中国貴州省少数民族自治区で、「事件のもみ消しに激怒した」群衆数万人が暴徒化、公安庁舎を焼き払う。
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▼中国貴州省少数民族自治区で、「事件のもみ消しに激怒した」群衆数万人が暴徒化、公安庁舎を焼き払う。(じじ放談)
6月30日付け産経ニュースは「中国貴州で数万人が暴動。事件処理をめぐり公安局庁舎炎上」と題する以下の記事を掲載した。(文責:産経新聞北京支局、野口東秀記者)なお、筆者の責任で「調査→犯罪捜査」と改め文意を正確に表現すべく訂正した。
1.中国貴州省甕安県で28日、15歳の女子中学生が乱暴された上殺害されたとみられる事件で、当局のあいまいな事件処理に怒った住民約1万人が県政府庁舎や公安局を襲撃、数十台の警察車両が燃やされた。集まった住民は数万人という情報もある。
2.(暴動)鎮圧に当たった当局側の発砲で、1人が死亡したといい、中国国営新華社通信も29日暴動の事実を伝えた。(暴動)鎮圧で約150人が負傷、200人以上が拘束されたという。現地では、汚職や水質汚染に対する住民の不満が高まっており、こうした不満が暴動につながった可能性もある
3.29日付け香港紙などによると、6月21日夜、同級生に呼び出されて外出した女子中学生が帰宅せず、(家人が探したところ)近くの川岸で死亡しているのを発見。家族は現場にいた男2人と同級生を公安局に連行した。約8時間後に(容疑者は)釈放された。公安局は「女子中学生は川に飛び込み自殺した」と説明。家族の犯罪捜査の要求に応じなかった。
4.6月23日には、被害者(女子中学生)の親戚の教師が何者かに殴打され死亡したほか、犯罪捜査を要求した複数の中学生も(公安)当局者に殴打され大けがをしたという。釈放された男は県政府幹部の親族で、当局が事件を隠ぺいしようと図ったとのうわさも流れ暴動につながったようだ。
5.ネットでは、公安庁舎を取り巻く群衆がなだれ込み放火、庁舎が黒煙と炎を上げる様並びに消防車が群衆に囲まれる光景が動画として流れている。甕安県は人口44万人、ミャオ族など少数民族の自治州内にある。
第1.大暴動の動機について
本件は「顔見知りの被疑者が女子中学生を連れ出し、暴行又は姦淫した上で殺害した事件」である。被害者の家族が現場にいた被疑者を警察に連行してつきだしたのであるから、民主主義国家の警察であれば、被疑者の取り調べと犯行現場等の捜査を徹底して行い証拠の収集を行うはずである。被害者の家族は警察が徹底した犯罪捜査をしてくれるものと期待し、捜査の行方を見守ることになる。我が国の警察でも、捜査を手抜きして「自殺と即断する」こともあるから油断はできないが、我が国であれば被害者の家族は警察に徹底捜査を求め、警察がサボタージュして動かないようであれば、マスコミやネットで警察の不作為を糾弾し職務精励を促す等、非暴力的手段で抗議する道が残っている。
中国は共産党独裁国家である。司法、行政、立法の上に共産党が君臨している特異な政治形態である。メディアも共産党の管理下にあるほか、裁判所や警察は地方政府や地方の共産党の指揮命令を受ける弱い立場である。地方政府の幹部又はその一族の不正や犯罪を摘発することが困難なシステムになっている。共産党幹部の犯罪を摘発するには共産党中央規律検査委員会という共産党組織を活用する以外手段がないという重大な欠陥がある。
胡錦涛・温家宝が上海閥の汚職を摘発する際、司法機関ではなく共産党中央規律検査委員会を活用したのは周知のとおりである。しかし、昨年秋の共産党第17回大会で党中央規律検査委員会書記に江沢民閥(上海閥)の賀国強が就任したから、汚職摘発が不可能になった。汚職や職権乱用は「やりたい放題」になった。共産党幹部と彼の一族の犯罪と汚職を取り締まる手段がなくなった。
地方政府の幹部は司法、行政、立法の三権を掌握している。地方の党規律検査委員会も押さえている。何をやっても「とがめられることはない」という超法規的な絶対者である。誰もチェックできない。
住民の多くは、地方政府の幹部並びにその一族が職権を濫用して暴利をむさぼっている事実を知っている。幹部の一族が経営する工場が汚水を垂れ流し環境を汚染している事実を知っている。地方政府の幹部の横暴に対する不満が鬱積している。地方政府の幹部が企てる陰謀に対して、民衆の怒りが爆発する土壌がある。
