イランのミサイル実験とイスラエル欧米の反応 (佐々木良昭) 読んでね!
ようちゃん、おすすめ記事。↓
▼イランのミサイル実験とイスラエル欧米の反応 (佐々木良昭)
イランがシェハーブ3型という、長距離ミサイルの発射事件を行ったことが、日本では取り立ててニュースになっていないが、欧米諸国の間では大きな反響を呼んでいる。 それは、シェハーブ3型ミサイルが、2000キロの射程を持っているからだ。この距離は、イスラエルの地中海に面した海岸都市、テルアビブに優に届き、エジプトのカイロ、トルコのイスタンブール、ギリシャのアテネ、インドのニューデリーにまで到達するものだ。
しかも、シェハーブ3型ミサイルは、1トンの重さの弾頭を搭載することが出来るというのだ。つまり、1トンの化学兵器も爆薬も、細菌兵器も搭載できるものであり、当然のことながら、核弾頭も搭載できるものなのだ。イスラエルやアメリカ、ヨーロッパ諸国は、イランが核兵器を製造する方向に向かっている、という疑惑を捨てていないし、イランの核兵器開発を、未然に防ぐために、イランの核施設に攻撃を加えようとも考えている。そうした緊張状態のなかにあって、イランが長距離のミサイル発射を実験したことは、欧米諸国をますます警戒させる結果となっている。その結果は、欧米諸国とイスラエルが、イランに対する攻撃を、早い時期に実施する危険性すら、出てきているということなのだ。しかも、イランが今回行った実験で、見逃してならないのは、最初のミサイルが発射された後、次のミサイルが発射されるのに、数秒しかかかっていなかったということだ。このことは、ミサイル発射が何処から行われたかを、確認する上で問題になるのだ。
以前のように、最初のミサイルが発射されてから、第二弾のミサイルが発射されるまでに、しかるべき時間がかかれば、その最初の発射位置に対して、攻撃を加えることが出来、二発目のミサイル発射を、阻止することが出来るのだ。以前、イラクはミサイル発射に、発射台にミサイルを載せ、液体燃料を詰め込むのに、8時間程度かかったといわれている。当然のことながら、これではすぐに敵に、ミサイルの発射位置がばれてしまい、反撃されることになる。ミサイルの発射が間髪いれずに、連続して行えるということの、メリットはそこにあるのだ。しかも、このことに加え、シェハーブ3型ミサイルは、移動式になっているようだ。そうなると、ますます発射位置の確認が、困難になるということであろう。しかし、このミサイルの命中精度が低いことから、海上に浮かぶ艦艇に命中させるのは、困難だということだ。そうは言っても、イランがアメリカやイスラエルと戦争状態になり、ミサイルを発射するとすれば、イスラエルではテルアビブが狙われ、アメリカ側はクウエイトやカタール、バハレーンにあるアメリカ軍基地が狙われるであろうから、命中精度はあまり意味がなくなるだろう。イランのシェハーブ3型ミサイルの発射実験は、こうしたことから、アメリカに異常なまでの、警戒感を抱かせることになったのだ。それがもし、イラン側がアメリカ側から妥協を引き出すために、駆け引きの道具として行った、ぎりぎりの恫喝行為であるとすれば、結果は、全くイランの期待とは、異なるものになるかもしれない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ようちゃん。↓
★シェハーブ3型ミサイルが、2000キロの射程を持っているからだ。1トンの重さの弾頭を搭載することが出来るというのだ。ミサイルの発射が間髪いれずに、連続して行えるという。しかも移動可能となれば、命中精度はあまり意味がなくなるだろう。>此処までミサイルが改良されれば、十分脅威となり得るので、最早見逃しは出来ない危険な脅威となったのでしょう!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼エルドアン首相のイラク訪問は大成功 (佐々木良昭)
トルコのエルドアン首相がイラクを訪問し、マリキー首相と両国関係を討議した。その結果、両国は貿易、水、治安、エネルギー面で協力することを合意した。その上で、エルドアン首相はトルコとイラクが、共同でPKK問題を解決していくことにも、合意したことを明らかにした。つまり、トルコとイラクは、PKKを両国の健全な関係拡大にとって、共通の敵であることに、意見が一致したということだ。
したがって、PKKは今後、イラクからのトルコへの越境攻撃は、非常に困難になるということだ。このトルコとイラクの合意は、何を意味しているのだろうか。これはトルコにとって、非常に意味の深いものであると同時に、イラクにとっても、非常に意味のあることであろう。
最近になって、イランはイラクでの、テロ活動支援の手を緩めつつある。イランはイラクの国内状況を、安定化させることが、結果的にアメリカを早期に、イラクから撤退せざるを得ない状況に、追い込むと判断しているようだ。そうなれば、イラク国内は安定化に向かい、イラクでのビジネスチャンスは、拡大するということになる。そこに、トルコがイラクに進出する、チャンスがあるということだ。トルコはイラクのクルド地区の開発に、大きく貢献しているだけに、イラクの他の地域でも、トルコに対する期待が少なくなかろう。
イラクにとっては、アメリカに何時までも居座られるのは迷惑な話だが、アメリカに代わる、安定の重石になる国家が必要でもある。イラクにしてみれば、トルコは安全なイラク安定化に貢献する、国家なのかもしれない。トルコがイラクにとって、安定化に役立つとなれば、マリキー首相はアメリカに対し、強気の交渉が出来るようになろう。イランにとっても、アメリカが駐留軍を削減していき、結果的に全面撤退してくれるのであれば、トルコのイラクへの台頭は、歓迎すべきことであろう。イラク、トルコ、イランの間で合意はしていないとしても、お互いに利用しあいながら、イラクでのアメリカの影響力を削減していくという、共通の考えがあっても不思議ではない。アメリカはこうしたイラク周辺諸国の、新しい動きのなかで、次第に立場が苦しくなっていくのではないか。それでも、アメリカが自国軍を地域支配のために、イラクに強引に駐留させ続けるとすれば、イラク国民の抵抗は激化し、かつ長期化することになろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ようちゃんの意見。↓
★米軍は評判が悪いですねー。米軍撤退が進むなら、トルコのイラクへの台頭は、歓迎すべきことであろう。イラク、トルコ、イランの間で合意はしていないとしても、お互いに利用しあいながら、イラクでのアメリカの影響力を削減していくという、共通の考えがあっても不思議ではない。米国のイラク石油の独占体制は 失敗する。益々中東の石油ビジネスは、次の湾岸諸国での金融面へとドル離れを加速して進む。
ーーーーーーーーーーーーーーーー