口先介入するところまで追い込まれている米国政府(クルーク) | 日本のお姉さん

口先介入するところまで追い込まれている米国政府(クルーク)

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▼口先介入するところまで追い込まれている米国政府(クルーク)
ここ数日、米国の金融当局者は、一斉にドル安の進展に懸念を示しています。6月9日、ポールソン米財務長官は、米CNBCテレビのインタビューにおいて、「(ドル買いの市場)介入を検討対象から排除しない」と発言し、ドル買い介入も辞さない姿勢を示しました。また同じ日、ニューヨーク連銀のガイトナー総裁も講演で「国際金融市場でドルの役割は極めて重要だ」と指摘した上で「通貨価値の変化に無関心でいられる政府や中央銀行はない」と発言し、政府だけでなく中央銀行もドル安に注意を払っていることを強調しています。
米金融当局者がドル安を懸念する大きな理由はインフレの進展です。4月の米消費者物価指数は、前年同月比3.9%の上昇と伸びが高止まりしているほか、原油価格が1バレル130ドルを超える状況は、今後も物価上昇が加速する可能性を感じさせます。ドル安は、ドル建ての輸入物価を押し上げる効果がありますので、インフレを抑制したい当局としては、これ以上のドル安に歯止めをかけたいところです。
米金融当局者がドル安を止めるには、金利を引き上げ(利上げして)ドル買いを促すのが自然です。しかし米国景気は、雇用者数が減少を続けるなど楽観視できる状況ではありません。サブプライムローン問題の原因とされる住宅価格の下落を食い止めるためにも、米金融当局者は利下げを選ぶことは難しい状況です。このため、今の当局者にできることは、為替介入という手段を市場にチラつかせる、いわゆる口先介入をすることくらいといえます。
為替市場では、米金融当局者が相次いでドル安懸念発言をしたことで、ドル買い介入の観測が高まり、ドル高が進みました。6月10日の東京外国為替市場では、ドル円レートが3ヵ月半ぶりとなる1ドル=107円台に達しています。
しかし、一般的に口先介入の効果は短期的なものといわれ、口先介入だけでドルをいつまでも押し上げることは難しい気もします。口先介入の真実味を増すためにも、もしかしたら米金融当局者は、本当にドル買い介入に踏み切る可能性も捨て切れません。この場合、これまで市場への介入を否定し続けてきた米国政府が、ドル高政策を守るために自らの思想を自ら否定することを意味します。それくらい今の米国経済は追い込まれていると考えることもできるのかもしれません。
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▼米人権派にハッカー攻撃 中国から侵入図ると議員(iza)
中国の人権問題に熱心に取り組んでいるフランク・ウルフ米下院議員は11日記者会見し、同議員スタッフのパソコンがハッカー攻撃を受け、侵入は中国国内から試みられていたとみられると連邦捜査局(FBI)から伝えられたと明らかにした。侵入が試みられたのは2006年8月で、パソコンには世界各国の反体制派や人権活動家に関する機密情報のデータが含まれていたという。会見に同席したクリストファー・スミス下院議員も自身のパソコンが中国国内からハッカー攻撃を受けたと述べ、中国政府の仕業だと指摘した。ウルフ議員は同日、議会のコンピューターシステムの保安強化を求める決議案を提出した。
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▼被災地からもどってきて④感染症の恐怖? (福島香織)
■お久しぶりです。北京で行われている日朝協議がどういう展開になるのか分からないので、ほかのアポが入らない福島です。こういうときは、さくっとブログでも更新するのがいい。というわけで、日本の読者の関心はすでに薄くなりつつあるとはしりつつ、しつこく被災地報告です。きょうは四川大地震1カ月。犠牲者の方々に哀悼を。
■被災地にひそむ感染症の恐怖負傷者の1割がガスえそ~?四川省は疫病の宝庫なのだ

■被災地から帰ってきて洗濯すると、黒いズボンに黄色い染みが点々ととれないでいる。よく見ると、それは染みではなく、消毒薬(塩素系漂白剤?)のしぶきかかったところの染料が抜けていたのだった。被災現場から出入りするたび、車も人もいやというほど消毒薬を浴びせられた。それほど、四川大地震では防疫に重点が置かれた。
■被災現場にいるあいだ、WHOや上海パスツール研究所の方から、被災地の感染症の状況などの問い合わせがあったが、正直、その質問に十分答えられるだけの情報は現地でも入らなかった。感染症の広がり具合は、素人の私にはなかなか見えない。しかしながら、中国が何をおそれてかくまでに、防疫に敏感になっているかはおぼろげながらわかる。四川省はそれほど疫病の流行り安い土壌なのだ。今回エントリーは中国の感染症と防疫体制について、かるく説明したい。