「共産党官僚と人民大衆の敵対的矛盾」が妥協できない水準に高まっている。今回の大暴動は「女子中学生を強姦し殺害した被疑者が地方政府幹部の一族であるから適切な犯罪捜査を行わず、犯罪者を野放しにした警察に対する怒り」である。人民大衆は税金で養われている警察が、共産党幹部の私兵に堕落している現実に怒っているのだ。当然の怒りである。本件と同様の事件が中国各地で発生しているから、当該地域の共産党幹部の個人的資質にすり替えることはできない。共産党独裁国家という構造が生み出した宿ア又は業病といわねばならぬ。
第2.住民の連帯感とネット情報について
腐敗と汚職と暴力にまみれた共産党幹部に虐げられた怒りは人民大衆の連帯感を生みだす。わずか1週間で数万の共鳴者が現れ、地方政府や警察庁舎を襲撃したからそのエネルギーの大きさは驚嘆に値する。加えて、警察車両数十台や警察庁舎を燃やす光景がネットの動画で流布されたという。中国共産党幹部は自らの私利私欲を満たすため武装・公安警察を私兵化している。さらに、人民大衆が団結できないよう密告を奨励し、共産党にとって都合の悪い情報が流布しないよう厳しい情報統制を行っている。さらに官製ブログを立ち上げたり、ネットに書き込む工作員を大量に活用して「世論誘導」に努めている。だが、13億人の人民大衆を騙すことはできない。官製メディアや官製ブログは誰も信用しない。最近、中国共産党機関紙人民日報ウエブサイト「人民網日本語版」には面白い記事がほとんど掲載されない。つまり、共産党の宣伝工作紙に逆戻りしてしまった感じだ。中国人民大衆も同じ感覚で受け止めて購読しないのではなかろうか。「真実を伝えるネット情報を頼りにしている」のではあるまいか。
中国の山間僻地といわれる貴州省において、大衆が大暴動の現場を撮影しネットで動画を流布したという。おそらく、1週間で数万人規模の大暴動に発展したのもネット情報が大きな影響を与えたのではなかろうか。世界史上、最大最悪の中国共産党が如何に情報統制しても、13億人民大衆の目をふさぎ、口を封じることはできない。中国共産党は、人民解放軍将校・兵士が自由にネットを閲覧しないよう通達を出した。中国から台湾への旅行者を増やす取り決めを行った際「法輪功や地下キリスト教会が中国からの旅行者に接触しビラを配布しないように」との条件をつけたという。
(6月30日付け大紀元日本より抜粋)
毛沢東時代のように「鎖国政策」をとるのであれば、人民大衆を目隠しして、耳を塞ぐこともある程度可能かもしれぬ。だが、中国は貿易立国である。外国人も大量に中国で生活している。中国人の外国への旅行者も年間数千万人はいるはずだ。そして、インターネット時代であるから、世界中の出来事にアクセスできる。人民大衆に腰縄・手錠をかけ、「見ざる、聞かざる、言わず」の奴隷状態に閉じ込めておくことはできない。人民大衆を盲目の痴呆状態に留置することは不可能だろう。腐敗と汚職の中国共産党指導部が「13億人民大衆と軍人の管理・統制に尽力するのも、人民大衆と軍人が真実を知ったならば、共産党独裁政権を維持することができない」と自覚しているからだ。だから彼らは人民大衆と軍人を盲目の痴呆状態に留め置くため必死に取り組んでいるのだ。はかない努力というべきである。チベット族の暴動に続いて漢族内でも大規模暴動が頻発、人民大衆は暴力的手段で共産党地方政府と対決するようになった。人民大衆は「密告」や「武力弾圧」を恐れず、公然と反政府・反共産党の旗を掲げ蜂起し始めた。我が国でもネット族が「フリー・チベットなど」で動員を呼びかけ新しい大衆運動を展開している。中国の山間僻地といわれる貴州省を初め中国全土では大規模なスケールで、ネット族の反乱が開始されている。ネット時代は「地域格差がない」ということだろう。世界は狭くなった。
第3、貴州省ミャオ(苗)族等について
「龍の文明・太陽の文明」安田喜憲、PHP新書によれば、ミャオ(苗)族は約7000年前から長江中・下流域及び同支流域で稲作・漁労の太陽と鳳を尊崇する高度な文明を築いた倭族の末裔という。我が大和民族(倭族)と源流を同じくする民族である。約4000年前頃から、北方騎馬民族系の龍の文明に侵食され、長江中・下流域に留まった集団は漢族と同化し独自の文明を失った。雲南省・四川省・貴州省・江西省・湖南省・湖北省に逃れた集団は伝統的な習俗を温存し今日に至っている。我が国と同じ民俗的特徴を温存している。
