植民地支配讃える五輪聖火…闇に沈む聖都ラサの憂愁(東アジア黙示録) | 日本のお姉さん

植民地支配讃える五輪聖火…闇に沈む聖都ラサの憂愁(東アジア黙示録)

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▼植民地支配讃える五輪聖火…闇に沈む聖都ラサの憂愁(東アジア黙示録)
ウルムチから始まった植民地支配エリアのシナ棒回し。報道される「厳戒態勢」もまたプロパガンダだ。一般市民の立ち入り制限、情報統制…それらは北京虐殺五輪の醜悪な素顔を明かす。「聖火リレーが17日から当局の厳戒態勢下で実施されたが、コースが突然変更され、一般ウイグル人は疎外された」6月20日、米国議会の人権議員連盟が開いた公聴会で、世界ウイグル会議のラビア・カーディル総裁は、東トルキスタンで強行されたシナ棒回しの異常さを批判した。聖火を騙る邪悪な炎は、6月中旬から植民地支配エリアに入った。これまでもシナ棒は雲南のエスニック地域などを回っていたが、中共による侵略・弾圧が続く植民地での政治イベントは意味合いが大きく異なる…
「安全上の理由で、リレー期間中は窓を開けてはいけない」「リレーを見に街頭へは行かず、テレビ中継を見るように」公安当局が通達を出すと共に、ウルムチでは13日ごろから治安部隊が市内各所の巡回をスタート。緊迫した空気に支配されていた。ウルムチの棒回しが公式発表されたのは、実施日の僅か2日前。しかもランナーや一部ルートは非公開だった。一般のウイグル人が「観てはいけない」前代未聞の聖火リレーである。
中共侵略政府は治安部隊要員を大量動員し、16日夜には自動小銃を手にした武装警官がコース附近を隈無くチェック。物々しい警戒態勢が築き上げられた。事実上の夜間外出禁止令である。そして17日の棒回し当日、沿道には大勢の観衆の姿があったが、最前列は開始3時間前に配置された漢族の動員市民、民族衣装を着た“仕込み客”が占拠。一般ウイグル人は、その10メートル後方に張られた規制ロープの外に締め出された。
恐ろしいまでの極端な民族差別である。

【厳戒態勢は“テロとの戦い”の演出】
6月18日のカシュガルは、ウルムチを上回る厳戒態勢が敷かれた。前日からルート周辺のスーパー・銀行・飲食店などを全て閉店させ、迷彩服の治安部隊要員が市内を行進して、市民を威圧した。「政府の人が来て店を閉めろと言ったんです」無理やりシャッターを降ろされた商店主は、当局の強引な措置を嘆く。中共の政治ショーの為に市民生活はマヒし、無用な緊張が生じていたのだ。そこでウイグル人は被害者でしかない。シナ棒の出発会場となったエイティガール・モスクも前日から立ち入り禁止。15世紀に完成した東トルキスタン最大のモスクで、各地から毎日大勢のムスリムが訪れる。民族の誇りである聖域が突如、中共に“武力制圧”された格好だ。カシュガルでも式典会場はもちろんコース沿いは封鎖され、要所の建物の上には武装警官が配置された。そしてイベント中、沿道を埋め尽くしたのも、やはり当局が選んだ“安全なウイグル人”らだった。

コース沿いに立つウイグル女性の胸には聖火のマークが入ったワッペンが付いていた。当局は事前に「許可した市民」に通し番号のワッペンを配って管理し、それ以外のウイグル人を遠ざけたのである。東トルキスタン地域での棒回しに関して各メディアは一様に、当局がテロを警戒しているかのように報じた。だが、それは図らずも中共のプロパガンダを補完するものだ。「過剰な厳戒態勢」もまたトリックなのである。東トルキスタン住民と過激ムスリム集団を結び付けようと躍起になっている中共は、爆破物処理の特殊車両をわざと沿道に駐車。明らかに、ウイグルとテロをセットにした演出だ。大前提は、東トルキスタンが異国人のつくった党に占有され、半世紀以上も過酷な支配を受けている事実。底流にあるあらゆる不満は、そこに根ざす。チベットと全く同じである。