■大地震の防疫総指揮部が12日に発表したところによると、震災後、被災地で大規模感染症の発生はなかった、ということだった。心配されていたのは水を介したコレラ、赤痢などのA型肝炎、人の密集する避難所でのインフルエンザ、はしか、虫を媒介とした熱病、脳炎、最後にネズミを媒介とするペストの流行だったが、いずれも患者がとくに増えたという報告はなかったという。とりあえず、信じてみよう。

■指揮部では、これらの流行を防ぐために、これでもかこれでもか、というほど消毒薬をまいていた。雑誌財経によれば、10万平方㌔㍍の被災地の防疫のために、十数万人の衛生・防疫対策員が出動したそうな。

■成都から被災現場にいってもどろうとすると、道路に何カ所も関所がもうけられて、車のタイヤはもとより、車内のシート、マット、私や運転手の靴、衣服、鞄などにシュシュシュシュと消毒液を噴霧する。映秀鎮から成都までの間で、3カ所はある。

■被災地は、どこもかしこも消毒薬のにおいでくらくらするほど。被災地の農村のトイレにいくと、石灰で真っ白だった。農村部の被災地では遺体は瓦礫の下から掘り出されては、すぐに地面の下3㍍くらいの深さにうめて、上から石灰、土、消毒薬、石灰、土、消毒薬といったかっこうで厳重に埋めていた。

■北川など遺体が瓦礫の下に放置したままの場所は飛行機から消毒薬、殺虫剤を大量に投下して、防護服がなければ、人が倒れてしまうくらいの消毒・殺虫をほどこした。殺虫剤まくのはいいけど、水質汚染の原因にならないかしら、とちょっと心配。

■こういった努力でとりあえずは防疫作戦は成功(ほんとう?)している。だが、実はなにも感染症が発生していなかったか、というとそうではなくて、5月27日に、衛生省の疾病予防コントロール局の斉小秋局長が、負傷者のガス壊疽感染がすでに3・5万人以上にのぼることを訴えていた。これは当時の負傷者数のざっと1割にあたるので、蔓延といってもいいかもしれない。

■いわゆるクロストリジウム性ガス壊疽というやつで、傷口に土が触れたことから、クロストリジウム属の嫌気性(空気がきらいだから土や泥のなかにいる)の複数の菌が傷口で増殖し、その菌の出す毒素で筋肉が壊疽になる。

■これは感染して最短6時間後に発症。すごい痛いらしい。皮膚は青銅色にかわり、腐敗臭のする体液が傷口からにじみでて、軟部組織にガスがたまる、そうだ。衛生省当局は、この3・5万人の感染者について適切な処置が施されている、と説明しているが、致死率がすごく高くいらしい(ショック死)。6月3日には衛生省は「ガス壊疽診療に関する意見書」を出し、「早期の診断、手術こそ、患者の四肢保全、そして命を救うポイント」と指示を出した。こういう指示が出るということは、今でも被災地の医療現場の多くが、適切な治療を行えていない、ということだろう。

■同時に、命を救うためには四肢切断など過酷な手術の決断を瞬時にせねばならず、現場医療関係者のプレッシャーはいかほどか。この地震後、命が救われても、四肢を失った被災者が増えるだろうけれど、彼らの生活がどういった形で保障されるか、ものすごく心配になった。

■衛生省によれば、治療方法は、まず傷口を洗う。ペニシリン投与が予防になる。一旦感染してしまうと、傷口を切り開いて、3%以上の酸素剤で洗浄する(この種の菌は熱や乾燥には強いが、嫌気性だから酸素を吹き付けると死ぬらしい?)。で、最終的には手術で、壊疽組織を切除しかない。

■そのほか、手術室は隔離しろとか、手術する医師は手にケガをしていたらだめだとか、必ず手袋しろとか、患者から医療者への感染防止にたいする注意も指示していた。

■嫌気性だから、普段の状況で感染する可能性は低いかもしれないが、被災地で転んだりして擦り傷負ったり、山によじ登って封鎖された被災地のぞいたりして、取材している記者はけっこう感染リスクたかかったのかも、と改めておもった。無知ほど強い者はないな。


