る可能性は否定できない。ことに「トロイの木馬」が簡単に達成できるとわかれば軍部が軽はずみに動くかもしれない。この場合は台湾に侵攻すれば台湾軍部と民間の抵抗が起こる。

(2)台湾の独立運動が激しくなって馬英九政権が危なくなり、国民党幹部が中国の台湾攻撃を要請する、つまり呉三桂の故事を同じシナリオで中国軍の侵攻を歓迎する。これなら台湾軍の反抗はなく、民間人の反抗もあまり効果がない。中国軍が台湾を占拠したあとは嘗ての228事件と同じく、台湾人の大虐殺を実施する、ことに政治家や経済界の掠奪と殺戮、財閥の掠奪などが行われるだろう。

(3)国民党政権と中国の協議で、平和統一を果たす合意が成立し、ある日「トロイの木馬」作戦で中国軍が台湾に進駐する。
台湾人は完全に意表を突かれて抵抗する気力もないまま統一される。この場合は中華民国の同意の下で行われるから各国の抗議は完全に無力となる。アメリカはこれまで「両側の平和解決」を主張してきたが、急速な統一が起きても反対する機会すら与えられない。

●作戦綱領
「トロイの木馬」作戦は次のように簡単な箇条書きに出来る:
1.中国の空港で、旅客を空港ロビーに待たしたまま、兵隊と武器車両などを満載した飛行機が八ヶ所の空港から出発して台湾側の空港には旅客が無地に出発したと連絡する。台湾の八ヶ所の空港に殆ど同時に着陸するように時間を合わせる。

2.着陸した旅客機がゲートに到着して、ゲートが開かれたときに、機内の兵士は一斉に旅客機の非常口を開き、脱出シュートを使って外に出る。非常口からの脱出は数分で終り、不意を突かれた整備人員を逮捕または射殺する。空港を占拠した後は武器と車両を下ろして空港を占領する。

3.空港内の旅客を制圧した後、軍用車両及び、空港にあった旅客またはタクシーなどの一般乗用車を接収して市内に進攻する。途中では高速道路の車両を一切遮断して交通不能とする。また搭載してきた戦車や戦闘車両を使って付近の軍司令部に攻撃を開始する。台湾の軍施設は殆ど外から来る攻撃に備えて海岸から外向きになっているので、内側から攻撃すれば防御できない。

4.市内に侵攻した軍隊はすぐに政府、警察、軍部などを制圧する。
この頃を見計らって対岸から大量の上陸用舟艇が台湾に向けて出発する。同時に台湾内部に潜んでいた中国人が内応して抵抗する可能性のある民衆を逮捕する。
5.湾内部の抵抗が強いときはミサイル攻撃をする。
6.八ヶ所の空港攻撃で台湾全島は半日で征服できる。政府及び軍を征服した後、民間の動きを監視し、反対者を逮捕して組織的な抵抗が出来ないようにする。この時点で兵士による掠奪や殺戮が起きる。
7.国政府が台湾の占領を発表し、統一宣言をする。

●台湾関係法と米軍の動き
アメリカ政府はこれまで「台湾海峡両側が(二つの中国とはいわず)平和裏に問題を解決することを望む」と主張している。不意を突かれて短時間内に台湾を征服すれば平和裏に解決する声明など役に立たない。
台湾関係法はアメリカが台湾人民の安全を守る意思を明確にしている。つまりサンフランシスコ条約において台湾の地位は未解決であった、だから台湾がアメリカの暫定占領領土であり、台湾の帰属は最終的に台湾人民が決めるという原則に変りはない。「トロイの木馬」はアメリカと敵対行為に入る事を意味するが、アメリカは台湾国内に侵入した部隊を追い出す能力はないから、この事態が起きれば最終的に台湾人の意思を聞くことができない。アメリカの第7艦隊及び日本の米軍基地は中国の動きに注意を払っていて、軍事行動の動きがあればすぐに警告と友の台湾防衛の行動に移ることが出来るはずだった。しかし中国の空挺部隊が旅客機を使って台湾に着陸して内部から征服をすればアメリカは事前に察知することが出来ない。空挺部隊が内乱を起してからアメリカが軍事行動を起すのは至難である。そこでアメリカは政治的に解決を図ることになるだろう。ブッシュが胡錦濤に厳重抗議を申し込み、中国軍の即時撤退を要求する。そして外交人員は直ちに中国側と交渉を開始する。このことは時間が長引くということで、台湾国内の動乱、殺戮を止める手立ては皆無である。

