ロシア政治経済ジャーナル
ようちゃん、おすすめ記事。↓ロシア政治経済ジャーナル
★イラン攻撃の準備をこっそりと・・・
全世界のRPE読者のみなさまこんにちは!いつもありがとうございます。北野です。「島唄」などのヒットで知られるザ・ブームの宮沢さん。
最近はよく、ブラジル日系人のところにいくそうです。「子供たちに胸をはって残せる日本と世界をつくっていきたい。僕は音楽家だから、音楽を通して世界をよくしていきたい」とのこと。最近、「自分の得意分野で日本と世界に貢献していきたい」という人が増えています。一般人レベルでは意識が大きく変化しはじめている。しかし、いまだに「戦争したいな・・・」「人を殺してもお金儲けたいな・・・」と考えている人々もいます。世界の人々の注目は今、1、オリンピック 2、アメリカ大統領選挙でしょう。で、ブッシュが何やっているか、あまり注目されなくなっている。この機会を利用して、こっそりイラン攻撃の準備が進められています。
▼インチキ・イラク戦争
さて、今までうざったいほど書いてきましたが、イラク戦争の根拠は全部「大ウソ」だったことが暴露されています。↓
<米上院報告書、イラク開戦前の機密情報を全面否定>
【ワシントン=貞広貴志】米上院情報特別委員会は8日、イラク戦争の開戦前に米政府が持っていたフセイン政権の大量破壊兵器計画や、国際テロ組織アル・カーイダとの関係についての情報を検証した報告書を発表した。>
(読売新聞) -06年 9月9日」<報告書は「フセイン政権が(アル・カーイダ指導者)ウサマ・ビンラーディンと関係を築こうとした証拠はない」と断定、大量破壊兵器計画についても、少なくとも1996年以降、存在しなかったと結論付けた。>(同上)
では本当の理由はなんだったのでしょうか?これはいろいろあるのです。
1、ドル基軸通貨体制防衛。フセインは00年11月、原油の決済通貨をドルからユーロにかえてしまった。06年4月17日付の毎日。
<イラクの旧フセイン政権は00年11月に石油取引をドルからユーロに転換した。国連の人道支援「石油と食料の交換」計画もユーロで実施された。米国は03年のイラク戦争後、石油取引をドルに戻した経過がある>
2、イラクの石油利権確保。アメリカの石油は枯渇しつつある。それで、石油確保がアメリカの最重要課題。しかし、イラクのフセインは、石油利権をロシア・中国・フランスに与えていた。<「イラク開戦の動機は石油」=前FRB議長、回顧録で暴露>07年9月17日15時0分配信 時事通信
【ワシントン17日時事】18年間にわたって世界経済のかじ取りを担ったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が17日刊行 の回顧録で、2003年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、ブッシュ政権を慌てさせている。>
3、アメリカ経済はITバブル崩壊により危機に陥っていた。ブッシュパパも、経済がやばい時期にイラクを攻めました。アメリカでは、00~01年にかけてITバブルが崩壊。しかし、01年のアフガン戦争、03年のイラク戦争により好転し、以後サブプライム問題が顕在化する07年まで好調でした。
これに、ブッシュ支持基盤の利益、つまり
4、石油業界の利益。 5、軍産複合体の利益。 6、イスラエルの利益。 7、キリスト教右派の利益。等々が重なり、イラク戦争ははじまったのです。RPEではもうかれこれ5年ほど、「イラクの次はイランがターゲット」といいつづけています。なぜか?イラクとイランは、民族は違いますが、置かれた状況が非常に似ているのです。
▼なぜイランは敵視される?