【ラサ市内・周辺に兵力1万人を増派】
東トルキスタン地域の棒回しは、19日のシーホーズなどを含め4都市で強行されたが、チベット中央エリアでは1日に短縮。ラサのみである。これまで各国のチベット支援団体は「NO TORCH IN TIBET」をスローガンに掲げ、中止を呼びかけていた。問題なのはイベント自体よりも、当局がリレー開催を理由に弾圧を強めることであった。しかし、それらの声は届かず、ラサでの暗黒政治ショーは“盛大に”行われた…チョモランマ登頂に続き、チベット実効支配を内外に印象付けるデモンストレーションである。直前まで公表されていなかったが、ルートは最悪のものだった。起点は、市内西部のノルブ・リンカ宮前、そしてゴールはポタラ宮。ノルブ・リンカは18世紀半ばに創建された歴代法王の美しい夏離宮だ。

ダライ・ラマ14世法王猊下は、ポタラ宮よりもノルブリンカ宮を愛しているようで、自伝でも楽しげな思い出話が綴られている。中共当局は、その2つの重要な宮殿を侵略イベントの舞台に選んだのだ。悪質である。ウルムチ、カシュガル同様、ラサでも迷彩服を着た武装警官らが沿道に数メートル間隔で仁王立ちし、コースに至る道路は二重の有刺鉄線で封鎖。異常なまでの厳戒ぶりを演出した。関係者によると、棒回しイベントで動員された兵力は実に1万人を超す規模。チベット侵略鉄道(青蔵鉄道)の区間に7,000人を配置する念の入れようだった。

実際に、前日から治安部隊要員を満載したトラックが市内で頻繁に目撃されていた。過剰な警備が、東トルキスタンの開催都市を上回る規模だったことは明白だ。そして政治色も比較にならない程、濃厚だった…【チベット総督が式典で弾圧正当化を叫ぶ】「チベットの空にはこれから先も永遠に変わることなく、五星紅旗が高くはためくだろう」棒回しのゴールとなったポタラ宮前で、そう張慶黎は宣言した。余りにもストレートな政治的発言で、イベント自体が“五輪精神”とは何ら関わりのないことを自白している。張慶黎は、自治区共産党委書記、即ち植民地チベットの総督にあたる。10年間も宿舎で屠殺鬼・胡錦濤と隣同士だった盟友で、3月に法王猊下を「袈裟をまとった狼」と罵倒した人物。今回のチベット大虐殺の直接の指揮官・責任者だ。

ロイター通信などによれば、更に張慶黎は壇上で、こうも絶叫した。「我々は必ずやダライ派による分裂主義者の陰謀を打ち砕くことが出来るだろう」「雪山と北京が繋がってこそ中華民族はさらに団結し、調和が取れる」その言葉に、ポタラ宮前を占拠した数千人のシナ人が拍手・喝采を送ったという。 これがラサで強行されたシナ棒回しの実態だ。侵略政府による大規模集会、最初から最後まで政治イベントなのである。中華民族団結の為…ポタラ宮前には「民族大団結」などと書かれた花壇があったが、北京ジェノサイド五輪はシナ民族による統治を誇示するもので、被占領民のチベット人は端から無関係だ。占領支配するシナ人がラサで歓声を上げる中、その陰ではチベット人への過酷な弾圧が今も進行している。

