頂門の一針
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どちらも首相にはね・・・
━━━━━━━━━━古澤 襄
世論調査がマンネリ化して面白くなくなったという声をよく聞く。1週 間おきに電話調査をやってもクルクル回答が変わる。回答する方もいい 加減な返答をしているのではないかと疑いたくなる。そんな中で毎日新聞社がやっている福田氏と小沢氏のどちらが首相にふさわしいか?という継続世論調査は目先が変わっていて面白い。4月から始まって6月が3度目。5月調査では「小沢首相」が「福田首相」を上回った。現職の総理大臣としては不名誉な話だが、小沢18%、福田14%だから小沢氏も威張れたものではない。「どちらもふさわしくない」が多数意見だった。
6月調査では福田19%、小沢15%で逆転したが、この数字では福田さん も胸を張って喜ぶわけにはいかない。「どちらもふさわしくない」が57 %で圧倒的多数だという。考えさせられる調査結果である。自民党も民主党も新しいカードを出して「どちらが首相にふさわしいか」と国民に問う時期を迎えているのではなかろうか。
<毎日新聞が14、15両日に実施した全国世論調査(電話)で、福田康夫 首相と小沢一郎民主党代表のどちらが首相にふさわしいか聞いたところ、福田首相との回答は19%で小沢氏は15%だった。
この質問は4月に開始して今回が3回目。前回5月調査は首相14%、小 沢氏18%と逆転したが、今回は再逆転した。ただ、「どちらもふさわし くない」が57%で、引き続き圧倒的多数だった。
男女別に見ると、男性が首相、小沢氏ともに18%、女性は首相21%、小 沢氏13%だった。年代別では20~30代は小沢氏、40代以上は首相が上回 った。70代以上は首相27%、小沢氏8%と大きく差が開いた。
支持政党別では、自民支持層の53%が首相と答えたのに対し、民主支持 層で小沢氏と答えたのは40%にとどまった。自民支持層、民主支持層の それぞれ40%、53%が「どちらもふさわしくない」と回答しており、首 相、小沢氏ともに支持基盤内の多くから指導力を疑問視されていること が浮かび上がった。
一方、次期衆院選で自民、民主両党のどちらに勝ってほしいか尋ねたと ころ、民主党は前回比5ポイント減の46%、自民党は1ポイント増の25 %で、「その他の政党」が15%だった。この質問は昨年8月調査以降 10回目。常に民主党がリードしているが、前回調査で倍以上に開いた差 は若干縮まった。
支持政党別では、民主支持層の93%が「民主党」と答えたのに対し、自 民支持層で「自民党」と答えたのは79%にとどまった。「支持政党なし」と答えた無党派層は「民主党」の43%が「自民党」の16%を大きく上回ったが、「その他の政党」も225%に上った。(毎日)>
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中国、7年後に初の飲用水道水
━━━━━━━━━━━━━━平井 修一
全国、津々浦々、蛇口をひねれば飲料水が出てくる国は極少数だろう。
瑞穂の国のありがたさ、そして日本人のきめ細かさを小生は誇りとし、 先人の努力に最大限の敬意を表する。ポータルサイト「中国情報局」(略称:サーチナ)が6月7日付で以下の情報を掲載して、小生を驚かせた。
<深セン市:2015年から水道水が飲用可能に広東省深セン市が、水道水の飲用水化計画を進める。2015年にはすべての同市市民が水道水から直接飲むことが可能になるという。実現すれば、中国で初めてとなる>
「中国で初めて」というのはすごい。支那の水道水は飲料水でなく、生 活用水(洗濯、掃除用)で飲料ではないのだ。毎年10兆円を超える軍事 費で1000発の核ミサイルを日本と台湾、沖縄の米軍に向けながら飲料水 がない。いびつな国、異形の大国、支那の面目躍如である。
<ココロカ(東京都港区)は5月26日、四川大地震の被災地に消毒水を生 成する電解水生成装置15台を贈った。被災地で消毒水が不足していると の情報があったことから、電源があれば水道水と食塩から消毒水を生成 できる装置を四川省に贈ることを決めた。中国仕様の装置5台と日本仕様の10台、変圧器を同社社員が持参し、26日に現地入りした>
<浙江省で水処理設備の製造を行う蘭海環保有限公司では5月24日、作業 員が残業をして小型浄水設備の生産を急いでいた。同社は四川での大地 震発生を受け、被災地向けに小型浄水設備50台を生産することを政府に 申し出た。この設備50台で10万人以上の被災者に清潔な生活用水を提供 できるという>
<国家発展改革委員会によれば5月12日の地震発生からこれまでに、四川 省内の被災地に浄水設備24台、小型浄水器720組を設置した他、飲料水用 の消毒剤130万個を供給した。
また救援物資として贈られた水も活用している。ただ、へき地の村など では安全な水が飲める人は人口の3分の1にとどまっているおり、供水施 設の復旧作業を急いでいる>必死で飲料水を確保している姿がうかがえる。森善朗元総理が代表を務める「日本水フォーラム」によると、世界の2割の12億人、特にアジア・太平洋ではその6割の7億人が安全な飲料水を利用できないそうである。
「飲料水がなければ井戸を掘ればいいじゃないか」と小生は思っていた が近年、アジアやアフリカの実情を知って絶望的な気分になった。地下水脈まで1000メートルも掘らなければならないそうだ。もう村人の手に負えない。中国では地下水も枯渇していると聞く。浄水場、下水浄化施設、井戸掘り、水道敷設、灌漑設備、海水の淡水化プラントなど、日本が得意とする技術で世界中の人々が水の恵を得られるように貢献すれば喜ばれるのではないか。
