「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」・クライン孝子の日記 | 日本のお姉さん

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」・クライン孝子の日記

ようちゃん、おすすめ記事。「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)7月9日(水曜日)弐
通巻第2250号 

 香港の民主の灯が消えつつある
   女性闘士・アンソン・チャン引退声明の衝撃
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香港で言論の自由と高度の自治が窒息しつつある。
これまでも窮屈だった。真綿で首を絞められているように、反北京色鮮明だった民主派の存在価値が日々薄らぎ、香港は気がつけば共産主義独裁の奴隷になっていた。カラテのスター・ジャッキー・チェンだってすっかり北京の顔色伺い。自由経済、市場メカニズムに動くはずの香港市場も中国共産党の影が濃い賭場に変貌していた。08年7月、アンソン・チャンが引退を表明した。かつて香港政庁のナンバー2として、香港政務官を経験した陳方安生(アンソン・チャン)は次の立法会議員選挙に出馬しないと宣言した。記者会見で「若手の台頭を希望する」と述べ、アンソンは政界からの引退を示唆したが、香港の民主派が退潮傾向にある事態を裏書きしたかたちとなった。

そもそも陳方安生議員は07年師走の補欠選挙で立法会議員になったばかり。次期本選挙での当選は確実と見られていた。同時に香港民主派のシンボル李柱銘(マーティン・リー)氏も引退する。これで香港から民主主義のともしびは消えることになる。もともと97年香港返還は、「返還」というより、百年後の英国の敗北であり、闘わずして勝ったトウ小丙の勝利である。中国は、これを「回収」と表現し、“一国両制度”は半世紀のあいだは護るとした。サッチャーは武力に訴え、軍を遠く派遣してアルゼンチンと戦争を遂行しても、自国の領土であるフォークランドを奪回した。しからば、その同じ英国がなぜ武力で香港を守らなかったのか、と香港市民は失望した。

「ならば何故あなた方は香港独立をもとめて闘わないのか?」と筆者は返還前に何回か香港へ通ったおりに民主活動家、反体制運動家、国民党関係者、中国之春の諸氏に聞いたことがある。最初から敗北主義ではあったが、「水と食料を大陸に依存している香港が、戦争しても三日で降伏することは目に見えている。とすれば条件闘争が重要であり、返還後も高度の自治と言論の自由を獲得することが肝要だ」と一斉に反論された。

考えてみれば筆者のほうが無謀な質問をしたわけだが、返還後十年でマスコミはおしなべて北京寄りとなり、かろうじて月刊誌の一部が北京批判を展開している。この間、香港市民数十万は英・米・カナダそして大英連邦の豪州とニュージーランドへ逃れた。返還から十年余の歳月が瞬く間に流れた。たとえばカナダからは国籍をそのままに香港へ戻ってビジネスを展開している中国人が二十万人近く、他方で同数のイギリス人が本国へ帰国した。行政は全面的に北京支持派に取って代わられ、香港から希望が失われた。マカオに関しては論ずる紙幅がないが、香港とほぼ同じ、もはや旧宗主国ポルトガルの影さえない。

▼台湾も香港方式で飲み込む策動を続けている
台湾を飲み込む野心を捨てない北京が、実際に熱い戦争を仕掛けて台湾の軍事力と対決するなどという無謀なシナリオは、あまり現実味がない。孫子が言うように「上策とは闘わずして勝つことであり、下策は実態に軍事力で死闘を繰り返す愚だ」。

ならば中間策こそが、近年の中国共産党が編み出した陰険なる台湾作戦、「武嚇文攻」である。つねに武力で台北を威嚇し(実際に千二百基のミサイルを台湾に照準を合わせて実戦配備している)、一方では言葉の戦争をしかけ、台湾をいつの間にか飲み込んでしまおうという長期戦略が北京の指導者の認識である。

軍人幹部のメンタリティもほぼ同様で、たとえば最近も徐才厚・中央軍事委員会副主席は、日本から訪問した自衛隊佐官級訪中団(団長・小田光登統合幕僚学校第一教官室長)と会談したときに、台湾問題に言及、「両岸関係は緊張緩和の兆しもあるが、敵対関係の解消には至っていない」とした。また「中国軍の海軍と空軍の装備は先進国に大きな差がある。とくに海軍は費用が膨大であっても空軍より重点的に(予算を)配分している」と海軍装備のハイテク化が目標であることを鮮明にした。

台湾はこういうおりに大陸との直行便の話ばかりをしているのである。
       
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♪(読者の声1)貴誌前号での「許昭榮さんの抗議焼身自決は、国民党に洗脳された台湾人が、今度は自分が台湾人の若い世代に洗脳教育を行っている事に対する抗議だったと思います」この石戸谷さんの追悼文にある自決理由、簡にして要。日本時代に少年期を送った台湾人の悲劇、それは叙事詩になる一人の人生を淡々と記しており、感銘を受けました。ありがとうございました。問題は、国民党教育を受けた世代に、許先生の自決の意味するものが伝わったかどうか、です。これからの世代に語り継がれていくことを願って、合掌。(SJ生)。