●米国の政治牽制
米国が「トロイの木馬」行動を察知した時点でアメリカ大統領は直ちに厳重抗議を申し込み、第7艦隊は戦闘態勢(General Station)に入るだろう。中国海軍の舟艇は台湾海峡の中間線を越えることは出来ないし、ミサイル攻撃も直ちに中止出来る。 こうして台湾に上陸した中国軍は孤立して自力で活動し、殲滅されるか降参するか、睨み合いをしながら国民党幹部と話し合いを続ける。しかし補給線がないので物資は現地調達しかなく、台湾の民間と話し合いに入るか、殺戮を繰り返して暴力で物資を調達することになる。でも台湾は物資が豊富だから侵入した軍隊が飢えることはないだろう。政治交渉が長引くほど中国側に有利となる。中国はアメリカの抗議に対し「われわれは平和裏に解決した」、「台湾は中国の一部であり、他国の干渉は許されない」と開き直るだろう。アメリカに出来ることは、直ちに海峡の封鎖(エンバルゴ)を実施し、中国の輸出入を禁止し、各国もアメリカに同調して中国軍の即時撤兵と台湾人民の安全を保護すると声明することだ。国連軍の発動を提議する可能性があるが、中国が国連で否決権を持つ限り国連軍の発動はない。日本軍の戦闘参与は第9条によって禁止されている。つまり軍事行動はアメリカに限られると見てよい。アメリカは武器方面では中国軍に勝っているが、イラクとアフガニスタン、北朝鮮などの諸問題を抱えているので実力行使の余裕はない。台湾有事に際して、日本は日米安保条約に基づいて米軍の支援を行うが、米国の「名誉ある撤退」を図る政治的解決のほかはない。中国はアメリカの困難をよく調べているので、政治交渉は引き伸ばし戦術で台湾を長期占領したまま人民の抵抗をなくしてしまい、台湾は滅びる。

●台湾人の抵抗
台湾が攻撃され「トロイの木馬」で占領された後に台湾人が決起する可能性はかなり薄いと思う。理由はいくつかある。このような事態に備えて民間組織の危機対応の基本準備ができていないこと、武力がないこと、全島の連絡をとる方法がないこと、指導者がいないことなどである。台湾人は団結力がないし、中国軍が台湾人の有力者を集めて集団処刑すれば残りは烏合の衆である。毛沢東の言うとおり、「一人の指導者を殺せば村人は降参する」のである。このシナリオを台湾にいる友人に電話したところ、「いいじゃないか。王永慶のような大金持ちもオレみたいな貧乏人もみんな平等に殺される。台湾か亡国するか、しないか、オレには関係ないことさ」と嘯いた。冗談半分としても、彼のような金の亡者の台湾人がたくさんいるのは間違いない。海外台湾人が台湾の将来を憂慮しても国内の民衆は無感覚で国を守る意思がないなら、台湾は滅びるしかない。このシミュレーションは台湾の識者がこの事態に備えて対抗策を講じるよう警告するためである。台湾人が中国の征服に徹底抗戦をする決心がなければアメリカは助けてくれない。台湾だけでなく、アメリカや日本の識者も「トロイの木馬」を真剣に考慮してもらいたいと願っている。

「トロイの木馬」の恐ろしさは短時間内に台湾征服が出来て、アメリカは手出しが出来ないことである。このシミュレーションを読めば中国の政治家や軍人が興味を持つのは当然、殆ど戦わずして台湾を征服できると確信するだろう。中国人は既に似たようなシミュレーションをしているはずだ。アメリカはこれまで台湾問題の平和解決など意味のないことばかり述べてきたが、この際アメリカも台湾問題をアイマイにせず、明確な解決に向けて努力すべきである。