アメリカがイランを攻撃したい表向きの理由。これはイラクのときと同じです。イランが「核兵器を開発している」というのです。ところが、「イランは核兵器を開発していない」ことアメリカ自身がみとめています。<<イラン核>米が機密報告の一部公表 「脅威」を下方修正>>07年12月4日11時34分配信 毎日新聞【ワシントン笠原敏彦】マコネル米国家情報長官は3日、イラン核開発に関する最新の 機密報告書「国家情報評価」(NIE)の一部を公表し、イランが03年秋に核兵器開発計画を停止させた、との分析結果を明らかにした。>
これはつまり、アメリカ上層部も一枚岩ではないことを示している。では一体何が問題なのか?基本的にイラク問題と同じ。
1、イランは原油の決済通貨をドルからユーロ・円にかえてしまった。
<イラン、原油のドル建て決済を中止=通信社 07年12月10日9時31分配信 ロイター
[テヘラン 8日 ロイター] イラン学生通信(ISNA)は8日、ノザリ石油相の話として、同国が原油のドル建て決済を完全に中止した、と伝えた。>
数年前からRPEで警告していたように、現在ドル体制の崩壊がすすんでいます。イランの動きがその一因であることは間違いありません。アメリカがイランを放置すれば、他の中東産油国でつくる湾岸協力会議は、予定通り2010年に「湾岸共通通貨」を導入するでしょうすると、アメリカは事実上ドルで原油が買えなくなる。こうなるともう、ソ連崩壊後のルーブルのごとく、ドルは紙切れになってしまう。アメリカは、イランを叩きのめし原油の決済通貨をドルに戻させ、湾岸協力会議の「共通通貨導入」を阻止しなければならない。
2、イランには石油・ガスがたっぷりある。イランの原油埋蔵量は、世界5位とも2位ともいわれています。天然ガスのほうはロシアについで2位。イランは、資源分野でアメリカのライバル中国との関係を深めています。
3、悲惨なアメリカ経済。ブッシュは、二つの戦争でITバブル崩壊を乗り切りました。しかし今再び、アメリカ経済は危機に陥っています。日本で公共事業といえば道路・橋。アメリカで公共事業といえば2次大戦以降、戦争なのです。これが一番てっとりばやい。さらにイラクと同じく
4、石油業界の利益。 5、軍産複合体の利益。 6、イスラエルの利益。 7、キリスト教右派の利益。等々がある。背景がわかったところで、実際何が起こっているのか見てみましょう。
▼進むイラン攻撃の準備
まず4月末。アメリカは、ペルシャ湾に空母を追加派遣しました。↓
<ペルシャ湾に空母追加派遣=イランへの圧力か-米国防長官5月1日7時1分配信 時事通信
【ワシントン30日時事】メキシコ訪問中のゲーツ米国防長官は29日、ペルシャ湾に2隻目の空母を今週派遣することを明らかにした。同長官は「以前から計画されていたもので、長期間の派遣にはならない」と強調、軍事的行動を意味するものではないとしている。ただ、国防総省内では、イランがアフガニスタンやイラクの武装勢力を支援しているとの不満が高まっており、空母派遣はイランへの圧力を掛ける狙いがあるとみられる。>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さらに。イラン側から、「アメリカとイギリスがイランでテロを行っている」という情報が発表されました。↓
<<イラン>「モスク爆発は米英とつながりのあるテロ」情報相。5月9日0時43分配信 毎日新聞
イランのモホセニエジェイ情報相は7日、イラン南部シラーズのモスク(イスラム礼拝所)で4月半ばに起きた大規模な爆発について、「米英とつながりのあるテログループの犯行」と断定、国外逃亡を企てた主犯格を含む5~6人を逮捕したと述べた。イラン学生通信が伝えた。爆発では14人が死亡、約200人が負傷した。【テヘラン支局】>この発表がイラン側の法螺なのか、ホントなのかわかりません。しかし、「アメリカが反米国家の革命運動を支援している」という報告はあちこちで聞かれます。例えば、03年末に「バラ革命」で失脚したグルジアのシュワルナゼ前大統領は。
<混乱の背景に外国情報機関 シェワルナゼ前大統領と会見。野党勢力の大規模デモで辞任に追い込まれたグルジアのシェワルナゼ前大統領は28日、首都トビリシ市内の私邸で朝日新聞記者らと会見した。大統領は混乱の背景に外国の情報機関がからんでいたとの見方を示し、グルジア情勢が不安定化を増すことに懸念を表明した。>(03年11月29日付朝日新聞)さらに、05年3月の「チューリップ革命」で失脚したキルギスのアカエフ大統領は。<「政変では米国の機関が重要な役割を果たした。半年前から米国の主導で『チューリップ革命』が周到に準備されていた」>(時事通信05年4月7日)