(宮崎正弘のコメント)その台湾老兵 許 昭榮烈士追思会が靖国神社で行われます。

日時 平成20年 7月 20日
   開場 午後1時   開会 午後1時半

台湾老兵 許昭榮烈士の生涯      石戸谷慎吉
   許 昭榮烈士と潮音寺   小川智男
   戦争と平和祈念公園と許 昭榮烈士   周振英
   DVD 台湾烈士許昭榮祈念専輯
    (VHS希望の方は7月15日までにお申し込みお願いします。
  於  靖国会館 偕行の間  (靖国神社境内)
 最寄り駅  半蔵門線・東西線、 都営新宿線  九段下駅 1番出口
     会費 2,000円
 参加申込  電話 03-5368-0145 fax 03-5368-0146
mail tolion777@yahoo.co.jp  担当根本
      携帯 090-1534-6435 (渡邊)
主催 許昭榮烈士追思会実行委員会
            
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  平成20年(2008年)7月10日(木曜日)
通巻第2251号  (7月9日発行)
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 北京の警備はまるで戦争前夜――五輪まで一ヶ月を切った
  五輪会場付近に迎撃ミサイル、突撃隊には92式自動小銃を装備
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北京五輪まで一ヶ月を切った。当日の降水確率は47%。

北京の警備態勢は十万人。洞爺湖警備の五倍の規模。ほかに公務員らが私服をつとめ、要所要所はすでに厳戒態勢に入っている。「空と海の警備も厳重を究めつつあり、五輪会場周辺には低空で侵入してくるロケット弾を警戒して迎撃ミサイルを配備、また万一にそなえての要人輸送のため垂直離着陸機まで配備している。海は潜水艦を強化している」(『多維網』、7月10日付け)。

すでに下記の空港は特別警備、手荷物検査は二回。イスラエル並みである。北京、上海(浦東、虹橋)、青島、天津、瀋陽、秦皇島、石家荘、太源、済南、杭洲、南京、合肥、長春、ハルピン、フフホト、大連。そしてウィグルとチベットの全ての空港ならびに主要鉄道駅、バスターミナル。

公安局特殊警備には「藍剣突撃隊」と「雪狼突撃隊」が編成され、運動神経抜群、強健な軍人諸兄らが92式自動小銃を装備して任務に就く。一人あたりの装備費は30万元(450万円)。これではまるで戦争前夜ではないか。明るい話題? 五輪記念の十元硬貨を600万枚。
       ◎

((((( 余滴 )))))
♪「藍剣」は劉備玄徳と遜権が曹操打倒を誓ったときに使った剣という言い伝えがある。「雪狼」は2002年に北京武装警察部隊に編成された特殊戦闘部隊で、当時から「雪狼」と銘々された。中国東北部や西域に実際に「雪狼」とよばれるオオカミの一種があるから、それにヒントを得たと考えられる。ところが或る中国学者は、この二つの部隊名はセットではないか、藍と雪、剣と狼でセットになっているのではと穿鑿する。つまり藍=沈潜、雪=光輝、剣=鋭利、狼=剽悍というイメージを付帯させ、前衛に雪狼突撃隊を配し、見せる警備。後陣を塵藍剣突撃隊が押さえ万全な警備・・・という意味を持たせているのでは?と言う。
 果たして?
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♪(読者の声1)貴誌に香港の情勢がでていました。
アンソン・チャン(陳方安生)の引退はあきらめだと思います。97年の「回収」と50年はそのままという一国二制の行く末は10年経って嘘が明白。愚かな日本人には、自分の墓穴を掘るのも知らないで、北京政府の尻馬に乗って台湾に適用を論じます。香港と台湾の違いは、台湾人というエスニシティに比して香港人というそれは無かったところでしょう。だから独立論はほとんど台頭しませんでした。ジャッキー・チェンの動きが香港人の平均意識を象徴しています。あの卑屈さはやりきれませんが、一身のサバイバルのためだけの振舞い。ジャッキー・チェンの役割を台湾の中国国民党の少数派である外省人たちが演じているのでしょう。連戦とか、南京にある孫文の墓に政権奪還の報告をした某要人とか。これも端から見ると、やりきれないですね。本人たちは平気で演じているところが。北京政府のクールというか冷ややかな思いを秘めての、彼らへのにこやかな応対。骨のあった陳方安生の返還後の10年の軌跡と心境を想うと、これも別の意味でやりきれません。大事な出来事を掲載してくれて、ありがとうございました。貴誌の出来事の選択眼、いつもながらの冴えに敬服すること、しきりです。(SJ生)