(貴州省少数民族について)
ミャオ族・・・貴州省を初め湖北・湖南・広西など広い地域に分布し、人口は約730万人。銀の首飾りを多用した民族衣装、歌垣や竜船競渡などで有名。祭りには大小の芦笙が登場する。女性の服装によって、青ミャオ、花ミャオ、白ミャオに分類されることもある。
プイ族・・・貴州省南部を中心に居住し、人口は約254万人。主として水稲耕作を行い、正月にはモチを食べる習慣がある。精霊を信仰し、祖先崇拝が盛んであり、シャーマンは宗教を司り、病気治療も行う。
トン族は人口約250万人、スイ族は人口約34万人、トウチャ族は人口約570万人、コーラオ族は人口が約43万人である。(詳細は略)
(以上、「中国55の少数民族を訪ねて」市川・市橋共著、白水社より抜粋)
我が大和民族(倭族)と源流を同じくするから、習俗も近い。万葉集には筑波山の歌垣の歌がある。古代日本人もミャオ族と同じ歌垣文化を持っていた。プイ族の正月にモチを食べる習慣は現代日本人にも継承されている。今回の暴動地区は、ミャオ族等少数民族の自治区内であるというから、おそらく倭族の末裔が多い地域であろう。もちろん、暴動参加者にはミャオ族等の少数民族だけでなく漢族もいたはずだ。中国共産党幹部の腐敗と汚職に対する怒りは、民族を超えて共有されている。「特権階級である共産党幹部並びにその一族か」、それとも「抑圧された多くの人民大衆か」かが、判断基準となっている。今回の大暴動の特色は、人民大衆自身の権利が奪われたことを理由とする暴動ではなく、「地方政府幹部の子弟を特別扱いして免罪する」司法の不条理
さを糾弾した点にある。「中国ではなぜ法の前の平等が担保されないのか?」という怒りである。「権力者の縁戚者は殺人等の重大犯罪を行っても免罪されるのか?」という怒りである。
第4.今回の大暴動が示唆するもの
今回の大暴動は江戸時代の農民一揆と同様「直接の支配者」の執政に対する不満が爆発したものである。農民一揆と同様「共産党独裁打倒」という戦略を持っていないという意味で、なお「自然発生的暴動」のレベルに止まっている。
以上の限界があるとはいえ、彼ら人民大衆が一命を顧みず、為政者に対する反逆行為を敢行した意義は高く評価されてよい。漢族は「長いものには巻かれろ」と現状追認の「仕方がない」という不甲斐ない民族性を持っていると蔑視されてきた。中国の現実を見ると「漢族もなかなかやるではないか」と評価を改めるべきである。あるいは「窮鼠猫をかむ」という追い詰められた境遇に置かれているのかもしれぬ。「我慢の緒が切れた」ということかもしれぬ中国の虐げられた農民は北京に直訴する等の哀しい取り組みを行っている。最近は上訴村が撤去され拘留される有様だ。13億人民大衆はそろそろ目覚めるべきである。苦しみの根源は地方政府幹部の個人的資質にあるのではない。共産党独裁政権という構造にあることを認識すべきだ。悪の根源を断たないことには苦しみは解決しない。
胡錦涛・温家宝の一見も物分かりの良いパフォーマンスに騙されてはならない。彼らは地方政府の腐敗と汚職、暴力と職権乱用の親玉であることを見落としてはならない。法輪功、地下キリスト教会、搾取されている8億の農民、都市下層労働者、チベット族、ウイグル族など、被抑圧人民大衆が連帯の輪を広げるべきである。共産党並びに関連団体からの離脱表明を行っている約4000万人の軍人・公務員・国有及び民間企業従業員が幅広く統一戦線を結成し「打倒共産党独裁」を目指すべきである。我が国では、政財界・マスコミ・学界など広範な有識者が「腐敗と汚職、暴力と職権乱用の共産党指導部」を支援している。中国13億人民大衆と敵対する共産党指導部を支援している。遠からず発生するであろう中国民主革命が成功したならば、我が国の「媚中・親中」の指導者の犯罪的役割が暴露され、指弾されるであろう。断言できる。
という訳で、心ある日本人であれば、中国の未来を切り開く中国の民主革命勢力を支援するはずだ。そして、中国の民主革命の成功を共に喜びあうはずだ。今回の大暴動は年間約8万件発生している暴動の一つである。今後もさらに規模を拡大した暴動が頻発する。一つ一つの暴動が「捨て石」となって新たな地平線を切り開く。貴州省甕安県の住民数万人の勇気ある正義の行動を高く評価する。中国の未来は彼らのものである。