さらに、08年6月6日、ブッシュ政権の後ろにいるイスラエルが「対イラン攻撃は不可避」と発言。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~↓
< イスラエルのモファズ運輸相は6日、イスラエル紙に対し、イランに核兵器の製造技術を持たせないための国連制裁は明らかに失敗し、対イラン攻撃は「不可避」とみられると述べた。>(08年6月10日ロイター)さらに、これが一番のニュースだと思うのですが。イランは欧州から資産を引き揚げています。
<イラン、欧州金融セクターから資産を引き揚げ=イラン紙6月10日17時26分配信 ロイター
[テヘラン 10日 ロイター] イランは、同国の核開発プログラムをめぐり、国際社会がイランへの制裁措置の強化に動くとみられることを受け、欧州金融セクターから資産を引き揚げている。10日付のイラン紙が報じた。>
これはどういうことか?北朝鮮がミサイルをぶっ放し、核兵器実験をした。「なんでそんなばかげたことするんだろう?」と調べてみると、北朝鮮はアメリカの金融制裁で苦しんでいた。イランはそのことを知っている。「欧米は今後協調して、イランを金融封鎖してくるだろう」と読んでいる。そうなると、欧米のイラン関連口座はブロックされて資金が動かせなく、なり、イラン経済は壊滅的な打撃を受けるでしょう。それで先手を打って資金を引き揚げているのです。アメリカのこういう手法は、第2次大戦当時からかわっていません。日本も、石油と鉄を輸入できなくなり(ABCD包囲網)暴発させられましたね。もしイランが暴発して先制攻撃をしかければ、アメリカは遠慮なくイランを攻撃することができるのです。最後。
ブッシュさんは6月16日、イギリスを訪問しブラウンさんと会談しました。↓
< 【ロンドン=木村正人】欧州歴訪の最後となる英国を訪問中のブッシュ米大統領は16日、英首相官邸でブラウン首相と会談し、イランがウラン濃縮活動を停止した場合の「包括的見返り案」を正式に拒否すれば制裁を強化することで一致した。首相は会談後の共同記者会見で、イラン最大の国営メリ銀行の海外資産を凍結し、石油・天然ガスなどに関する新制裁を発動する方針を示した。>(6月17日8時1分配信 産経新聞)
アメリカとイギリスのトップが「経済封鎖を進め、イランを封じ込める」決意を示したのであります。さらにブッシュは、<ブッシュ大統領は「すべての選択肢が残っているが、まずは外交的解決を優先する」と述べた。>(同上)まずは外交解決を優先する。しかし、すべての選択肢が残っている。つまり「外交でダメなら攻撃しますよ」といっているのです。ここで、もう一度原点に戻ってみましょう。「イランが核兵器を開発している」というのは、アメリカの「イチャモン」じゃあないですか?
<<イラン核>米が機密報告の一部公表 「脅威」を下方修正。07年12月4日11時34分配信 毎日新聞 【ワシントン笠原敏彦】マコネル米国家情報長官は3日、イラン核開発に関する最新の 機密報告書「国家情報評価」(NIE)の一部を公表し、イランが03年秋に核兵器開発計画を停止させた、との分析結果を明らかにした。>それに、「核兵器を既に開発し、実験し、そのことを宣言した」北朝鮮を 放置し、「テロ支援国家指定解除」しようとしているのはなんなんだ!と。皆さんは既に真実を知っています。イランは、ドル体制に反逆しているので、アメリカ最大の脅威なのです。しかもアメリカ経済がどんどん悪化してきている。ITバブル後のイラク攻撃のように、一石二鳥(ドルを防衛し、景気も回復させる)を狙いたくなる気持ちもわかります。
▼問題は世論つくり
ネオコンはPRが下手で、「イラク戦争のウソ」がばればれになってしまいました。おかげさまで、ブッシュとアフマディネジャドは「同じくらい信用できない」ということになってしまった。「アメリカは民主主義の守護神」なんて日本人以外誰も信じていない。↓
<<指導者信頼度>米、イラン大統領…20%台、ほぼ同率6月18日0時15分配信 毎日新聞
【北米総局】国際的指導者8人について米国の大学などが各国で行った信頼度調査で、米国のブッシュ大統領は23%で6位にとどまり、ブッシュ政権と核問題で対立するイランのアフマディネジャド大統領の22%とほぼ同率だったことが分かった。>共和党としては、うまい理由づくりをして(理想は真珠湾攻撃・9.11など)国民の熱狂的支持を得てイラン攻撃に踏み切りたいところでしょう。そうなるとマケインさんの勝利は確実。しかし、アメリカ国内で「イランは核兵器開発をしていない」という情報が出てくるのをみてもわかるように、この国の上層部も相当分裂している。はたして、「洗脳」がうまくいくのかどうか・・・。(おわり)