【僧院襲撃・略奪の決定的瞬間を撮影】
チベットの人々は平和的に意見を述べただけなのに、獄中で辛い生活を送っている。家族が居場所を知ることもできない。聖火リレーをきっかけに、現状に少しでも光を当てるべきだ」アムネスティ・インターナショナルは、ラサでの棒回しを前にした6月18日、チベット問題に関する報告書を公表。3月以来、1,000人が拘束され、大半が闇で裁かれていると批判した。その2日後、植民地チベットの副主席ペマ・チリンは「1157人が釈放済みだ」と説明。国際社会からの批判を封じようとしたが、奇しくもアムネスティのリポートを裏付ける結果になった。罪のないチベット人を1000人規模で拘束した事実を自ら認めたのである。しかも、釈放された人々が無事に家族の元に戻ったことを確認する方法はない。そして、実際に不当拘束されたチベット人は、その何倍にも上る可能性も高いのだ。そして大地震の余震が続く中でも、救助報道とは裏腹に、四川省に区分されるチベット・カム東部カンゼ地方のダンゴ僧院などでは僧侶の拘束が相次ぎ、当局による高僧の拉致事件も発生していた。また被災地にも比較的近いアムド南部のマチュでは、数百人規模の治安部隊要員が僧院を急襲。トラックで乗り付け、境内になだれ込む瞬間もカメラに収められている。襲撃した治安部隊は、僧院にあった貴重品を根こそぎ略奪して行ったという。マチュの街では3月にも大規模な鎮圧作戦が行われていたが、この僧院襲撃は大地震後の最近の出来事だ。

侵略者の悪業が発覚しているのは、極僅かでしかない。同じような悪夢は今もチベット全域で多発している。「聖火リレーはチベットが置かれた現状に、いくばくかの光を照らす機会となるべきだ」アムネスティはリポートを公表した際に、外国人記者の入域を強く求めた。シナ棒回しに合わせて、海外メディアの記者がラサ入りしたが、取材は限定され、闇に光を照らすには到らなかった。【立ち入り制限が続く中の狂気の祭典】ラサに海外メディアの記者が入ったのは、3月28・29日のお座なりな外交官視察以来だった。実に、2ヵ月半ぶりの入域許可である。香港の5社を含む海外メディア29社が許可を得てラサ入りしたが、2泊3日の限定ツアー形式。国務院新聞弁公室の担当者がベッタリ張り付き、単独取材は許されなかった。自由な報道とは無縁のショーウィンドウ巡回だ。東トルキスタン地域の棒回し取材も同じで、報道陣は指定のバスに押し込まれ、リレー開始後は問答無用で終着点まで連れて行かれたという。当局は報道陣に対しても厳格な荷物チェックを実施。18日のカシュガルでは、出発地点での検査風景を撮影した日本のカメラマンが画像消去を強要され、拘束寸前となる騒ぎもあった。多くのメディアは、現地の厳戒ぶりを伝えたが、取材制限に対して強烈に批判せず、押し黙っている。中共は五輪開催に合わせて自由な報道を公約していた。開幕目前の今、全力で反論するのがジャーナリストとしての責務だ。そしてチベット全域では、メディア封鎖のみならず、未だに外国人旅行者の入域も厳しく制限されている。その状況は、恐らく五輪開催期間も続くだろう。“国内”の広大な地域をオフリミットにする中で、五輪が開催されようとしているのだ。その異常性を今こそ問い直す必要がある。

カシュガルでは、リレーを観ようと沿道近くにやって来たものの制止され、鉄格子の向う側に群がっている市民の姿があった。人々が自由に観ることすら出来ない聖火リレーなど、過去に存在しただろうか…また、ラサ市内の沿道で観覧を許可されたのは、政府機関や国有企業の職員らばかりだったという。つまり、中共党員や党とのコネを持つ者が選抜されたようだ。そうした待遇差別は、本大会の縮図でもある。北京ジェノサイド五輪とは、全てのシナ人の為でもなければ、国の威信をかけたものでもない。中共という独裁政党による党の威信をかけた政治の祭典なのだ。正にナチス五輪の再来。さらに“国土”の大部分が立ち入り制限区域であり、そこで軍隊が弾圧を続行している状況など鑑みれば、1936年のベルリン五輪をも凌ぐ醜悪な政治ショーだ。21世紀に生きる人々は間もなく、その目撃者となる。北京ジェノサイド五輪開幕まで、あと46日。〆最後まで読んで頂き有り難うございます