■さて、とりあえず地震後一ヶ月目は深刻なアウトブレークはなかったといえども、誰もホッとはできない。なぜなら、四川省あたり、つまり中国南西部は、もともと疫病の多い土地柄なのだ。湿気があり夏はむしぶろのように暑い。ウイルスや病原菌には絶好の繁殖場だ。だから、殺菌作用のある唐辛子を大量に食べる食習慣が根付いたらしい。

■今後、感染症として何を警戒すればよいのか。雑誌・財経の特集をクオートしつつ四川省の風土病からみた潜在的リスクを考えてみよう。

■まず、ネズミ類を媒介とするペスト。え、ペスト菌って中国にあるんですか?と驚く方がいらっしゃるかもしれないが、はっきりいって、ペストはチベット高原や四川省の山奥に元気でいる。今回の被災地である甘粛、青海、雲南、貴州などみなペスト発生の可能性がある地域だ。四川省甘孜州の石渠権は青海モグラによるペスト疫源地だ。徳格県はヒマラヤ・テンのペスト疫源地。06年から07年に、同州のハン枝花地区は農村の飼い犬の血液中からペストF1抗体の陽性反応が出たことがあるという。

■次ぎに炭疽菌。震源地汶川県が位置する、アバ・チベット族チャン族自治州、甘孜チベット族自治区、涼山イ族自治州は炭疽菌が流行したことのある地域だ。炭疽菌は感染した動物の血液、糞尿、ミルク、病死の家畜の内臓、骨などから直接人に感染することも。

■そしてなんと言っても恐ろしいのは、水源汚染による感染。コレラ、チフス、感染性下痢、E型肝炎。特にE型肝炎は、一旦ブレークすると、流行時間は長く、有効な薬物治療がない。若い人がかかりやすく、妊婦の死亡率は高い。水源が糞便などに汚染されることで、流行が発生する可能性がある、という。

■このほか、家畜やねずみの糞尿が水質を汚染して感染が広がるレプトスピラ症や出血熱、水辺の蚊の大量発生が原因となりうるB型脳炎なども心配されている。レプトスピラ症は普通なら、風邪程度の症状だが、黄疸熱とか症状の激しいケースもあるから注意が必要だという。衛生省は5月18日いペスト、コレラ、炭疽の三種類の伝染病に関しては対策案を発表しているが、ほかにもまだまだ、潜在リスクのある感染症が潜んでいるようだ。


■そして、中国メディアも衛生省もあまり触れていないけれど、個人的にどうも気になってしかたないことがある。エンテロウイルスと新型インフルエンザである。正直、無知ゆえの取り越し苦労かもしれないが、安徽省やその周辺でびっくりする速度で広がったエンテロウイルスによる「手足口病」は、未だにほんとうに手足口病なのか、と思ってしまう。。

■ちなみに北京で手足口病は6月2日現在で8283人に広がり子供3人が死亡。じわじわと広がっている気がする。今感染拡大速度は若干おちているそうだが、一般に手足口病の季節は初夏から夏なので、これからがピークといってもいいだろう。病院機能がマヒしている被災地で、この致死率の高いエンテロ感染がはやり出すとやっかいなことになるのではないだろうか。避難テント村や仮設住宅で密集生活を送っている被災者の間だと、どんな予防・対策がとれるのだろうか?

■さらに、夏はそう心配ないかもしれないが、その後の秋・冬の季節はインフルエンザが心配だ。四川は盆地だから夏は蒸し暑いが、冬はさむいのだ。香港は今月にはいり鳥インフルエンザが発生して、中国への鶏肉輸出一時停止措置がとられているが、豪雪被害など異常気象の年は疫病がはやりやすいといわれている。とにかく、今の中国は、とりあえず五輪を無事にやろう、と気をはっているが、五輪が終わったあとの冬、がたっと緊張感がぬけたときが本当は一番、あぶないのだと思う。防疫は、一時的な強化ではなく、被災地の復興が完了するまでの息の長い計画やモニタリングが必用だと思われるし、隠蔽や見過ごしをなくすためにも、国際的な医療機関と積極的に情報交換しつつ対応に当たってほしいものだ。

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