(宮崎正弘のコメント)香港や、自由は遠くなりにけり。昨年、アンソン・チェンと補選をあらそったもうひとりの女傑はレジーナ・イップ(葉劉淑儀)。彼女は親中派で、惜敗しましたが、2017年予定の普通選挙で行政長官最有力。現在のドナルド・ツァン同様に北京の覚えめでたく、今後要注意の政治家ですね。
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■2008/07/10 (木) 加藤紘一代議士の暴言、許すまじ!
■2008/07/10 (木) 加藤紘一氏発言に対する緊急街頭抗議のお知らせ

加藤氏の「北に5人を帰すべきだった」発言に突っ込みを入れる
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/637222/
加藤氏「拉致被害者を北朝鮮に返すべきだった」と発言 
家族会・救う会が抗議声明
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080709/plc0807091442015-n1.htm

今日のチャンネル桜
http://www.ch-sakura.jp/hodo.html
の「クライン孝子の言いたい放談」(週末放映)はこの暴言について水島社長と対談しました。とりわけ加藤代議士の暴言
<<金正日総書記が拉致問題を認め、謝罪したことについても
「天皇陛下みたいな人物だ」>>

には怒り心頭!私など、とっさに「金正日」なとどいうスターリンや 毛沢東とならぶ小スターリンや小毛沢東であり独裁者であり、テロリストを「天皇陛下みたいな」とは、何事か!日本の国会議員にあるまじき発言に、国会議員を即辞任していただきたいと思い、はっきりとそう申し上げました。

さっそくチャンネル桜では抗議デモを行うとのことで、皆さんに呼びかけられるとのことです。いよいよ、日本の国会も、大掃除をしなくてはならない時期に来ているようですね。つまり平然と国を売るような人たち、国民の痛みを理解できない人たちは国会議員として資格なし!お金を掛けない選挙をするために、有志がボランテイアで選挙運動を手伝い、これぞと思う若い人たちに政治を一任すべきて思います。

大阪の橋下知事のように!確かに若さゆえ、権力を掌握したとたん、天狗になる人も出てくるかもしれません。そんな時は、みんなで忠告し、いい政治をするよう仕向けるべきでしょう。それにしても、日本は国を思う人にも私利私欲で動いたり、オレオレみたいな、功名心のみに価値をおく人物が何と多いことでしょう!そうではない真に国を思う人の登場を、みんなで力をあわせて発掘すべきではないでしょうか。

青い風船の会や2ch、Mixi、フリーチベットなどにそのような人物が見受けられると聞いて、私などとても楽しみにしています。
がんばれ!若者たちの手で、沈滞化した日本政治をぜひ変えていただきたい!そう心から願っております。

■2008/07/10 (木) 加藤紘一発言に対する緊急街頭抗議のお知らせ
金正日が拉致問題を認め、謝罪したことについても「天皇陛下みたいな人物だ」と述べたのです。(産経ニュースより)

テロリスト独裁者と我が国の天皇陛下を同一視するような不敬極まりない発言は、絶対に許されるべきものではありません。拉致はテロだというのが、国民、自民党、政府の共通の認識であり、だからこそ日本政府も、米国のテロ支援国家解除に反対してきたのです。私達はこの不敬売国政治家の議員辞職とさらなる責任を追及すべく、緊急抗議街宣活動をに起ち上がります。全国の草莾の皆さん、渋谷ハチ公前に集まり、抗議の声をあげましょう。


(今日は11日なので、もう遅いですね。掲載が遅くなってすみません。by日本のお姉さん)


街宣活動詳細
場所:JR渋谷駅ハチ公前広場
日時:平成20年7月10日(木)12時00分~14時  
その後、流し街宣 17時~19時

平成20年7月11日(金)12時00分~14時  
その後、流し街宣17時~19時

主催:拉致問題を考える草莾全国地方議員の会・
青い風船の会(草莾日本運動)

早速、横川氏より<<加藤氏の暴言、
私自身もいろいろと申し上げたいこともあるのですが、今現在拉致被害者の家族の方は今まで以上に苦しんでおられるのではないでしょうか。
先日横田夫人をテレビで拝見しましたが、教会で「天国に召された時、めぐみと出会い、苦労を慰めあうことができることを願っています」(完全には記憶していませんので詳細についてはご容赦下さい)とおっしゃっていました。

どのようなご事情があるのかわかりませんが、このようなことを被害者のご家族に吐露させる現政権は何たる腑抜けでしょう。

そのような中での、加藤氏、デウ゛ィ夫人、その他もろもろの心無い行動、言動許されていいものなのでしょうか。確かに日本は言論の自由が認められており何を言おうと自由です。しかし、国民を守ることを第一とすべき議員のいうことでしょうか。それ以上に腹立たしいのが産経新聞を除くマスコミ各位です。このような暴言を取り上げるところが全然無いのです。一体日本はどうなっているのでしょうか。

映画「靖国」のとき稲田議員の国会質問を言論の自由をどうのこうのと言い募りヒステリー状態にあった彼らはどうして加藤氏を糾弾しないのでしょうか。まさにマスコミ各位の正体これに極れりというところでしょうか>>