日本は雨のほとんどを海に流している。巨大な貯水場を九州に造り、海 底パイプラインで上海に送水し、そこから中国全土に行きわたるように するということも可能だろう。水を制すれば世界を征することになりは しまいか。
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「開戦排除せず」の重み
━━━━━━━━━━━花岡 信昭
台湾も中国と同様に尖閣諸島の領有権を主張している。その台湾の劉兆 玄行政院長(首相)が立法院(国会)で、日本との領有権をめぐる争い について「開戦の可能性を排除しない」と答弁した。
日本の巡視船と台湾の遊漁船の接触事故についての質疑で、勢いあまっ ての発言ということのようだが、政治リーダーとしては当然の弁である。自分のところの領土であると主張する以上、最終的には戦争で奪い取るのが古今の国際常識だ。サッチャー英首相がフォークランド奪還戦争をやったのも、国際的にはなんら非難されなかった。
台湾にはその国際常識があるのだが、日本にはない。憲法9条の制約に よるもので、そこが日本の外交パワーを減殺させる最大の要因だ。 北朝鮮が拉致問題について「再調査」を約束したことで、対北制裁の部 分解除が進められる方向なのだという。北朝鮮の手口には、これまで何 度も煮え湯を飲まされてきたはずなのだが、日本政界の一部にある歓迎 ムードはいったい何なのか。拉致問題は北朝鮮の国家犯罪だ。ひそかに侵入した工作員によって大量の日本人が拉致され、日本の主権が侵害された。
国民の生命を守るのが国家の最高の責務であるはずなのだが、日本政府 はこれを果たせなかった。その屈辱感が政治指導者にいまもあるのかと いうと、これまたなんともあやしい。
憲法9条があろうとも、主権侵害に対する防衛手段は否定していないの だろうから、拉致問題は「開戦排除せず」の対象であるはずだ。対北制 裁は戦争の代替手段としての意味があったからこそ、北朝鮮は「宣戦布 告だ」と反発してきたのである。「開戦」の一歩手前でのぎりぎりの外交交渉なのだという深刻な認識が、日本政治には決定的に欠けている。再調査の表明程度で一定の進展があったとし、「それ制裁解除だ」となるのも、そのためだ。拉致も領土も同様だ。ハナから「竹光」であることが分かっているサムライなど、怖くもなんともない。
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話 の 福 袋
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◎人工降雨作業中のロシア空軍機、誤ってセメント降らす
[モスクワ 17日 ロイター] ロシア空軍機が先週、モスクワ郊外 の住宅に25キロのセメントが入った袋を落としていたことが分かった。空軍機は祝日に雨が降るのを避けるため、雲を作っている作業中だった。地元メディアが17日伝えた。警察は、地元通信社に「首都周辺で晴天を作るために使われたセメント1袋が高空で完全に粉砕せず、民家の屋根に落下、約80―100センチの穴を開けた」と説明した。ロシアでは主要な祝日を前に、モスクワ上空に雲を作って湿気を除去するため、空軍がヨウ化銀や液体窒素、セメント粉末を搭載した貨物輸送機を飛ばすことがよくある。6月18日9時16分配信 ロイター
◎カブトエビで草取り要らず コメ無農薬栽培、拡大へ
「田んぼの草取り虫」とも呼ばれるカブトエビを活用したコメの無農薬 ・減農薬栽培に取り組む福島市内の生産者団体が、悪戦苦闘しながら栽 培の拡大に取り組んでいる。
カブトエビが自然発生した水田では昨年、一定の収量確保に成功。カブ トエビをほかの水田で繁殖させ、栽培面積を増やすのが次の目標だ。今 年は繁殖の拡大に失敗したがノウハウは蓄積されつつあり、カブトエビ 農法の研究者も同団体の取り組みに注目している。
カブトエビ農法に取り組んでいるのは、「やまろく米出荷協議会」。昨 年、福島市金谷川の水田で大量発生したカブトエビを活用して農薬を使 わないコメ作りを始めた。カブトエビが水田の雑草を食べるほか、土を掘り起こして水を濁らせることで植物の光合成を抑制。草取り作業はほとんど必要がなかったという。
初年度は30アールで実施。収量は、農薬を使った場合に比べて1割程度 落ち込んだが、収穫したコメの販売価格は6、7割高く設定できた。
協議会は4月、繁殖拡大に着手した。カブトエビが産卵したとみられる 水田の土を金谷川や登米市の農家から譲り受け、会員農家5戸の水田に 数十キロずつ入れた。しかし、卵はふ化したものの、大量発生には至ら なかった。
観察の結果、カブトエビはカエルやヤゴに一定数が食べられるため、大 量のふ化が必要なことが判明した。カエルを食用とするヘビがいると、 成長するカブトエビが多いことも分かってきた。カブトエビ農法に詳しい長島孝之東京農大准教授は、同協議会の試みに注目。「卵が産み付けられた土を十分乾燥させ、ふ化の際は一気に水を与える必要がある」と繁殖拡大のためのポイントを助言する。協議会は今月末、会員農家向けに研修会を開き、栽培拡大の可能性を話し合う。協議会事務局のコメ販売業佐藤正夫さん(68)は「カブトエビの生息は環境に優しいコメ作りの証し。何とか繁殖を拡大させ、普及につなげたい」と意気込んでいる。
[カブトエビ] 淡水に生息する甲殻類で、体長は数センチほど。約3 億年前からほとんど姿が変わらないため「生きた化石」と呼ばれる。泥 をかき分けながら泳ぎ回る習性があり、水を濁らせる。
2008年06月18日水曜日 河北新報