欧州に憑いた亡霊 バルカン取引の影は今もなお (青皮の手帖) | 日本のお姉さん

欧州に憑いた亡霊 バルカン取引の影は今もなお (青皮の手帖)

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▼欧州に憑いた亡霊 バルカン取引の影は今もなお (青皮の手帖)
現在の欧州情勢には、第2次大戦末期にイギリスのチャーチル首相とソビエトの最高指導者スターリンが会談し、2人の間で取り交わされた「バルカン取引」の影が今もなお尾を引き摺っている。1944年10月、モスクワでこの2人による秘密会談があった。ヤルタ会談へ向けた事前の秘密会談である。重要なポイントは、この場には米ルーズベルト大統領の参加が無かったことである。つまり、アメリカ合衆国はカヤの外に置かれたのだ。
 【チャーチルが提示した「バルカン取引」に関するメモ】
このメモの内容は以下のとおりである。
***********************
ルーマニア
     ソ連 90%
     英国 10%
ギリシャ
     英国 90%
     ソ連 10%
ユーゴスラビア
      50/50
ハンガリー
      50/50
ブルガリア
     ソ連 75%
     英国 25%
*********************
このメモの提示を受けたスターリンは、最上部にあるルーマニアの国名下に青鉛筆で線を引き「承認」との意思を表したという。上掲した写真にもその跡が残っている。ヤルタ会談を経て、戦後、これらの約束は反故にされ、スターリンはバルカン半島全域を共産化し、衛星国支配を目論んだ。もちろん英国のチャーチルは激しく反発し、ルーズベルトの後を継いだトルーマン米大統領もソ連を敵視するようになり、これが冷戦へと発展するひとつの要因ともなった。
 
参考サイト:
└ ヤルタ会談 -Wikipedia- (ウィキペディア)
└ 冷戦 -Wikipedia- (ウィキペディア)
└ 鉄のカーテン -Wikipedia- (ウィキペディア)
 
現在のヨーロッパ諸国も、これらの影を引き摺っておりその後遺症に悩んでいる。旧西側を中心としたEU体制の下、ヨーロッパの単一化を図って加盟国を拡大しているが、後発国や問題国家などへのニンジン作戦としてのEU加盟という色彩が強く、いずれ内部摩擦が激化するであろう。そうなれば新たな問題を生み出すこととなり、不安定地域は欧州の不安要素そのものとなりかねない。
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▼バルカン外交を強化せよ! 今こそ近攻遠交を (青皮の手帖)
福田康夫が総理大臣の座に就き、国会だけでなく日本政府事態が捩れてしまっている。特に東アジア情勢を顧みると、無残なまでの現実を目の前に叩きつけられる。この惨状には目を覆うばかりだ。
 
●「米朝合意はジャパン・ナッシングの一環」
米朝合意が本格化し始めるとほぼ同時に、東アジアでは日本に対する壊滅圧力が強まりつつある。沖縄米海兵隊縮小化によるミリタリー・パフォーマンスの低下や北方領土問題膠着化による実効支配の放棄、聖火リレーでの中国人横暴化黙認、問題棚上げによる韓国への竹島譲渡、東シナ海ガス田の実質的譲歩と領海譲渡の現実、台湾船の尖閣領域侵入激突事件、移民1000万人構想の中国人受け入れ案、人権擁護法案推進派の現実…。例を挙げたらキリがないくらいだ。これらはすべて「ジャパン・ナッシング」と結びついている。
 
こういうときは基本に立ち返り、日本国のあり方を熟慮して近攻遠交策を見直すのも重要なカギとなる。そこで再び浮上するのがバルカン外交の強化である。日本に居て中国や北朝鮮、韓国といった特定アジアへの近攻遠交で頼れるのはアメリカしかないと近視眼的に視野が狭窄化しやすいが、実際はそうではない。遠交とはもっと壮大なスケールで考えるものなのである。以前から何度も挙げてきたが、バルカン情勢こそ日本にとっての天佑ではなかろうか。あの地域に対して戦略的な遠交を仕掛けてこそ東アジア情勢における突破口ともなろう。打つ手はいろいろあるはずだ。
参考サイト:
└ ボスポラス海峡 -Wikipedia- (ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%A9%E3%82%B9%E6%B5%B7%E5%B3%A1


└ ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争 -Wikipedia- (ウィキペディア)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%B9%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%84%E3%82%A7%E3%82%B4%E3%83%93%E3%83%8A%E7%B4%9B%E4%BA%89


└ コソボ地位問題 -Wikipedia- (ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%BD%E3%83%9C%E5%9C%B0%E4%BD%8D%E5%95%8F%E9%A1%8C

 
上記の地図や参考サイトにあるとおり本当のバルカン半島はモザイク化している。私が推測するところ、経過的に多極化した白人覇権同士がここで激突すると見ている。しかし、ここでの白人覇権同士の激突は、500年間続いてきた世界の白人支配構造に決定的なダメージになりかねず、欧米白人社会もマジになるハズである。以前に私が書いたエントリで、「バルカン主戦論2008」というかなり過激な謀略策を提言したことがあった。これを書いたのが2007年12月14日であったが、この時はサブプライム爆弾炸裂でパニック相場にある米国金融資本が属国群からおカネ回収の為に非常手段に出てくる可能性を警戒しての提言であった。実は今回もこれの延長線上にある。日本を取り巻く環境は引き続き急激に悪化している。
 
あくまでも方法論のひとつとしてだが、コソヴォ勢力だけでなくセルビア勢力にも金銭供与するのが良いだろう。ヒモ付き金銭供与である。フランス系やイスラエル系の武器商人なんかを紹介してあげて、バルカン半島が紛争必至になるように仕向けるのが面白そうだ。カネの力は偉大である。戦略的にこれを用いることがポイントだ。もし、米国やロシアが文句を言ってきたら、北朝鮮を叩くこととバーターで引っ込めるのである。そう、ズル賢く振る舞うのだ。再び眼を東アジア情勢に向けると暗澹たる思いがする。福田康夫政権のせいで「全方面的な壊走状態」にある。まさしく亡国だ。憂国のブロガーたちが嘆くのも無理はない。何せ本格的な日本瓦解はこれからだからだ。今はまだその序章にすぎないのである。そう、絶望的な危機はこれからなんです。
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